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2019年10月20日

オリンピックなんかやめてしまえ(十月十八日)



 IOCの議長だか委員長だかが、開催地の東京の意向も、開催国に日本の意向も確認することなく、勝手な決定をして、混乱を引き起こしているらしい。マラソンと競歩を札幌に持っていくというのだが、それで炎暑の中での大会の問題がなくなると考えているのなら浅はかとしか言いようがない。選手の健康が一番というのなら、夏の東京でオリンピックを開催すること自体がナンセンスなのだ。

 IOCという組織が腐敗しきった巨大な利権組織であることは知っていたが、鶴の一声ですべてが決まるような独裁組織だというのは知らなかった。それなのに、前回のオリンピックに際して、死病に冒されたチャースラフスカーの願いを聞き入れなかったこの委員長なる男に対する怒りは高まる一方である。こんなのに選手ために云々など抜かしても、信用はできない。いや、有力選手を抱えるスポンサーのためということか。今後、開催を目指す都市にとっては朗報かもしれない。これまでのように何十人ものIOC関係者を買収するよりも、トップ一人を買収すればいいことが明らかになったのだから。
 とまれ、こんなことが起こるのも、日本と言う国がなめられているからであろう。ちょっと強く言えば、多少の無理は唯々諾々と受け入れると思われているのだ。それは、日本という国の国民性でもあろうし、弱腰と批判されることの多い戦後の日本外交のもたらした結果だと言ってもいい。ラグビーのワールドカップのスコットランドが駄々をこねたのも、台風を知らない無知ゆえのおろかさに加えて、日本ならごねれば何とかなるという判断もあったはずだ。その判断が誤っていたことは、日本代表チームが勝つことで示した。


 同時に、IOCの腐敗を告発するとして、これまでの招致に際して、IOC関係者にばら撒いた賄賂、贈物などなどを、失敗した名古屋オリンピックなんかも含めて全部公開してしまえ。どうせ今回の東京オリンピック招致に関して責任者が贈賄の疑いで捜査の対象になっているんだから、因果を含めて全部引っかぶってもらえばいい。同時にIOC関係者が全員摘発されるように圧力をかけるのも忘れてはいけない。
 こういうのは、森元総理だと心もとないので、自民党どころか日本をぶっ壊しかけた小泉元総理に登板願って、「IOCをぶっ壊せ」を合言葉に暴れまわってもらうのがよさそうだ。IOCが自らの利益を求めるせいで、開催地の負担ばかりが大きい形でのオリンピックなどいつまでも続けて生けるわけがないのだから、どこかで誰かが警鐘の声をあげなければならない。その役をオリンピック大好きの日本が担うのも悪くない。戦争でもないのに、開催権返上ともなれば、IOCも問題を軽視することはできなくなるはずだ。

 ただ、4年に一度のオリンピックに向けて努力してきた選手たちのことを考えると、開催権を返上してオリンピックを行わないで済ませるのは申し訳ない。代替の大会を開くのも悪くない。オリンピックは一箇所で一時期に大量のスポーツを行うから開催地の負担も、住民に対する迷惑も含めて過大になるのだ。ならば、個々のスポーツの統括団体と協議の上で日本各地で分散開催するのも悪くない。日本ではさまざまなスポーツの世界選手権が行われてきているのだ。日本の各競技団体はそのノウハウを持っているわけだから、任せてしまえばいい。
 こんなことは世迷言で実現の可能性はまったくない。ただ、ラグビーのワールドカップのおかげで、日本人が日本人であることに誇りを持ち、国民としての一体感を感じている様子を見ると、やれるとすれば今しかないとも思う。そして、実現できる人がいるとすれば、マスコミ受けのいい日本史上最高の煽動政治家小泉元総理しかいない。

 オリンピックじゃなければ、テレビで中継を見ても、負けたと思わずに済むから、こちらの精神衛生上も悪くない。ハンドボールなんてオリンピックじゃなくても見てしまうわけだけど、オリンピックの競技として見ると、敗北感を隠せないのである。
2019年10月19日21時30分。










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