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2019年11月01日

夏時間が終わらない(十月卅日)




 土曜日の準決勝を見て、テレビのEPGプログラムで日曜日の準決勝の開始時間を見たときに、あれっと思った。10時からのはずが、11時からになっているのを見て、ああそう言えばと、時計の針を一周戻さなければならないことに気がついた。毎回時間が変わる時期には、表示に混乱が生じるのだ。ビデオの時間も設定しなおさなければならないのか。今年の春は、これをすっかり忘れていて、タイマーで録画したのに、最初の部分が録画できないと言う事態が発生したのだった。

 それはともかく、ラグビーである。なんで最終週は土日の開催じゃないんだ。金曜の午前中なんて見られないじゃないか。ヨーロッパ時間で夕方ならともかく、午前中じゃテレビで見られる人も限られていると思うのだけど、本当のラグビーファンなら見るために休暇を取るのかなあ。いや、気づくのが早かったら、自分でもやっていたかもしれない。その意味では気づくのが遅くてよかったとは言えるのだけど。
 イングランドに完敗したニュージーランドがどう立て直してくるかが楽しみだったのに。これが北半球同士、南半球同士の試合になっていたら、三位決定戦はそこまで無理してみたいとは思わなかったのだろうけど、準決勝に続いて、決勝も三位決定戦も北と南の対決である。普通ならどちらも旧植民地の南側に勝ってもらいたいと思うところだけど、南ばかりが優勝し続けるのもラグビーにとっていいことかとなると疑問である。準々決勝が終わった時点ではニュージーランドの優勝で決まりだと思っていたからなあ。

 とここまで考えて、やはり南の二国を応援することにした。いや、イギリスのチームを応援できない理由に思い当たったのだ。今回の微妙な体調不良の原因である夏時間。例年は秋の時間の変わり目は平気なことが多いから、その証拠に去年までの三年はブログで取り上げていないし、忘れていて心の準備ができていなかった自分が悪いというのもあるのだけど、来年から廃止されると思っていた、思い込んでいた、確信していた夏時間が、来年も継続される可能性が高いらしいのだ。
 当初ニュースで聞いていた話では、各国が個別に標準時か夏時間かどちらかを選んで、それを一年中使用するという方向だった。だから、チェコとドイツで一時間の時差が発生する可能性もあったわけだ。肥大化してしまったEU内ではすでに時差が存在しているし、さらに東への拡大を画策しているわけだから、今後域内の時差も大きくなることはあっても小さくなることはあるまい。

 それなのに、混乱を避けるためとかで、EU加盟国で話し合いをすることになったらしいというのが最初の問題。確かに好き勝手に選んだ結果、スロバキアが夏時間で、チェコが標準時、ドイツが夏時間なんてことになったら、EU内を国境を越えてひんぱんに移動する人には大変かもしれない。でも、大部分のチェコに引きこもっている人間にはなんの問題もないはずだ。
 その協議が順調に進んでいれば、とやかく文句を言う理由もないのだけど、遅々として進んでおらず、来年までに合意に達するめどが立たないらしい。そうなれば当然来年以降も夏時間による時間の変更が年に二回行われることになるのは当然で、来年も三月の終わりに苦しめられるのはすでに確定のようだ。チェコが夏時間を採用すれば、来年から廃止でも来年は苦しむことになるのだが、これが最後だと思えば苦しみも喜びになる。でも、まだ続くとなると苦しみは苦しみでしかない。

 協議が進まない理由を考えると、これはもう一つしかない。イギリスのEU離脱がいつまでたっても実現しないのが悪い。現状を見ないでごねまくっているイギリスの国会議員に現実を見せ付けるためにも、EU離脱なんてきれいなものではなく、除名してしまえばいいのに。合意なき離脱はEUにも損害を与えるとは言うけれども、現状の中途半端さに比べればはるかにましである。
 それに、EU諸国がイギリスのEU離脱なんて瑣末事に無駄な時間を費やして、懸案中の懸案である夏時間の問題を放置しているのもよくない。毎年EU居住者の大部分に大きな健康被害をもたらし続けている(と誇張しておく)夏時間問題のほうがはるかに重要で緊急性の高い問題であるのは明らかである。これもまたEUの官僚やら政治家やらが、使えないと批判される理由のひとつである。

 ただでさえ、寒くなって、日が短くなって、落ち込む要素は満載だというのに、今年の冬は、期待していただけに、例年以上に陰鬱なものになりそうである。土曜の深夜に夏時間が終わったのに、来年も終わらないというこの気持ちの上での矛盾。
2019年10月31日9時30分。










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