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2020年01月11日

長期滞在許可(正月八日)





 チェコに暮らして長いので、すでに永住許可的なものは持っている。長期滞在許可と訳したくなる言葉を使うし、最近では学生などがビザの代わりに取得できるようになったものも同じような言葉で呼ばれているようだが、我々が持っているものは、許可自体には有効期限はない。ただ、許可についてくる証明書に有効期限があるため、10年に一度延長、もしくは再発行の手続きをしなければならない。その証明書の有効期限が2月の上旬までなので、今月中旬までに申請を済ませておく必要があるのである。
 この許可をもらったのは10年前の2010年のことだが、そのときの話では、5年以上連続で仕事のためにチェコに居住している人、つまり就労ビザでチェコに滞在している人は申請をする権利があるということだった。学生の場合には倍、10年以上連続で学生ビザでチェコに暮らす必要があると言っていた。この情報をもらったときは、オロモウツの外国人警察が担当だったのだが、実際に手続きを始める前に担当が内務省の入国管理局みたいなところに変わっていて、困ったのを覚えている。なぜかこの役所オロモウツにはなく、プシェロフとシュンペルクに置かれているのである。


 この許可の関係で、前回プシェロフに出かけたのは、新しいパスポートを取得した2年前の2018年のことで、そのときの話はすでに書いた。あれこれあって、現在のカード型の長期滞在許可の証明書がもらえたのだが、有効期限は新しくならず、最初のシール型のものと同じだった。そして、最初のカードの発行は無料だけど、二回目以降は申請に際して手数料が必要になるから忘れないようにと言われたのだった。そのときに言われた金額は覚えていないが、今回ネットで確認したら2500コルナ。現金では払えず、事前に郵便局に行って証紙を買っておかなければならないというのも厄介である。

 ということで去年の12月の初めから申請の準備を始めた。申請書は内務省のHPにも挙がっているのだが、2年前にもらってきたものがあるのでそれを使う。必要書類として言われていたのが、賃貸契約書のコピーだが、公証人の証明が必要だった。それでいつものようにホルニー広場の市庁舎のインフォメーションセンターの隣の公証人の事務所に行ったのだけど、いつの間にかなくなっていた。
 知人の話では、無犯罪証明も含めて、この手の証明は、郵便局などに置かれている「チェック・ポイント(czech point)」でできるようになっているようだ。郵便局だと客が多くて待たされる可能性が高いので他を探したら、市役所の中に入っていた。ホルニー広場の市庁舎にもあるようだけど、よくわからないので旧市街の外れに数年前に新しい市役所として建てられた庁舎の中のチェック・ポイントで証明をしてもらった。費用は相変わらず1枚30コルナ。このとき、賃貸契約だけだと不安だったので、念のために仕事の雇用契約書などいくつかの書類のコピーに証明をつけてもらった。

 年末の仕事が休みの時期に行こうと思ったら、その時期は役所もお休み。新年最初の仕事の日1月2日に行くことも考えていたのだが、なまけ気分が抜けなくて断念。今週の月曜日は申請書の記入が終わっておらず、準備が完全に整ったのが昨日のことで、早速今日出かけたのである。ただし、自分が準備した書類で十分なのか、申請書の記述がこれでいいのかなどの不安は付きまとっていた。

 プシェロフの入国管理局に着いたのは、タクシーを奮発したこともあって8時半過ぎ。機械から出てきた順番札に書かれていた番号は123、この時点で手続きをしている人の番号が102だった。Aで始まる予約済みの人の数が多いと、予約なしの人は後回しにされて、いつ順番が回ってくるかわからない。それぞれ必要な手続きも違うので一人当たり何分という計算もできない。ただ、前に20人はいることを考えると、最低でも2時間ぐらいは順番が回ってくることはあるまい。
 今朝は急いでいたのでコーヒーを飲みそこなっていた。警察署の建物の中にもコーヒーの自動販売機はあるのだが、一見普通のインスタントの自動販売機よりもおいしいコーヒーが出てきそうに見えて実は大した違いはないというものに見えたし、時間もあるので街に戻って喫茶店を探すことにした。まだ9時前で営業を開始していないところも多く、人通りも少なかった。
 コーヒーを飲んで戻ってきたのが9時半過ぎ、意外なことに110番を越えるところまで進んでいた。どうも予約した人が少なかったのと、番号札はもらったけど待つのが嫌で帰ってしまった人がいたのとで進み方が早かったのだろう。実際いくつかの番号は再度呼び出しを受けていたけど反応する人はいなかった。

 これならすぐにも順番が回ってくるだろうと思ったのだが、ここからが意外と長かった。結局順番が回ってきたのは10時45分ごろ。一番奥の5番の部屋での手続きにかかった時間は10分ほど。予想していた以上にあっさりと終わってしまった。書類も賃貸契約のコピーだけで問題なかったし、申請書も記入してないところもあったのだが、新しいカードの申請だからいらないと言われておしまい。転ばぬ先の杖とはいえ、ずいぶん無駄な準備をしてしまった。
 もちろんこれでお仕舞ではなく、ビオメトリカの写真を撮りなおすのとカードの受け取りが残っている。それで一月末と二月初めにまたまたプシェロフ行きである。日時は指定されているから、長く待つ必要はないとはいえ厄介なことである。新しいパスポートのために2回もプラハに行かなければならなかったのと比べればましか。手数料もあっちの方が高かったし。

 ということでまとめておくと、永住許可的な長期滞在許可の延長、もしくは許可証の更新に必要なのは、申請書と賃貸契約書のコピー、それに2500コルナ分の証紙だけだった。ただし、3回足を運ぶ必要がある。
2020年1月8日24時。











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