すでに書いた件でも新たに明らかになった事実もあるので追加しておく。新しい情報が出てくるのは、チェコテレビの取材だけではなく、保健所の職員による探偵まがいの調査のおかげでもあるらしい。その調査の結果もあって、感染者と同じバスに乗っていた人など全部で600人以上の人が、自宅待機などの隔離状態に置かれているという。
一件目のプラハの大学の先生は、農大学に勤めているようである。ということはイタリアで参加した学会も農学関係のものであるはずで、これが恐らく月曜日に、ブルノのメンデル農業大学が、今週と来週、二週間の授業をすべて休校にすることを決定した理由であろう。もしかしたら学生か教員が学会に参加していたことが判明したのかもしれない。
またこの留学生三人組がブルノ滞在中に市営病院に出向いて検査を求めていたという事実が明らかになった。病院の人の話では、受け付けた人が、その病院では検査が行なわれていないことを説明し、検査が行なわれている6キロほど離れた病院に行くまでの間に感染を広げないようにマスクなどの装備を取りに行っている間に姿を消したのだという。同日のうちにプラハに移動しているから、コロナウイルスの件がなければ病院に行くほどの症状ではなかったのだろう。
三件目のウースティーからプラハに移送された患者だが、この患者とイタリアのスキーリゾートで同じホテルの同じ階に泊まっていた人の中から陽性反応の人が出た。この人は日曜日から病院に収容されていて感染が確認されたのは月曜日で、四人目の患者だということになる。この件に関しては、最初はチェコ国内での感染かなどという憶測も流れていた。その後、イタリア滞在中にベネチアに足を伸ばしていたことも明らかにされていた。別の人だったかもしれんけど。
その四件目の感染者の家族二人が、六人目と七人目の感染者である。一人は発熱などの症状があっての検査だったようだが、もう一人は全く健康で念のために検査をしたら陽性になったというから、自覚症状のない感染者としては、チェコ国内初の事例となる。以上の四人はウースティーの病院で検査を受けたが、デチーンというドイツとの国境の町に住んでいる人たちらしい。
最後の八件目に関して最初に情報が流れ出たのは今朝のことで、前の二人よりも早いのだが、公式に感染が認められたのはついさっきのことなので、八人目ということにする。この感染者に関しては、スタンドプレーが大好きなプラハ市長が、不確かな情報をSNSで拡散したことで、混乱を巻き起こした。公式な発表がある前に、感染者の子供が月曜日と火曜日は小学校に通っていたなんて情報を、しかもSNSで流したのは無責任以外の何物でもない。
八件目の感染者が子供たちと一緒に出かけていたのは北イタリアは北イタリアでも、まだ危険地域に指定されていない地域だったので、特に自宅待機の指示も受けていなかった。ということは子供たちを学校に行かせたのには何の問題もないのである。危険地域ではなかったからか、最初は民間の検査機関で検査を受けて、陽性であることが判明してから病院に向かったようだ。この件に関して、国の検査機関、つまりは国立病院で検査を拒否されたから民間の機関に行ったという話も出ていたが、確認はされていない。
子供ともども病院に入ってから改めて検査され、こちらでも陽性が確認されたことで、公式に感染者として認められた。同時に検査を受けた子供たちは陰性だったようだが、念のために同じ病院に隔離されるようである。子供たちが通っている小学校は木曜日は臨時休校で、以後の対応は未定とのこと。
幸いにこれまで重症化した患者は一人も出ていないが、これは運がいいからだけではなく、重症化しやすいとされる高齢者や持病のある人が、北イタリアにあまり出かけていないおかげでもあろう。老人ホームや病院の入院病棟では外部からの訪問を全面禁止するという対策も取っているが、これは特別なことではなく、毎年インフルエンザの流行する時期には適用されている対策だという。高齢者や病人を感染させるのが危険だというのはインフルエンザも今回のコロナウイルスも変わらないのである。
2020年3月4日25時。
【このカテゴリーの最新記事】
- no image
- no image
- no image
- no image
- no image