珈琲屋のコドーは、豆の販売は続けているみたいだから、フィルターも行けば買えるんだろうけど、なかなか買い物に出る気になれない。次に豆が切れそうになったら久しぶりに街に出てみようか。コドーはまだ、豆の販売が中心だからいいけど、小さな喫茶店の中には、資金難に陥ってSNSなどを使って、後日使える商品券を買ってくれるように求めているところもある。
チェコは外出禁止命令で商店の売り上げが落ちたことに対して、あれこれ救済策が準備されているのだけど、それでも間に合わないところでは自前で当座の資金を確保する必要があるのだろう。自粛とか要請とか、ぬるいことを言っている日本は、自粛要請によって発生した売り上げの減少や、損失に対して何の補償もないらしい。これじゃあ、自粛しないことを選ぶ人が多くても、非難はできない。
うちは、両方とも外出禁止を食らっても自宅で仕事を続けていて、給料が減らされるわけではないから、チェコ政府からの支援は得られないけど、文句を言うつもりはない。直接個人個人に現金を支給するなんてアホなことは検討していないようだし、非常事態宣言で出した命令の責任は自分が負うと断言しているし、バビシュ首相の方が遙にましだなあ。個人的にはこの騒ぎへのヒステリックな対応で、評価を下げたのだけど、有権者の間の支持率は高まっていそうである。
安倍首相が、長期戦を覚悟しろなんてことを言っているようだが、チェコが非常事態宣言を出して、外出禁止命令を出したのは、長期戦にするためではなく、できるだけ早く感染症の流行を撲滅するためである。この非常事態の状態で長期戦になるようであれば、それは封じ込め政策が失敗に終わったことを意味する。
長期戦にするのなら、町の封鎖とか外出禁止なんかはしないで、高齢者と病人、医療、介護関係者の感染を防ぐ対策をした上で、それ以外のある程度若くて健康な人は症状が出ても重症化しない限り、風邪薬飲んでうちで寝てろで十分なはずである。短期戦で封じ込めることを狙ったチェコでさえ、重症化しない患者は原則自宅療養なんだから。
日本の最大の問題は、政府が批判を恐れて、方針をしっかり定められないままに、場当たり的な自粛要請を出し続けているところにある。学校の休校というのも、子供を守れという名目があれば反対は少ないだろうと踏んだとしか思えないし、高齢者が反発しそうな、高齢者の行動を制限する対策がなされなかったのは、選挙で票を失うことを恐れたのだろう。
奇跡的なのは、そんな状態でありながらコロナウイルスで亡くなった人が意外と少ないことで、これはもう医療関係者の努力の賜物でしかない。普段からかなりぎりぎりで回しているとも言われる医療現場に更なる負担をかけないことこそが、安部首相の言う長期戦を戦い抜くためには不可欠なんだから、検査を増やして、陽性の人は全員入院なんてのは、絶対にやめたほうがいい。それやったらチェコでも医療システムは崩壊する。
チェコでは、一ヶ月の予定で始めた非常事態宣言が、延長されることは確実視されているけれども、社会が持ちこたえられるのか、病気の蔓延以上に不安である。非常事態が続けば続くほど、医療現場だけでなく、社会の疲弊は進む。一ヶ月で終結させられれば、政府の勝ち、つまり非常事態宣言が正しかったと評価されるだろうけど、二ヶ月になるとどうかな。三ヶ月以上ということになると、持ちこたえられないんじゃないかと危惧する。
日本も、非常事態宣言を出して外出禁止令や地区閉鎖の命令を出すのはいいけど、長期化したときのことを考えておかないと、国破れて山河ありなんてことになりかねない。
2020年3月30日9時。
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