二つ目か三つ目のニュースとして流された映像を見て、落胆することになった。喧嘩とは言ってもマイクの奪い合い程度で、殴り合いをしたわけでも流血沙汰になったわけでもなかったのだ。これなら以前、医師会の総会かなんかで、元医師会長で当時厚生大臣たっだダビット・ラートが、演説中の会長(違うかも)の頭を後ろから引っぱたいて、「俺は臆病者じゃない」とか喚いていたののほうがずっと衝撃的だった。
今回のは、下院での審議の際に起こったことだというので話題になったのだろうけれども、その昔の日本の、ヤクザまがいというか、ほぼヤクザそのものの衆議院議員たちが起していた乱闘のことを知っていると大したことねえよなと思ってしまう。やるならやるでもう少し派手にやらないと、見世物にもなりゃしない。ラートの件はビデオが拡散され世界中に恥をさらすことになったのだが、今回の件は、それほど世界の注目は集めないのではないかと想像する。
念のためにうちのに聞いてみたところ、どうもオカムラ党の内紛、オストラバを中心とするモラビアシレジア地方で選出された国会議員たちが除名された件とかかわりがありそうだという印象を受けた。先ず、オカムラ党の国会議員が演壇に立って、マスクをしないまま演説をしていたのがすべての発端だったようだ。国会での審議だというのにTシャツで登壇したというのもあれだけど、政府の規制に反対しての演説だったのかな。
それに対して、TOP09の議員が、この非常事態宣言下でマスクをしないで演説するのはエチケットに反するのではないかとやったらしい。個人的には、日本人が花粉症を防ぐためにマスクをしたり、咳がちの風邪をひいたときに他人にうつさないようにマスクをしたりするのを笑っていたヨーロッパの連中がこんなことを言うのには反感を持ってしまうのだけど、発言事態はまあ間違いではない。
そこに、なぜかオカムラ党を出て無所属になっているボルニーという議員が出てきて、マスクをしないでわけのわからないことを言い出した。よくわからないのはオカムラ党を追い出されたはずなのに、オカムラ党の議員と同じTシャツを着ていたことである。こっちはその上に背広を羽織っていたから少しはましなのかな。下はジーンズだったけど。
何でも自分は人民によって選出された議員だから自分が正しいと思うことをしていいはずだとかゼマン大統領を思わせるようなことを言ってマスクをしないことを正当化していた。それに誰かに喧嘩を売るような発言をしていたようにも聞こえたのだけどよくわからない。こんな議員が出ると人ではなく党を選ぶ比例代表制ってのは欠陥だらけのシステムだとしか思えない。最低でも党を離れたら議席も失う制度にしないと、選挙の意味がなくなる気がする。
それはともかく、審議の場にふさわしくない発言だというので、議長役を務めていた下院の副議長が演壇のマイクのスイッチを切ると、議長席に押しかけてそこのマイクで話そうとして押し合いになり副議長の援軍に駆けつけた議員たちとちょっとばかり喧嘩っぽいことになっただけである。体格のいいボルニー氏を押しのけるのは大変で、椅子で頭をぶん殴ろうかと思ったとか言っている議員もいるようだが、やればよかったのにとしか思えない。どうせたいした仕事していないんだから、せめて有権者を楽しませろよという話である。
2021年1月23日22時30分
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