昨年の夏は、暑かった。日本の夏と比べても暑くて、夏ばてになってしまいそうだった。連日日中の最高気温は35度を超え、日没後も気温がなかなか下がらず、夜明け直前の最低気温ですら25度程度にしか下がらないという日が続いた。これはアフリカから北上してきた熱気がアルプスを越えて停滞したためだったらしいが、異常気象とか地球温暖化なん言葉で表現するのは生易しすぎると言いたくなるような夏だった。
その上、異常なほどに雨が少なかった。チェコも日本と同じように、夏は、特に夏の気温の上がった日には、夕立がくることが多いのだが、去年はその夕立も少なかった。森林地帯でも乾燥が進み、山火事が例年以上に多かった。たまに雨が降っても、地表が乾燥しすぎているために、地面に吸収されることなく、表面を勢いよく流れていくだけで、洪水を引き起こす原因にはなっても、土壌の完走状態はほとんど変化することはなかったようだ。幸いなことにオロモウツではそこまでひどくなかったが、地域によっては水不足のために、水道どころか井戸の水の使用制限が行なわれたり、川の取水制限などの対策がとられたりしたところもあったらしい。
今年の夏は、既に気温が30度を超える日は何日かあったが、何日も続くというようなことはないし、しばしば夕立にも襲われてそれなりに降水量もあるので、過ごしやすくなるのではないかと期待していた。しかし、気温の変化の激しい夏も、やはりすごしにくいのだということを、今日の気温の急降下は思い出させてくれた。
暑いばかりの熱帯のような夏や、冬の寒さの中で気温が前日より15度以上も下がるというのに比べればましだと言えなくはないけど、前日との気温差が10度を超えると、気温が上がるにしろ、下がるにしろ体の負担が大きいような気がする。去年は連日の暑さで体調を崩したが、今年は気温の変化で体調を崩すことになりそうだ。
日本でも毎年夏ばてしていたし、猛暑であれ、なかれ、夏というのは過ごしにくいものなのだと、まとめかけて、チェコに来たばかりのころは、30度を超える日が数えるほどしかなく、最高気温が25度前後の日が続くという素晴らしい日本の秋のような夏が何度かあったのを思い出した。八月がほとんど20度ちょっとまでしか上がらなかった年もあったなあ。こんな年は、気温の変化もさほど大きくなく、その意味でも過ごしやすかったんだよなあ。あのころは、チェコには夏はないと言えたのだけど、最近はチェコには夏はあるけど秋はないになってしまった。
チェコは冬の寒さが避けられないものだけに、夏は涼しくすごしやすいものであってほしいと思うのは贅沢なのだろうか。
7月4日22時。
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