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2016年07月31日

オロモウツスーパー事情2(七月廿八日)




 十六番のバスのうち半分ぐらいがツェントルム・ハナーまで行くので、英雄広場から直行で行けたのだが、住宅街、もしくは団地の中を蛇行するように走る路線で停留所も多く、たいした距離でもないのに三十分以上かかっただろうか。それでトラムを利用することが多かった。バスよりも本数が多かったし、英雄広場から十分ほどで着くトラムの四番と七番の終点から数分歩けばよかったし。ただ、行くときは荷物もないので問題なかったが、大きな買い物をした後にえっちらおっちらトラムの停留所まで歩くのは結構辛かった。帰りはタイミングがよければバスを使うこともあったのだけど、本数が少ないので合わないことのほうが多かったし。

 そのカルフールが世界的な販売戦略の転換とか何とかで、アジア市場を重視することになり、イギリス資本のテスコとの間で店舗の交換協定が結ばれた。チェコなどのカルフールの店舗はテスコになり、台湾などのテスコの店舗はカルフールになった。幸いなことに品揃えは大きく変わらず、今でも大きな買い物をするときには、自動車でテスコに出かける。


 トラムの停留所からテスコに向かう途中には、コープのスーパーもある。ほとんど利用したことはないのだが、以前酪農業者が、スーパーマーケットのチェーンの買い取り価格の低さに腹を立てて、直接消費者に販売する方法として編み出した牛乳の自動販売機がこの店の前に置かれていたので、テスコでの買い物のついでに寄ることがあった。チェコで牛乳というと賞味期限の長いパックに入ったLL牛乳のことが多いのだが、自動販売機では生の牛乳を買うことができた。一時は大ブームになってあちこちに、それこそ雨後のたけのこのように設置されていたのだけど、最近は下火かな。
 コープというスーパーが日本の生協や農協なんかと同じような組織なのかどうかはわからない。わからないのは、このチェーンは都市部よりも田舎の小さな町に強く店舗も多いのだけど、同じコープでもイェドノタとかマリナとか違う名前になっているお店があることである。直営店のフランチャイズの違いとか、店舗の大きさで名前が違うとか、ルールがあるのかもしれない。

 ツェントルム・ハナーは拡大を続けて、通りを挟んだ奥に、家具屋や電気製品店などが立ち並ぶエリアが追加された。以前ここにあった服のOPプロスチェヨフの直営店と、確かスロバキアの靴のお店にはお世話になったのだけど、残念ながらどちらも閉店してしまって今では存在しない。このエリアの最奥部には、何をトチ狂ったのかアクアパークまで建設されてしまった。かなりの予算をつぎ込んだ建築物らしいが、どのぐらい客を集めているのかは知らない。バスの停留所はあるけれども、バスの本数は少ないし、買い物に行く時間が午前中のせいなのか、車を停めてアクアパークに向かう人も滅多に見ない。

 オロモウツのスーパーマーケットで最初に野菜・果物部門に力を入れたのは、駅の近くにあるドイツ系のカウフランドだっただろうか。グレープフルーツの変種の緑色の柑橘類スウィーティを初めて見つけたのも、大根や、甘いジャガイモ、つまりサツマイモを初めて買ったのもここだった。タマネギとかニンジンのような普通の野菜や果物は特に質がいいとかいうことはなかったようだが、他では見かけない物を売っていることが多かった。
 そもそも、駅から近いけれども表通りからは引っ込んだところにあって見つけにくい店の存在を知ったのは、師匠の家に招待されたときに、娘さんがクリスマスプレゼントのリクエストの手紙に、「ほしいのはカウフランドで売ってるこれとこれ、包装紙はレジのところにある○○模様のやつにしてね」なんてことを書いたというのを笑い話のように聞かされたときのことだ。師匠の家のすぐ近くだというので帰り道に寄ってみたら、いろいろ面白い商品を発見してしまったのだ。
 カウフランドはオロモウツの南の郊外に巨大な集配センターを建設してモラビアの物流の拠点としているけれども、店舗は駅前の一軒しかない。カウフランドグループにはリードルというスーパーも属しているから、そっちと共用なのかもしれない。
 とまれ、終わらないので次回に続く。
7月29日22時。



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