命令形を作るのも、現在変化の一人称単数を覚えていれば、簡単極まりない。一人称単数が「-ám」で終わるものを除いて、ほとんどの場合、一人称単数の語尾を取ってやればそれで出来上がりである。いくつか例を挙げると、
studovat → studuj-i → studuj/studuj-me/studuj-te
nést → nes-u → nes/nes-me/nes-te
末尾の子音によってはハーチェクがついて音が変わる。「být」は現在変化ではなく未来変化から作る・
jet → jed-u → je?/je?-me/je?-te
stát se → stan-u se → sta? se/sta?-me se/sta?-te se
být → bud-u → bu?/bu?-me/bu?-te
一人称単数の語幹の母音の長さが変わることもある。
vrátit → vrát-ím → vra?/vra?-me/vra?-te
stát → stoj-ím → st?j/st?j-me/st?j-te
koupit → koup-ím → kup/kup-me/kup-te
末尾に子音が連続する場合には「i」を加える。その場合複数の語尾の前に「e/?」が現れる。
?íct → ?ekn-u → ?ekn-i/?ekn-?me/?ekn-?te
vzít → vezm-u → vazm-i/vezm-?me/vezm-?te
jít → jd-u → jdi/jd-?me/jd-?te
poslat → pošl-u → pošl-i/pošl-eme/pošl-ete
zav?ít → zav?-u → zav?-i/zav?-eme/zav?-ete
一人称単数の語尾を取るだけですまないのは、一人称単数が「-ám」でおわるものと、原形が「at」で終わるものの一部である。この場合には、一人称単数の語尾をとってから、「ej/?j」をつけて二人称単数への命令形にする。
dát → d-ám → d-ej/d-ejme/d-ejte
mít → m-ám → m-?j/m-?jme/m-?jte
hýbat → hýb-u → hýb-ej/hýb-ejme/hýb-ejte
原形が「et」で終わるもののうち、三人称複数が「ejí/?jí」で終わるものは、三人称複数の末尾の長母音を取って二人称単数への命令形とする。「chtít」もここに入れておく。不規則にしてもいいけど。
rozum?t → rozum-?jí → rozum?j/rozum?j-me/rozum?j-te
chtít → cht-?jí → cht?j/cht?j-me/cht?j-te
完全な不規則として覚えておいたほうがいいのは、以下の四つ。
jíst → j-ím → jez/jez-me/jez-te
v?d?t → v-ím → v?z/v?z-me/v?z-te
vid?t → vid-ím → viz/viz-me/viz-te
pomoct → pom??u → pomoz/pomoz-me/pomoz-te
否定の命令、つまり禁止は前に否定の「ne」をつければ出来上がりである。問題は肯定の命令には完了態を使うことが多く、禁止には不完了態を使うことが多いという原則である。これは不完了態の命令を使うと、その場限りではなく継続してし続けることを命令することになり、完了態の禁止を使うとその一瞬だけ禁止することになって、禁止が継続しないからだと説明される。
これも硬いルールというよりは傾向として受け取っておいた方がいい。その辺の事情は、以前書いたはずだと思って検索してみたら、 ここ にあった。
実際には、不完了態で命令することも、完了態で禁止することも結構あるから、間違えることはあまり気にしないで実際に使ってみることをお勧めする。命令形が全く使えないよりは、完了態と不完了態を間違える方が、チェコ語ができるといえるはずである。
2018年1月3日23時。
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