もともと、リーダーはメモリーの管理が弱いのか、SDカードや本体のメモリーにたくさんの本を入れると本を開いたり閉じたりするときの反応が遅くなる傾向があった。メモリーの使用量ではなく、何冊、正確には、媒体中にいくつファイルが存在するかが重要で、リーダー購入当初に2ギガバイトのSDカードに、電子書籍のXMDFファイルや、ドットブックファイル、テキストデータから作成したPDFファイルなんかを限界まで入れたら、いつまでたってもカードの読み込みが終わらなくなってしまったことがある。数は200を超えていたかなあ。
逆にカードの容量が一杯になるまで記憶させたとしても、1ファイル当たりのデータが大きく、ファイル数が40から50ぐらいまでであれば、読み込みに時間はかかっても、まだ実用に堪えると言える範囲で収まるから、ファイル数が多くなると対応しきれなくなると考えてよさそうだ。その後、あれこれ実験した結果、SDカードには容量は残っていても、100以上のファイルは入れないことにしている。このくらいならまだ待てる。
それが、最近、2号機で、本体メモリーのファイルの数を200ちょっとに維持しているのに、反応が少しずつ悪化してきて、読みかけの本を開くのだけは問題ないが、新しい本を開く場合、開いてある本を閉じる場合に、数分以上の時間がかかるようになった。本を閉じて新しい本を開く間に、お湯を沸かしてコーヒーを淹れられるどころか、下手をすれば飲んでしまえるほどで、そろそろ2号機を廃して、最後の4号機を投入するかと考え始めていた。
そのときに思いついたのが、パソコンの使用中に反応が悪くなったら、とりあえずリセットするし、さらにどうしようもなくなったらOSの再インストールをするから、リーダーもリセット、正確には本体メモリーのリセット、もしくは初期化を試してみることにした。昔使っていたフロッピーも、一度初期化して必要なファイルをコピーし直すと反応がよくなったから、うまくいくかもしれない。
やってみたら、自分でもびっくりするぐらい本の開け閉めに時間がかからなくなった。HDに保存してあったファイルの中から読み直す価値のありそうなものを片っ端からコピーしたのだが、今のところファイル数が90ぐらいで収まっているから反応がよくなったのか、初期化の甲斐があったのかは、現時点では判然としない。それでも快適に読めるようになったのはうれしい。一番の問題は、現実でもPC上でも整理整頓が苦手なので、必要なファイルを膨大な数のファイルの中から探し出すことだった。同じファイルがいくつものフォルダに保存されているって、我ながらどういうことよ。バックアップのつもりだったのかもしれないけど、保存した本人が忘れているのでは、何の役にも立たない。フォルダによって微妙に入っているのが違うなんて問題もあったなあ。
とまれ、3号機も近いうちに同様の処置を施す予定である。問題は普段使っているPCでは3号機が認識されないことだけど、リセットしたら変わるかもしれないし、ダメなら電車に持ち込むのに使っている小さめのノートPCで充電すればいい。こっちに入れるファイルも探すのが大変そうだけど、本を探すのが楽しみではないとは言い切れないのが、活字中毒者の性である。本屋で探すほどではないけど、ネット上の書店もどきで探すよりはずっと楽しい。
これで4号機の投入を延期できるかというとそんなこともなく、以前風呂場でパッキング付きのビニール袋に入れて使用していた3号機の電源スイッチの具合があまりよろしくない。湿気にさらされて内部にさびでも出たのか、スイッチをスライドさせにくくなってしまっている。ちゃんとスライドさせたつもりでも、スリープ状態に入らなかったり、反応が遅くて二度、三度スライドさせることになったり、イライラさせられることが増えている。
繰り返し、繰り返しソニーのリーダー、もしくはリーダー互換機の復活を願っているけど、よく考えたら、SDカードをあまり使わなくなった現在、リーダーでなくても、PDF、XMDF、ドットブック形式の本が読めれば問題はないのか。最悪SDカードから本体にコピーすればいいわけだし。と、他の電子書籍リーダーに手を出しそうな文脈になってしまったが、やはり、ウォークマンと同じで、電子書籍リーダーはソニーの物を使いたいなあと思ってしまう。ウォークマンなんて日本でチェコ語を勉強していたときに再生専用の物を買って使っていただけだから、定着しなかったディスクマンのほうが使っていた時間は長いんだけどさ。
2018年9月26日17時30分。
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