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2022年02月27日
ワクチン接種三回目2
ワクチン接種を受けるかどうか、まだ悩んでいた一月の半ば、二回目の接種から五ヶ月経とうとするころに、接種の予約システムを管理しているところから三回目の予約が可能になったというSMSが携帯に届いた。五ヵ月後から接種が可能になるはずなのに、五ヵ月後から予約が可能になるのでは、実際の接種はさらに遅れることになる。実際に予約システムのページに、各接種会場の予約状況が表示されていて、大半の会場に関しては予約できるのは、平均すると二、三週間後と書かれていた。予約から実際の接種までこれだけ時間が空くと、その間に心変わりしてしまいそうである。
ただし、例外的に一回目、二回目の接種を受けた会場だけ、数日後の予約ができるようだったが、金曜日には接種をしないという問題があった。夏休みではないし、冬休みもすでに終って、平日は仕事があることを考えると、翌日が休みではない日に接種を受けるのは避けたい。一回目も二回目も翌日が一番きつく、熱さえも出たのである。この会場は一日辺りのキャパも大きく予約も取りやすそうだっただけに、残念である。
そんなこんなで、三回目をどうするかうじうじと悩んでいた一月半ばの月曜日に、職場で感染の検査が始まった。幸なことに、今回は検査会場に出向いてというものではなく、簡易検査キットを使って自分の手で行うものだったので、検査を受けられる日に外せない仕事が入っていて受けられないなんてことにはならなかったが、恐らく中国製であろう検査キットをどこまで信用していいのかなんてことを考えてしまった。
厚生大臣の話では、二、三週間のはずだったのに、結局五週間にわたって、毎週二回、月曜日と金曜日に、都合十回検査した。結果は全て陰性で、陽性の場合に課される五日間の自宅待機も、それを回避するためのPCR検査での追試も受ける必要がなかったからよかったのだけど、それはそれで検査の精度が疑わしく思えてくる。
厄介だったのは、特に最初のほうは、毎回のように使用する検査キットが変わったことだ。一回目なんて、去年受けた検査と、ニュースで見た学校で子供たちが使っている様子から、必要な検体は鼻の奥から採取するものだと思い込んでいたので、説明書の絵を見てもなかなか使い方が理解できなかった。細く短いストローみたいなもので、唾液を容器に集めスポイトで試薬の入った容器に移すという方式だったのだ。二回目、三回目は、同じ唾液を使う検査でも、紙でできた袋に吐き出す方式だったが、それぞれ微妙にやり方が違っていた。最後の五回は鼻から検体を取るもので、力の加減がよくわからず、痛みを感じたり、くしゃみが出たりなんてこともあった。
話をワクチン接種に戻すと、一月も終わりに近い木曜日の深夜に、ワクチン接種会場の予約状況を確認してみたところ、職場の近くの会場に翌日の金曜日にファイザーの枠が一つ残っていた。それで発作的に予約の手続きを進めて、日時を指定するところまでたどり着いたら、翌日どころか翌週の金曜日もなく、一番早い選択できる日は二週間後の金曜日になっていた。毒を食らわば皿までで、予約はしたものの、拍子抜けというか騙されたような気分になってしまった。
二週間後に向かった会場は、特設の接種会場ではなく、普段から予防接種、特に外国旅行をする人が行き先の国によって求められる予防接種を行っている診察所(建物の一室だから診察室のほうがいいかな)だった。特に書類の記入などの必要はなく、タブレット上の書類に電子ペンで署名しただけで接種を受けてお仕舞い。ただ、注射を担当したのがお医者さんだったせいか、一回目、二回目とは違って多少の痛みを感じた。
当日の午後から頭が重く余り働かないような感じだったが、これは副作用というよりは精神的なものだったかもしれない。確実に副作用だといえるのは翌土曜日の朝からひどい頭痛に悩まされたことである。幸い熱は出なかったものの、頭痛はこれまでよりひどく、頭痛薬を飲まないと眠るのもままならないという状態だった。その結果、頭痛がある程度おさまった日曜の夜までほとんど寝てすごすことになってしまった。
週明けの月曜日の朝には、頭痛は完全に消えていたのだが、体全体のだるさ、抑え難い眠気を一日中感じることになった。いや、少しずつ楽になったとはいえ、接種から一週間後の金曜日までは、樽さと眠気が残っていて仕事がはかどらなかった。PCの画面を見ていると眩暈がし始めるので、PCを長時間使っていられなかったのだ。日中には眠気を感じるのに、夜になると眠れなくなるなんて日があったのも、その原因になっていたのだろう。しかも接種から二週間以上すぎた今でも完全に体調が戻りきったとは言えない気もする。これなら四回目は受けたくないというのが正直なところである。
ちなみに、チェコではファイザーとモデルナのワクチンを組み合わせて打ったほうが、何倍も効果が高まるなんてニュースは流れていないので、流れていたとしても信用しないだろうけど、三回目もファイザーを選んだ。モデルナを選ぶこともできたのだけど、既に二度体内に入れたもののほうが、まだ入れたことのないものを入れるよりはましに思えたのである。効果の差も、実はモデルナ余りの日本で言われているほど大きいものではないらしく、自分の生活スタイルを考えたら誤差の範囲に収まりそうだったし。
2022年2月26日
2022年01月05日
2021年後半の出来事1、南モラビアの竜巻
思い返せば去年の6月の初旬に怠けぐせが再発して、毎日書くのを停止してしまったのだが、停止していなければ、確実に記事にしていたに違いない事件の一つが、六月に南モラビアで発生し多くの犠牲者と、建築物の被害を出した竜巻である。
竜巻、もしくはカタカナでトルネードというと、アメリカのイメージが強いけれども、チェコでもごくたまに発生する。その大半は小さなもので被害もなくニュースにならないまま終るのだが、ごくごくまれに被害が出て驚きと共にニュースになることがある。こちらに来てからで記憶に残っているのは、確か2004年にオロモウツの近くの町、リトベルで発生したものである。
モラバ川の支流の上で発生した竜巻が、リトベルの町の外側をかすめるように移動し、ちょうど進路上にビール工場があったため、設備に大きな被害を出した。それ以外にも十軒ほどの民家が屋根を飛ばされるなどの被害を受けていた。
このときもニュースで大きく取り上げられていたのだが、去年の6月の竜巻は、その規模も、被害も桁が違った。6月24日の夕方(といっても午後7時過ぎだけど日没以前の時間帯)に、ブジェツラフの北の郊外で発生した竜巻は、国道の55号線、鉄道のブジェツラフ—プシェロフ線に沿うように、沿線の村々を一つ一つ襲いながら、北東に移動しホドニーンの北で、森に入りラティシュコビツェの近くで消滅した。移動距離実に26キロ、巾約500mに渡って壊滅的な被害を与えたという。
壊滅的な被害を受けたのは、南からフルシュキ、モラフスカー・ノバー・ベス、ミクルチツェ、ルジツェの四つの村で、ブジェツラフとホドニーンの一部にも大きな被害を与えた。合わせて1500軒以上の建物が何らかの被害を受け、そのうちの200軒ほどは、改修も不能ということで解体されることになった。被害総額は150億コルナに上ると推計されていた。建物の被害の様子はチェコ語のウィキペディアの このページ である程度見ることができる。人的被害のほうも、亡くなった人こそ6人だったが、負傷者は数知れず、中には足の切断を余儀なくされるなど、人生に関わるような大怪我を負った人も少なくなかった。
確か、当日から消防や警察だけではなく、軍隊も派遣されて救助活動が始まり、翌日からは復旧に向けた瓦礫の排除なども始まっていた。こういうときに、チェコ人の二面性が端的に現れるのだけど、まずいい面から言うと、夏休みに入りかけた時期だったこともあって、チェコ各地から沢山のボランティアが集って、復旧作業に協力していたし、お金や支援物資を現地に送ることで支援しようとする人たちも多かった。また、コロナで制限が多い中、各地でチャリティーのためのコンサートも開催されていた。
悪い面としては、詐欺師めいた連中が出没したことで、どこかの村の村長が、ボランティアのふりをして村に入り、多額の謝礼を要求するような連中がいたと憤慨していた。それから、救援、復旧活動の指揮を取る南モラビア地方当局の要請を無視して、車で直接現地に乗りつけ交通渋滞を引き起こして活動の邪魔をしたボランティアも、人の話しを聞かないという意味でこちらに入るか。救援物資にしても、数は十分にあるから送らないでくれと名指しした物を送りつける人がいたらしいし。一番ひどかったのは、夏のくそ暑い中、人口が100人程度の村に、竜巻の被害で電気もガスも水道も止まっているところに、1万個のヨーグルトが送りつけられたという話で、ニュースのレポーターが切実な声で、ヨーグルトだけはこれ以上送らないでくれと繰り返していた。それも含めて在庫処分と勘違いしている人がいるんじゃないかという印象を持った。
政治家の動きについては云々してもしかたあるまい。政府側も野党側もあれこれやっていたけれども、実際に現地の役に立つかどうかよりも、近づく選挙に向けてのパフォーマンスにしか見えないものが多かった。キリスト教民主同盟のマリアン・ユレチカ氏が、自分の農場で使っているトラクターを、必要なら貸し出すとSNSで発信していたのは面白いと思ったが、実際に貸し出されたのかも、どのぐらい役に立ったのかも知らない。
2022年1月4日
タグ: 災害
2021年09月04日
ワクチン接種の顛末4
承前
4外国人に対する接種
外国人は外国人でもEU加盟国の国民の場合には扱いが違う可能性が高いので、ここに記すのは、日本人を含むEU外出身の、長期滞在許可を持つ外国人に対する対応である。
簡単に言うと、これらの外国人は二つのグループに分けることができる。一つはチェコの企業などで仕事をしていてチェコ国内の健康保険に加入している場合で、この場合は一般のチェコ人と同じ扱いでワクチンの接種を受けることができる。つまり、年齢や職種による優先接種も受けられたし、保険でまかなわれるのでお金の支払いも不要なのである。これは、チェコ政府が外国人からお金を巻き上げるために導入した、留学生がビザを受け取るのに必要とされる半年や一年の期間限定の健康保険でも、適用されるようである。
それに対して、日系企業で日本からの出向という形で仕事をしているなどで、チェコの健康保険に加入していない人の場合には、当初はチェコ国内での接種の対象外となっていた。それが、五月の後半ごろから、どのような形で接種を行うかの検討が始まり、六月の半ばには、自費で接種が受けられるようになった。厚生省の予約システムのHPにも自費接種者専用のページが設置されが、予約に際しては、どこの会場でも選べるのではなく、一部の会場でしか接種が受けられないようになっていた。これはすべての会場に会計係を置くわけにもいかないという事情があるのだろう。外国人以外は無料なので、一般の接種会場では、お金のやり取りは発生しないのである。
七月に入って各地に設置されるようになった事前の予約不要の接種会場でも、状況は同様で、自費で接種を受けられるところと受けられないところに分かれている。オロモウツでもシャントフカに予約不要の接種会場が設置されたが、自費の接種は受け付けておらず、一番近くの自費で接種を受けられる会場はブルノの会場のようである。
また、この事前予約なしの接種会場での自費での接種は、チェコ国内に居住しない外国人でも受けることができるようで、オロモウツのチェコ語のサマースクールに来ていた知り合いが、ブルノの会場で接種を受けていた。だから、自分の国で接種が受けられず、どうしても受けたい人は、チェコに旅行や出張に来たついでに接種を受けることも可能なのである。日本の場合には出国するのが大変そうだし、副作用が出ることも見込んで日程を組むなんて必要もありそうだけど。
リハビリ中の進まない筆であれこれ書いてきたわけだが、以上のような状況の中で、自分がどうするのか、ワクチンの接種を受けるのか、なんてことを考えなければならなかったのである。ということで、次はいかにしてワクチン接種に至ったかということになる。
2021年8月31日
2021年08月30日
ワクチン接種の顛末3
承前
3ワクチンの種類
現在チェコで使用できるワクチンは、ファイザー、モデルナ、アストラゼネカ、ジョンソン&ジョンソンの四種類だが、実際に接種されているのはファイザー社のものが圧倒的に多く、80パーセント以上を占めている。これは、副作用の問題もあったけれども、最初にEUの認可を受けて供給されるようになったということが何よりも大きい。一回の接種で済むのならともかく、二回の接種が必要となるワクチンを同一会場で複数使用するのは、理論上は可能でも、実行するのは手間とリスクが大きすぎる。
最初期のファイザーのワクチンの供給が安定せず、あちこちでワクチン不足を訴える声が上がっていたころに、認可が済んで入ってきたモデルナのワクチンは、一番不足していたモラビアシレジア地方で集中的に使用された。これもまた、一つの会場では出来るだけ同じワクチンだけを接種しようという考えに基づくものだろう。実際は、一回目と二回目で別のワクチンを接種したところで問題はないのかもしれないが、そんな安全性も効果も検証されていない、実験的な接種を受けたがる人はいるまい。
その結果、特設の接種会場では、一部の例外を除いてファイザーのワクチンが使用されることになり、他のワクチンが使用される機会は限定的になってしまった。確か、開業医での接種に関しては、保存のための温度管理の条件が厳しいファイザーではなく、モデルナかアストラゼネカを使うことが推奨されていたし、最近は高齢者だけを対象にした接種の場合には、アストラゼネカを使用することが求められていたと記憶する。それで、どちらも数パーセントほどの使用率となっている。
ワクチンの不足が声高に叫ばれていた頃には、チェコ政府も、それこそだぼはぜのように、EU認可済みワクチンなら、どれでも確保に努めていたが、結局確保はしたものの使い切れない分のワクチンを他国に提供する事態になっている。イスラエルやオーストリアには、以前チェコが危機的状況にあったときに譲ってもらった分を返すという形だったが、アフリカなどの国に対しては寄付という形をとっていた。そして、他国に譲ったワクチンは、ファイザー以外のものだったはずである。
このような事情を考えると、仮にゼマン大統領の推進したロシア製ワクチンが導入されていたとしても、チェコのワクチン接種率を大きく上げることにはならなかっただろうと考えられる。特例的に特設会場での接種に使用されていたとしても、世論調査によるとEUの認可を受けていないロシア製の接種を希望する人はほとんどいなかったのである。強制的にロシア製を摂取するわけにもいくまい。
その点、一回の接種で済むジョンソン&ジョンソンのワクチンには期待されたのだが、認可が一番遅かったことと、認可の前後にアメリカでの副作用の情報が大きく報道されたことから、接種会場で使用されることにはならなかった。ただし、最近はチェコ各地に設置された事前登録不要の接種会場で、ファイザーのワクチンと共に使用されるようになっている。二度も接種に出向くことはできない、もしくは出向きたくないという人向けに、ジョンソン&ジョンソンが提供されているのである。
ところで、二回の接種が必要なワクチンの場合、一回目と二回目の間隔は三週間が推奨されているのだが、チェコでは六週間に延長されていた。これは、ワクチンの供給量が安定しない中、一回だけでも接種を済ませた人を増やそうという政策である。政府は間隔が伸びても効果が下がるようなことはないと言っていたが、製薬会社がどのように判断しているのかは不明である。
そして、七月も半ばになって、新規のワクチン接種希望者が急速に減り始めたことで、一回目と二回目の間隔は、もとの三週間に戻された。間隔が延長されたときもそうだったが、一度確定した二回目の接種の日時が変更されることになり現場では対応に苦慮していたという話も聞く。特に、二度目の変更は夏休みに入ってからのことで、六週間の間隔を利用してバカンスに出かけている人もいたと思われるので、大変だったに違いない。
接種を受ける人が、自分でワクチンを選べるようにするべきだという意見も聞こえてきていたが、絵に描いた餅で、実現には至っていない。ニュースで紹介された世論調査の結果では、ファイザーを希望する人が圧倒的に多かったから、実現していたとしても接種割合は変わらなかった可能性は高い。そう考えると、大半の人は希望するワクチンの接種ができたと言うこともできるのか。
2021年8月28日
2021年08月26日
ワクチン接種の顛末2
承前
2接種場所
一般の人が接種を受けるのは、多くは各地に設置された特設の会場である。既存の医療機関の一部を改装した小規模なものから、体育館やイベント会場などを利用して一度に何人もの人が接種できるようになっている大規模なものまで存在する。接種の実務を担当する地方政府によってやり方が違うようである。最近は接種希望者の数が減っており、大規模会場の中には八月いっぱいで閉鎖になるところもあるという。
その一方で、特に高齢者の優先接種が急がれていた時期には、開業医、すなわちかかりつけの医者のところでも接種できるようにしようとする動きがあり、一部は実現していた。これは、予約システムが、オンラインで登録することを前提としていたため、インターネットを利用できなかったり、利用できても登録手続きの複雑さに対応できなかったりする人が多数いたことへの対策の一つとして、行われたのだが、医者のほうから登録している患者に連絡を取ってワクチンの接種に来るように呼びかけるというものだった。最近は話を聞かなくなったことを考えると、あまりうまくいかなかったと考えていいのだろうか。
予約システムに関しては、他にも、優先登録が始まった頃に、息子や孫など家族の力を借りて、ようやく登録できた高齢者や、自力で何とか登録する高齢者(俳優のズデニェク・スビェラークが出てきたような気もする)の姿がニュースで紹介されていた。また、自力で登録できない人たちのために、老人ホームにスタッフが出向いて接種したり、村役場で在住の高齢者の登録を肩代わりし出張接種を要請し、自宅で接種したりするという活動も行われていたようである。
そして、七月になってからは、夏休みに入って接種を受ける人の数が減ったせいか、事前の登録なしで接種を受けられる会場が、駅やショッピングセンターなどの人の集まる場所に設置されるようになった。まずは、プラハの中央駅から始まり、ブルノ、オストラバなどの大都市でもある程度成果を収めたことから、各地に広がり、オロモウツでもシャントフカに事前登録なしの接種会場が設置され、買い物のついでに摂取を受ける人がいるようである。
また、交通の便の悪い地方の僻地では、接種会場に行きたくても行けない人もいるだろうということで、バスを使った巡回型の事前登録なしの接種も始まった。事前に日程を周知することで、希望者をバスの停車する広場などの会場に集める形を取っている。そして、ロマ人居住地区や、ホームレスなどの情報から遮断されている集団に対する出張接種も行われている。こちらの場合には、希望者のみなのか強制的に接種しているのか気になるところである。
さらに、一部の報道によると、ワクチンの不足が噂されなかなか接種対象が広がらなかった時期に、三月、四月ごろだったと思うが、セルビアにワクチン接種ツアーに出かける人がいたという。セルビアではチェコが導入を見送ったロシア製のワクチンが使用されており、外国人でも実費を払えば接種を受けられたらしい。ただ、当時は出入国の規制もかなり厳しかったことを考えると、実際にわざわざセルビアに出かけてロシアのワクチンを接種したチェコ人の数は、それほど多かったとは思えない。
あえて、極めて例外的な事例を取り上げて、あたかもそれが世論であるかのようになされる報道は、日本に限らないのである。ロシア製ワクチンの導入をプーチン大統領と約束してしまったゼマン大統領側の仕掛けだったという可能性もある。チェコのマスコミも好い加減な報道は多いのだが、救いは公共放送のチェコテレビが比較的まともであることだろうか。
2021年8月23日
2021年08月24日
ワクチン接種の顛末1
夏休み期間を利用して、ワクチンの接種を受けてきたので、その顛末を簡単にまとめておくことにする。その前に、チェコのワクチン接種の状況をまとめておく。
1対象者
チェコでコロナウイルスに対するワクチンの接種が始まったのは昨年末のことだった。当初は医療関係者が優先的に接種されていたが、一月には予約システムが稼動し高齢者への接種が始まった。最初は85歳以上が対象で、その後、接種が進むにつれて年齢制限が下がり、五月末には年齢にかかわらず誰でも接種を受けられるようになった。現在では当初対象ではなかった年齢層、十六歳だったか、十二歳だったかまで対象が広がっている。
一方では職種による優先接種も行われ、医療関係者に続いたのは、軍や警察、消防などの在宅勤務では、国家の運営に支障の出る人たちだった。さらに閉鎖中の学校の再開に向けた努力の一環として、幼稚園、保育園から、大学に至るまでの教育にかかわる人たちにも優先的に接種が行われた。最終的に、毎週二回の検査を必要としたものの、夏休み前に部分的とはいえ学校での授業が再開されたのは、この優先接種のおかげだったと言っていい。
予約システムにおける優先は、高齢者の場合には、生年月日を基に作られている個人番号で年齢を判別していたものと思われるが、職種の場合には、勤務先から入手した特別なコードを入力することで、優先的に接種の日時を予約できるようになっていた。ただし、この優先接種権を活用しなかった人も多いようである。
現在でも完全に高齢者の接種が済んでいないのは、一部には持病の関係で接種できない人もいるようだが、高齢者の間に口コミで広がっているワクチンについての噂が原因らしい。「ワクチンを打ったら死ぬ」という噂が問題になっているというニュースを聞いたときには、人間なんて必ず死ぬのだから、打っても死ぬし打たなくても死ぬというのが正解じゃないかと、しょうもないことを考えてしまった。出歩く機会も減り、家族との接触もない孤独な高齢者は、同世代の友人知人からメールなどで流れてくる情報をそのまま信じてしまう傾向があるという。今後も、この手の噂を信じて、接種を拒否し続ける人たちはいなくならないだろう。
本来は接種を推進する側の医療関係者の中にもワクチン接種を拒否して、ネット上で妄言を垂れ流している人がいるらしい。そのうちの一人が、チェコのオリンピック代表を東京に運ぶ特別機、第一便に乗り込んだ医師で、陽性者を合計で六人出す騒ぎの原因となったのである。チェコのオリンピック委員会も腐敗している点ではIOCと大差ないので、感染症対策には問題なかったという内部調査結果を発表して批判を受けている。
バルセロナオリンピックのカヌー競技で金メダルを取り引退後は医師として働いているルカーシュ・ポレルトもSNSで、お前本当に医学部出たのかと言いたくなるような発言を繰り返して物議を醸していたから、オリンピックにかかわる医者はそういうタイプが多いのかもしれない。それで、一部の医療関係者が、患者と直接接する医療関係者にだけは、主義主張を問わず強制的に接種すべきだと主張しているのだろう。
とまれ、現在チェコでワクチンの接種を受けた人は、人口の50パーセント強というところまで来ている。しかし、最近は接種を希望する人の数が減っており、一日の接種数も一番多かったころの三分の一程度まで減っている。この状況に対して、政府は接種を義務化するつもりはないと言っているが、接種の推進のために、あれこれ接種者を優遇する策を取ろうとしているようである。スロバキアではワクチン接種者を対象にした籤を導入して当選者には賞金を出すなんてことを始めているのだけど、これは真似しないだろうなあ。鳴り物入りで始めた、これもスロバキアの真似のレシート籤も失敗に終わったのかいつの間にか廃止されたし。
2021年8月21日
2021年05月13日
営業再開(五月十日)
厚生大臣の話では、過去一週間の新規感染者数の割合が、人口十万人当たり100人以下になることが、全てのお店の営業再開を許可する絶対的な条件で、場合によっては条件を満たした地方だけで先行的に許可をするということになっていたはずなのだが、チェコ全国の平均値で、数値的な条件をみたしたのか、昨日の時点で、数値を満たしていなかった地方も含めて、全国一律で全ての小売店の営業再開が許可された。ただしレストランなどの飲食店の営業は、屋外のザフラートカも許可されていない。
それで、どんな様子か確認するために、と言うわけでもないのだが、ほぼ毎週通っているシャントフカのダタルトに注文したUSBメモリーを受け取りに向かった。屋外のマスク着用の義務も撤廃されたので、マスクをしていない人が多かったが、先週、先々週と比べて多いかというとあまり大きな差はないといいたくなる。自主的に屋外でのマスク着用を自粛して、お店など屋内に入るときだけ着用するという人が大半を占めていたのだ。
シャントフカに近づくにつれて、マスクはしていなくても手に持つなどして準備している人が増えた。さすがに屋内でのマスク着用を拒否するような人はいないようだ。シャントフカの中にいる人は、普段よりははるかに少ないとは言え、前回四月末よりは多かった。ほとんどの店がすでに営業を再開しており、どの店にも客が一人か二人は入っているようだった。驚かされたのは、通路に行列を作っている人たちがいたことで、売り場面積に応じた入店人数の制限のせいである。
ぱっと見たところ、衣料品関係のお店の前に行列が出来ていることが多かった。子供物以外は、同じ店内に置かれていても販売できなくなっていたから、オンラインで服を買うのに抵抗のある人たちが、こぞって再開初日に買い物に出たのだろうか。仕事や学校はどうしたなんて質問はするまい。仕事や学校に行くために新しい服が必要なのだろう。個人的には去年とゝ服を着ていても何の問題もないけれども、そうではないという人たちもいるに違いない。
ダタルトも通常営業を再開していて、商品を見て回れないように張り巡らされていた立ち入り禁止のテープがなくなっていた。十時前という早い時間だったせいか、店内で商品を探している人はほとんどいなかった。オンラインで購入手続きをして、すぐにお店で受け取れるといシステムの便利さにお店まで行ってから買う物を探す人が減っているのかもしれない。自分でもこのシステムがなかったら、選ぶのを面倒くさがって、ここまであれこれ買わなかっただろうと思うし。
せっかくシャントフカまで足を運んだので、ついでに靴屋によることにした。外出をほとんどしなくなっているので新しい靴が必要なわけではないのだが、靴の手入れ用のスプレーがきれているのを思い出したのである。靴屋のCCCの店内には買い物する人の姿はあったが行列ができるほどではなく、すぐに店内に入れて、レジで支払いをしている人の後ろに並んだ。隣のレジで何かの作業をしていた人に声をかけられて、スプレーがほしいと言ったら、今している返品の手続きを一旦止めるからちょっと待ってくれと言われた。
ここ何週間も、子供物の靴も含めて店舗では販売せず、すべてオンライショップでの販売に切り替えていたから、返品の数も増えているのだろう。服の場合には、多少大きさに問題があってもきられないわけではないから返品することも少ないのだろうけど、靴は同じサイズでも物によって合う合わないがあるから、実際に品物が届いて履いてみたら、なんてこともよくあるのだろう。靴屋としても痛しかゆしというところか。売り上げが全くないよりはいいのだろうけど、経費もかさむわけだし。
夜のニュースによると、プラハのショッピングセンターではシャントフカどころではない行列ができていたようだ。やっぱ、チェコ人も日本人と同じで行列に並ぶのが好きなのである。
2021年5月11日24時。
2021年05月02日
規制緩和の動き(四月廿九日)
チェコでは感染者数が増え、ワクチン接種も進んでいるおかげで、感染状況は一時期に比べると大幅に改善され、規制緩和の動きか進んでいる。平日の新規感染者数は2500人ぐらい、一週間だと1万5千人ぐらいとなっている。これを人口10万人当たりにすると、一週間で150人ぐらいという数字になるが、現時点ではこの一週間の新規感染者の数値が、人口10万人当たり100人以下というのを規制を解除して小売店などの営業を再開させるための条件になるようだ。そして全国一律ではなく、地方単位での規制の緩和解除も計画されている。
とまれ、来週の月曜日5月3日から許可されるのは、なぜか去年も規制緩和の最初の部分に含まれていた理髪店と美容院などの美容関係のサービスである。ただし、利用客に対しては検査を受けて陰性の証明を提示することが求められるという。この手の店は顧客管理をしているはずだから、感染者が出たときの追跡がしやすいと考えているのかもしれないし、個人経営の店が多いから、優先的に営業再開を許可したのかもしれない。
学校も授業が再開される見込みなのだが、さすがチェコで子供たち用の簡易調査キットが足りないと言う声が各地から上がっている。現在は月曜と木曜の週二回の検査が行われているが、それを一回にしてもたいした違いはあるまいという意見もある。また、先日授業が再開された際に、親が検査を拒否した子供の登校を認めたことをとがめられて校長が解任されたなんてニュースもあった。特殊な教育法を取っていることで知られる「シュタイナー学校」でのできごとだったようだ。
子供たちのスポーツも規制が緩和されて、20人以下のグループであれば集団で練習してもかまわなくなるのだったか。ただし、これは感染状況が改善されて一週間の新規感染者数が、人口10万人当たり100人以下になった地方だけかもしれない。室内でのスポーツは依然として対象外となっているが、本来は屋内のスポーツでも、子供たちは屋外で練習することもあるから、どうしようもないというわけではないようだ。
その一方で、5月1日から厚生省とサッカー協会の共同プロジェクトとして、観客を入れての試合開催が再開されることになった。これは、スタジアムのキャパシティの10分の1を上限にして、入場に際しては、陰性の検査結果か、ワクチン接種済みであること、もしくは最近90日以内に感染したことを証明する書類の提示を義務付けるというものである。財政基盤が最もしっかりしているサッカーを使って、観客を入れて試合を開催するための実験という意味があるようだ。
当然、入場者は身分証明書の提示も求められることになろう。これが定着すれば、フーリガン対策の切り札といわれながら、悪質ファン集団の反発が大きく導入が進まないチケットの記名販売につなげられそうである。サッカー協会としても得るところはあるのである。現在でもスタジアムによっては、近くの建物のバルコニーとか、駐車場とか、中に入らなくても試合が見られる場所があって、そこにかなりの数の人が集まって観戦しているから、ちゃんと入場させて、十分に間隔を取って座らせたほうが感染症対策としてはましだという判断もあるのかもしれない。
スポーツ界では、サッカーも含めて、子供たちからスポーツする機会を奪うなだったか、子供たちにスポーツを返せだったか、とにかく子供たちのスポーツを再開を求めたキャンペーンをやっているのだから、観客を入れることよりも子供たちのスポーツの全面再開に力を入れてほしかったと思う。
とまれ、感染状況がいいのは、一時は最悪の状況にあって、オクレス閉鎖も実施されたカルロビ・バリ地方やフラデツ・クラーロベー地方、プラハなどボヘミアの地方が多く、これらの地方では博物館や美術館も屋外展示に関しては、営業の再開が許可されることになっている。さて、モラビアのオロモウツ地方の数字が改善されて、規制緩和が大きく進むのはいつになるのだろうか。最近の問題は、ワクチン接種の予約が可能になった場合に、申し込むべきかどうかである。
2021年4月30日24時。
2021年04月30日
このごろチェコで見ないもの(四月廿七日)
問題は、ってこともないけど、その牛乳の入っているものが、日本でよく見かけた底が正方形の直方体の上部に三角の屋根がついているような形の紙パックでも、こちらでよく牛乳に使われる底が長方形の直方体の牛乳パックでもなく、ビニールパックだったことだ。最近はとんと見かけなくなったが、こちらに来たばかりのころは、スーパーの牛乳売り場にこの手のビニールの袋にパックされた牛乳が積み上げられていたものだ。最初に見たときには驚きのあまり呆然としたのを覚えている。
レトルトパウチのような形を変えるとは言っても破れにくいものではなく、つめで引っかけば穴が開くようなビニールだったので、取り出しの際に誤って破ってしまって、売り場の床がこぼれた牛乳でべとべとしていることもよくあった。自分では買ったことはないけれども、少なくとも容器の分だけコストが下がるわけだから、値段も普通の牛乳よりも安かったにちがいない。当時は今以上に安いものを求める人が多かったのだ。
このビニールパック入り牛乳は、いつの間にか、こちらに来てかなり早い時期に、見かけなくなっていたのだが、チェコのスーパーマーケットの大半が外資系になり、流石に見るからに安物と言う商品は売れなくなったのかもしれない。いや、EU加盟の際に衛生上の理由で禁止されたと考えたほうがいいかもしれない。チェコの消費者の志向が質を重視するものに変わったというのは一部正しいが、今でもできるだけ安いものを買おうとする人は一定以上いるので、安価なビニールパック入りの牛乳にもある程度の需要はあるはずである。
最近見なくなったといえば、その牛乳一気飲みが披露されたような視聴者が登場して自分にできる芸を見せて、場合によっては商品がもらえるという番組もなくなったような気がする。これは、「スーパースター」のような、オーディション番組がはびこり始めた影響かもしれない。歌が中心の「スーパースター」以外にも、ダンスやら何やらいろいろな芸を披露して優勝したら大金がもらえるというタイプの番組は、一回二回で終わるだろうと思っていたら、毎年のように繰り返されている。全く興味はないけど。
食品関係で見なくなったものとしては、1コルナのロフリークがある。こちらに来たばかりのころは、どこのスーパーマーケットもロフリーク1本の値段を1コルナ前後に抑えることに腐心していた。チェコの朝食には欠かせないロフリークも、できるだけ安い店を探す人が多かったのである。安いロフリークに引かれて買い物に来た人たちが他の商品も買うことを期待してロフリークの価格を低く維持していたのだと考えられる。チェコで一番安いパンであるロフリークの値段が集客を左右していたのである。
それが、流石に1コルナでは販売し続けられなくなったのか、少しずつ値段が上がるようになって、今の値段がどのぐらいかは知らないが、以前のように価格を抑える努力をしているようには見えないし、広告の真ん中にロフリークの値段が書かれるようなこともなくなった。チェコの人たちもロフリークの値段だけで買い物に行く先を決める愚かさに気づいたものと見える。自分でもチェコに来たばかりのころは、典型的なチェコのパンだというので、毎日のように朝食に食べていたのだが、最近は全く食べなくなった。
最後にもう一つ、見かけなくなったものとして蝿をあげておこう。蝿が全くいなくなったというのではない。飲み屋やレストランで、屋内はそこまで多くなかったと思うけれども、屋外のザフラートカの席でビールを飲んでいると、ビールに蝿が寄ってきて大変だった。口をつけていないときはジョッキの上に手や物を置いて蝿が張り込めないようにしておかないと、蝿入りのビールを飲むことになりかねなかった。もちろん、どの店でもというわけではないけれども、そんな店が多かった。
それが、衛生環境の改善の結果か、殺虫剤をぶちまけたおかげか、屋外の席にいても蝿にたかられることはほぼなくなった。たくさんの変化のなかで、これだけはもろ手を挙げてよかったと言える。昔はよかったとぼやいてばかりいる懐古趣味の老人にはなりたくはないけれども、今の世の中で悪いほうに向かっているように思われることは少なくない。よくなっていることもあるから、トータルにすれば、善悪相殺ってことになりそうだけど、人の世の営みというのは早々は変わらないということかな。
2021年4月28日24時30分
2021年04月01日
国勢調査(三月廿九日)
土曜日の午前0時から始まったオンラインでの国勢調査は、10時間以上も回答を始められない状態が続き、技術的な問題だけでなく、渋滞も解消されて完全に問題なく回答できるようになったのは、日曜日になってからだと考えていいようだ。一日で初期不良を何とか解決できたのは、チェコにおけるデジタル化、オンライン化の流れの中では、比較的早かったといいたくなる。十年以上前の話だけど、自動車の登録システムの場合には、稼動に至るまでに何度も延期され、ようやく稼動したかと思ったら問題続出で、解決までに半年ぐらいかかったような記憶がある。
統計局もシステムが安定して稼動するかどうかに不安があるのか、オンラインでの回答期限を5月11日までと、一ヶ月延長した。当初の回答期間が、4月9日までと二週間ぐらいしか設定されていなかったから、延長期間のほうが長いという本末転倒ぶりである。それによって回答する人が同じ時間に集中しないようにということなのだろうけど、チェコ人なんて、スーパー何かの開店の際に行列を作ってまでできるだけ早く入ろうとする人たちが多いのだか、国勢調査でも開始直後に多くの人が殺到するのは予想できたと思うのだけどなあ。
うちのは日曜日の午後に回答したようだが、10分ほどで問題なく終えていたから、この時点で、ほぼ問題は解消されていたと考えてよさそうだ。ニュースでは土日だけで、全人口の十分の一、百万人ほどの人がオンラインで回答を済ませたと言っていた。それだけ、最初に済ませてしまいたいと考えた人が多かったということだろうし、初日の駄目っぷりを考えるとこれだけの人が回答を済ませられたのは意外でもある。
もちろん、チェコに居住する外国人として回答の義務があるので、今日うちのの指導の下、回答してみた。質問もあまり読まないまま、指示にしたがって答えていったので、細かい質問は覚えていないのだが、前回紙で回答したときよりは質問の数が減っていて、妙に偏っているような印象を受けた。特に前半は住まいのことについての質問がいくつも並んでいた。今後の住宅開発の参考にするのだろうか。
調査の目的の一つに、住民登録しているのとは違う住所に住んでいる人の数を把握して、より実態に近い人口を明らかにするというのもあるようだが、それには時期が悪いのではないかという疑念も残る。現在感染症対策の規制で、実家に戻っている学生が多く、本来であればオロモウツ在住で回答する学生が実家在住で回答した結果、オロモウツの人口が減る可能性もある。寮済みの学生は最初から実家で回答する可能性もあるけど。
回答をしていて、住所や、職種などを記入するところで、全部入力しなくても、ある程度入れると候補が限定されて、その中から選択できるというのは、オンラインならではの機能で回答を楽にすることが目的なのだろう。住所のほうは、通り名と建物の番号を入れると、町の名前まで入った候補が出てくる。ほかの町にも同じ名前の通りがあるのは知っていたけれども、こうして並んでいるのを見ると改めて実感がわく。
日本人的な感覚では、具体的な住所から町を確定するというのがちょっと落ち着かず、選ぶときに間違えるのではないかと不安だった。地方などの大きい地名から順番に小さいほうに選択していくほうが、間違いが少なくなるんじゃないかと考えるのは、日本的な住所表記になれているからだろうか。チェコもまあ通りの中での番号だけを先に書くようなことはしないから、アメリカ式の住所表記に比べればまだ対応しやすいのだけど。
一つだけ覚えている質問を挙げておくと、宗教を信じているかというものがあった。自分の考えの中に神道的なもの、仏教的なものがあるのは自覚しているが、直接信者かと聞かれて、そうだと答えるほどではない。日本の国勢調査でも直接具体的に仏教、神道の信者かどうかを問えば、日本の信者数が2億人なんておかしなことにはならないと思うのだけど、記名の調査だし、プライバシー云々でやっていないのだろうか。
ちなみチェコで最近増えているのが、この国勢調査の信仰する宗教に関する質問に、「ジェダイ教」と答える人だという。現実の宗教に絶望した人たちが、映画の中に救いを求めたのか、集団的な冗談なのかはわからないけど、ツィムルマンのことを考えたら後者かなあ。2011年の調査では1万5千人ほどの人が「ジェダイ教」の信者だと答えたらしい。そのうちカトリックを超えると面白いのだけどね。
2021年3月30日11時。