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2016年03月19日
チェコで見る日本のテレビ(三月十六日)
チェコのテレビでは、意外と日本の作品も放送されている。ホームズは、チェコテレビの子供向けチャンネルDで放送されたものだが、NHKのドキュメンタリーが、チェコテレビ第二やプリマ・ズームで放送されることがあるのは、以前にも書いたとおりである。ただNHKインターナショナルなるところの販売のため、日本語が聞けないのは残念である。
「ポケモン」が「ポケーモン」となって放送されていたのは、ある意味当然だとしても、日本の映画が放送されることも多い。子供向けのアニメーションは吹き替えで、一般の映画は字幕付きで放送される。宮崎駿の「千と千尋の神隠し」は、「ファンタジーへの道」と名前を変えて何度も放送されているし、一度「ハウルの動く城」をちらっと見たときには、こんなものまで放送されるのかと思った。黒沢明の作品や、北野武の作品が放送されるのはともかく、最近の藤沢周平の原作をもとにして作られた時代映画が何作か放送されたのには、この手の話が外国人受けするのだろうかと不思議だった。
字幕付きの映画を見るときには、チェコ語の字幕を読みながら、日本語の台詞を聞いてチェコ語の勉強に役立たせようと考えるのだが、たいていすぐに頭が痛くなってやめてしまう。それに聞くのか読むのかどっちつかずになって、話が理解できなくなるのが問題だった。それでも、チェコ語の字幕はわりとちゃんとしているからいいのだ。以前まだスロバキアテレビが見られたころに何度か見たスロバキアの字幕付きの日本の映画は、ところどころ台詞があるのに字幕が出てこないところがあってびっくりした。字幕を作る人が聞き取れなかった部分は省略したとかそんなことなのだろう。
閑話休題。
チェコでは、上記のホームズもそうだが、何でこんな番組がといいたくなるような日本の番組が放送されていた。今でも時々再放送で見かけるのだが、初めてテレビ番組表で、「Takešiho hrad」と書かれているのを見たときには、直訳して「タケシの城」だから、時代劇か、ファンタジーか、とにかく何かのドラマだろうと思った。それが、日本の番組っぽいから見てみようとチャンネルを合わせたら、何と、映画監督になってしまった北野武が、まだ、ビートたけしだったころにやっていた「風雲! たけし城」だった。
誰が、こんな番組を外国に売り出そうと考えたのだろうか。放送されているから需要はあったのだろうし、以前ノバで放送していた視聴者参加型のバラエティ番組のモデルというか、放送のきっかけになったりしたのかもしれない。ある意味で後に世界中で流行ったリアリティ・ショウみたいなもんだし、受けたのかな。とまれ、日本でもろくに見たことのない番組に、チェコで出会うというのは奇妙な体験ではあった。
昔チェコ語の勉強していたころに、知っているかどうか、何度も聞かれた日本のテレビ番組がある。チェコ語での題名は「ゴロー——白い犬」というらしいのだが、題名を聞いても、引越しの際に飼い主の家族と別れ別れになってしまった飼い犬が、北海道から海を渡って飼い主を探す話という内容を聞いても、まったく心当たりがなかった。その後、西村寿行という作家の『黄金の犬』というハードボイルド小説を原作にして撮影されたドラマだということはわかったのだが、そんな番組は存在することも知らない。民放が二つしかない田舎では、東京辺りでは放送されて誰でも知っている番組であっても、放送されないことも多いのだ。もっとも、この番組に関しては、知り合いの日本人の中に知っているという人は、誰もいなかったのであるが。
そしてもう一つ、時代劇が放送されたらしい。映画ならともかく、連続ドラマで時代劇というのも不思議な気がするが、チェコ語では「はやぶさ何とか」という題名らしい。「ゴロー」のほうは、ある程度の年齢の人なら、みんな知っている有名なドラマだが、こちらはチェコ人でも知らない人の方が多いマイナーな番組だという。見たことがあるという知人の調査によれば、日本では1980年代の初めに放送された「幻之介世直し帳」という時代劇で、はやぶさというのは主人公の怪盗の名前なのだそうだ。いや、でも、これも知らんぞ。
日本人の知らない日本の番組をチェコ人が知っているというのも不思議な話だ。いや、不思議でも何でもないのか。文学作品でも日本では忘れられた作家の作品が、翻訳を通してチェコではよく知られていることもあるし、最近の日本の芸能界の動向なんてまったく興味がないから、日本に関心のあるチェコ人のほうが、私よりよっぽど詳しいなんてこともあるに決まっているだろうし。
3月17日23時30分。