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posted by fanblog
2017年12月08日
HETリーガ秋の部終了(十二月五日)
チェコのサッカーリーグでは、勝ち点が並んだ場合、シーズン中は得失点差を元に暫定順位をつけるが、最終節終了後は当該チームの対戦成績によって順位が決められる。スラビアとオロモウツの試合は、引き分けに終わっているので、現時点で得失点差によってスラビアが上にいるのは、しかたのないことである。最終的には逆転してくれんかなとは思うけれどもさ。
日曜日のスパルタの試合では、チェコの一部リーグで初めてビデオ判定が導入された。ある元選手は、ヨーロッパのチャンピオンズリーグなどで導入されているゴール審判が、しばしば目の前で起こった見えていなければおかしい反則を見逃すことが多く、導入の際の期待に全く応えられていないのを根拠に、ビデオ審判も期待倒れに終わるんじゃないかと悲観的なことを口にしていた。
一般的には、その反対にビデオ判定が導入されれば、ゴールと関係のあるシーンでの判定が公平な事実に基づいたものになるという期待が高いようである。最近、あれこれ問題のある場面が発生するたびに、ビデオがあればビデオがあればという選手たちの声が聞こえてくる。果たしてそんなにいいことばかりのものになるだろうか。ドイツでは今シーズンから導入されたけど、途中で使用をやめたなんて話が聞こえてきたのだけど、その情報が正しいかどうかはわからない。
ブルノから戻ってきて見たテレビのニュースによれば、導入一戦目からビデオ判定が活躍したらしい。この試合スパルタが3−0で勝ったのだが、最初の得点が、ゴールの上のバーに当たったボールがキーパーの背中に当たって、ゴールラインを越えたところでキーパーがつかんで引き戻したというものだった。
主審の位置からはボールはキーパーの後ろに隠れて全く見えず、線審が横から見てボールが完全にラインを越えたと判断して、主審に得点を認めるように指示を出したらしい。ただし、せっかくビデオという新しい武器があるので念のために試してみたら、線審の判断が正しいことが確認され、改めてゴールが認定されたのである。
ビデオによって判定がひっくり返ったのではなく、判定が正しいことが確認できたということなので、ビデオがなくてもスパルタの得点は認められていたのだから、大活躍というほどではないと思うのだけど。チェコの一部リーグでは、春から全試合導入を予定していたのだが、各節に一試合ずつビデオ判定を使える試合を設定して、もう少し様子見をすることにしたらしい。たったの一試合検証しただけで全試合適用は無理があるので、慎重になったのはいいことである。この辺の決定に、もしくは決定できないところに、サッカー協会の会長の不在があったりするのかな。辞任した会長のペルタ氏は結構鶴の一声で決めるところがあったようだし。
とまれ、HETリーガの第16節では、首位はプルゼニュが勝って安泰だったけれども、それ以外の順位で上位にも下位にも変動が出た。2位は、バロシュへの反則見逃しのおかげでオストラバに勝利したスラビアが入り、3位はリベレツに負けたオロモウツが得失点差でつけている。4位と5位のリベレツとスパルタは、どちらも勝ってオロモウツとの差は詰めたけれども、順位に変動は無し。
6位は、ドゥクラに勝って順位を二つ上げたテプリツェ。6位だったボヘミアンズはカルビナーに負けて7位に順位を落とした。8位には好調プルゼニュに完敗したヤブロネツ。9位は、チェコリーグでもヨーロッパリーグでもなかなか点が取れないズリーン。16節でもブルノと1−1で引き分けに終わっている。10位、11位は、ドゥクラとボレスラフ。どちらも負けたけれども順位に変動はなかった。
12位は残留争いから抜け出しつつあるブルノ。監督交代してから好調である。13位に順位を上げたのがこちらも監督を交代したカルビナー。このチームはいい試合しても勝ち点が取れないというのが多かったから、勝ち運に見放された監督を交代させたのは仕方がないのだろう。前節でオストラバにオフサイド見逃しのゴールで負けたときには、今年のカルビナーはつきがなさ過ぎるから降格は避けられないかと思ったのだが、ボヘミアンズに勝利して降格圏を脱出した。
14位は、監督交代があまり効果を発揮しなかったスロバーツコ。長年攻撃の中心だったドシェクがいなくなった穴を埋められていないのが低迷の原因である。それでも残留を争うイフラバとの直接対決に勝って最下位を脱出した。15位は前節でカルビナーに勝って降格圏を脱出したオストラバ、スラビアに負けて降格圏に戻った。最下位はイフラバである。
問題は、3位のオロモウツ、9位のズリーンを例外として、モラビアのチームが下位に固まっていることである。またモラビアのチームが減るのかなあ。プラハに4チームも入らないからボヘミアンズかドゥクラが降格してくれないものかと思うのだけど、どちらも伝統のあるチームだからなあ……。
ところで、来シーズンからチェコの一部リーグのフォーマットが大きく変わることが決まった。ベルギーやオランダでやっているように、リーグ戦が前節終了した後に、いくつかのグループに分けて、優勝、ヨーロッパリーグの出場権、残留をかけた追加のリーグ戦を行う形にするらしい。その結果試合数が増えるので、12月の後半まで試合があることになるというのだけど、寒さと雪は大丈夫なのか。最近暖冬のことが多いからオロモウツあたりなら多分問題ない。でもリベレツとかイフラバとか山間部のスタジアムで試合の延期が続出するような気がする。融雪装置はあっても降り続く雪を、そのまますべて融かせるわけではないのである。
サッカーの試合をテレビでぼんやり眺めるのが好きな人間にとっては、夏のシーズンオフよりも長い冬休みが短くなるのは歓迎すべきことではあるのだけど、気温が0度を下回った状態でサッカーってのは結構無茶なんじゃないかなあ。
2017年12月6日22時。