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2019年02月23日

ホテル・アリゴネ(二月廿一日)






 このアリゴネは、位置的にはオロモウツで最も町の中心にあるホテルだと言ってもいいかもしれない。共和国広場から、市庁舎のほうに向かってすぐのところにある左にそれていく道を、パラツキー大学のコンビクト沿いに登って行って、正面に見えてくる神学部の建物と道を挟んで右側にある。だから中心にあるのと同時に、市内では一番高いところにあるホテルだと言うこともできるか。そのため大きな荷物を抱えて宿泊する場合には、タクシーを使ったほうがいい。細い道を入り込んだところにあるけど、車一台なら通り抜けられるだけの幅はある。

 以前はレストランの入っている建物だけで営業していたと思うのだが、この辺りは古くからある小さめの建物が立ち並んでいるところなので、キャパシティの問題があったのか、現在では同じ通りののいくつかの並びの建物も改修されてホテルの一部になっている。本館には一度入ったことがあって、二階、三回に登る階段が、螺旋階段で趣があるのはよかったのだが、狭いのには閉口させられた。一人で登っていても壁に肩をぶつけてしまい、すれ違うなんてとんでもないという状態だった。
 何でこのときホテルの中に入ったんだったけとしばし考えて思い出した。オロモウツ市長の知り合いとかいう日本人が、日本で芸事をやっている人たちを連れて来て、公演を行ったんだ。そのときに頼まれて、ホテルまで案内して、年配の方が多かったから荷物を上の階の部屋まで運んだんだった。荷物持ってあの階段を上り下りするのは結構厄介だったから、さすがに改修したんじゃないかと思う。ただ、歴史的な建築物として保護されているはずなので、どこまでの改築が許されているのかが問題である。

 10年以上前の話になるけれども、日本から来た知り合いがこのホテルに泊まったことがある。当時はまだ日本からネット上で予約できるホテルが多くなく、そのうちの一つがアリゴネで、町の中心にあるから選んだと言っていた。この知人は本館ではなく、隣の隣の建物にある別館の二階に泊まったのだが、階段はまっすぐで幅広く上り下りがらくで、こちらの方が滞在には快適ではないかと思ったものである。
 ホテルの評判は、利用した知人は特に文句も言っていなかったから、値段相応には満足したのかな。ただ、あのときは、オロモウツに到着するまでに問題がいくつも発生して、予約がちゃんと取れていて泊まれただけでも大満足という状態だったからなあ。今でも覚えているのは、チェコには珍しい日本人の感覚でも土砂降りの雨に降られて、ホテルまで行くが大変だったことと、ホテルのレストランで食事中雨音がうるさくてろくに話もできなかったことである。

 そう言えば、昨年末のある日の夕方、この辺りを通ったら、新しくホテルの一部となった建物の改修工事が終わってオープニングのセレモニーをやっていた。その建物では単なるホテルでなく、流行のウェルネス設備(具体的に何を指すのかは知らない)があるらしく、開店記念に無料体験していきませんかと声をかけられた。自分の住んでいる町のホテルでウェルネストかいわれてもぴんとこないのだけど、顧客としてはオロモウツの住民を想定しているのだろうか。
2019年2月22日24時。














タグ: ホテル
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