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2019年12月03日

ブルノ行き(十二月朔日)




 厄介さはすでに切符を買うところから始まった。電車の接続を調べる「idos」で確認すると、オロモウツからブルノのジデニツェ駅まで行ってそこからトラムに乗ることになっている。中央駅とジデニツェの間は電車が往復しているのではなかったのか。しかも、セズナムの地図で確認するとジデニツェの駅のほうにはトラムは伸びていないようなのである。

 どうせ切符を買うにはチェコ鉄道のページを使うのだからと、そちらで確認してみたら、なぜかジデニツェではなく、終点のクラーロボ・ポレでトラムに乗ることになっている。頭を抱えてバスを使おうかとも思ったのだが、せっかくブルノに行くのだから、このチェコ的な混乱を経験しない手はない。どっちの情報が正しいにしろ、行ってみれば何とかなるものである。ということで再度チェコ鉄道のページで接続の検索をしたらジデニツェでの乗り換えに変わっていた。
 こうなると、もう考えるだけ無駄である。適当に切符を購入した。帰りはまだ行ったことがないので始発のクラーロボ・ポレから乗ってみることにする。こういう文章を書く関係上、ドルニー駅から、ブジェツラフ周りの便を使うことも考えたのだけど、260コルナというプラハに行くのと大差のない額にあきらめた。ブジェツラフ周りのほうが快適だとはいえ、ブルノ−オロモウツを走る電車内でも書けないというわけではないのだ。明日もまた朝が早いから、少しでも早くオロモウツに戻れたほうがありがたいし。

 久しぶりに4時45分という早い時間に起きて7時過ぎの電車に乗ったのだが、土曜日から急に気温が下がっていて、家を出てからもう少し温かい格好をして来ればよかったと後悔した。シュンペルクからオロモウツを経てブルノに向かう電車だというのに、普段はプロスチェヨフ行きの普通電車が停まる駅の外れのホームに停まっていた。乗り込むのに時間がかかって、席に着いたと思ったらすぐ出発。
 電車の中は妙に暖房が利いていて窓際の席に座ると暑いぐらいだった。それで窓側に荷物を置いて、通路際に移動してPCを開いたのだが、大失敗をしてしまった。お茶を入れた水筒を窓のところの小さなテーブルの上においていたのだが、もう少しでブルノのジデニツェの駅に到着というところで、急ブレーキをかけられたためにその水筒が転落。おっちゃんの店で買った肩掛けカバンと、セーターにかかってしまった。自分のものには問題になるような被害は出なかったのだが、座席には申し訳ないことをした。

 ジデニツェの駅で降りると、日本の人が中央駅に行きたいと言いつつクラーロボ・ポレ行きに乗ろうとしていたので、引き止めてなぜか電車ではなくトラムに乗らなければならないことを説明。案内がわかりにくかったこともあって、遠回りした結果、切符に書かれたトラムには乗り損ねたけど、すぐに次のが来たので問題なし。
 問題が発生したのは中央駅前のトラム停で切符を買おうとしたときのこと。出てきた切符が白紙だったのである。二枚買って二枚とも白紙というチェコでも珍しい出来事に、行きの一枚は使用したけど、帰りは改めて買いなおして、残りの一枚は記念品としてオロモウツに持ち帰ることにした。白紙の切符でトラムに乗って検札が来たら思いっきり罵詈雑言を投げてやろうと準備していたのに来なかった。残念。
 ブルノの市内交通のチケットの料金体系は妙に複雑でわかりにくいのだが、市の中心部は乗り換えしなければ20コルナで15分有効のチケットで十分のようである。待ち時間も有効時間の中に入ってしまうので、乗換えをするときにはもう一つ上のチケットを買ったほうがいいようである。ゾーン100、101というのがあって、境目で注意するように車内放送が入っていたけど、20コルナのチケットには2ゾーンと書いてあるからまたがっても大丈夫のはず。

 初めて利用したクラーロボ・ポレの駅は、改修の済んでいない、昔の共産主義時代の面影を残すものだった。クラーロボ・ポレ行きのトラムの乗り場を探して、ブルノの街を歩かなければならなかったことも含めて、まあ一度利用したから、それで十分だという印象である。十二月の半ばに、ダイヤが改正されるのにあわせて中央駅の工事も終わって、オロモウツから中央駅まで直通で行けるようになるはずだから利用する機会もなさそうだけど。
 心配なのは、ブルノ−オストラバ間をレギオジェットが運行することになるので、直行便を逃した場合に、プシェロフ周りでブルノから戻ってくるのが面倒にならないかということだけど、次に必要になるのはまた来年だから、来年のことは来年考えることにしよう。
2019年12月1日17時30分。












タグ: ブルノ 日記的
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