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2021年06月03日

エクストラリガも終了(五月卅日)





 優勝と準優勝以外はすでに決まっていて、下から紹介すると、9位から12位の4チームで行われたプレーアウトと呼ばれる追加のリーグ戦は、レギュラーシーズンの勝ち点をそのまま持ち越すこともあって、順位に変動はなかった。つまり、9位ブルノ、10位フラニツェ、11位ノベー・ベセリーで、最下位に終わったのはブルノの一地区であるマロムニェジツェ。例年なら最下位のチームは降格、年によっては2部の優勝チームと入れ替え戦ということになるのだが、男子も2部リーグが4節で中断して、そのまま再開されなかったので、降格と昇格があるのかどうかは不明。

 プレーオフの初戦、準々決勝で負けた4チームの順位決定戦は、女子のプレーオフ同様、それぞれのホームで1試合ずつ行う。レギュラーシーズンを5位で終えたフリーデク・ミーステクと8位のズブジーの対戦は、二試合ともホームのチームが1点差でまけたのだが、アウェーゴールの差でズブジーが5位決定戦に進出、6位のイチーンと7位のコプシブニツェは、ホームでの初戦を引き分けたコプシブニツェが、二試合目に勝って勝ち抜け決定となった。どちらも下位のチームが勝ちぬけた形になるけど、もともと5位から8位までは勝ち点1しか差がなかったのである。


 ドゥクラとロボシツェの対戦となった三位決定戦は、ドゥクラが圧倒して三連勝した。特にロボシツェでの第二戦では、14点差という大差での勝利だった。ロボシツェもカルビナーとの準決勝では予想以上に善戦していたけれども、選手層の薄さはどうしようもなく最後に力尽きたということころだろうか。長年チェコリーグの得点王争いを続けてきたモトルも大ベテランになって、そこまで頼れないし、スウェーデンから読んできたヨンソンもシーズン終盤でお疲れ気味だった。トルコフスキーの成長が期待といいたいところだけど、そのうちドイツに買われていくんだろうなあ。

 最後は、カルビナーとプルゼニュの決勝である。カルビナーで行われた初戦は、27−26でカルビナーが1点差の勝利。前半はカルビナーが優勢で、このまま押し切るかと思って見ていたのだが、前半終了間際に交代したキーパーにパツルの7mスローを止められたあたりから雲行きが怪しくなった。前半は得点を重ねていたパツルのシュートが、ことごとく止められるようになってしまい、逆転されて何度も2点差をつけられてしまうのである。最後は再度逆転して何とか逃げ切ったけれども、怪我で二度も試合を離れたソラークが10点得点の活躍だった。

 プルゼニュでの二試合目は、チェコテレビで放送がなかったため見ていないのだが、初戦で、特に後半はほぼシャットアウトされていたパツルが、レギュラーシーズン得点王の実力を発揮して14得点を挙げたものの、引き分けに終わった。後半に入ってカルビナーがリードする展開が続いていたようだが、守りきれなかった。プレーオフでは引き分けはなく7mスロー合戦を行うのだが、カルビナーの弱点が7mスローなのである。プルゼニュのキーパーの準備が上だったというべきかも知れないが、7mスロー合戦でプルゼニュの勝ちが決まった。

 三試合目も7mスロー合戦の末にプルゼニュが勝った。この試合前半からどちらもミスの多いロースコアの試合で、20−20で引き分けたのだが、7mスロー対策はプルゼニュのほうが上だった。この試合でカルビナーにとって痛かったのは、ゲームメーカーであるムロテクが怪我で途中から欠場したことだった。代役のルージャはまだ経験が足りておらず、かつての空回りしていたムロテクを見るような気がした。サイドのスカリツキーのシュートが全部止めれらたのも痛かったなあ。

 四戦目はホームのプルゼニュが終始優勢に試合を進めていて、残り5分で3点リードしていたときにはこれで決まりだと思われた。観客も一部入場が許可されていて応援する側のこれで優勝は決まりだという雰囲気が選手たちにも影響を与えたのか、シュートが決まらなくなり、カルビナーが4連続得点で終了間際に逆転に成功した。

 そして、今日の最終戦では、許可された観客の数も増えて、例年通りとは行かないもののかなりの声援の中で試合が行われた。そのせいかどうかはともかく、前半のカルビナーは最悪だった。ミスを連発した上にシュートを外すことも多く前半は16−9とプルゼニュの7点リードで終了。後半開始直後も悪い流れは変わらず、最大で9点差つけられたのだ。そこから盛り返して2点差にまでつめよったものの、肝心のところでミスが出て、最終的には27−24でプルゼニュが勝ち、エクストラリガ優勝を決めた。
 個人的にはカルビナーを応援していただけに残念な結果だったが、プルゼニュのゴールキーパーたちの徹底したカルビナー対策が成功した結果だとも言えそうだ。選手としてはカルビナーのキーパーもプルゼニュに負けてはいないのだろうけど、7mスローをはじめ相手の中心選手のシュートに対する対策ではプルゼニュのほうがずっと上を行っていた。この辺は監督の元代表GKシュトフルの果たした役割が大きいんだろうなあ。カルビナーのシュクバジル対策はうまく行っていなかったし。
 とまれ、上位4チームノ順位は、1位プルゼニュ、2位カルビナー、3位ドゥクラ、4位ロボシツェとなった。

 それよりも何よりも、今シーズンが無事に最後まで終わったことを寿がなければなるまい。去年は中断したまま再開できなかったし、今年も一度は中断したわけだから。世界的なパンデミックで日常性の崩壊した現在、非日常の局地であるオリンピックは開催する必要はないと思うが、日常を構成するスポーツは多少のリスクは承知で開催し続けるべきであろう。
2021年5月31日24時30分。










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