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2017年12月21日
寒さに弱くなったかもしれない(十二月十八日)
寒さの厳しいチェコに来て廿年近く、最近は毎年ではないけれども、マイナス10度を超えるような寒さにさらされてきたのだから、日本にいたころよりは寒さに強くなっているものだと思っていた。十年ほど前には、マイナス20度以下の日々を耐えることもできたわけだし、せいぜいマイナス5度ぐらいまでしか下がらない東京の寒さなんか、それに比べれば何でもなかったと思い込んでいたのである。
昨日、車で買い物に出かけたときに、車内は気温が下がって吐く息が白くなっていた。当然寒いと感じたわけだが、車の温度計を見るとマイナス2度でしかなかった。このくらいの気温であれば、東京はもちろん、田舎の九州でだって年に何回かは体験していたはずである。あちらでは、朝晩の一番冷え込む時間帯だけマイナスになり、こちらでは一日中気温がプラスにならないこともあるという点は違うけれども、仕事や学校への行き帰りの時間以外は室内にいるという点では、大差ない。
違うのは、気づいてしまった相違点は、自らの服装である。日本にいた頃は、真冬であっても今ほど厚着をしていなかったような気がする。靴は普通のせいぜい底の厚いショートブーツを履くぐらいで、内側が起毛になっている冬用の靴は持っていなかったし、そもそも売られているのを見たことがないような気もする。北国の人が冬靴とか雪靴とか言っているのは聞いたことがあるんだけど。それに靴の中に入れる中敷のとカイロなんてものは、使ったことがない。こちらでは冬靴に加えて起毛の中敷を使ってしまっているなあ。これは靴の大きさが合わないことへの対策でもあるのだけどね。
靴下も取り立て厚手のものを選ぶことはなかったし、今のように二枚重ねてしまうなんてこともなかった。靴下を重ねて履くというのは、健康法マニアの作家だったか、漫画家だったかが雑誌で自慢げに語っていたのを覚えているけれども、足が無駄に熱くなりそうで不快になりそうだったので、試しもしなかった。そもそもその作家のファンというわけでもなかったので、試す理由自体が存在しなかったということになる。
ズボンはどんなに寒くても、厚手のものをはくぐらいで、パンツとズボンの間にもう一枚履こうなんて発想はなかった。いや父親はさ、股引なんてものを履いていたよ。ただ、それが年寄りの履くものという印象を与えていて、自分では履きたいと思わなかった。それが今では秋が深まり気温が零度に近づくと、うちのにもう履くのという顔をされながら、ズボン下を履き始め、春もかなり遅い時期まで履き続けてしまうのである。
上も昔は、下着代わりに半袖のTシャツを着て、その上にシャツ、それにセーターかトレーナーを重ねて一番外側に上着という合わせてせいぜい4枚で、気温がマイナスでも外を闊歩していた。昼休みなんかは、上着もセーターも脱いで室内にいるのと同じいでたちで外に出ることも多かったなあ。寒かったけど耐えられたのだよ。首周りもマフラーなんて邪魔にしか思えなかったから巻くことはなかったし、ハイネックのセーターとか首がむずむずして着られなかった。それに防寒用の帽子は、被っている人はいたんだろうけど、それを自分で被ろうという気にはなれなかった。マフラーも帽子も使わなくても何となるものだったのだ。
それが今は、長袖のTシャツを下着代わりに着て、その上に特殊繊維で作られた下着を重ねる。この手の服を素肌に直接着るのが苦手なので、下に一枚入れるのである。さらにシャツを着て、セーター、上着が基本のパターンだから、最低でも5枚は身に付けていることになる。この前プラハに行ったときは、久々にスーツなんか引っ張り出したもんだから、全部で6枚も重ね着することになった。あまり寒い日ではなかったので電車を降りるときに一枚減らしたけど。
そして、マフラーもひどいときには二本巻く。上着の内側と外側に巻くと暖かさが違うんだよ。そして毛糸の帽子はもうマフラーやズボン下を引っ張り出す前から、外出の際の必需品になっている。出かけるときは暖かくて不要な場合でも、帰るときには必要になることもあるから、鞄の中に入れて行く。あまり使わないものといえば、手袋ぐらいのものだろう。これも寒くないからではなく、リーダーで本を読むのに邪魔だから使わないだけで、本が読めない状態だったら躊躇なくポケットから取り出して使用する。
考えてみれば、日本では外に出ている間のことよりも、行った先、学校だったり職場だったりのことを考えて、室内で暑くなりすぎないような格好を選んでいた。その一方、こちらでは、外の寒さに耐えることが第一で、室内で多少暑くても我慢してしまえという服の選び方をしているのである。来たばかりのころは、室内に入って汗をかいてそのまま外に出て、風邪を引くことがままあったのだけど、最近では厚着をしていてもそんなことはなくなった。その意味では寒さに体が適応し始めているとは言えるのだけど……。
日本と同じような気温であっても、日本にいたとき以上に厚着をしてしまうのは、多分十年ほど前のあの冬がトラウマになっているのだ。トラムの停留所まで歩くだけで筋肉痛になったあの寒さが骨身にしみて、ついつい必要以上に厚着をしてしまう。その厚着に慣れてきたということは、確実に寒さに弱くなっているということだ。それとも、股引はいていた父親と同じような年になってこらえしょうがなくなったということか。どちらにしてもあまり気分のいいことではないな。
2017年12月18日23時。
冬靴あった。12月20日追記。
2017年12月20日
ハンドボール女子世界選手権終了(十二月十七日)
ヨーロッパ選手権が行われたのが今年の一月だというようなことを何回か書いたような記憶があるけれども、実は昨年の十二月のことだった。隔年で世界選手権とヨーロッパ選手権が交互に行なわれているハンドボールでは、女子の大会は十二月に決まっており、一月に行なわれるのは男子の大会ということになっているようだ。
それはともかく、ドイツで行なわれた世界選手権の決勝である。ありがたいことにチェコテレビが、チェコ代表が出場していないにもかかわらず中継してくれたので、見ることができた。サッカーのシーズンは中断期間に入っているし、アイスホッケーはオリンピックに向けた代表の強化のための国際大会が行なわれていて国内リーグの試合がない。それにスキーのジャンプやクロスカントリーでチェコの選手の調子が上がらず、予選で落ちてしまうことも多く中継するだけの意味がなくなっているのも、ハンドボールに中継時間を割けた理由の一つであろう。
決勝に進出したのは、絶対的な優勝候補だったノルウェーと、強豪だけど不安定な印象のあるフランス。事前の予想では圧倒的にノルウェーが有利で、大差のつまらない試合になることを危惧する声もあった。決勝というのは、大会の最後の最後で体力的、精神的にきつく試合途中で、どちらかのチームが力尽きたという感じになることもある。
その危惧は、主にフランスが力尽きるのではないかという面に向けられていたのだが、開始早々フランスが2−0としたことで、同時にノルウェーにらしくないミスが出たことで、接戦になりそうな予感があった。その後すぐに、ノルウェーが4点連続して取って逆転したときには、このままずるずる行きそうだと思ったのだけど、気になったのがノルウェーの選手たちの、特にセンター同士で交わすパスが無駄に強く早いことだ。パスをもらった選手の次のプレーが、遅れるというか、ずれるというかで、得点につながらない攻撃が結構あった。その結果、恐らくフランス側が狙っていたロースコアのゲームが展開されることになる。
前半は、終盤にフランスが逆転して11−10で終了した。前半終了時の一点差なんてあってないようなものである。どちらが勝ってもおかしくない一進一退の攻防は後半に入っても続き、このまま延長にもつれ込むような期待も感じた。ミスは多かったけど、こんな緊迫した好ゲームは、できるだけ長く見続けていたいというのが、どちらにも肩入れをしないハンドボールファンの思いというものである。
恐らく疲れがあったのだろう。普段ならゴールに向かっているはずのシュートが、最後の押さえが聞かないのか、ゴールポストに当たったり、すっぽ抜けて外に上に、外れてしまったり、最後はどちらのチームも疲れ切った様子で、最後の5分ぐらいは全くゴールが決まらなかった。そんな試合を最後に制したのは、後半から出場した選手が活躍したフランスだった。この辺りフランスの作戦勝ちと言えば言えるのかなあ。トータルのスコアも23−21で、ノルウェーチームの得点を低く抑えることに成功しているし。
ノルウェーの敗因を一つだけ挙げておくとすれば、ペナルティスローを外しすぎたことだ。確か4本も外したんじゃなかったか。接戦でこれだけ外すと勝てる試合も勝てなくなってしまう。フランスもすべてを決めたわけではなかったけれども、4本のうち半分決まっていれば、引き分けで延長戦が見られたのにと思ってしまう。
決勝で見たノルウェーの選手は、思っていたほど長身ぞろいではなかったので、チェコのチームももう少しなんとかできたんじゃないかと、フランスチームの守備の頑張りを見て思ってしまった。それに、ノルウェーの9番を付けたエースの選手(名前が覚えられなかった。メルコバーとか言っていたけど、チェコ語化してるし)は、体格的にもプレースタイル的にも、チェコ代表のフルプコバーを思わせるものがあって、チェコも今のスタイルを突き詰めていけば、ノルウェー並の強豪チームになれるかもしれないなんてことも考えた。
決勝に先立って行われた3位決定戦では、オランダがスウェーデンを下してメダルを確保している。考えてみれば準決勝に進出した4チームの内、3チームまでもがチェコが負けた相手である。唯一チェコと対戦しなかったフランスが優勝してしまったけれども、この大会での4敗のうち、3敗までが準決勝進出チーム相手というのは、結構すごいことなんじゃなかろうか。
ベスト16と準々決勝で敗退したチームに関しては順位決定戦は行われず、グループステージの成績によって順位が割り振られる。勝ち点4しか取れなかったチェコ代表は、準々決勝に進出したチームの中では最下位だったので、この大会を8位で終えることになった。この成績は、1993年にチェコスロバキアが分離し、チェコ代表が成立して以来最高の成績だという。ちなみに日本は16位である。
監督は、今のチームはこれからも強くなれると発言しているが、そのためには若手の成長と、選手層を厚くすることが必要だろう。この大会で若手のイェジャープコバーは大活躍だったけれども、最後のオランダとの試合では、疲れからかシュートを相手ディフェンスにひっかけたり、抑えがきかなくてゴール枠に飛ばなかったりというシーンが見受けられた。更なる上位進出には、中心選手の負担をできるだけ減らしながらグループステージを勝ち抜けるというスタイルが必要になってくるのだろう。
次は一月の男子の大会だ。世界なのか、ヨーロッパなのか確認していないし、チェコ代表が出場するのかどうかもいまいち記憶があやふやなんだけど、楽しみに待つことにする。ハンドボールは毎年大きな大会が行われるので、予選も本選もどちらをやっているのかわからなくなることがあるのである。
2017年12月17日23時。
2017年12月19日
ヨーロッパリーグのスラビア(十二月十六日)
チェコの3チームの中で、ヨーロッパリーグの初戦で勝ったのは、マカビ・テルアビブに勝ったスラビアだけだった。このホームでの初戦で1点しか取れなかったのもあれだけれども、今から考えると、二試合目、三試合目を引き分けてしまったのが非常に痛かった。
二試合目は、カザフスタンのアスタナに出かけて、先制しながら前半終了間際に追いつかれて、そのまま引き分けに終わった。監督も選手たちも、アスタナで勝ち点1を取れたのは大きいと言っていたけれども、肝心なところで点が取れず、また守りきれずに勝ちきれなかったのが、スラビアがグループステージで敗退した一番の原因である。
それは、恐らく出場すべき選手たちの数が多すぎて、国内のリーグ戦とヨーロッパリーグとで、ある程度分けられていたとはいえ、選手たちが様々な組み合わせで出場した結果でもあろう。連携がなかなか熟成しないまま、秋のシーズンが終わったという感じである。ところどころに素晴らしいプレーはあっても、全体を通すと穴が多いというか何というか。チェコのリーグではそれで何とかなっても、ヨーロッパの舞台ではごまかしきれなかったのである。
第三戦は、その前半は、いや前半の30分ぐらいまでは、本当に素晴らしかった。グループAの最大の勝ち抜け候補スペインのビリャレアル相手に、相手のホームゲームで、互角以上の戦いを見せて、見事なゴールを二つも決めたのだ。1−0のときはまだ思わなかったが、2−0になった時点で、チェコのチームがなかなか勝てないスペインチーム相手に、今日は勝てると確信したのに……。
前半40分ぐらいから、スラビアの選手たちが調子に乗りすぎていたのか、ビリャレアルの選手たちが本気になったのか、あっさりと連続で失点して同点に追いつかれ、後半はどちらも得点がなく、引き分けに終わった。この試合、試合後の評価は高く、スラビアのホームのエデンならと期待する声も大きかった。しかし、前半30分ぐらいで2−0の状態から、前半さえリードして終われなかった事実は大きい。大健闘は大健闘でいいと思うけれどもさ。
第四戦のエデンでビリャレアルとの試合も健闘したといっていい試合だったけど、どうにもこうにも点が取れずに負けてしまった。ビリャレアルのような格上相手に、簡単に得点できるわけがないのだから、しかも2点も取れてしまったのだから、あの試合は勝っておかなければらなかったのだ。いや、ああいう試合に勝てるチームだけが、それが実力であれ運であれ、上位に進出するのだろう。その意味で、スラビアの監督のシルハビーは、今年は運がなかったようにも見える。去年は勝ち運に乗っている感じだったけどね。
第四戦終了時点で、勝ち点でアスタナに逆転されて、グループ3位、残りの2試合はなんとしてでも勝たなければならない状態に追い込まれた。テルアビブでの第五戦には、あっさり勝って、ビリャレアルがアスタナに勝ってくれたおかげで、スラビアは勝ち点を1リードした状態で、アスタナとの最終戦に臨むことになった。この引き分けでもスラビアの勝ち抜けという条件が、選手たちの試合への入り方に影響を与えたんじゃないかなんてことを、チェコテレビの解説者が言っていたかな。
うちに帰ってきてテレビをつけたときには、すでに先制されて追いかける展開になっていた。アナウンサーの話によると、アスタナにチャンスらしいチャンスはなかったのに、セットプレーからミスで失点してしまったらしい。そして、スラビアのほうはチャンスは作れどゴールは決まらないという状態で、時間とともに選手たちにがいらいらし始め、点が入りそうな気配は全くしなくなった。そのまま0−1で負けてしまいアスタナに逆転されて、スラビアのヨーロッパリーグは終了した。
それまでも、成績とプレー内容が向上しないことに主力選手のフシュバウエルが、ローテーションで試合に出られないことを批判するような発言をしたり、オーナーのトブルディーク氏があれこれ言って、監督のシルハビーの求心力は落ちていたのだけど、その状況に対してトブルディーク氏が打った手は、リベレツから選手を引退した後にGMとして手腕を発揮していたネズマルを引き抜くことだった。
かつてリベレツでシルハビーが監督を務めていたときには、ネズマルは現役生活の最晩年だったか、引退してGMの仕事を始めたばかりだったかどちらかだったと思う。12月に入ってスラビアのGMに就任したネズマルの最初の仕事は、解任論も出ていたシルハビーを留任させることだった。それが、ヨーロッパリーグで、格下と言ってもいいアスタナに負けて敗退が決まった時点で、シルハビーの解任がほぼ決定した。
後任としては、昨年スパルタが監督を探していたときと同じような名前がいくつか挙がっていたが、結局これもリベレツからトルピショフスキーを連れてくることになりそうである。これが新任GMのネズマルのアイデアなのか、オーナーのトブルディークのアイデアなのかはわからないが、中国資金で金満のスラビアが、リベレツから大金はたいてGMと監督を買い取るという図式である。リベレツにとってもいい商売ではあるのかなあ。
昨シーズン途中で就任して、久しぶりの優勝をもたらした監督を、こうもあっさり解任するのかねえ。これはスラビアよりもむしろスパルタのやり口である。その一方で、スパルタは、外国人だからかもしれないが、イタリア人のストラマッチョーニの続投を決めている。春のシーズンだけでなく、来シーズン以降にもかかわってきそうな決定である。
スラビアのヨーロッパリーグでの結果は以下の通り。
スラビア 1−0 マカビ・テルアビブ
アスタナ 1−1 スラビア
ビリャレアル 2−2 スラビア
スラビア 0−2 ビリャレアル
テルアビブ 0−2 スラビア
スラビア 0−1 アスタナ
結局、スラビアは最下位に終わったテルアビブにしか勝てなかった。これでは勝ち抜けは無理というものである。
2017年12月16日23時。
2017年12月18日
ヨーロッパリーグのズリーン(十二月十五日)
ハンドボールの女子世界選手権にかまけている間に、サッカーのチャンピオンズリーグ、ヨーロッパリーグの秋の部も終了していた。チャンピオンズリーグのほうは、チェコ的に「LM」と略したくなるけど、チェコチームは出場していないからいまいち興味が持てなくなっている。バツリークとスヒーのいるスイスのバーゼルが、グループを勝ち抜けて春の部に進出したのは、うれしかったけれども、それぐらい。
チェコ的に関心が高いのは、3チームも本選に進出したヨーロッパリーグのほうである。初出場のズリーンはともかく、スラビアとプルゼニュは、比較的楽に勝ち抜けるだろうと予想していたのだが、まったくそんなことはなかった。プルゼニュは最後に帳尻を合わせて一位で勝ち抜けたけど、スラビアにいたっては、ホームでの最終戦でカザフスタンのアスタナに負けて敗退してしまった。
その辺の経緯を簡単におさらいしておく。ただし、細かいデータなどは期待しないように。
まずは、リーグの成績ではなく、MOLカップに優勝したことで予選なしで出場を決めたズリーンだが、ホームのスタジアムが規定を満たしていないということで、ホームゲームはオロモウツで開催された。ズリーンのスタジアムって、一部観客席のない部分があって、そこにマンションのような建物が建っているから、そのマンションの住人はチケットを買わなくても試合を見ることができてしまうのである。規定を満たしていないのはそこだけではないだろうけどさ。
ズリーンは結局一勝もできなかった。何とかオロモウツでのホームゲームで2回引き分けに持ち込んで勝ち点2は獲得したけれども、正直もう少しやってくれるものだと期待していた。ユガスとか出ていった選手はいるけれども、イラーチェクのように地方チームのズリーンにしては多額のお金をつぎ込んで夏に補強していたはずである。
それが全然ダメだったのは、やはり地方の中小チームの宿命としか言いようがない。選手の入れ替わりが激しく、成績がなかなか安定しないのである。チェコでは、夏の移籍期間だけでなく、冬の移籍期間にも大きな選手の移動があり、秋と春とでは全然別のチームになってしまうということも珍しくない。選手の入れ替わりが多すぎるという問題を抱えていなかったチームは、プルゼニュと二部で一部昇格に貢献した選手たちをほとんどそのまま抱えているオロモウツぐらいだろうか。
ズリーンはチェコ国内のリーグでも、去年の秋ほどの好成績は残せていないから、その状態でヨーロッパリーグで勝とうというのが無理な話だったのである。去年はあれだけ活躍したブカディノビチもいまいちかみ合っておらず怖さを感じさせない。今年の春に強硬に移籍を訴え、夏には実際に一度、スパルタに移籍した後、出場機会を求めてレンタルで戻ってきたなんて経緯が、プレーに影響を与えている可能性もある。
大きな期待とともに獲得したイラーチェクもいまいちだったし。イラーチェクもプルゼニュ時代にすい星のように現れたときには、代表を長期的に救う存在になりかけたのだけど、ドイツに移籍して、チェコ人と相性の悪いマガト監督の下でプレーして以来、全くと言っていいほどいいところがない。チェコに戻ってきたスパルタでも、ヤブロネツでもどうしようもないってことはないのだろうけど、かつての輝きの片鱗も見せられていない。
ズリーンのヨーロッパリーグでの試合をちらっと見た印象は、とにかく点が取れないというのと、ディフェンスの選手のプレーが軽すぎるというものだった。ディフェンスの選手が不用意なファウルで退場食らったり、PK取られたりなんてこともあったし。国内では何とかなる部分が、ヨーロッパの強豪相手には何ともならない部分もあるのだろう。この感覚の違いにはプルゼニュも苦しめられているようだった。
この経験を、特に若手の選手たちが将来につなげてくれればいいのだろうけれども、経験が実になるには連続して出場する必要がある。そこがズリーンのような地方チームにはつらいところで、毎年のようにヨーロッパリーグの予選に出場できる順位でシーズンを終えるのは難しい。それに、ムラダー・ボレスラフや、ヤブロネツなんかが毎年のようにヨーロッパリーグの予選に出ても、ほとんど本戦に出場できていないのを考えると、ズリーンも予選に出られたとしても本戦まで進むのは難しいだろうなあ。今年いくつかの偶然が重なって直接本戦に出場できたのは本当に運がよかったのだ。
ズリーンで、GMとしてチームの強化に当たっているのは、2004年前後の、チェコ代表が史上最も強かった時代の代表選手グリゲラである。クラブレベルでもオランダのアヤックスや、イタリアのユベントスなんかで活躍しているわけだから、その経験、人脈を十分に生かして、現時点ではモラビアには存在しない安定して上位の成績を残し、定期的にヨーロッパのカップ戦に出場できるようなチームに育て上げてほしいものである。その第一歩が今年のヨーロッパリーグでの惨敗と、獲得した賞金だったということになればいいのだけど。
以前、モラビアで比較的安定して上位にいたチームというと、我らがオロモウツなのだけど、財政難に陥っていて、今シーズンは上位で終えることができても、選手たちを売却することになる可能性が高いので、安定するまでにはしばらく時間がかかりそうである。
グループFに入ったズリーンの試合の結果は以下の通り。
ズリーン 0−0 ティラスポル
ロコモティフ・モスクワ 3−0 ズリーン
ズリーン 1−1 コペンハーゲン
コペンハーゲン 3−0 ズリーン
ティラスポル 1−0 ズリーン
ズリーン 0−2 ロコモティフ・モスクワ
6試合で1得点では、勝てねえよなあやっぱり。それでもモルドバのティラスポルとはいい勝負をすると思ったのだけど。結果を見たら、あっちは大健闘で勝ち点9、コペンハーゲンとの最終戦で負けてしまって勝ち点で並ばれて、直接対決の結果でコペンハーゲンが勝ち抜けることになった。
2017年12月15日21時。
2017年12月17日
迷惑コメントその後(十二月十四日)
一月ほど前だっただろうか。変なコメントの書き込みがあってうざったくてたまらないという話を書いた。あの時は、「ブランドコピー」という言葉を、禁止ワードに設定したら、その手の書き込みが消えたという、いわばハッピーエンドだったのだけど、その後、一時的に迷惑コメントが復活した。失敗したと思うのは、思いついたのが遅すぎて、迷惑コメントをコピーして保存したのが、最後の一本だけだということで、何も考えずに消してしまったやつのほうが、日本語もめちゃくちゃだったし、ここに取り上げるのにふさわしかったかもしれない。
ブログの設定で、コメントに関しては特に承認が必要にした記憶はないのだが、前回の対策を採ったあとに、管理ページで承認待ちのコメントがあるというメッセージが出たことがある。トラックバックは承認必要の設定にしてあると思うのだけど、コメントに関しては迷惑物も含めて、こちらの承認なしに表示されるはずである。管理ページからではなく、これまで何を書いたかを確認するために自分のブログを開いたときに、コメントを発見したことも結構あるわけだし。
その承認待ちのコメントも、迷惑物だったので、特に読みもせずに消してしまったのだが、それがどうして承認待ちになっていたのかはわからない。禁止ワードが使われていたのだろうか。その次に二本連続で入ったコメントは、ちらっと読んで、日本語になっていない部分が多いのに、自動翻訳を使っているのか、外国の人がアルバイトでやってるのかなんて感想を持った記憶がある。
そして、今回紹介する迷惑コメントが来たときに、この手のコメントをまとめて記事のネタにしようと思いついたのだが、ついでに設定した禁止ワードが機能したのか何なのか、あれから一本も入らなくなってしまった。コンピューター関係は、結果は見えても、その原因理由が何なのか理解できないことが多いのが素人にはつらいところである。
さて、件の迷惑コメントだけれども、まず、
スーパーコピー 時計N品質シリアル付きも有り付属品完備!
「N品質」て何なんだろう。「シリアル」は、シリアルナンバーかなあ。「スーパーコピー」というからには、オリジナルではなくコピー品だろうに、シリアルナンバーまでコピーしたということなのか。すべての言葉が切れ目もなくつながっている辺りが、不自然である。
スーパーコピー 時計楽天オークション、当社のロレックススーパーコピー,パネライスーパーコピー,ウブロスーパーコピー,シャネル スーパーコピー商品は絶対の自信が御座います。
楽天のオークションに出品しているということなのか。それにしても、ロレックスとシャネルは聞いたことがあるけど、「ウブロ」と「パネライス」は知らない。いわゆるブランド品に縁のある生活は送っちゃいないし、ほしいとも思わないのである。だからコメントの送り先を間違えていると思う。ブログの読者に読ませたいのだとしても、そんなに多くの読者がいるわけでもないだろうし、下手な鉄砲数打ちゃ当たるとは言っても下手すぎである。
おすすめ人気Rolex腕時計, 最高等級時計大量入荷!、売店、卸売りと小売りの第一選択のスーパーコピー 時計の店。
「Rolex」とカタカナにしていないのは何か理由があるのかな。問題はこの部分、意味が理解できないことである。「売店」で、「卸売りと小売り」を両方やっているということか。次の「第一選択」とか、下手くその翻訳っぽいよなあ。
それは世界で最も複雑な時計やブライトリングが20合併症で生産している最も複雑なコピー時計の一つです。
「それ」がさすのは、前の部分の「店」なのかなあ。内容から行くと「Rolex腕時計」なのだろうけど文脈が……。まあそれも「20合併症」の意味不明さに比べれば何でもないけどさ。まさか病気が生産しているなんてことはないだろうから、合併企業とか言いたいのかね。そうだとしても生産しているのが、オリジナルなのかコピーなのか判然としない。
これは33合併症との150周年を記念して1988年に発売されたキャリバー89である彼らの最も複雑な[ポケット]見て、と混同しないようにされている。
「33合併症」ということは、合併した病気の数が増えたのか。それはともかく、「キャリバー89である彼ら」ってことは、「キャリバー89」は何なんだ? その前の「発売された」というのもつながることを考えると、「彼らは1988年に発売された」ようである。人身売買ってことはないだろうから、お粗末過ぎる翻訳ということにしておこう。
なぜか括弧に入っている「[ポケット]」も、名詞のポケットなのか、擬態語の「ぽけっと」なのかわからない。どちらでとっても意味不明だから、どっちでもいいんだろうけどさ。
★N品質シリアル付きも有り 付属品完備!
これは最初の部分の繰り返し。
内容をチェックしてみて思うのは、こんなコメントを読んで、併記してあるリンクからこのお店のページ(試していないからたぶん)に行ってみようと考える人はいるのかということである。怖いもの見たさとか、間違いでクリックしてしまうとかいうことがないとは言わないけどさ。行った先の日本語もどうせろくでもないものだろうから、売れるとは思えないのだけど。
それでも、この手の「お店」が、おそらくは宣伝目的で、こんな迷惑コメントを送り続けているということはつぶれずに存続しているということで、ということは買う人がいるということでもある。うーん。謎である。自分ではこんなネット上のお店には近づきたくもないから、謎解きに手を出す気はないのだけど。
それで、このコメントに出てくるどの言葉を禁止するのがいいのかというのを考えた。ブランド名を禁止しても実害はないのだろうけど、今回は冒頭に登場する「スーパーコピー」というのを登録してみた。この組み合わせは自分では絶対に使わないと断言できるし、このブログにちゃんとしたコメントをくれる方が使うとも思えない。「スーパー」と「コピー」それぞれ単独だったら使うことも多いけど、組み合わせると使えない言葉になってしまう。
設定をしたら、それ以後、この手の迷惑コメントが、再びぱったり途絶えてしまった。うれしいことではあるのだけど、この記事を書こうと考えていただけに、同時にちょっと残念でもあった。本当は、いくつかまとめて分析して、傾向を出そうと計画していたのに、いちゃもんをつけるだけに終わってしまった。
2017年12月14日23時。
2017年12月16日
プラハ散歩 デイビツェ(十二月十三日)
プラハの地下鉄の緑色の線、Aだったかなの終点デイビツカー駅のある辺りがデイビツェである。昔、また中央駅からルジニェの飛行場への直行バスが運行を始める前までは、このデイビツカーの駅の近くのバス停から飛行場行きのバスに乗るのが、タクシーを使いたくない貧乏人の定番だった。飛行場まで行くバスはいくつかあったが、地下鉄との接続が一番いいのがここだったのだ。
当時は上にも書いたように、終点の駅だったはずなのだが、今回久しぶりに利用したら、路線が延びていて驚いてしまった。チェコでは一番高名な病院のあるモトルのほうまで延長されたらしい。一緒にプラハに行った人にもう何年も前の話だよと馬鹿にされてしまった。プラハにはめったに行かないんだから仕方ないじゃないか。ニュースでそんな話を聞いたことがあるような気はしなくもないけどさ。
デイビツカーの駅を出ると、チェコの街中には珍しい巨大なロータリーがあって、自動車での移動にはいいのだろうけれども、地下鉄で出てきた旅行者は、出口を間違ってしまうと、一度地下に降りて別の出口から出直した方がいいという感じになっている。このあたりナポレオン三世のパリを参考に街造りをしたなんて話がなかったかな。記憶違いかもしれない。
駅名のデイビツカーは、地名のデイビツェからできた形容詞で、地下鉄の駅を意味する名詞のスタニツェが女性名詞であるために女性形の「デイビツカー」という形になっている。日本語に訳すときに「デイビツェ」駅とするか、「デイビツカー」駅とするかちょっと悩むところである。同じ地下鉄の駅名でも、形容詞化していないものもあるのだが、その違いについて考察するのは、今は止めておこう。
プラハのデイビツェというと、二、三年前に、水道水がバクテリアか何かで汚染されるという事故が起こってしばらく断水したことがあるのを思い出す。あのときは、現在使用している水道管ではなくて、それにつながる老朽化した水道管にたまっていた汚水が逆流して使用中の水道管に流入してしまったのが原因だったか。古い街に住むというのは、プラハの中では比較的新しい地区ではあるけれども、こんな危険が存在するのである。
オロモウツも旧市街の水道管は、かなり昔のものがそのまま使われていて、数年前に大改修に手を出す前は、どこにどんな水道管がつながっているのか、正確には把握できていなかったなんてことを言っていたし。それから古い水道管には鉛管が使われていることが多くて、健康に問題が出る恐れもなくはないらしい。こちらはもう全て交換されたと信じたい。
プラハでは、プラハだけではないけれども、地下の水道管が破裂して水が流出し、部分的な断水が起こることがままある。これは、70年代に使用された水道管がチェコスロバキア製のものではなくて、ポーランド製のものであること原因らしい。東側諸国の所謂「分業」体制によって、比較的質の高かったチェコスロバキア製の水道管は、ソ連、もしくは西側への輸出に回され、チェコスロバキアでは、多少頻出の劣るポーランド製の使用を強制されていたらしい。そのポーランド製の水道管が耐用年数前に破裂してしまうというのである。ポーランドの人が聞いたら怒るかもしれないけれども、チェコではそういうことになっている。
デイビツェには、ユニークな演目と個性的な俳優たちで有名な劇場も存在する。ここの俳優兼舞台監督であるクロボトが監督をして、所属俳優のイバン・トロヤンなどが出演して製作されたのが、ノバの傑作テレビドラマ「オクレスニー・プシェボル」だし、チェコテレビで放送されたホテルを舞台にしたコメディ「四つ目の星」である。特に後者は、所属俳優のほとんどが出演したので、劇場の舞台を休みにして、劇場の全力を上げて撮影にあたったと言われている。
実際に、プラハで演劇を見にいったことはないけれども、いくつものそれぞれに個性のある劇場が活動をしている。そういう舞台で鍛えられた俳優たちが、映画やテレビドラマで演じるから、チェコの映画やドラマは、監督と脚本さえよければすばらしいものになることが多いのだ。外国映画の吹き替えも同様である。ポーランドでの外国映画の吹き替えは一人の俳優が淡々とすべての登場人物のせりふを読み上げるだけだというし、国によってレベルの違いは大きいのである。
さて、今回デイビツェの駅を出てロータリーの周りを歩いていたら、大きな記念碑が建っていた。第二次世界大戦中の犠牲者にささげられたものの一つだったようだが、献花などもされていて、周囲には、軍の活動を紹介するパネルも立っていた。このあたりには、チェコの防衛省や、軍の総本部など、軍関係野施設がいくつも置かれているらしい。道行く人たちの中にも軍服姿の人が目に付いたし。空港行きのバスに乗るのにしか使ったことがなかったから、まったく気付いていなかった。
そして、ロータリーから通りに入って坂を上っていくと、日本の国旗が見えてきた。あれ何と聞いたら、日本大使の公邸だとという答えが返ってきた。こんなところに日本大使の公邸があったとは、これも長年チェコにすんでいるけど知らなかった。もうちょっと上ったらトンネルの入り口が見え、これがどうも工費の高騰と工事期間の延長で悪名高いトンネル、ブランカの入り口らしい。反対側の入り口は見たことがあるけど、こっちは初めてで、そもそもデイビツェのほうから続いているということも知らなかったのである。
久々にプラハに行くと、そしてよく知っている人一緒にいると新しい発見がたくさんあるものである。だからといって、オロモウツのほうが好きだという結論が変わるわけではないのだけど、年に一回ぐらいだったらこういうのも悪くない。オロモウツは自分にとって当たり前になりすぎていて何を書けばいいのかわからないところがあるけど、プラハなら自分にとっての発見を書いていけば何とか記事にはなる。そうなるとプラハの記事のほうが増えていくのか、それはそれでいやだなあ。
2017年12月13日22時。
2017年12月15日
日本代表頑張った——ベスト16(十二月十二日)
グループCを3位で勝ち抜けた日本代表は、準々決勝をかけた試合でグループDで2位に入ったオランダと対戦した。以前はそんなに強かった印象はないのだが、最近急に強くなったチームである。この試合、もちろんチェコでは中継されなかったので、あれこれ雑用をこなしながらネット上のライブスコアとかいう速報ページで、ちょこちょこ得点経過だけを追いかけていた。
試合開始から、1点、2点リードされる展開が続いていたけれども、どちらも点を取るのに苦労しているような印象をうける得点経過だった。前半の終了間際に一度逆転したようだけれども、追いつかれて前半は10−10で終了した。
チェコ代表ですら、両チームの得点がともに30点を越えるようなハイスコアの点の取り合いになると、背の高い選手をそろえた北ヨーロッパのチームに対しては圧倒的に分が悪いのである。日本代表が長身のオランダ代表に勝つとしたらロースコアの守りあいに持ち込むしかない。その意味では、試合は日本代表のペースだったと言ってもいいのだろう。
後半に入ってもリードされて追いかける展開が続き、これは苦しいかなと思っていたら、最後にまた同点に追いつき、後半も10−10、合計20−20で延長戦に突入した。この時点で、日本代表の選手たちに対しては賞賛の言葉しかないのだけど、せっかくなのでここまできたらぜひとも勝ってほしい。久しぶりにそんな希望を持って得点経過を眺めていたら、リードされる展開はこれまでと変わらず、試合時間が10分と短い延長戦では追いつくことができず、2点差で負けてしまった。合計24−26。
直接試合の様子を見ていないから何ともいえないのだけど、運がよければ勝てたのかもしれない。大事な試合で、常に追いかける展開にしてしまった試合の入り方に反省があるにしても、最後の最後まであきらめずに、点差を開かれずについていって、前半も後半も同点に持ち込めたのは、すばらしい。こんな追い詰められてから強い日本代表なんて、見たこともないぞ。
上位進出をかけた大事な試合、それがグループステージであっても、になると、慎重になりすぎるあまりプレーが消極的になって、序盤で決定的な差をつけられてそのまま惨敗するか、最後に帳尻合わせのように追い上げて、見た目だけは惜敗するというのが関の山だったのに。それから、中盤まで善戦はしても、後半に力尽きて一気に点差を開かれるというパターンも多かったなあ。
ここに書いたハンドボールの日本代表に対するイメージは、90年代までに培ったものだけど、2000年代に入ってからも、ここまで世界選手権やオリンピックで特に目立った成績を残しているわけでもないことを考えると、大きく変わったとも思えない。今回の、日本代表にとっては大成功といえる結果を第一歩として、更なる強化を進めていってほしいところである。日本を離れて久しい元日本のハンドボールファンが、再び心の底から応援できるようになるぐらいまではさ。
念のために監督とか選手の名前を確認したら、選手は基本的に日本人で、一時期のように帰化した選手に頼るということはしていないようだった。ただ、監督は外国の方のようで、日本に合う監督をうまく見つけることができたということなのだろう。サッカーやラグビーもそうだけれども、外国人監督だからといって、それがそのままチームの強化につながるわけではないのである。
チェコでも、バレーボールやバスケットの代表が外国人監督を迎え入れていたことがあるけれども、それがうまくいって成績が向上したこともあれば、反対にまったく機能しなかったこともある。帰化選手も当たり外れが多いようだし。ハンドボールでも昔はいたのかなあ。ロシア系、ユーゴスラビア系の名前の選手はいるけれども、チェコで生まれ育ったという場合も多いからよくわからない。
日本代表は女子の強化はうまくいっているようだが、男子のほうはどうなのだろう。こちらも外国から監督を迎え入れるというニュースを読んだ記憶がある。その後の試合については、チェコにいるとまったく情報が入ってこないので何とも言えない。
話を今回の世界選手権に戻そう。ベスト16に進んだ国の中で、ヨーロッパ以外の国は、日本と韓国の2チームだけ。世界レベルでの強豪であり続けている韓国の進出はある程度予想されていたけれども、日本の進出は大きな驚きであったに違いない。その結果、ブラジルを押し出してしまうことになったのは、まあしかたがないことである。
勝ち点では日本よりも多い6を獲得しながらグループ4位となった韓国は、ベスト16の試合でCグループで全勝だったロシアと対戦した。この試合では、前半負けていた韓国が、後半に追いつき30−30で延長にもつれ込んだ。延長は6−5でロシアが制し、合計36−35で準々決勝に進出した。日本か韓国のどちらかが準々決勝に進出してくれればよかったのだけど……。
ちなみに、日本が勝ったモンテネグロは、Dグループ1位のセルビアに勝って準々決勝に進出した。いやはや、よくもこんなチームに勝てたものだと感心してしまう。次の対戦相手はフランス。日本代表の健闘を印象付けるためにも、頑張ってほしいところである。バルカンのチームは嫌いなんだけど、
この試合だけはモンテネグロを応援することにする。
オランダ代表が準々決勝で対戦するのは、我らがチェコ代表である。そうなると、日本代表云々なんてことは言っていられないから、チェコを応援するに決まっている。ノルウェーやスウェーデンよりは組しやすい相手ではないかと想像できるので、チェコ代表がグループBで4位に終わったのは実は最高の結果だったのかもしれない。
2017年12月12日22時。
チェコ代表頑張ったんだけどねえ。日本と同じで、終始リードされる展開が続き、2点差で迎えた試合終盤に退場者を連続して出してしまって、フィールドプレーヤーが4人しかいなくなった時点で万事休した。さらに2点加えられて、26-30の4点差で負けてしまった。12月14日追記。
2017年12月14日
日本代表頑張った——グループステージ(十二月十一日)
ハンドボールというヨーロッパ中心のスポーツにおいて、世界選手権にアジアやアフリカ、南米のチームが出場するのは、参加することに意義があるというオリンピックの精神の発露に他ならない。アジア枠をなくしてしまったアイスホッケーとは違って、このスポーツが世界全体に門戸を開いていることを示しているのである。
スポーツが普及するということと、普及した国のチームが強豪になることとの間には大きく深い谷が存在している。非ヨーロッパチームで、ヨーロッパと互して戦えた国というと女子では韓国ぐらいしか思い浮かばない。去年のリオオリンピックでは地元ブラジルも大健闘していたか。
その韓国も近年はそれほど成績が振るわず、日本代表となると世界選手権に出られるだけ、グループステージで最下位にならなければ御の字だというのが、これまでの認識だった。一時期は、韓国選手を帰化させて強化するなんて手も使っていたんじゃなかったかな。どれほど効果があったのかは覚えていないけれども、
だから、今年の夏にチェコ代表が出場する世界選手権の組み合わせが発表されたときに、日本代表もあるのを見て、出場できたんだとは思ったが、特に期待するとか、応援するとか言う気持ちにはなれなかった。以前も書いたけれども、ハンドボールではラグビー以上に期待を裏切られ続けてきて、世界選手権やオリンピックに出場すると聞いても、喜びもあまり感じないし、期待する気にもなれないのである。
それが、一つ目の驚きは、初戦のブラジルとの試合に引き分けたことだった。去年のオリンピックで、ヨーロッパの強豪チームと、少なくともグループステージでは互角の戦いを演じていたブラジルと引き分けたというのは、ブラジルがオリンピック後の燃え尽き症候群で調子が上がらないという事情はありそうだけれども、そんな相手にもこれまでは勝てなかったのが日本代表だと考えると、驚き以外の何物でもない。
二試合目で、デンマークに惨敗した結果を見て、これは最終戦のチュニジア以外には勝てない展開で、ブラジルと両国勝ち点3で4位の座を得失点差で争うことになりそうだと考えた。そうするとデンマーク相手に14点差というのは微妙である。前半のトリプルスコアの惨劇から考えると、十分持ち直したとはいえるけれども、前半で大差がつくと、勝っているチームは次の試合に供えてメンバーもペースも落としてくるものだから、もう少し差を詰めておきたかったというところだろう。
三試合目のモンテネグロに勝ってしまったときには、いや結果しか見ていないのだけど、目を疑った。テレテキストのたまにある誤植じゃないかと考えて、何度か時間を置いて確認してしまった。典型的なバルカンのハンドボールをするモンテネグロは、しぶとい。互角の展開に持ち込むことは可能でも、勝ちきるのはチェコ代表でも大変である。そんなチーム相手にきっちり勝ってしまった日本代表、ちょっとだけ期待してもいいんじゃないかと考えてしまった。
そして、四試合目のロシアとの試合は、負けたとはいえ1点差だった。東京オリンピックに向けて日本代表の強化がうまくいきつつあるのかもしれない。この試合は終盤だけだけど、ネット上のライブ速報で点差を追いかけてしまった。日本代表がロシア代表とこんな大接戦をやらかしてくれるなんて、ちょっと想像もつかなかった。近年は日本代表の試合を追いかけていたわけではないから、すでにこんな試合をやったことがあるのかもしれないけれども、驚愕であることには変わらない。
この時点で、ベスト16進出はほぼ確定していたのだが、チュニジアに負けてしまえば、ここまでの苦労は水の泡である。そして、この手の試合でころっと負けることがあるのも日本代表だったのだ。しかし、予想以上の圧勝をしてしまった。デンマークに負けたとき以上の点差をつけて、容赦なく叩き潰したという感じだろうか。
これで、日本代表は勝ち点5、モンテネグロと並んだが、直接対決で勝っているため3位で次のステージに進出した。得失点差では負けているはずだけれども、ぎりぎりとはいえ勝てたのが大きかった。チェコ代表も、アジア最強の韓国代表もグループ4位だったというのに、日本代表が3位である。うーん。大会前には予想もできなかった結果だなあ。
日本代表のグループステージでの試合結果は以下の通り。
日本—ブラジル 28-28(15-12)
日本—デンマーク 18-32(5-16)
日本−モンテネグロ 29-28(12-15)
日本—ロシア 28-29(11-13)
日本—チュニジア 31-13(15-6)
予定よりも長くなったので以下は分割して別記事にしてしまう。
2017年12月11日23時。
2017年12月13日
レオに挑戦(十二月十日)
12月8日金曜日のプラハからの帰りは、レオ・エキスプレスを試すことにした。プラハ、オロモウツ間を走る特急は、長年ペンドリーノを愛用してきたけれども、一度試したレギオジェットのビジネスが予想以上によかったので、最近はもっぱらそれを利用し、朝のプラハ行きもレギオジェットだったのだが、レオも悪くないという話は聞いているので、一度試しておきたいと思っていたのだ。
たまたま先日臨時収入があったので、レオの上のカテゴリーを試すいい機会だということで、最初は700コルナぐらいする(便によって上下するけど)プレミアムというのを試そうと考えたのだけど、時間的な余裕を考えて選んだ五時過ぎの便ではすでに売り切れていた。レオは全体的に車両数が少なく、上のカテゴリーの車両が一両しか設定されていないため、一便あたりプレミアムは6席しかないのである。
しかたがないので、一つ下のビジネス、こちらは400コルナほどなので、ペンドリーノの一等よりは安いが、レギオジェットのビジネスよりは多少高い価格設定である。レギオも安いのは300コルナ弱だけど、高いのは400コルナぐらいになるからなあ。問題はどちらが快適で、サービスがいいかである。
プラハの駅では、レオ・エキスプレスの電車は、専用とも言うべき1.bというホームに止まっていた。プラハ駅の歴史的な内装が残っている部分であるファンタの喫茶店のあるホールから直接出入りできる1.aのホームにでて左の奥のほうに行ったところで、駅舎に入らずに直接駅前のウィルソン通りに出られるところにある。
レオでは、電車の止まるホームの端からウィルソン通りに出たところを、空港行きの直通のミニバスの出発場所にしているようで、レオ・エクスプレスでプラハまで来て、そのままレオのミニバスで空港に向えるのである。運賃はエアポート・エクスプレスよりもちょっと高い89コルナ、事前予約が必要でぎゅうぎゅう詰めになることがないと考えれば、お得かもしれない。
車内に乗り込むと、親子連れで離れた席になっている人に席を譲った結果、予約したのとは違う席に落ち着くことになった。自分が座った席も含めて、ペンドリーノの座席よりは是先の前の空間が広く快適だったけれども、レギオジェットのビジネスほどは、占有できるスペースが大きくない。ということは、値段を考えたらレギオジェットのほうがいいかなあ。
乗った便はオストラバ方面ではなく、スタレー・ムニェスト・ウ・ウヘルスケー・フラディシュチェ行きだったので、プラハからフリーン、オトロコビツェあたりに向かうのであれば、使用するかいはある。レギオジェットがオロモウツから先は、基本的にオストラバ、もしくはその先のトシネツのほうにしか行かないのに対して、別の方向に向かう便もあるのである。オロモウツ、プラハ間しか利用しない人間にはあまり関係ないけどさ。
無料のコーヒーも、レギオのほうが美味しかった。ただ、レオで飲んだのはこの日四杯目だったので、その分割り引いて考えたほうがいいかもしれない。お茶も試しにもらったら、こっちもレギオのほうがいい感じだった。レギオではジュースももらえるのにレオは水しかもらえなかったし、この日はレギオでクッキーみたいなのももらったんだった。次は、また何かで臨時収入があったときに、プレミアムを試して、レオがレギオに対抗できているかどうかを確認しよう。値段では負けているけど、意外と安い便があるかもしれないし。
でも、レギオもそうだけど、レオのような私企業の参入によって、チェコ鉄道のサービスもよくなったから、今後もこの競争関係を続けてほしいものである。ペンドリーノの座席指定券も安くなったし、水や新聞をくれるようになったのも私企業の参入の後だったはずだ。昔は座席指定券だけで200コルナだったし、何ももらえなかったのである。
ところで、ブルノの人と話していて、驚いたのだけど、未だにプラハ−オロモウツ間が3時間以上かかるというイメージを持っている人が多いようだ。以前は確かに、プラハ−ブルノのほうがかかる時間が短かったのだが、ペンドリーノ導入の際の路線の前面改修によって、プラハ−オロモウツ−オストラバ間は、チェコで一番スピードが出せる路線になっているのだ。ブルノもチェスカー・トシェボバーまではその恩恵を受けているのだけど、そこから先はあまり変わっていないので、2時間半ぐらいかかるらしい。
オロモウツまでは、レオやレギオの電車は、停車駅が一つ、二つ多いので、2時間10分ほどだけど、ペンドリーノで一番早いやつは2時間5分ぐらいじゃないかな、次の時刻表の改正では2時間を切るのではないかと楽しみにしている。普通の急行の中には、ブルの行きと同じで2時間半、もしくはそれ以上かかるものもあるけど、それでも以前に比べれば格段に早くなった。
問題が起こって遅れることも以前に比べれば激減したし、これで以前みたいに料金が安かったら、たまにはプラハに来てくださいよと金曜日に何度も言われたことを実行できるのだけどなあ。今回が往復で750コルナぐらい、出して出せない額ではないけど、特別な用もないのに出したいと思えるような額でもないんだよなあ。今後も、多くて一年に二回のプラハ行きで十分だな。うん。
2017年12月10日23時。
2017年12月12日
ハンドボール女子世界選手権グループステージ終了(十二月九日)
昨日の金曜日に、ドイツで行なわれているハンドボール女子の世界選手権のグループステージの最終戦が行われた。結構意外な結果が出たし、日本だとほとんど報道されないだろうから、チェコ代表についてだけでなく。簡単にまとめておく。
グループBのチェコ代表は、木曜日の時点でグループステージ突破を決めていた。それは昼の試合でポーランドがハンガリーに負けてくれたおかげである。ポーランドは最終戦でアルゼンチンを残していて二勝目を上げて、勝ち点4でチェコと並ぶ可能性は残していたが、直接対決でチェコが勝っているので、ポーランドの5位以下、チェコの4位以上が決まったのである。
残りの二試合、木曜日のノルウェー戦と、金曜日のハンガリー戦は、グループステージ勝ち抜けが決まっているという意味では、負けてもかまわない試合になっていた。その分気楽に戦えるというのもあるだろうし、ベスト8以上を目指すのであれば、次の対戦相手を考えて、一つでもグループステージでの順位を上げておいたほうがいいというのは確かである。
木曜日のノルウェーとの試合は、サッカーのヨーロッパリーグのスラビアの試合が放送されていたため、それが終了した後、前半終了間際からテレビで中継された。ネット上のチェコテレビスポーツのページで視聴することは可能だったのだろうが、帰宅するのが遅かったこともあって、そこまでする気にはなれなかった。スラビアの試合も気になったしね。
9時ごろに中継が始まってすぐ、この試合は勝てないことがわかった。圧倒的な点差をつけられていただけでなく、チェコの攻撃は、ことごとくノルウェーの高い壁のようなディフェンスに引っかかって、点が取れそうな気すらしなかったし、守備は守備で、ノルウェーのスピードと正確なプレーにずたずたにされ、点差が開いていく一方だった。
チェコの選手のプレーで特筆に価したのは、キーパーからのロングパスを7メーターラインぎりぎりでジャンプしてキャッチし、そのまま背面でゴールに放り込んだベロニカ・マラーのプレーぐらいだった。Bチームに負けていたから、勝つことはまったく期待していなかったけど、ここまでの差があるとは思わなかった。
チェコ代表も敗戦は計算の上のこの試合では無理をしないことを選んだようで、勝ちに行く試合に比べて中心選手のルズモバー、フルプコバーが出場している時間が短いような印象を受けた。こういう厳しい試合を若手のイエジャープコバーや、コルドフスカー、クドラーチコバーあたりが体験できたのは、将来につながりそうである。
後半に入って、ノルウェーがテンポを落としたこともあってチェコも点が取れるようになり、点差を12点ぐらいまでつめた時間帯もあったのだけど、すぐにまた点差を開かれ、最終的にはダブルスコアの18点差で負けてしまった。
金曜日の午後に行われたハンガリーとの試合は、所要でプラハに出かけていたために、ネット上のスコア速報でもチェックすることができなかった。忙しくて気にしている暇もなかったというのも確かではあるけれども。オロモウツに戻ってきて、そういえばというので確認してみたら、惜しくも一点差で負けていた。つまりグループBで4位に終わったということである。
今年はじめに行われたヨーロッパ選手権では、初戦のハンガリーには勝ったものの、あとは惜しい試合もあったけれども、全敗に終わった。今回はアルゼンチンとの初戦があった分、勝ちが増えて、2連勝した後、3連敗である。次の試合に勝てれば驚きのベスト8進出ということになるのだけど、ヨーロッパ選手権と同様に4連敗で終了ということにもなりかねない。
グループステージ勝ち抜けを目標とするチェコのようなチームは、大会の開幕に合わせて調整をすることが多い。とにかく最初の試合に勝つことで勢いを得ようとするのである。そして、試合が進むにつれて疲れがたまり調子が落ちていくものである。今大会のチェコチームも、第三戦のスウェーデン戦の前半までは理想の展開だったのだが、初戦のポーランド戦に負けて、2敗目はさけたいスウェーデンがギアを挙げてきたせいか、後半に入って逆転され最後は力尽きたという感じで負けてしまった。
それに対してノルウェーやフランスなんかの優勝を狙うチームにとってグループステージは調整の場でしかない。多少苦戦したり、場合によっては負けてしまうことがあったりするものだ。グループステージの最後の試合でノルウェーに勝ったスウェーデンが、敗退したポーランドに負けてしまったのもそういうことなのだろう。
チェコの入ったグループBの上位4チームは、グループAの上位4チームと準々決勝進出をかけて対戦する。4位のチェコはグループAを首位で勝ち抜けたルーマニアと対戦する。2位のフランスとどちらが対戦相手としていいかと考えると、ルーマニア相手のほうがまだ可能性があるような気がする。試合は月曜日の5時半からかあ。仕事が終わってねえなあ。急げば最後の最後ぐらいは見られるかな。そもそもチェコテレビ、放送してくれるのか。
最後にチェコ代表の試合の結果を挙げておく。
チェコ—アルゼンチン28-22(15-9)
チェコ—ポーランド 29-25(12-15)
チェコ—スウェーデン 32-36(18-16)
チェコ—ノルウェー 16-34(7-20)
チェコ—ハンガリー 29-30(14-17)
ハンガリーとの試合は惜しかった。でも4位でよかったと思えるような結果を期待しよう。
2017年12月9日25時。
勝った。勝った。チェコ代表はルーマニアに逆転勝ちで準々決勝進出を決めた。残り10秒ないぐらいのところで、サイドに流れていたフルプコバーが、シュートを決め勝ち越し。ルーマニアが次のプレーを始める時間は残っていなかった。すげえ。世界選手権でベスト8に残るのは、チェコスロバキアが分離して以来始めてこの途らしい。うーん中継で見られなかったのが残念。仕事ほっぽり出して帰って来ればよかった。12月11日追記。