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2015年12月28日

それでもおせちを作りたい



今日母が急遽入院した。以前骨髄炎で抜歯した2本の奥歯の跡が腫れ、膿が貯まってきていた。病院は年内で今日が最終日であり、以前から予約を取っていた日であったが、女医に腫れを見せると血液検査、レントゲン、CTを一気にしてくれた。以前と違い、ものすごいスピードであった。病院側も最終日だし、早く仕事を終えたいんだろうね、なんて母と笑っていたのも束の間、女医から薦められたのは入院だった。入院を薦められるのは予想外であり、母も私も少なからずショックを受けた。

白血球の数が異常に上昇し、化膿しているのは間違いない。母は継続的に抗生物質を飲んでいたが、それでは追い付かないようだ。女医からは、点滴で強い抗生物質を投与して様子を見たいとのことだった。

女医は30日まで病院におられるようで、入院しながらも看てもらえる。
母の口は腫れで3cmほど開くかどうかで、頭の耳のほうにまで痛みも出ている状態だ。状態は良くない。
女医の薦めに従って、入院して短期で早く治療してもらうのが一番だろう。

母とは、12月30日、31日に実家で一緒におせち料理を作る約束をしていた。30日には餅つき器で餅を作り、31日にはお重に入れるおせち料理や鯛を焼く。今年は最小限にしようと言いながらも、あれこれと材料を買い込んでいた。
母はどうしてもおせち料理を作りたいようであった。良い年になるようにと願いを込めて作る毎年の始まりの祝い膳である。作りたい気持ちはわかる。
しかし、それどころではない。骨髄炎で口が開かないほど化膿し、下唇は痺れ、耳のほうまで痛みが出ているのだ。それなのに母はおせちを作りに自宅へ戻りたいので、外出許可はできるかとまで尋ねていた。
若い綺麗な女医と私は、顔を見合わせて苦笑した。女医は外出もできないことは無いと言ってくれたが、私は外出は止め、治療に集中しようと母を説得した。

母は無理はできないし、させてはいけない。母を説得する為に、今年はおせちは私が作ると言った。以前母が心臓弁膜症で年越しで入院した時も、私が代わりにおせちを作った。しかし父はそのおせちを全く覚えていなかった。母が入院していた師走、正月のことを父は殆ど覚えていないのだ。父にとって母のいない自宅は、娘が作ったおせちがあっても味気なく空しいものなのだ。私にすれば味付けは、ほぼ母の味に似せた力作だったのだが。

入院準備の為に一度実家へ戻り、準備品を持って再度病院へ行った。朝から、自宅→病院→実家→病院→自宅と、一日走り回った。明日は朝から歯の治療に立ち会う。大掃除の続きをするつもりであったが、予定が狂ったがしようがない。今日は病院から帰宅後も、掃除機をかけたり拭き掃除をした。分けて少しずつできる箇所から掃除をしていこう。

予定どおり治療が順調に進めば、二泊三日で30日には退院できる。できれば両親揃ってお正月を迎えさせてあげたい。たとえおせち料理を作っても、母は歯が悪く、殆ど食べれないであろう。お餅も本当は歯や歯茎にくっつくので、控えたほうが無難だ。父は小食で、おせち料理を一人で食べるのは嫌なようだ。そうなるとおせち料理は、ほんの少しずつ作るのがベストだ。お正月まで、あと3日。今年は母の代わりに私が、願いを凝縮したおせちを作ろう。みんな健康で、晴れやかな一年を迎えれますように。


posted by 小町 at 22:51 | Comment(0) | TrackBack(0) | 親の老い
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