ずいぶん前のような、つい最近のような感覚。
震災当日、私はまだ会社員だった。営業所の企画担当をしていた私は、大阪市内の営業所の小さな会議室で2人の営業マンと打ち合わせをしていた。
ふと、ゆらゆらと眩暈のような感覚に襲われた。以前あったこの感覚・・私は手術後だったので、また病気が再発したのかと疑った。ゆらゆら・・横揺れに似た感覚。打ち合わせをしている2人は何も言わない。私だけなのか?暫く我慢をして打ち合わせをした。同室の2人も微妙な動きの揺れに地震と疑わず、自分の体調でも悪いのかと思っていたようだ。
次の瞬間、別室から女子社員の「キャー」という声が聞こえた。東日本大震だった。
時間にすると数分間だが長く感じた。一人の営業マンが、「この揺れは遠くから来ているんじゃないですかね・・相当大きな地震かも。」と呟いた。大阪は確か震度4ほどだっただろうか。特に被害は無かった。
打ち合わせを終え事務所に戻ると、パソコンで何やらみんな動画を見ている。同僚に「ちょっと見て・・」と言われてパソコンを覗き込んだ。まるで映画のワンシーンのような津波。「これ何?」と聞いたら、「さっきの地震。宮城らしい。」
震災直後は把握できていなかった大きな被害が、時間が経つにつれニュースで報道された。
幸いにして私の周囲の人達には、大きな被害は無かった。しかし東方面の営業所には被害があった。工場の天井の屋根が抜けたり、東京の営業所の人達は、当日帰宅できず会社に泊まりこんだ。暫くは営業所に色んな支援物資を送ったりした。すぐに食べれるインスタント食品や缶詰が喜ばれた時は嬉しかった。あれはもう5年も前の出来事になる。私にとっては随分と時間が経った感覚だ。
現地で家族や大切な人を震災で亡くした人、辛い思いをした人達にとっての5年間は長かったのか、短かったのか。辛い事が多すぎて時間が止まったままの人もいるかもしれない。
被災者の人が、明るく前を向いて歩ける世の中になりますように。願いを込めて今日は一日心静かに過ごしたいと思う。
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