中年モンスタークレーマーを黙らせた、簡単な一言?
モンスタークレーマー怒涛の「口撃」
1 モンスタークレーマーが来た!
中年男性、40代〜50代ぐらいの方が、
ジーンズを買った1ヵ月後に店舗に連絡が、電話を取るやいなや「サイズが全然違う! 合うものと取り換えろ」と急に怒鳴ってきました
モンスタークレーマーはどこの業種にも!
念のため監視カメラを見返し
どの方かを確認したところ、その場で試着してから購入していました
何より1ヵ月も経っていますし、申し訳ありませんがそのような取り扱いは致しかねますと伝えました
この言葉に、さらにキレたようで、
その後
ジーンズに傷があったんだよ
謝ったよな? お前、責任を認めたんだろ
ちゃんと謝罪に来い!などとよくわからないことを言い出したので、私は録音をセット
電話は45分以上続き、業務に支障が出ると感じたため
すみません、ほかのお客様がいらっしゃったので切らせていただきますと伝え、電話を切りました
しかし、その後も毎日のように電話が来ます
私のいない日には直接店舗に来たそうです
しかも女性従業員が粘着質な話に付き合わされ、雰囲気の悪さを感じたほかのお客様がみんな帰ってしまったのです
さすがに自分たちの手に負えないと思い、法務部の方から顧問の弁護士に相談してもらいました
顧問の弁護士から電話を入れ
今後、この件については当職らに連絡してくださいと伝えたところ、それ以降、一切連絡が来なくなりました
2 クレームというものの持つ意味
クレームは法人にとって重要なもの
正当なクレームには企業の問題点や向上のヒントが詰まっているし、クレームに丁寧に対応すると以前よりも企業のイメージがよくなることが往々にしてあります
告知せず
こっそり録音しても大丈夫?
正当性がなくただ喚き散らすだけのいわゆる
モンスタークレーマーも最近増加中ですモンスタークレーマーは、組織の従業員に肉体的・精神的・時間的にダメージを与えるような例もあるのです
3 録音の重要性
まずは録音を活用します
今後、法的紛争になった場合を想定して、証拠収集のため録音をすることは必須です
証拠という観点からすると、やりとりはできるだけ書面かメールで行うことも重要
なのですが、相手を怒らせないようにすべき繊細な内容であれば、むしろ書面やメールでやりとりをせず直接話したほうがよい
書面やメールではニュアンスが誤って伝わってしまい、相手の怒りを増幅させてしまう場合が多いのです
4 電話のクレームに対する対応法
電話でのモンスタークレーマー対応においては、ある程度毅然とした対応が必要です
録音していることをあらかじめ伝えるのも一つの方法です
今後の対応の向上のために、この電話は録音させていただいておりますといった言い回しで最初に告知する
断られても録音をしてしまってください
相手の了承を得ずに録音をすることを(秘密録音)も裁判のときの証拠になります
あらかじめ録音していることを伝えておくと、相手は録音を意識して大声を出さなくなることもあり、クレームの態様が穏和になる可能性があるのです
嫌なことを強く言われ続けるとそれだけで精神的に参ってしまうので有効な手段となります
何時間もしつこく話してくるクレーマーにお付き合いしてはいけない
メンタルに悪影響を及ぼす上、業務の進行が妨害されますし、また、のちに不利になり得る情報を相手方へ与えてしまうことにもなりかねないのです
弁護士として伝えたい
クレーマーとの話し方のコツ
ほかのお客様がいらっしゃったので切らせていただきます
これから外出しなくてはならないのでいったん電話を切らせていただきますと、なるべく早いうちに終わらせるとよい
この場合
別件が終わったらかけろ、折り返し電話しろと脅されても、必要であればお電話いただければと思いますなどと伝え、折り返しの連絡の約束をしないほうがよい
あくまで何か要求する側に基本的にはボールがあることを意識しましょう
5 クレーマーとの話し方のコツ
クレーマーは、畳み掛けるように話します
そのまま聞いていると、こっちが悪いような気分に!
ついついヒートアップして言い返してしまうことが多いのですが、余計な話はせず、ただあいづちを打つだけ
クレーマー状態になっている人は、何を言っても変わらないので、むしろ話せば話すほど、火に油を注ぐ可能性が高いのです
相手側が録音をしていることも多くあります
その場合
不利な言質を無理にとらせようとします
そういった意味でも、発言は必要最小限がよいのです
ひたすら聞き手に回って、相手が何も言わなくなっても、沈黙を続けてしまってください
問題あるクレーマーの場合は、早くやりとりを終わらせたいところです
もうお電話でお話しすることはありません
要望があれば書面で送ってください
お話しすることはないので法的措置を執ってくださいと切り上げてください
お客様は神様?
という言葉もあったけれど!
実際に法的措置、すなわち裁判等をされても負ける場合は少ないのです
従業員のメンタルを守ることのほうが重要です!
それでもまだ連絡をしてくるような真のモンスタークレーマーには、弁護士を頼むと、突然連絡してこなくなることも多い
自分のしていることに正当性がないと気づいているのでしょうかね
6 刑事犯罪に当たるような場合
夜外を歩くときに気をつけろよといったことを伝えてきたら、もう刑事上の脅迫罪(刑法222条)にあたります
録音したまま、脅迫ですか!?と強気に言う
相手が法的措置に出られるのではないかと思い、ひるむ場合が多い
それでも止まらなければ、警察に相談します
あまりにもしつこく電話をしてくるような場合は業務妨害罪(刑法234条)にあたることもあるのですが、
裁判例上も、3ヵ月で1000回電話をしてきた場合など、極めて執拗な場合に限られます。
ただ「業務妨害で被害届を出しますよ」と伝えるのは有効な方法です
7 昔は「お客様は神様」?という言葉もあり、モンスタークレーマーも大事にしなくてはならない風習があったのですが、最近になってようやく問題として認識され始め、特に日本の場合、ほかの国よりもモンスタークレーマーに対し丁寧に対応しすぎる傾向も!
契約関係にあるとはいえ
客に対しては無理な要求もすべてきっちり対応しなければならないというものではないのです
従業員が健全に働くことができる労働環境を整えるのも企業の責務
モンスタークレーマーに対しては毅然と対応していきましょう
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