Radio Habana Cuba、2024年8月6日
42歳近いロペスは、時をあざけ笑い、相手選手を圧倒し続けた。レスリングのマット上で彼を転がす者はいない。
火曜日(8月6日)、シャン・ド・マルス・アリーナの会場は満員で締め切られた。誰も「戦士の物語」を見逃したくなかった。IOC会長までが、時間ちょうどにマット足元の特等席を占めた。彼もまた、スーパーチャンピオンに敬意を表したかったのだ。
ファンは彼を愛し、「ロペス、ロペス、ロペス」と叫んでいた。ハビエル・ソトマヨールやアナ・フィデリア・キロースといったスターたちが、観客席から、キューバ代表団メンバーたちとともに彼を応援した。
キューバ西部の農村エラドゥーラの彼の自宅では、彼の愛する母親を含む100人ほどの人びとが、マット上を彼とともに押し進んだ。キューバ全体も、世界の数えきれない人びとも、同じ気持ちだった。
王立アカデミーは、銀河系唯一の、おそらく再現不可能な偉業を成し遂げた、この男に向けた新たな形容詞を作る必要があるだろう。
チリに帰化したキューバ人選手ヤスマニ・アコスタとの決勝戦の6対0という結果は、皆の予想を裏付けただけだった。彼の5個目の金メダルであり、パリ五輪2024でのキューバ初の、もっとも予想された金メダル。ヤスマニ以前には、さらに若い3人のライバル選手たちを倒した。そのなかにいた優勝候補だったイランの世界選手権王者ミルザザデフは彼から1ポイントを奪った。
今回の歴史的5個目のメダルは、2008年北京、2012年ロンドン、2016年リオ、2020年東京でのメダルに加わる。
時間に挑み続けるのは不可能だと考える人もいたが、ミハインは挑戦を受け入れ、忘れがたき父の死などの苦しいときを乗り越え、これまでにないトレーニングを重ね、歴史を拡大し続けることを約束した。
そうしてパリでその約束を守り、皆との、とりわけ彼自身との約束を成し遂げた。犠牲、個性、献身、巨大な力などによって、この頑丈なキューバ人は永遠に自身の名を刻んだ。
彼が感動の涙を流したかどうかはわからないが、汗がその人間性を包み、勝利のあとはただ微笑むだけであった。
そのすぐあと、彼の愛するコーチ、ラウル・トルヒージョへの恒例の放り上げがあり、エクトル・ミリアンを肩に担ぎあげ、ドクターのガインサを抱擁した。それから観客に何度も感謝を表明し、たくさんの写真撮影をプレゼントし、マットに口づけし、自身の歴史的シューズをリング中央に置いた。
こうして彼は永遠と思われた長きスポーツキャリアを封印した。オリンポスの神々のひとりがここに歴史を作ったのである。
決勝戦 ミハイン・ロペス対ヤスマニ・アコスタ
試合後インタビュー
Mijaín López, leyenda, único: cinco oros olímpicos
https://www.radiohc.cu/noticias/deportes/362171-mijain-lopez-leyenda-unico-cinco-oros-olimpicos