食事は、タンパク質を摂るためにあるといえます。
人間の体は、タンパク質でできているといっても過言ではありません。体内の筋肉や臓器はタンパク質でできており、生命活動を調整する酵素やホルモン、神経伝達物質の材料のもなるのです。
タンパク質を構成しているのは、約20種類あるアミノ酸です。そのうち8種類は体内で合成できない「必須アミノ酸」と呼ばれる物質。必須アミノ酸は人間の方だに不可欠ですから、どうしても食べ物から摂取しなくてはなりません。しかもタンパク質は、糖質や資質と違って体内に蓄積しておくことができません。不足した場合は、筋肉などを分解してまでも作ろうとします。また余った場合は、分解して尿素になり、尿中に排泄されます。玉子などアミノ酸バランスの良い良質のタンパク質を、毎日過不足なく、確実に取っていくことが大切で大事です。
アミノ酸8種類(子供は9種類) フェニルアラニン、トリプトファン、スレオニン、イソロイシン、リジン、ロイシン、バリン、ヒスチジン
肉や魚は体の材料になる
脂質は、ほとんどすべてのあぶらを指すいみのひろいことばで、おおきくは3種類に分けられます。タンパク質や糖などの結合した複合脂質、コレステロールなどが含まれる不けん化物、そして食品のほとんどが属する単純脂質です。
単純脂質のあぶらには、ロウと油脂があります。そのうち食べられるのは油脂で、常温で液体のものが油、常温で固体のものが脂です。つまりサラダ油などが油、肉の中に含まれている白い部分が脂肪(脂)というわけです。脂肪は肉や魚だけでなく、玉子や豆、乳類にも含まれています。
脂質は、1gあたり9キロカロリーという高いエネルギーを持っています。糖質制限食では、糖質のエネルギーが少なくなる分、脂質がエネルギー源として重要な役割を果たすことになります。
脂質は体内に入ると、脂肪酸とグリセリンに分解されて吸収されます。効率の良いエネルギー源として使用されるほか、細胞や血液の成分となったり、ホルモンの材料になるなど、体の重要な構成物質として使われます。
魚介類の脂は体に不可欠
脂質を構成する脂肪酸は、構造の違いから、飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸に大別できます。このうち不飽和脂肪酸には、積極的に取りたいものと摂取を控えたいものがあります。摂取を増やしたいのは、n-3系脂肪酸と呼ばれるタイプです。中でも最も重要な脂肪酸は、DHA(ドコサヘキサエン酸)やEPA(エイコサペンタエン酸)です。どちらも健康維持に大きな働きをする脂肪酸です。
これらの脂肪酸は、アジやサバなどの、いわゆる青背魚と呼ばれる魚類に多く含まれています。かつての日本人は食事でよく摂取していましたが、現在は少なくなっているので、意識して食べるようにしましょう。
玉子にはコレステロールを減らす作用がある
糖質制限食を行う上で便利な食材に、玉子はあります。鶏卵は、1個中のとうしつはわずか0・1gで、その他の栄養素は食物繊維以外まんべんなくそろっている、いわゆる”完全食品”なのです。玉子の調理法も非常に多いので、毎日のメニューにどんどん利用しましょう。
玉子というと、コレステロールを気にする人がいるかも知れません。玉子1個には200mg程度のコレステロールが含まれているので、以前は食べるのは1日1~2個以内にするようにとよく言われていました。ただ、コレステロールは体内で合成されており、食品から摂った場合は合成を抑制するなどで自然に調整しているため、それほど気にすることはありません。
玉子には、コレステロールを溶かしたり脳卒中などを防いだりしてくれるレシチンという脂質が多く含まれています。つまり玉子には、不白コレステロールを下げる作用があり、豊富に取っても問題ないことが各種の研究ではっきりしています。とはいえ、1日に何十個も食べるのは問題です。様々な食材と組み合わせてバランスよく摂りましょう。
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