【日 程】2017/5/16(火)
【メンバー】6人(ガイドKさん、奥さん、Yさん、師匠、鉄人Mさん、ほ)
【天 候】くもり
【コースタイム】
10:30 登山口
11:50 東稜取りつき
12:30 1P目スタート
13:00 2P目スタート
13:30 3P目スタート
13:45 4P目スタート 終了点でランチ
15:00 5P目スタート コンテにて通過
15:40 6P目スタート
16:25 地蔵岳全員登頂
17:25 下山
【コース概要】
大曲の登山口から不行沢までは一般路。
A17ポイントより東稜、三峰方面へのアプローチ。マーキングあり。
しっかり踏み跡が出来ていましたが、あえて昔からのアプローチの沢を登りました。
使う人が居なくなったようで、コケが生え滑りやすい状態。
各ピッチグレード
1P、2P:?V+、3P:?V-、4P:?V+、5P:?V-、6P:?W
6P頂上フェースは複数のルートがありグレードも変わります。
地蔵岳から登山口までは一般路を下りますが、濡れて滑りやすい鎖場が続きます。
今年4月にも滑落死亡事故がありましたので、最期まで気を抜くべからずです。
【周辺情報】
雪彦山キャンプ場の登山口には駐車場、WCがあります。
大曲の登山口は駐車場、WCともありません。(路肩に数台駐車可)
WCは大曲休憩舎より少し下の賀野神社にあります。
雪彦山と夢前市街の間に雪彦温泉があります。
今回は香寺の 竹取温泉香寺荘 に行きました。
大人700円、60歳以上600円。
露天風呂は炭酸泉でゆっくり入れるようTVモニターもあります。
【この日のレポート】
ひっっっさしぶりのクライミング。
夏の剱計画のメンバー顔合わせと本番の予行演習を兼ねて。
計画に乗っかったものの、本当に登れるか不安たっぷり。
大曲の登山口で打ち合わせをしながら、夜勤明けの鉄人Mさんを待ちます。
この冬の東山でもKさんから、まさかの「現地で別行動宣言」だったので、しっかり行動計画を確認。
Mさんも揃ったところで10:30スタート。
入山早々、沢に向けて下ります。
写真撮るのを忘れましたが、A17ポイントから沢沿いに分け入ります。
3年ほど前に来た時には無かった派手なマーキングが続いていました。
踏み跡もしっかり道のようになっていましたが・・・・
今回のリーダーはガイドKさん。
まともに歩きやすい道を行くはずもありません。
昔ながらの沢筋をあえて進みます。
が、通る人のいなくなってコケや枯葉に埋もれています。
途中、フェースに出くわし、ロープを出して登ることに。
コケだらけです。
フリクションが利けばロープなしで登れる感じのフェースですが・・・
濡れてめちゃくちゃ滑ります。
アプローチぐらい楽に行っても・・・
と思いましたが、四半世紀ぶりのクライミングと言うYさんのお手並み確認もあって、あえてやっているとのこと。
確かに、取り付いてからアワアワすると大変ですから。
「8の字でハーネスに・・・」の言葉に
「8の字知らないなぁ〜。ずっとブーリンでやってたから。」
と8の字結びのやり方の説明から。
事故もあって今は使われていないですが、昔はブーリン(もやい結び)が主流でしたもんね。
中間で登るパターンもやっておこうと ロープマン の使い方もレクチャーしたり。
なんだかんだで取り付き到着は11:50
なんとかお昼前。
今回の呼びかけは確か「ヒル前の雪彦山」
ヒルはヒルでも「山ビル」が出る前の、ですが。
お蔭さまで今回はまだ山ビルを見かけずに済みました。
ここ東稜の取り付きにはありがたいことに練習・レクチャー用のボルトを打ち込んだ岩があります。
ここでセルフビレイの取り方等々、レクチャータイム。
リードフォロー時に写真のクローブヒッチなしでデイジーのセルフのみでOKと言っているガイドを複数見かけたとのお話も。
余談ですが・・・
こちらは確保支点を作るときのイラスト(東京新聞「イラストクライミング」より)。
「スリング、デイジーなどの自己確保」とロープ本体をカラビナにクローブヒッチで固定している2本が「ハーネスへ」となっているのが分かると思います。
このクローブヒッチなしで直接ハーネスからつながっているロープを確保器にセットするとどうなるか?
何事もなくクライマーが登れば、何事もなくビレイできます。
もしクライマーが落ちて衝撃でビレイの手が離れたりしたら・・・
セルフビレイと確保支点の位置関係とかにもよりますが、クライマーが宙吊り、ハーネスはデイジーとクライマーの両側に引っ張られてビレイヤーが身動きが取れない状態に陥る可能性があります。
ハーネスと確保器(クライマー)との間に固定支点を一つ作るだけでビレイヤーの動きを守ることが出来ます。
無くても大丈夫なケースもありますが、習慣にしておかないと、いざというときに忘れかねませんよね。
我ら、なんちゃってクライマーなのでルールと呼ばれるものを無視していることもありますが、リスク管理で大事な所はきちんと押さえておきたいです。
我らとくくっちゃいましたが、私は初心者に毛が生えた程度のクライマーとも言えないレベルなのであまり偉そうなことは言えません。
日々精進です。
クライミングを勉強する上で、上出の 「イラストクライミング」 はお勧めです。
イラストで分かりやすいですし、こういう場面でこんな危険があるとか、気を付けるべき視点がすごく分かりやすいです。
あ、人生終わったね。って感じのイラストがいっぱい自然に載っててシュール感もありますが・・・
本番前のイメトレや練習にもってこい。
クライミングを始めるなら是非とも持っておきたい1冊です。
話しはそれましたが・・・
12:30ようやく1ピッチ目に取り付きます。
本番はKさんパーティーとは別ルートのパターンもあるので2パーティーに分かれて。
アプローチシューズのまま師匠がリードで取り付きましたが、ちょっとヤバそうとのことで、一旦降りてクライミングシューズに履き替えです。
1ピッチ目終了点
隣りでは何やらレクチャー中。
1ピッチ目を登るMさん。
2ピッチ目終了点
師匠とMさんが釣瓶でリードしてくれるので、私は常に中間で楽させていただいてます。
と言うか、今の私にリードできる技量がないですわ。
年と共にビビりもかなり入ってます。
3ピッチ目
ここはルートが複数とれないので1パーティーずつ。
Kさん達より先にいかさせていただきました。
バンドをトラバースしていく感じでグレードは落ちますが、ロープはあった方が無難です。
3ピッチ目終了点
核心、4ピッチ目
凹角に入りすぎると行き詰ります。
左に目をやれば不行岳が威圧的に見下ろしています。
4ピッチ目は核心を過ぎると緩やかなフェイスへ。
終了点は比較的広い安定した場所があるので、Kさんパーティーを待ちながらランチタイム。
師匠は5ピッチ目はコンテだし、左足のクライミングシューズが痛いとアプローチシューズに履き替え。
コンテに備えてロープも片づけた所でKさんからヘルプ要請。
どうやらYさんが核心をクリア出来ない様子。
師匠が片足アプローチシューズのまま懸垂で降りて行きました。
いやぁ〜先に進まずに待っててよかった。
5ピッチ目馬の背はコンテで
Kさんが奥さんとYさんを確保するためのロープを踏まないように気を付けながら。
師匠、右足と左足のグリップ力が全然違うようです。
頂上フェースもこのまま行って欲しかったな。
馬の背の中間の遭難碑の所から見下ろすと・・・
落ちたらタダでは済みません。
不安を感じるようでしたら積極的にロープを使う方が無難です。
馬の背を登りきると目の前に頂上フェースが現れます。
ラストのYさんが登ってくるのを待ちます。
ふと足元を見るとヒカゲツツジが1輪咲いていました♪
取り付きに5人いると流石に窮屈そう・・・
最終頂上フェース
ここはKさんパーティーが先行。
Yさんをフォローできるよう、師匠がリードで続きます
ちょっと手こずりましたが無事にクリア!
私も少々ロープに頼りながら登りました。
前はもっと軽く登れたと思うんだけど・・・
本番までにもうちょっと練習しておきたいなぁ〜
地蔵岳の山頂から。
姿が見えなかったから靴を履きかえようと思ったら、履く間もなくMさんが登ってきてしまった。
さすが早い!
予想以上にと言うか、予想通りと言うか、時間がかかりましたが、無事登頂!
見下ろされていた不行岳と視線が近くなりました。
ここから下山は一般路。
とは言え油断は禁物。
虹が滝までは濡れて滑りやすい岩場が続きます。
死亡事故も発生していますので慎重に。
雪彦山のクライミングルートはKさんの著書「ひょうご山蹊記」に載っています。
若いころに通い詰めて仲間と共に「雪彦山ルート図集」を作られたKさんにとっては庭のようなところですね。
兵庫県内のガイドブックに載っていないコアなルートもいっぱい載っているので、兵庫県内、近隣の方にはとってもお勧めの本ですが絶版です。
Kさんの手元にも残っていなくて、アマゾンで数点出ている中から買いましたが・・・
もう、プレミア価格でしかなさそうですね。
ちなみに2冊目「 山・岩・沢・雪 」は好評発売中。
新品価格
¥1,620 から
(2017/5/18 14:46時点)
豊富な経験に基づいたノウハウや経験談等、お行儀のいいテキスト本では語ってくれないことも載っています。
登山ランキング
なので限界以上の所には行きません。
ま、高所恐怖症の人には絶対無理ですよね。
クライミングやられる方には「恐怖心」ってのはないんですか?