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2021年02月25日

感想部20 今週も感想部週間 「動く指」ミス・マープル





アガサ・クリスティ—の「動く指」です

戦時中の飛行機事故により重傷を負ったジェリー・バートンは、医者の勧めにより、静養のために妹のジョアナとリムストックの町へとやって来た。二人がリムストックに居を構えてまもなく、差出人不明の手紙が届けられる。それは、「ジェリーとジョアナが本当の兄妹ではない」という内容を下品な表現で文にした誹謗中傷の手紙だった。ジェリーはバカバカしいと思い手紙を破り捨てるも、地元の医師・グリフィスに手紙のことを打ち明ける。するとグリフィスは、リムストックでは以前から人々を誹謗中傷する怪文書が出回っていると話す。そしてこの怪文書事件は新たな悲劇を引き起こした。事務弁護士ディック・シミントンの妻であるモナが服毒自殺を遂げてしまったのだ。

手紙には、現夫のディックとの間に生まれた次男のコリンが、ディックではなく別の男との間に生まれた子供であるという内容が下品な表現で綴られていた。モナの遺体のそばには「生きていけなくなりました」というメモが残されていたことや、彼女が以前から神経衰弱気味だったことから、モナの死はこの手紙を苦にしての自殺と思われた。

さらに事件は続き、今度はシミントン家のお手伝いであるアグネスが行方不明になる。彼女は行方不明になる少し前に、リトル・ファーズ邸のメイドであるパトリッジに相談したいことがあると電話をしていたのだった。パトリッジはアグネスとお茶を一緒にという約束をしていたが、現れなかったのだという。

翌朝、ジェリーは電話のベルで目を覚ました。相手はミーガン。シミントンの妻・モナが前の夫との間に授かった娘であった。ミーガンは慌てた口調でジェリーに「すぐに来て!」と話し、ジェリーは悪い予感を感じつつシミントン家へと向かう。その悪い予感は的中した。行方不明になっていたアグネスは、階段の下の戸棚で他殺死体となって発見されたのだった。この事態に牧師夫人は、知人のジェーン・マープルを呼び寄せた。マープルは事件の真相を探るべく、リムストックを散策することとなった。


このあらすじ長っ
ほぼほぼ内容じゃね? (笑)
とか思っちゃったよ。

このドラマは、ジェリーの語りで進められていく。
こういう奴、クリスティー作品であったなぁ……あぁ、「アクロイド殺し」
題名も題名だけども……
だから、すっかり、語りを務めているジェリーが犯人だと思っていたら、
見事にやられたよ。

てか、ジェリー役の俳優を売り出すための作品なのか?
破天荒で、破壊的な性格、自暴自棄な行動、戦争後遺症ともとれる性格
などど、ジェリーにちょっとキャラ与えすぎてない?
とか思ってしまった。

この話のタイトル「動く指」が何故動く指なのか?
機械的に言えば、誤作動を起こす。ということかな?
普通ではないことをする。普通はしないこと、やらないことをしてしまった。

いや、

普段しないことをする行為を「動く指」に込めたのだとすると、
なかなか強いタイトルだなぁと思う。

最初、切り抜きの手紙、タイプライターを打つ「指」のことを指しているのかと思たが、
そうではないのかも

小説を書いていてタイトルがとにかく難しい。
いいタイトルを付けても、話し総てを要約していなかったり、
あまりに突飛すぎてもよく解らなくなる。
かといって、ネタバレになるようなタイトルはもってのほかだし、
情緒なんかも欲しい。
と欲張ると、結果

「タイトル(仮)」

をつけて書き上げるまで、名前なしになる。

以前はタイトル向きの言葉が浮かび、それに合わせて書いていた時もあった。
でもそれはまれなことで、タイトルから発想しても、書いていて変わっていくことはたくさんある。
そうなるともうタイトルを変えてしまう。
でもどうしてもその言葉を使いたいので、無理やりつけると、
どんな話だ? と書いた本人が一番気持ち悪い結果になる。
そうなると、この作品を好きになれない。最悪のパターンです

今流行りの長いタイトルのほうが、逆につけやすいかもね。
だって、それも内容説明になっているからね。
それもありだと思うけど、……長いのも長いで、ちょうどいい長さにならなきゃ、なかなか、ねぇ。

この話は、クリスティー・ロマンスものとして、素敵な話だと思う。
ちょっと、ジェリーのいいかげんに好きを変更するあたりが、どうも気に入らないけれど、
最初に恋をした相手は、まさに、見た目だけですから、
付き合っていくうちに、かわいらしい性格に好意を示すのは当たり前だし、
やっぱり、会話が楽しくないと、長続きしないしね

しかし、ミーガンをけなすあのおばさんには、うんざりする。
よく他所この子をそこまで蹴落とせれるものだ。
あなたに何の権限があるの? と、本当に、嫌な気分を味わう。
まぁ、悪気のない悪意ほどタチ悪いものはないわな。

犯人は、最初に思った通りですが、
いつもどおり
クリスティーにもてあそばれ、「あれ、こいつが犯人? いや、こいつ?」
と目まぐるしく推理した結果、犯人正解。だけど、疲れたぁ
まぁ、犯人捜しの爽快だったこと(笑)

クリスティー作品は、全体を100ページだとすると80ページは事柄で、
残り20ページで事件が起き解決する。
この80ページを読まないと意味が解らない。
だけども、人間がするちょっとした行動や、重箱の隅を突くような視点は、やはり面白い。
そして、読んだ後で、クリスティーにもてあそばれたかによって、読後が変わる。
作家にもてあそばれて、「やられたぁ」と思いたい人は、ぜひ、読んでみてください。
ドラマでもいいですよ。ぜひ、見てください


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