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2017年08月20日

肥満度

私の身長は165cmなので、1999年に日本肥満学会が定めた体格指数(Body mass index)BMI22は59.9kgです。このBMIが22とは、高血圧、高脂血症、肝障害、対糖能障害などが最も低くなる値だそうです。そしてこの指数が上がるにつれて肥満度も上がります。

165cmの場合
<18.5..............50.1kg以下............痩せ過ぎ
≧18.5〜22>....50.1kg〜59.9kg.....普通体重(標準以下)
≧22〜25>.......59.9kg〜68.1kg.....普通体重(標準以上)
≧25〜30>.......68.1kg〜81.7kg.....肥満度1
≧30〜35>.......81.7kg〜95.3kg.....肥満度2
≧35〜40>.......95.3kg〜108.9kg...肥満度3
≧40.0.............108.9kg以上............肥満度4

私の場合、最大の体重は106kgでBMI38.9でしたから、かろうじて肥満度3でしたが、もう少しで肥満度4に突入してしまうところでした。今朝の体重は100.8kgだったので、BMIは多少下がって37です。しかし相変わらず肥満度は3のままです。肥満度2になるには、あと5.5kgの減量が必要です。ひと月で5kgの減量ができたので、9月末までには肥満度2のレンジに入りたいものです。

それにしても、こうして肥満度一覧を眺めていると、20歳前後はBMI22以下だったのに、自分は太り過ぎていると思い込んでいたという認知のズレがあったことに気づきます。大学生の頃なんて48kg、49kgだったのに、まだまだ痩せなくてはと思っていました。先日かつての同級生に会った時、私のことを「随分と足の細い人だと思っていた」と言われて、心底驚きました。自分の足は大根足だと思い込み、ものすごくコンプレックでした。

20代の多くは50kg台だったと思います。60kgを超えたことがあって、大ショックを受けたのでよく覚えています。いつも必死にダイエットしてはリバウンドしていました。リンゴダイエットをして寝込んだこともありました。留学中にドイツ人の友人から「なぜ少しも太っていないのにダイエット、ダイエットというの?」と聞かれたことも覚えています。今から見れば普通体重の中でもBMI22以下だったのです。

30代はダイエットとリバウンドの幅が段々と大きくなっていきました。50kg台から70kg台を何度も往き来していたように思います。毎年健康診断の時に居残りさせられて、保健師さんに厳重注意され、肥満の怖さについてレクチャーを受けるようになりました。私は益々ダイエットに勤しみました。38歳の時80kgを超え愕然とし、また大急ぎで10kgダイエットに走ったことを覚えています。30代は肥満度1の時代でした。

40代には80kgを超え、頑張って10kg痩せて70kgになり、でも15kgリバウンドして85kgになり、また頑張って10kg痩せて75kgになり、また15kgリバウンドしてなどというダイエットを繰り返すうちに90kgも突破してしまうようになりました。医師に助けを求め始めたのもこの頃です。内分泌専門医、肥満治療専門医も訪ねました。肥満度2の時代です。

50代は、いよいよ肥満度3の時代に入ります。2009年に到頭100kgの大台に乗ってしまい、もうどうしていいやら途方に暮れたのを覚えています。もはや、自分の意志で食べないでいることができないのです。夜中に冷蔵庫を開けてしまう自分自身に絶望して、精神病院の閉鎖病棟に監禁してもらえないか明日の朝になったら聞いてみようとか、犯罪を犯せば刑務所に入れてもらえるかもしれないという考えも脳裏をよぎるようになりました。お金持ち相手に詐欺罪で捕まって、あとから被害者にちゃんとお金を返せばあまり迷惑をかけずに刑務所に入れてもらえるのではないかとも考えました。

図書館で肥満治療についてたくさん調べ、あちこちの専門医に電話しました。肥満専門医の中には、安定剤だのなんだので9種類もの薬を処方する医師もいました。SNSで仲間と一緒に努力もしました。何度も頑張って、何度も挫折しました。3年越しで予約をした摂食障害の医師にもようやく繋がりました。おざなりの医師もいたし、親身になってくれる医師もいました。

信頼できる医師と出会えたと思った時です。何度か通院したあと入院ということになりました。やっと助けてもらえると心の底から安堵しました。すると医師の口から出た質問は「あなたは人の物を盗んだりしませんか?」というものでした。私はこれほどまで屈辱的な質問をされるような人間に成り下がってしまったのかと絶望しました。顔色を変えた私に医師は、「こんなこと聞いてごめんなさいね。入院中に他の人の冷蔵庫からモノを盗む人がいるものですから」と言い訳しました。

図書館で借りた本にもしばしば、摂食障害者には万引きする人が多いと書かれていたので、医師の質問は特別おかしなものではなかったのかもしれません。しかし、今、こうしてあの質問をされた瞬間を思い出すだけで、心拍数が上がり、上気してしまう自分がいます。刑務所に入れてもらうことまで考えていたのに、この屈辱には耐えられず、その医師の元を去りました。

できることは、次々に行いました。でも続けられないのです。ダイエットしている時には、周りの皆んなは「あら、やせたんじゃない?」と声をかけてくれました。でもリバウンドしたときには、皆んなそっとしておいてくれました。何度も何度も、急激に痩せたり太ったりを繰り返す私を優しく見守ってくれる友人にいつも心の中で感謝し続けてきました。でも時には、心ない言葉にも傷つけられました。風邪を引いて熱を出し、近くのクリニックに行った時「風邪よりもその体型が問題です。メタボリック症候群です。少しは節制したらどうですか」と嘲るように言われた時の絶望感をどのように表現したら良いでしょうか。

でも、never give up。諦めたらそこで人生終了です。

今はまず肥満度2、40代にタイムスリップが目標です!
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