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2017年09月24日

第二波

自分だけすごい焦ったような表情をしている
波に乗ったことは一度も無い
防波堤を何回も呑み込まんとばかりに波は何度も打ち付ける
消えそうな第二波
何回でも追いかける





透明な岬を築き上げようとしている奴がいる
止めても辞めないただのアホだが
今日だけ2分延長しているかもしれない
あのアホのせいで。
ただ睡魔が襲ってきても2分長く起きていられそう








ビスケットの扉が砕け散った
またビスケットを買い足しに行って補修する
パフェの家にビスケット乗せる人が続出する
ビスケットを骨組みとして採用した






この言葉は何かの分かれ目
白い月が照らす
それに対して何も返す術もなく
ただ書き記すだけ
感謝の言葉を
ありがとう
昼間は焼け焦げた音楽が
流れていく
posted by 柊太郎 at 15:50 | Comment(0) | TrackBack(0) |

2017年09月22日

ズウェイガー・蟹

どこまでも自由だが
必ず良いものを獲って帰ってこいと言われる
どこまでも広がる大地・海
どこまでも自由だが
どこまでも自分の物足りなさ・不甲斐なさ
とくと感じよ



IMG_20170922_210814.jpg



悪いことの使い方
悪いニュースは視聴率がよくとれる
それくらいしか使い道が無いから
自分じゃなくて良かったなと思う
なぜか昨日の悪かったことが輝いて見える
目をつむれば輝く島
ひとつだけ
目を開ければ光で溢れる世界
瞬く間に取り残される
やっぱりこのままがいい
ただ自分じゃなくて良かったと思うだけだ
悪いことはこうやって使う
悪かったことが輝いて見える








黒い球体が祭を終えた後の木々を通りすぎていった
サーカス団の旅車
冬の木枯らし吹くより早く
葡萄のみずみずしい夜に
朝になってどこか出荷されるまで







北極海で死んだ
でもなぜか借り物があって
そこに返すまで死ねない
極限にまで覆い尽くす黒が海に溶ける
もうすぐ溶ける白の氷河が
もうすぐ海に還る







平原でキャンプ中の名も無き民族
川原で魚を捕る半魚人
水しぶきが熱い
炎の主が住んでいる
黙って見てろと言わんばかりに山の巨人は
分厚い手のひら
火種をそっとすくいあげる
火は天まで登る
それなのに地上でずっと燃えている






書物を朗読するだけの男がいる
地下の図書室でただひたすら
ほのかに灯るランプ
学者のような格好をしていて
外に本を買いにいくついでにパンや飲み物も買う
無駄なことは一切話さない
地下はどんどん深くなる
彼が遺していった書物もある






祝福が足りずこの世界は青で包まれる
マラカスとチャイムの音は甲高い
上空の遥か向こうでも戦争は行われている
明日を夢見た滑空機
とおせんぼするもう動けなくなった戦車
黄色が足りない
天使の祝福を受けた街
もうここから動けない
青の天使
明日の青空駆け巡る







カニ歩きしてたら浜辺に着いたズワイガニ
その間に颯爽と軍隊蟹が駆け抜けていった
カニもその軍隊に加わりたかったが弧を描いて道を外してしまった
とくと味わった
すごい恍惚に浸っている
IMG_20170923_221754.jpg

2017年09月16日

ショートロング

1日は長くて一生は短いって誰か言ってた
英数字で数えればいいか
漢数字で数えればいいか
悩むね
ああそうだ
名前の無い猫の1日は長くて
服の袖を通す猫の一生は短い
また明日は来るよね
フランスパンにバターを塗るある朝の台所
IMG_20170917_231403.jpg






何にも無くなる
餡でもなくなる
何者でもなくなったら
何か形にしたくなる
透明感のある和菓子屋
ぎゅうひで餡を包み
誰かに売る
息のできないゼラチン状のお菓子の国
早くここから抜け出せ
全部食べる
こんな少ない情報だけじゃ息が詰まりそうになる






楽々とチーズフォンデュを作る男がいる
鳥が空を食べた
厨房に注文
白いコック
ひたすら火と鉄の音が怒号している
鳥はこの世界の厳しさなど目もくれず
ふてぶてしい態度を取る
夕焼け時に車に轢かれて燃えたカラス
チーズの中に溶けていった
今日も注文が入る
この世は弱肉強食だが
すべての生き物はチーズフォンデュに黒胡椒を入れて食べている





植物図鑑の最初のページに苗を植える
黄緑色の幸せは
図書館で寝泊まりする色
不安になる色
地球の裏側のような図鑑
植物図鑑は大草原
図書館に寝泊まりしてまで
最初から幸せを植え付けた





昆虫図鑑
ビートを利かせ
はるばる遠くからやってきた
ビービービービー鳴っている
黄金色に輝くまだらな畑
どこを通ったかは忘れたけれど
畑の土手を通った
道の端を通った





黒猫が僕の肩を叩く
昼から半額セールをするお店
やっと目を開けた
残り物の日の光
白猫はカーテンを開ける
やっと見つけた
朝から閉店セールをするお店
僕はいつの間にか一門無しになってしまった






そろそろ霜で溶けそうな朝がやってくる
雪の溶けた水で顔を洗う
凍りついた草木
黒い土辿るように
季節を忘れたカンガルーが
ぴょんぴょん跳びはね下山する
12月のてっぺんから






1日なんて無かった
一生も無かった
今思えばそんなのは誰かが作った概念で
私が思った理想だった
やっぱり白米の上には梅干しに限る
だけど横からスッとやってきた猫が私のフランスパンの上に梅干しを乗せた

2017年09月15日

スーパーキャロット

酸味のある人参が一番もろくて一番愛される
強度は正直信用にならない
昨日何食べたかすらパッと忘れた
どんな食べ物がどんな影響を与えるのか
それすらわからない
少し酸味があった
それだけがヒントだ






ブレブレ
それをまさに楽しみにしている
食事で補う
睡眠仕事
楽しんでるよ
酸味があってサクサクしていた
思い出した
昨日食べていたのはミカンのサブレだったんじゃないかな





食事制限はない
いくらでも食べられる
まるで天国
ここは地獄だ
制限はあるし限界もある
天国も地獄も味わった
そんな一日を得ることができず
僕はどんどんどんどん欲張りになる
欲を言えばきりがない
帰ろう
昔見た桃源郷が今日の報酬だ
昨日は桃だったか






パラソルに雪模様
ディスコライトが照らすように
昼から水玉模様
あいにくガラス越しに季節は変わる
昨日は何も食べてない気がする





猫がねっころがりながら指揮をとっていたり
犬が大の字で寝ていたり
山のりんごが風に揺れて落ちた
ごろごろ転がる
わんわん吠える
即興なので昨日のことは関係ない






そろそろ思い出せ
酸味の無くなったキャロット
ツキも出てない
ひび割れて崩れ去った
少し強くなったキャロット

2017年09月14日

ハイパークラシックセラミック

鳥が空を彫り
もぐらは懐かしい話をする
翼を生やしながらひそひそと。
垂れ雨
波状に象る
僕はじっと固形物を見つめ
ただただ動物達の声を聞く




きつねと幻想
私と幻想
今からスーツを用意して
しゃれたレストランに向かう
ロッカー開けて
華やかなライトを照らす
疲れるまでやる
疲れたらきつ寝する





劇町でもきつねの仮面を被った人がいる
祭は自由に開催される
秋の色と似てる
少し焦った
紅葉が散る
雨おとを聞きながら劇町を巡る





2017年09月12日

果実の上で

鼓笛隊が都に着くまで時間はかかる
ゆっくり向かう
吟遊詩人は一歩一歩足を踏みしめ
いくつか架空の話をする
果実の上で。
果実を食べ終えたら
また明日果実の上に立つ
人間ですか?と聞くと
そうです!と即答される
シャリシャリのパインアイスをほおばった







砂漠で化石が見つかったけど復元できなかった
世界は慌ただしくなる
コンピュータ室でじっとしている男
青い砂漠
乾いた青い海には
シャチが跳ねる







黒いきのこ
この話をしようとすると止められる
毒キノコを食べるよりやばい
ジャングルで見つけたきのこをギャンブルで食べる方がまだ希望はある
絶望の淵に追いやられても食べてはいけない
一応話だけしておいた
真っ暗闇で
それでもばれた




右肩上がりじゃなくても
一歩一歩着実にゆっくり良くなっていけばそれでいい
ようやく見慣れた果実をほおばる
動物達が一斉に荒野に立ち
夕陽を睨んだり恍惚に浸ったり
果実を食べたりなでている
また明日果実の上に立つ
人間はパインを食べている






パインの缶詰を隠しておいた
どこかに
冬の国に
缶切りで暗号の円を描く
あずき畑で眠っていた
夜空に負けないように
パイナップルを育て始めた
南国の想いも背負わない
モヒカン野郎が

2017年09月11日

風切り刃

なめ腐った刃
遠出がしたくてなめ腐る
風を切る
道端に捨てられた刃
錆びて使い物にならなくなった刃
元々腐ってるんで。
人の話は聞かず
どこかへ行く
ストリートボーイ
スラム街
風切り刃
刃は風を切る





時針のない時計
私は飛べない
時計の針をくるくる指で回してる
織物してる
洋服畳む
あと自分の誕生日だけ覚えてる
手先が器用だ
染め物の空で織物してる
染色体の古時計
時計の針を買ってきた



嘘があるしニキビもある
指先から魔法
鏡越しにじっと見る
宮廷の女に舞踏会に誘われる
少し怖いしビキニもある
歯磨きの後か
夢の後か
ニキビは潰したいけど
潰したくなかった




今から向かう町には誰もいない風も吹かない
ドレッシングをかけずにサラダを食べるようなもの
失敬
今からどこへ向かうか
先に豚カツを揚げてからソースを買いに行くようなもの
夜のウエスタンの街に
ベジタブルに肉汁したたるハンバーグ
酒場で戯れるガンマン達
よそ者は嫌う
特に俺達
馬で駆け抜けないとたどり着けない




鍵しか持ってない
それなのに上空を歩く
地下を潜る
山を登る
川の魚を捕る
鍵で開ける
一回しか開けられない扉を開ける
なんとなく無意味そうな苗字もつく
季語でもないし自然が好きなわけでもないのに

鍵はボロボロに崩れ去った
しかも扉も消滅した
壊れない鍵
世界は優しく包む

2017年09月07日

憧れのフェブラリー

大事なことは何回でも忘れる
それと何回でも思い出す
末期症状の何段階目?
医者も騙す
大事なことは死ぬほど狂おしい






それぞれの柑橘類は角ハイボール
とれたての果実は缶チューハイ
いくつか挙げられる
いつもハイボールを頼む客
いくつか挙げるけど
奥ゆかしい灯りの店でいつも飲んでる





生きている証明といえば
あなたにあの美しく燃えている島に案内するくらい
お見えになった相手を敬うのが先だろう
島はしゃべる
またこいよ
島は生きている
そして燃えている
ただただ拡がる暗闇に案内する気はない したくはない
島に言語は与えられない
ただ去るときだけ
またこいよ と言う




2017年09月06日

散らかった部屋のままで

散らかった部屋を片付けてボスを倒して
ようやく裏ボスに会える
僕の場合
そんなの人それぞれだが
裏ボスなんて玄人のためにしか用意されていない
ただでさえエンディングを迎えてないのに
散らかした部屋も片付けてないのに




夜なのに紙飛行機を飛ばすと
懐かしい手紙を読み返す
人それぞれ
堅く折れ曲がった機体は力強く飛び去った
無事着は当たり前だ
もう次の時刻表を見ていた



青いヘリコプターに乗って
操縦席にはもう誰もいなくて
会話もない
何も聞かない
何も見ない
なあなあ生きていくぎざぎざの雲
今日は聞いた
やっぱり青が広がっていた




濁った鳥が窓辺でさえずる
私にはわからないごめんなさい
かやの外からごめんください
私にはわかるありがとう
かやのうちからありがとう
鳥が水辺から飛び立つ

2017年09月05日

梅星

一週間梅干しで暮らす
あと白米
けど何も変わらないよかいいだろう
しょっぱくて
あとすっぱい
白米残すよかいいだろう




雪に口づけ
道は雪と自分の家しかない
冬以外の季節はない
白い糸電話で繋がっている
凍える大地で泣き叫ぶ
梅の星が口づけする
白米の星に






水星や火星にも接触する梅星
人生一度きり
あと同じ一瞬もないけど
そこでも白米に梅干しが流行る




梅に梅ジャム乗せて食べる猛者がいる
梅の星にも夜明けは来る
捉えることのできない梅星は
時たま僕らを救ってくれる
米を一粒でも残さないことが僕らの義務なんだろう
いつか僕らが誰かを救うんだろう

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