堪えるように言う。
「いい眺めだが、そろそろ終わりにしよう」
男が、左手を懐に入れる。
上着から出した左手に、光る刃。
次の瞬間、お腹めがけて飛んでくる。
左脚を掴まれたまま、腹筋を硬くする。
Y字バランスのまま上体を反らす。
いっぱいに反らした胸元、光が掠める。
シャツブラウスのボタンが飛ぶ。
同時に胸元が開ける。
紅いbraの胸が露わになる。
男が口笛を吹くような声を出す。
「ほぅ」
男が、またニヤリとする。
開けたシャツと捲れ上がったスカート、益々頭に血が上るワタシ。
気づいたときは、右脚で床を蹴って身体を思い切り捻っている。
掴まれた左足ごと、変形の右の後ろまわし蹴り。
油断した男の右頬に極まる。
堪らず男が左手を放す。
ピンヒールの両足で、屈むように着地。
男を、ほぼ真下から見上げる位置。
両掌で掌底の構え。
男が顔を両手でガードしながら、足蹴りの構えをする。
そこじゃないわ。
ワタシの頭の上に片足をあげる男。
振り下ろされる足が、開けた胸元を掠める。
間一髪で躱す。
そのまま、がら空きの股間を目掛ける。
ジャンプしながら渾身の掌底。
まさに炸裂。
男が、もんどりうって倒れる。
股間を押さえながらも、起き上がる男。
胸元を開け、スカートを捲れ上らせたまま、半身に構えるワタシ。
男が逆上したかのように、やみくもにナイフを繰り出してくる。
ギリギリで躱す。
ナイフの勢いで、一歩ずつ前に出てくる男。
躱しながら、少しずつ後退するワタシ。
背中が、何かにぶつかる。
壁に追い詰められていることに気づく。
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