部下を見下して指示マシンとなっていたリーダーの改心と、そしてその後に起きた職場の変化を追った。
部下は自分よりも能力の低い人間だと
思い込んでいて、部下の力を全く信じていなかった。
自分より能力が低い人間だと勝手に思い、全て手取り足取り教えてあげないと何もできないと決めつけ、実際そのようにしていました
管理職になって2年になるが、最初の1年ほどはあまりにもひどいリーダーだった。
正直あきれるほどのひどさでした。
誰でもできる簡単な書類作成を部下に頼むのにも、心配でしかたがないので、部下を横に座らせ、パソコン画面をのぞきながら、いちいち口を出す。
実に懇切丁寧にそれは違う、こう書けと指図していました。
ほとんど指示マシンと言っても過言ではなかった。
上司としての役目だと思い込んでいたんです。
部下にしてみれば不愉快極まりなかったと思います、ロボットじゃないんだぞと。
研修でのリーダー体験にて変わることができたのですが、職場での自分がもろに出てしまい、課題解決に向けての調査作業の過程で、メンバーたちにいちいち指示し、指図してしまう自分がいたのです。
教え、指示し、世話を焼くことは、三逆リーダーと呼ばれ、リーダーとしてやってはいけないこと。
メンバーを信頼して任せることができず、口ばかり出すくせに肝心なところでは何も言えない。
研修の過程で、メンバーの1人がある問題を起こしたのですが、リーダーとしてきちんと叱ることもできず、ちゃんとやってよとお願いする始末。
これを見たブロックリーダーからお前は弱いとずばり指摘され、ものすごいショックを受けました。
要は指示したり、教えたりするだけで、本当にはメンバーと向き合っていなかった。
そんな自分に気づき、心底変わらなきゃと思ったんです。
現場に戻り、溶接作業の効率化を進めるに当たり、(人手不足と高齢化によって、いつか職人の確保もままならなくなるのではないかという危機感もあり、溶接作業の一部自動化を急ぐ必要あり)
メンバー全員で、いかに自動化を進めていくかのミーティングを行った。
研修にて得た気づきをもとに、絶対に余計な指示、指図はしまいと心に決めていました。これまでだったら、何か課題があると、アイデアからやり方、進め方まで全部僕が言って、部下にはこうしろと指示するだけでした。
このとき部下たちに言ったのは、溶接の自動化をしたい。どうすればいい?の一言のみ。(本当に部下たちが自発的に動き始めるのか不安でしたが、杞憂に終わりました)
部下たちが本来の力を発揮する環境を整えることが重要と気づく
口をつぐんでいると、メンバーたちは活発にアイデアを出し始めた。
どんなに稚拙な意見が出ても、それをいちいちつぶしてしまったら今までの自分と変わらず、元の木阿弥と思い、じっとメンバーたちの意見に耳を傾け続けた。すると、驚くような斬新なアイデアが部下の中から出てきた、マシンを使って自動化するのもいいけど、そもそも溶接不要の箇所を多くするように設計を変えてしまった方が効率化につながるのではないか、というアイデアで、まさに目からうろこ。
そういう発想があったのかと驚いたのを覚えています
結局、このアイデアはコストの関係で採用されなかったが、このミーティングをきっかけに、部下たちの仕事への向き合い方が大きく変わった。
結局、それまでの自分は指示し教えることで、部下の仕事力、人間力を抑え込んでしまっていたのだと思います。
そこを解き放ってあげれば、みんな今まで以上の力を発揮するんです。
リーダーとしては、いかに部下たちが本来の力を発揮しやすい環境、状況をつくってやるかが重要なこと。
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