モーターで走らないのに燃費がいい?
マイルドハイブリッドがハイブリッドより
優れている点?
燃費だけじゃない
意外なメリットとは?
マイルドハイブリッド
ハイブリッド車の代表というとトヨタのプリウスですが、
なぜわざわざ、マイルドを付けていて、どこが違うのでしょうか?
国産車はもちろん欧州車でも増えています!
マイルドハイブリッドは近年、多くのクルマに採用されています
スズキはスイフトやスペーシア、ハスラーやワゴンRなど数多くのモデルに搭載し、
マツダでは圧縮着火という燃焼方式を採用する新開発ガソリンエンジンSKYACTIV-Xを搭載したマツダ3に採用
日産ではセレナ(Sハイブリッド)や
ルークスは、マイルドハイブリッドを全車に標準装備
欧州メーカーでもメルセデス・ベンツのEクラスセダン
フォルクスワーゲンの新型ゴルフ
アウディA6/A7
ボルボXC60
などに採用され、今や世界的なトレンドに!
では、ハイブリッドやプラグイン・ハイブリッドと何が違うのでしょうか?
両者ともエンジンとモーターを搭載するのは同じ
最も大きな違いは、マイルドハイブリッドは電動モーターだけで走るEV走行をしない
ハイブリッドはモーターでも走る!
一般的にハイブリッド車は
走行するための動力としてエンジンだけでなく、モーターも使うことで燃費向上や排ガス低減
プリウスなどの場合
発進時など、低速走行時はモーターだけでのEV走行を行い、速度がある程度出るとエンジンで走る仕組み
市街地や渋滞路など、低速時にモーターで走れば実質的に排ガスはゼロ
ガソリン消費量を最小限に抑えています
ハイブリッド車の代名詞=トヨタ・プリウス
エンジンが始動中でもバッテリーに十分な電力があれば、走行状況に応じてモーターだけで走ることが可能
一定速度での巡航時など
アクセルペダルを深く踏み込んでいない時は、EV走行に切り替わります
このようなシステムをパラレル式と呼んでいます
プラグイン・ハイブリッドの場合
通常のハイブリッド車よりバッテリー搭載量が多いため、さらに長距離のEV走行が可能
日産のノートやセレナのe-POWERように、走行はモーターのみで行い、エンジンはモーターの発電だけに徹する(シリーズ式というタイプもあります)
アイドリングストップからの再始動で使用
マイルドハイブリッド車
アイドリングストップからエンジンを再始動する時にモーターを使用
通常のスターターモーターよりも早く、静かに再始動させることができます
スズキ・スイフトのマイルドハイブリッド・システムのイメージ
マイルドハイブリッドのモーターは、発進後から加速時にエンジンの動力を補助する役目も果たします
クルマの加速時により多くの動力を必要とする時、ガソリン車では燃料消費量が増える傾向にありますが、マイルドハイブリッドでは加速時にモーターがエンジンをアシストすることで燃費を向上させるのです
マツダ3のSKYACTIV-X搭載車は、元々エンジンの燃費がいいためモーターはエンジン始動時のみ稼働、加速アシスト機能はない
マツダ3ファストバックSKYACTIV-X搭載車
マイルドハイブリッド車のモーターはハイブリッド車が搭載するものほど大きくない
単体でクルマを走らせるだけの出力がないため、EV走行はできません
低燃費性能ではハイブリッド車の方が優れています
低コストで作れる、メリット
マイルドハイブリッドはハイブリッドの簡易版的なイメージがあり、
実際にプリウスなどの方式をストロングハイブリッドと呼び
マイルドハイブリッドと区別する
意外なメリットは?
ハイブリッド車と比べて構造がシンプルにでき、部品やバッテリーの搭載数などが少なくて済むのです
これらにより、クルマの価格上昇を抑えることができます
マイルドハイブリッドに採用されるモーターは比較的コンパクトで、通常はエンジン付近に搭載されています
バッテリーは、エンジン始動や車内灯、ナビやパワーウインドウなどに使うメインのもと、加速アシスト用の専用バッテリー(リチウムイオンタイプ)を搭載
マイルドハイブリッド用でもハイブリッド用でも
モーターは減速時に発電する機能を持っており、この機能は回生(かいせい)と呼ばれています
モーターは回生により発電して、バッテリーを充電
マイルドハイブリッドの場合も
モーターは減速時に発電機の役目を担い、加速アシスト用バッテリーだけでなく、メインのバッテリーにも充電
一般的に使われるオルタネータ(走行中に発電)よりも、より大きな電力を生み出すことができます(スズキが採用する小型車用モーターISG)
ハイブリッド車の場合
発進や低速でのEV走行や、走行中にもエンジンとモーターが切り替わるといったより多くの機能があるため、構造が複雑で、バッテリーの搭載数や部品点数などはマイルドハイブリッドより多く
マイルドハイブリッドはガソリン車の延長線上で作ることができるが、
ハイブリッドはほぼ専用設計のため、より多くの開発費が必要ですので、
マイルドハイブリッドの方がより低コストで作ることができ、結果的に車体価格が抑えられています
スズキのコンパクトカー・スイフトの場合、
・ハイブリッド車の「HYBRID SL」は2WD車のみの設定
価格(税込)は198万5500円〜205万3700円
・マイルドハイブリッド車の「HYBRID RS」は同じ2WD車の
価格(税込)が182万500円〜188万8700円
・ガソリン車では、
標準グレード「XGリミテッド」の2WD車
価格(税込)が137万5000円〜148万8300円
上級グレード「RS」では2WD車
価格(税込)は171万7100円〜178万9700円
価格差は、
・ハイブリッド車とガソリン車が約20万円〜約68万円
・マイルドハイブリッド車とガソリン車では約3万円〜約50万円
マイルドハイブリッド車の方が、ガソリン車との価格差が少ないですよね
このようにマイルドハイブリッドは、燃費向上を図りながらもメーカー的には開発費などの関係で参入しやすく、
ユーザーとしてはより低価格で購入できるというメリットがあります
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