広告

posted by fanblog

2021年07月30日

着床率や妊娠維持率を上げるカギ〜子宮内フローラとラクトフェリンの関係性〜

jeremiah-lawrence-VfUN9OJv2ZU-unsplash.jpg



子宮内はこれまで無菌とされていました。

2015年、アメリカのラトガース大学の研究で、子宮内にも乳酸桿菌(ラクトバチルス属)がいることが報告されました。

受精卵が生着するには、女性側の免疫がそれを異物として排除せずに受け入れる必要があります。

乳酸菌は免疫の働きを抑える一方で、その他の菌の割合が増えると炎症が起こり、
免疫が受精卵を異物として攻撃してしまうと考えられています。

2016年にはアメリカのスタンフォード大学から、子宮内フローラの乱れによって体外受精の成功率が低下することを明らかにしました。

子宮フローラ環境を整えるサプリメントとして「ラクトフェリン」が最近、注目されています。

今回は「子宮フローラ環境を整えるために、ラクトフェリンにどんな効果があるのか」について
調べてみました。


★目次★



  1. ラクトフェリンの正体は母乳


  • 妊活効果だけが目的ではないラクトフェリンの効能


  • ラクトフェリンの効能から妊活効果を分析してみました


  • ラクトフェリンの副作用


  • ラクトフェリンのサプリメント選択基準


  • 調べてみて浮上した素朴な疑問



  • ラクトフェリンの正体は母乳



    ラクトフェリンとは、ヒトの母乳や牛乳などの乳、唾液や鼻水、涙や血液などに含まれているタンパク質です。

    特に出産後3日間に出る初乳にもっとも多く含まれていると言われています。

    生まれたばかりの赤ちゃんの身体の免疫力を高め、細菌やウイルスから身を守る効果があることがわかっています。

    母乳の他には、チーズやヨーグルト、スキムミルク、牛乳などがあります。

    しかしながら、ラクトフェリンは非常に熱に弱い性質を持ち、熱殺菌されるとほとんど成分は消失されてしまいます。

    ほとんどの乳製品は製造の過程で熱殺菌されてしまいます。

    市販されているものでは、熱殺菌がされていない、ゴーダチーズやチェダーチーズといったナチュラルチーズがありますが、100gあたり、わずか0.3g程度の微量のラクトフェリンが含まれているだけです。

    その為、食べ物からラクトフェリンを摂取するのが難しいと言われています。


    妊活効果だけが目的ではないラクトフェリンの効能




    ?@感染症予防・アレルギー予防効果

    ラクトフェリンには、腸内に存在する細胞を活性化し、IgA抗体の分泌を促すはたらきがあります。

    このIgA抗体は細菌やウイルスなどの病原体を体外に排出するはたらきがあり、
    身体の免疫を調節する作用があります。

    感染症や発がんの予防効果やアレルギーの予防・改善効果についても期待されています。


    ?A抗菌・抗ウイルス効果

    ラクトフェリンには抗菌活性があることがわかっています。

    この抗菌性はグラム陰性細菌やグラム陽性細菌、真菌、ウイルスなど多種類の微生物について有効とされ、ピロリ菌や歯周病菌に対しても抑制的にはたらくとされています。


    ?Bビフィズス菌増殖促進効果


    抗菌活性をもつラクトフェリンですが、
    一方でビフィズス菌・乳酸菌などヒトの身体にとって有用な菌に対しては抗菌作用を示さず、
    それどころか増殖効果があるということがわかっています。

    腸内に存在する大腸菌やクロストリジウムなどの悪玉菌の増殖を抑え、
    ビフィズス菌を増やすラクトフェリンは、腸内環境を改善し、
    便通改善などさまざまな効果をもたらすことが期待されています。


    ?C鉄吸収調節効果

    ラクトフェリンには、鉄と結合し、鉄分を体内に吸収されやすくする効果があることがわかっています。

    貧血の予防や改善に有効です。


    ?D抗酸化効果

    ラクトフェリンには、老化やがん、生活習慣病などの元になるとされる活性酸素を除去する効果があることがわかっています。

    アンチエイジングや生活習慣病の予防・改善効果が期待されています。



    ?E内臓脂肪低減効果

    ラクトフェリンには、ヒトを対象とした試験において、

    1日300mgを2ヵ月摂取することで腹部の内臓脂肪面積の有意な低下がみられたという実験結果があります。

    その為、脂肪の分解促進効果があると考えられています。



    ラクトフェリンの効能から妊活効果を分析してみました



    抗酸化作用や、鉄吸収率UP、内臓脂肪の減少作用、免疫力強化あたりが、「妊活効果」として
    当てはまる部分といえそうです。


    良好胚を移植しても着床しない原因と対策 (サイト内リンク)

    上記の記事で、ALICE検査、EMMA検査について紹介しました。

    これらの検査は子宮フローラの状態を調べる検査でもあります。

    子宮内膜に存在する細菌の種類や量を調べ、有害な菌が増えることにより、炎症を起こし、
    免疫力が過剰になることで、受精卵を異物として認識されていないかどうかを確認します。

    子宮内のラクトバチルス菌を増やすことで、子宮フローラ環境を整える=有害な菌を増やさないことに繋がります。

    ラクトバチルス菌は子宮内でいう、ビフィズス菌のようなものです。

    ビフィズス菌は消化器官に適した善玉菌で、ラクトバチルス菌は子宮内に適した善玉菌です。

    2015年に発表されたアメリカの研究報告があります。

    健康な人では、子宮と膣内の乳酸桿菌の割合が、子宮内:99.50 %と膣内:99.80 %とほぼ乳酸桿菌で占められていました。

    一方で、体外受精まで必要な不妊患者では、子宮内:63.90 %と膣内:65.21%と乳酸桿菌の割合が少ないことがわかりました。

    乳酸桿菌(にゅうさんかんきん)=ラクトバチルス菌が多いほど、妊娠率や継続率が高いということです。

    これによって、実は、子宮内フローラが不妊と関連していることが示唆されたことになります。




    ラクトフェリンは、膣内分泌物を含め、全身の粘膜を守る粘液に含まれ、外部からの細菌の侵入を守っています。

    臨床研究として、子宮内フローラにおける乳酸桿菌の割合が正常より低下している不妊女性に、

    抗生剤投与後、腸溶のラクトフェリン製剤を1日300mg投与し、

    2ヶ月後に子宮内フローラを検査したところ、全症例において乳酸桿菌の割合が9割以上に回復したという報告もあります。


    スペインの研究では、子宮内フローラが乱れている人では、
    妊娠率が33.3%、妊娠継続率が13.3%、生児獲得率が6.7%と実際に赤ちゃんを出産できるに至る人が極めて少ないこともわかりました。

    一方で、子宮内フローラが正常であれば、妊娠率が70.6%、妊娠継続率が58.8%、生児獲得率が58.8%と実際に赤ちゃんを出産できる人が半数以上になるそうです。


    ラクトフェリンの副作用



    ラクトフェリンが子宮フローラ環境を整え、着床率や妊娠維持率が高めることが分かりました。

    ALICE検査やEMMA検査をして、子宮フローラの環境が悪いと診断された時だけ、
    ラクトフェリンに頼った方が良いのか迷うところです。

    ラクトフェリンの副作用について調べてみました。


    ?@基本的には副作用はない

    冒頭で説明した通り、ラクトフェリンは元々は母乳です。

    出産したばかりの赤ちゃんが摂る栄養素なので、害があるわけがありません。

    ところが、一時期に「ラクトフェリンには副作用がある」と話題になったことがあるそうです。

    その為、アメリカや厚労省で調査が行われています。

    2001年にアメリカで安全性が確認され、その後、厚労省でも「人間の健康を損なう可能性は少ない」と結論づけられています。

    しかしながら、ラクトフェリンは牛乳タンパク質なので、牛乳にアレルギーがある人は注意が必要です。


    ?Aラクトフェリンの摂取に注意が必要な人


    ・アレルギーや自己免疫疾患のある人

    →前項の通り。アナフィキラシーショックのリスクもあるので、必ず医師に相談しましょう。



    ・白血病や膵臓炎の人

    →ラクトフェリンは免疫活性物質としての作用を発揮することがあります。

    この作用はリンパ細胞の白血病と膵臓炎に大きな関係がある事がさまざまな研究で判明しています。

    疾患のある人が個人判断で摂取してしまうと、予想外の副作用が起こる可能性があります。




    ・妊娠中、授乳中の人

    →妊娠中や授乳中の女性は、身体の中で生産されるラクトフェリンの量が減少します。

    その為、妊娠中や授乳中の女性にはラクトフェリンはそれほど必要のない成分だと考えられています。


    ?B過剰摂取で下痢になることがある

    ラクトフェリンは牛乳タンパク質なので、乳製品のようなものです。

    牛乳やヨーグルトでも、人によっては下痢を起こすことがあります。

    過剰摂取だったり、たまたま体調が悪かったり、乳製品でお腹を下しやすい体質だったり・・・

    子宮フローラの改善には 1日300mgを摂取することが必要なので、

    そのぐらいを限度として考えた方が無難なようです。


    ラクトフェリンのサプリメント選択基準




    AmazonやYahooショッピング、楽天市場でサプリメントを探してみました。

    色々なメーカーから商品が発売されています。

    子宮内フローラの改善には必須要件があるようです。

    ・腸内まで成分が届くこと(ラクトフェリンが熱や酸に弱い)

    ・1日300mgを摂取すること

    ・効果が出るまで2か月くらいかかること

    腸溶性の、耐酸性と明記されている商品は割と限らている傾向にあります。

    価格も様々なので、ある程度続けることを考えると、値段もポイントになりそうです。




    調べてみて浮上した素朴な疑問




    子宮フローラ環境を改善するために、腸溶性のラクトフェリンを服用する・・・・


    腸で吸収されて、どうやって子宮まで届くの?


    腸内環境を改善するだけじゃダメなの?


    先ほど説明したように、消化器官の善玉菌はビフィズス菌、子宮内の善玉菌がラクトバチルス菌です。

    ただ、ラクトフェリンにも腸内環境を改善し、ビフィズス菌を増やす効果が認められています。

    腸内でIgA抗体の分泌を促すといわれるラクトフェリン。

    IgA抗体は腸内で悪玉菌を選択的に排除するといわれており、
    善玉菌が増える環境を整えます。

    一方の乳酸菌は、腸内に棲んでいる善玉菌のエサになり増殖を促します。

    つまり、腸内環境を改善するアプローチ方法が異なるようです。

    疑問が解消されたような・・・

    解消できていないような・・・・????

    と、いうことで「子宮内環境と腸内環境の関係性」について調べてみることにしました。

    お楽しみに!!


    子宮内環境と腸内環境の関係性について (ページ準備中)

    <関連ページ>

    良好胚を移植しても着床しない原因と対策 (サイト内リンク)


    腸内環境の改善は妊活サプリメントの効果を上げる! (サイト内リンク)


    胚移植のタイミングには個人差がある〜着床の窓・ERA検査〜 (サイト内リンク)
    この記事へのコメント
    コメントを書く

    お名前:

    メールアドレス:


    ホームページアドレス:

    コメント:

    ※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

    この記事へのトラックバックURL
    https://fanblogs.jp/tb/10881049
    ※ブログオーナーが承認したトラックバックのみ表示されます。

    この記事へのトラックバック
    Build a Mobile Site
    スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
    Share by: