低音性難聴ってどんな病気?
低音性難聴とは、低い周波数の音の聞こえが悪くなる難聴です。
中でも「急性低音障害型難聴」という、急性の感音性難聴が代表的です。
ALHLと表記されることがあります。
30代の女性に多く発症することが分かっており、
ストレスや疲労が一因と考えられています。
■低音性難聴ってどんな病気?
突然、耳鳴りや耳のつまった感じから始まることの多い病気です。
音が割れて聞こえる、響いて聞こえるなどの症状もあり、
日常生活では、かならずしも聞こえが
悪いという症状が目立つわけではないようです。
上記のような症状は、中耳炎や外耳炎と類似していますが、
聴力検査をおこなうことで診断がつきます。
男女比としては1:3で女性のほうが多く、
平均年齢としては30代後半がもっとも多くなっています。
急性低音障害型難聴は
原因不明であることが定義の1つですが、
実際は精神的ストレスや
疲労、睡眠不足などが引き金と考えられています。
メニエール病の原因と似ており、どちらの場合も性格的には
真面目、完璧主義、我慢強いなどの傾向がみられるといわれています。
またメニエール病と同様、内耳にあるうず巻き状の「膜迷路」(内リンパ)に
過剰に水がたまってふくらむ「内リンパ水腫」がみられることもあります。
■低音性難聴の治療法
まずは心身の休息を心がけた上で、栄養剤としてビタミン剤や、
血流を改善する薬が処方されます。
内リンパ水腫がある場合は、浸透圧利尿薬である
「 イソソルビド 」が投与されます。
味がひどく飲みにくい難点はありますが、
点滴よりも副作用が少ないメリットが
あり、低音性難聴の改善も期待できます。
さらに必要に応じてステロイド薬が検討されたり、
入院による治療をおこなうケースもあります。
急性低音障害型難聴は比較的予後は良いとされ、
突発性難聴に比べると治癒率は高くなります。
適切な治療を受ければ、約6割の患者さんが完治し、
後遺症の残る人が2割、治らない人が2割との報告があります。
また男性患者の場合、完治すると再発が起こりにくいのに対し、
女性患者では再発を繰り返し、次第にメニエール病へ変化する人がいます。
治療が遅くなるほど進行が進みますので、早めの受診が肝心です。