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モモへの懺悔 その7

月日は流れます。
日常とは有難くとも残酷とも・・・でも淡々と・・・
月に2〜3度の逢瀬は3年ほど続いたでしょうか。
冬にはおじいさんの家の戸も閉まっており、私の声が届かないことも。
私たちは、少しずつ、少しずつ、でも確実に距離があいていきました。
たまに会えても、以前ほどの蜜月のような時間は短くなりました。
もうお互いに、身を引き裂かれるような別れの時もなくなりました。
寂しく思いましたが、それはお互いのためにもいいことだ、と。
こういうのを詭弁、と言うのでしょうか。

そして、にゃんちゅうが・・・
若いお嬢さんが、始めは預かって欲しいと連れてきました。
その時、にゃんちゅう1年未満のそれはそれは愛くるしいチビねこ!
かわいいブルーの服を着て、首には鈴を^^

久しぶりのネコのいる生活。
やっぱいいよねぇ〜 てかネコでもこんなに性格が違うもんなんだなぁ〜と。
おとなしい、控えめ、人なつっこい!
にゃんちゅうは愛称で実は、おやつという本名があります。
でも誰も「おやつ!」とは呼ばないんですね、にゃんちゅ〜!です。

ありがと〜!んじゃ帰ります!と、にゃんちゅ〜が連れられて帰ります。
さみし・・・
何度かそんなことがあったあと、もしかして・・・という私の予感は的中。
彼と半同棲だったお嬢さん、彼と別れることに・・・
ごめん!お願い!にゃんちゅ〜を飼ってください!
あかん!ここはペット禁止です!そのために私は泣く泣くモモを手放したのに!
でも・・・口とは裏腹に・・・
憎らしいお嬢さんはちゃっかり見抜いていたのね、断りきれないって。
かくして、にゃんちゅ〜は我が家に。

そして、モモは私から違うネコの匂いを嗅ぎ取ったのです。
いつになく、手から履き物から、執拗にクンクンするモモ・・・
罪悪感でいっぱいになりました。

ごめん、モモ・・・

モモへの懺悔 その6

そして、バタバタとモモとの楽しく、ムカつく日々は続きましたが
別れはやってきました。
それは私のまったくの身勝手から・・・
引越しすることになったのです。
築40年は過ぎてるかも・・・という有形文化財的なアパートから。
このアパートはかなり傾いておりました。
友達が遊びに来て、しばらくすると、気分が悪い、なんだか船酔いしてる
みたいだ、と言うのです。すぐにピンときました。
そっちの方に座ったら?と、斜面の上の方を勧めたらいく分ましになったみたい。
(ま、それほど目に見えての傾きじゃなかったですけどね)
裏が何かの工場で常に機械の振動で揺れています。
だから、あの阪神大震災の時も、別状はなかったのです!
風に揺れる柳のごとし!常に揺れてるので少々強い風にも十分に耐えれたのです。
これはなんと含蓄の多い出来事だったことか・・・

引越しはいい。新しい住処はいい。
しかぁし!新しい住処はペット禁止!!
あぁ〜〜〜・・・どうしよう・・・
モモを手放すことに決めてしまったのです。私は鬼だ!!

幸い、お隣に住んでいた一人暮らしのおじいさんが飼ってくれることに
なりました。よかった・・・

それから月に2〜3度会いに行きました。
私の声を聞きつけるなり、すっ飛んできました。
それには私自身も、周りの人もびっくりしました。
しばしの逢瀬・・・足元にじゃれまくり、歩くこともままなりませんでした。
よしよし、とゴロリと寝転んだモモをなぜなぜ・・・
気持ちよさそうだ〜 でももういい!となったらやっぱりガブリ!
相変わらずだなぁ〜 

帰らなければならない時間・・・
ずっとついて来るモモ
彼の行動テリトリーは決まっています。そこからは絶対に出ない。
アパートの出入り口付近。もうそこが限界。
彼はきちんと座って私を見送ってくれました、いつもいつも・・・
後ろ髪を引かれる、という言葉がありますが、まさしくそのもでした。
50メートル先の角を曲がる時、振り向くと、モモはまだ座ったまま。
いつも泣きべそをかきながら帰ったものでした。

ごめんね・・・モモ

モモへの懺悔 その5

猫をかぶる、とか、借りてきた猫のよう、だとか言われますね。
あれって、本当なんです。猫ってそうなんです。
もうメチャクチャ暴れん坊のモモ。
2〜3日留守にする時、こんなヤンチャ、誰にも預けられないので
ペットホテルへ。ぎゃ〜ぎゃ〜鳴くモモを猫用バスケットに押し込んで
自転車で。なんか動物虐待してるみたいなんですよ、あの鳴き声・・・

こんなヤンチャを預けてごめんなさい!と心で謝り、そそくさと
ホテルをあとに・・・
そして迎えに行くと、私の声を聞きつけてまたぎゃ〜ぎゃ〜!
さぞかし、手を煩わせたことだろう、追加のお金を取られたらどうしよう、
とか本気で思いました。

でも、店長さんからビックリすることを聞いたのです。

いやぁ、この子は実にいい子ですねぇ、おとなしくって。
皆、こんな子ばかりだと助かるんですけどね。
ゲージの中のトイレシートも替えさせてくれない子だっているんですよ。
手を入れたら噛み付くんでねぇ・・・
でもこの子はちゃんと掃除もさせてくれるしね、とニコニコ。

え〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!
本当にモモのことですか? よその猫と間違ってません?
なんと外面のいいやつめ!意外な一面を発見。
そしてバスケットに入れるときも、家では悪戦苦闘、ひっかかれぇの
かみつかれぇのをなんとか押し込めたのに
店長さんがヒョイとかかえて、苦もなくバスケットへ・・・
こいつめぇ〜〜!
いえ、いいんですよ、よその人にこのアホねこ〜!と思われるよりは。
でもなんだか割り切れない思いが・・・

そして当時の家主のじぃさん、ちょっと恐い人。
その人が来ると、突然、置物状態に変身するのです。
声も立てず、暴れもせず、じっと座ったまま。
微動だにせず・・・帰るまで・・・

私をなめきっていたのか、オマエは!!

モモへの懺悔 その4

去勢をすれば、おとなしくなります。でも食べることと、寝ることが
一日の大半になるので太りますよ、と獣医さんから言われた通り、
モモは見る見る太っちょのネコに・・・でも・・・おとなしくは
なりませんでした。相変わらず、油断をするとガブっと

鳥は初めて見る動くものを母親だと思う刷り込みがあると言います。
ネコもそうなのかな。彼はどうも私の事をお母さんだと思っていたようです。
ヤキモチ妬きさんで、ある日、赤ちゃんを抱っこしていたら、なんと
赤ちゃんの足をガブ!私は追い掛け回してセッカンしてやりました。
そしてやれやれ・・・と座った私の膝にチョコンと座りにくるではないですか。
膝の上に座りにくるなんてことは今まで一度もなかったのに!

寝る時が一番、難儀でした。常にピタっとくっついてくるのです。
それはいいのですが寝相のあまりよろしくない私が、つい蹴飛ばしたり
バン!と手が身体の一部にヒットしたら、すぐにガブ!
冬は私の股の間で寝るのです
身動きとれない・・・おかげで寝相は良くなりました。

ある夜、腕が重い・・・動かそうにも動けない・・・
なんせ、その頃体重は8キロくらいになってましたから。
目を開けると、モモは私の腕枕でスヤスヤ・・・と言うか
結構なイビキをかいてるのです。おかしいやら、迷惑やら。

生まれた時から人間の手で育てられたのに、ハンターとしての
習性はあるようで、ネズミの赤ちゃんを誇らしそうに届けてくれました
半死半生の子ネズミ・・・飛び上がるくらいビックリしましたが
そうかそうか、エライエライ!と、庭にほうきで掃きだしました。
成仏してくれよ・・・するとモモはまたそれを咥えて私の前に!
え!食べろってか?自分だって食べないくせに!

もう少し懺悔させてください・・・

モモへの懺悔 その3

モモを去勢手術に至った経過は前にもお話しいたしました。
年上の優しい(多分)おねえさんから、若いのだけがとりえの(大いなる
偏見です)女子に走ったモモを問答無用で獣医さんへ。
この獣医さんがかなり変わった先生でした。
初対面の私に、実は自分はウツで困っているのですと打ち明けるのです。
こういう時、なんと答えればいいのでしょう。
本当に死にたくなるんですよ、でね、朝起きるでしょ、そして
朝ご飯を食べる、これがたまらないんです、食べることは生きることでしょ、
と。
はぁ・・・そうですか、としか言えないでしょ?
自分は0型なんですがね、ともおっしゃた。その真意は?(私もですけど・・)
そして、先生は野生の熊の保護活動をしてらして
1年の半分は山にいるそうです。冬眠中はこうやってここで獣医を
してるけれど、春になれば山に行くので、と。
はい、覚えておきます。

この先生、ウツの割にはオシャベリさん。
最近は犬やネコの他のペットも増えてねぇ、特に爬虫類が増えました。
新しい勉強もしなければなりません。カメにもクル病があるんですよ。
ちゃんと日光に当てねばなりません、そしてエサをやりすぎて
甲羅に身体が入りきらないカメもいます、とかカメ談義。

その後、モモは尿道結石になり、またお世話になりました。
この病気、早期発見しないと2〜3日で死んでしまうのです。
なんか部屋のすみっこでじーっとしてるなぁ、様子が変だなと
思っていたら、たまたま遊びに来てた友達がすぐに病院へ行くようにと
勧めてくれました。先生は、よくわかったね、早く来てくれてよかった!
と喜んでくれました。モモのオチンチンをグイと出し、モミモミすると
ほら、見てごらん。お〜〜確かに砂粒が・・・!
またなる可能性があるので、その時はこうするのですよ、と
教えていただきました。確かにまたなったのですが・・・
難しい・・・そして先生の前だとおとなしいくせに私だと
暴れるものだからできない。
また通うはめに・・・高くつきました

またもや続きます

モモへの懺悔 その2

3時間おきの授乳からも開放され、モモはとってもとっても
かわいい子猫になりました。キジ猫なんですが、キジ猫を育てた方なら
分かっていただけると思うのですが、もしかしたらこの子は
アメリカンショートヘアーの血を受け継いでいるんではないか!!と、
親バカなことを本気で思うのです。

ちっこいちっこい子猫・・・靴箱をよじ登って外へ出られるようになったら
さぁ、大変! どこに行ったのかわからなくなるのです。
座布団を二つ折りにして枕代わりに寝転んだら、ぶみぃ〜〜!とくぐもった声!
あら、そんなとこにいたのね、ゴメンゴメン
蹴飛ばしたり、ふんづけそうになったり・・・
よくぞ無事でいてくれたことです。

子供の頃、2年ほどだけ猫を飼ったことがあります。
ベロという名の黒猫。でもある日、いなくなりました。
賢い猫だったので迷うことは考えられない。とてもきれいな猫だったので
猫取り(そんな職業があったのだろうか)に取られて三味線になった、と
母はそんな残酷なことを涼しい顔で幼い私に言ったのでした。
以来、猫は飼ったことがなく、私の夢はいつか猫を飼うんだ!!でした。
でも、こんな形で実現するとは・・・
「猫の飼い方」この本だけが頼みの子育てならぬ猫育てでした。

過保護すぎたのだろうか・・・
かわいがりすぎたのだろうか・・・
いじくり回しすぎたのだろうか・・・

モモはとってもイケナイ猫になってしまいました。
噛むんです・・・ 人を・・・
アマガミなんてかわいいもんじゃなく、ガブリ!と!
痛くて痛くて、熱を持って、腫れて膿むのです。
よそ様の子を噛んで、どれだけ病院に連れて行ったでしょう。
おわびに図書券なんぞ持って・・・

私も噛まれましたが、そこは慣れたもの、痛いのを我慢して
膿みをジュ〜〜っと搾り出して後は、マイシン!これでO.K!
夜中に噛まれて、朝、血を流していたことも少なくないですが
人間てすごいです!その内、朝にはカサブタになってるんです。
順応性というのか、何と言うのか、自分のすごさに
ほれぼれしました。

そして獣医さんのお世話に・・・

to be continued (あってますか?)

モモへの懺悔 その1

モモは、にゃんちゅ〜を飼う前の猫の名前。
彼と出会ったのは、16年前の7月11日でした。
まだ暗くなりきらない7時前後、帰宅途中で、よそのお家の庭先で
何やら妙なか細い声が・・・見ると、ネズミ?なんだこれ・・・という
小さな生き物らしきもの。立ち去れず、じぃ〜っと見てたら
その家の奥さんらしき方が出てらして、親から置き去りにされたみたい
なんですよ、ミルクをやったんですが飲まないし・・・親も現れないし
どうか連れて行ってやってください、と言われた。
そう言われても・・・とためらいましたが、このままでは死んでしまう!
それくらいは分かりました。
仕方なく連れて帰ることに・・・ネズミか何か分からなかったその生き物は
ネコの子でした。多分、その日に生まれたものでしょう。
目も開いていないし、ヘソの緒もついたままでした。

さぁ〜、どうしよう・・・困った!!
そうだ!先日、近所でネコの赤ちゃんが生まれたという情報があった。
そこんちは、犬やらネコやら結構いたはず。1匹くらいなんとか
なるだろう!!ここであの家を思い出すなんて私ってすごい!
なんて明るく尋ねたら・・・おじさん、ハサミでヘソの緒をチョキン、
そして新生児用のミルクとチッコイ哺乳瓶と「猫の飼い方」という本を
くれました。元気そうだから大丈夫!がんばって!という言葉と共に
送り出されました。ついでにこの子も飼ってください、とは最後まで
言えなかった・・・目論見はもろくも崩れ去ったのでした。

こんにちは、赤ちゃん。私がママよ〜♪
生まれたばかりのネコの1ヶ月は人間の赤ちゃんの1年に相当。
3時間おきの授乳、母ネコがいないので、排便はティッシュで
お尻あたりをポンポン。まさに3時間おきでありました。
靴の箱にタオルを敷いてネズミのような子猫はスヤスヤ。
そしてミャ〜ミャ〜・・・ミルク、ポンポン・・・
眠いよ〜〜〜! 待ったナシなんだな、子育てって・・・

本に書いてあった通り、2週間で目が開きました。
んっまぁ〜〜〜! なんてcute!!!

to be contenue

Loser Takes All

 「負けた者がみな貰う」  グレアム・グリーン作 丸谷才一訳

 作者、グレアム・グリーンはイギリスを代表する作家であるとともに

20世紀のもっとも偉大な作家のひとり、なのですが
 彼の経歴を見ますと、世界を股にかけたジャーナリストという感じ。
 作品の幾つかが映画化されています。
 「情事の終わり(ことの終わり)」は古い映画です。見た記憶は
 あるのですが、全然覚えてません・・・

 さて、自分の作品を「ノヴェル」と「エンターテイメント」に
 しっかり分類したグリーンさんですが、この作品はもちろん、
 エンターテイメント。さえない中年の会計係の主人公(バツいち)と
 若い恋人とつましい結婚式を挙げる予定でしたが、雇い主の気まぐれ
 から高級リゾートのモンテカルロで式を挙げることになってしまい
 ました・・・でもぉ・・・

 ちょっとしたことでドンドンすれ違っていく二人。
 分かるような、分からないような・・・
 でも男の人って本当にギャンブルが好きよねぇ・・・

 丸谷才一さんの品のある訳がよかったです。

 他の人と幸せに暮らすより、あなたと不幸に暮らすほうが
 いいもの

 男たるもの、こういう言葉を言わせなきゃね

 わたしの二度目の妻は・・・あの頃はわたしもまだ若かった・・・
 家出しましてね。そしてわたしは、妻を連れ戻すという失敗を
 やったのです。もういちど出ていってもらうまで、
 何年もかかりましたよ。あれは善良な女だった。
 善良な女と別れるのはむずかしい。
 どうせ結婚しなくちゃならぬなら、悪い女を妻にすることだね。

 だそうですよ。これから結婚しようとする方は参考に。
 善良な奥様をお持ちの方は時が経つのをひたすら待って
 悪い奥様をお持ちの方は微笑んでくださいね。

 さすが、グレアム・グリーン!という文章が随所に。
 特に気まぐれな雇い主、ドルーサー翁が出ているシーンは
 どれもいいです。
 特にお金や野心に対しての言葉が重く深いです。
 この作品も映画化されたそうです。 

三代目魚武 濱田成夫

 駅の名前を全部言えるようなガキにだけは死んでもなりたくない

 君が前の彼氏としたキスの回数なんて俺が3日でぬいてやるぜ

 世界が終わっても気にすんな俺の店はあいている

 俺は地球が止まってみえるぜ

 おまえがこの世に5人いたとしても5人とも俺様の女にしてみせる

 はい。以上は、三代目魚武・・・(長いって・・・)さんの詩集の
 タイトルです。うん、インパクトありますね、すごいですね。
 最初の「駅の名前を・・・」を見つけたのは某書店。
 もうずい分前のことです。角川文庫の白い表紙、白い背表紙に
 このタイトル。私も何やらテレビで丸の内線だか、東海道線だか
 駅名をズラズラ並べたてる、ちょっとカシコそうなガキンコ(大体、男子)
 を見るたび、へぇ〜〜・・・と感心しながらも、だから?と心で
 フン!と思っていましたので、あら〜一緒だわ、と手にしたのでした。

 詩集を読んで笑ったのは初めてでした。
 おいおい・・・となるし、コラコラ・・・となるし
 自分大好き!の魚武さんですが、昨今はびこる何の根拠もないのに
 自信満々の若者とはちょっと違うなぁ・・・と。(今は40代後半ですが
 出版当時は20代後半かな)

 かなり好きです。君とやりたい、だけを6ページと2行に書く詩人。
 スゴイ・・・いっぱい紹介したい詩があるのですが。

 言葉

 言いたいことを 言うために
 言葉はあるんだぜ
 言葉を使うとうそになる じゃなくて
 君がうそを言っているから
 言葉がうそになるんだぜ
 いつのまにか
 君が言葉の使い方をまちがってしまっているんじゃないのかい
 自分が信じるなら
 他人にどう思われようと
 言いたいことを言えばいいじゃないか
 自分の信じた道を行こうぜ
 言葉にたよらないってことは
 ほんとうに言いたいことを
 言葉にすることじゃないだろうか
 言葉にする勇気を持つことなんじゃないだろうか

古本屋さん


本は好きだけど、古本は(ユースドって今は言うのね)ちょっと苦手、と
 いう方もいますね。気持ちはわからなくもないですが、私は古本屋さんで
 本を買うのがダイスキです。読みたかった本、好きな作家さんの本が
 とてもお安く買えたら単純にすっごくうれしいです。

 でも今は本当に町の古本屋さんがドンドン姿を消していってます。
 私が知る限りでも一体何軒消えたでしょう・・・
 ブック・オフががんばってくれているのは有難いことですが、その
 お店お店の持ち味と言いますか、好みといいますか、そう個性ですね、
 それが味わえないのは、ちょっと寂しいです。
 町の古本屋さんはお客さんがたくさんいるわけでなし、少々足を
 踏み入れにくい頃もありましたが、今では始めてのお店でもフラリと
 ためらいなく入れるようになりました。年の功ですね。

 古本屋さんでみつけた本は、まさしく一期一会、これ!と思ったら
 即買いしないと後悔すること多しです。何度か悔しい思いをしたので
 予定額をオーバーしても、この本と二度と出会えないかもしれない、
 それでもいいの? 今よ、今しかない!とブツブツ心で自分に言い訳
 しながら買うのです。

 大体において、読むより買うのが好きなんですね。
 (これが大問題なのですが)
 そして戦利品を抱えて喫茶店に入り、1冊1冊手にして目次を見たり
 さわりを読んだり、後ろの解説を読んだり・・・
 あ〜〜〜〜、シアワセだ〜〜〜!この時が一番至福の時かもしれません。

 パラパラとめくっていたら、間にレシート発見。
 前の持ち主さんが買った時のもの。遠い町の本屋さんの名前が・・・・
 ロマンだ・・・・

 喜国雅彦さんの「本棚探偵の冒険」というエッセイはすごいです。
 古本に対する思い入れ、執念、古書マニアの実態などにアゼンと
 します。そこまでするか〜!のツッコミを是非どうぞ!
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