1982年9月2日、国鉄(現在のJRグループ)は宮崎県日向市のリニア実験線で、世界初の有人走行に成功しました。この実験では、磁気浮上式リニアモーターカーが3.3キロメートルの区間を時速206キロメートルで走行しました。
リニアモーターカーは、磁気浮上技術を利用して高速で走行する鉄道システムです。車両には超電導磁石が搭載されており、地上の浮上・案内コイルに電流が流れることで車両が浮上し、摩擦がほとんどないため高速走行が可能です。地上の推進コイルに電流を流すことで磁界が発生し、車両が前進します。また、左右の浮上・案内コイルが車両を常に中央に戻す役割を果たします。
この技術は、都市交通や長距離交通、物流システム、医療機器、精密機器、宇宙開発など、さまざまな分野で応用されています。例えば、日本のリニア中央新幹線は、東京と名古屋間を約40分で結ぶ予定です。また、医療用のMRI(磁気共鳴画像診断装置)にも超伝導技術が使われています。
リニアモーターカーの技術は、私たちの生活を大きく変える可能性を秘めています。