以下に本指標の過去傾向に基づくポイントを整理しておきます。
- 指標発表結果に対し最も素直に反応する直後1分足跳幅の過去平均値は29pipsとなっています。そして、その平均値を超えたことは46%です。調査期間中、最も反応が大きかったときには67pipsとなっています。
大きく反応しがちな指標ですから、発表時刻を跨いでポジションを持つ場合には、慎重になった方が良いでしょう。 - 今回、市場予想は前回結果よりも悪化となっています。そして、先日発表された物価指数やサービス業PMIも1月分は悪化という結果でした。悪化に対する反応はいずれも陰線でした。
- 反応性分析の結果、直後1分足と直後11分足の方向一致率は70%でした。そこそこ高い一致率ですし、両者方向が一致したときに値幅が伸びたことは69%となっています。また、指標一致分析の結果、事後差異と直後11分足の方向一致率が79%あります。
指標発表結果を確認したら追いかけても良い数字でしょう。但しそのとき、直後1分足跳幅の過去平均29pipsを超えていたら、追いかけは慎重にやってくださいね。 - 反応一致性分析の結果、直前1分足の陰線率が86%あります。1分足であっても過去平均の跳幅は10pipsあります。
もし発表後の反応を陽線側と考えておられる方がいても、ポジション取得はあまり早くしない方が良さそうです。 - 反応一致性分析では、直後1分足の陽線率も70%ありました。こちらは過去平均の跳幅が29pipsもあります。
がしかし、一応シナリオも用意したものの、直近の関連指標で1月の状況が悪すぎます。
過去24回で陽線率が70%と言っても、反応を陽線に決め打ちするには少し怖い状況だと言えるでしょう。 - 指標一致性分析の結果、事前差異と直前10-1分足の方向一致率が74%ありました。発表前にも関わらず、過去平均で直前10-1分足は跳幅が22pipsもあります。
なお、今回の事前差異は市場予想が前回結果よりも悪いのでマイナスです。この間に陰線となる1分足タイミングを見計らって、ポジションを取るのも一興かと思います(一興ですから、軽めのポジションを薦めます)。
上記結論に至る詳細は、続けて以下に示します。以下は「?T.調査」「?U.分析」を事前投稿し、「?V.結果」「?W.検証」は事後投稿しています。事後の投稿日時は「?V.結果」のタイトル行付近に記載しています。
事前投稿した分析は、同じ指標の発表がある度に更新を繰り返して精度向上を図り、過去の教訓を次の発表時の取引で活かせるように努めています。それでも的中率は75%程度で、100%ではありません。
残念ながら、ポジションを持つ最終的なご判断は読者ご自身の責任となり、本ブログ情報に基づいた取引で生じたいかなる損害についても、当会は責任を負いかねます。その点を予めご了承の上、ポジションを持つ上でご参考になれば幸いです。もし宜しければ、どれか広告をクリック頂き提携先に興味を持って貰えればもっと幸いです。
?T.調査
本指標の調査対象は、自動車販売店を除いた小売業・飲食店など5000社です。小売売上高は英国に限らず天候・季節が影響します。特に1月発表(前年12月分)はクリスマス商戦の影響で毎月の結果よりも大きく変動することが知られています。
英国の個人消費はGDPの約40%を占めるため、GDPの先行指標として本指標には意義があります。
発表元は英国国家統計局、時期は翌月中旬です。
本指標に先行する関連指標には、サービス業PMIや物価指数が挙げられます。直近の相関度については、近々に求めてみたいと思います。
本指標について既に公開されている情報を整理します。
以下の調査・分析は2015年1月分以降前回発表までの24回分のデータに基づいています。
指標発表結果に対し最も素直に反応する直後1分足跳幅の過去平均値は29pipsとなっています。そして、その平均値を超えたことは46%です。調査期間中、最も反応が大きかったときには67pipsとなっています。
大きく反応しがちな指標ですから、指標発表を跨いでポジションを持つことは避けた方が良いでしょう。
(2-1. 過去情報)
本指標の過去の動きを下図に示します。
今回、市場予想は前回結果よりも低く悪化となっています。
そして、先日発表された物価指数やサービス業PMIも1月分はかなり悪化していました。悪化に対する反応はいずれも陰線です。
(2-2. 過去反応)
過去の直前10-1分足・直前1分足・直後1分足・直後11分足の始値基準ローソク足を以下に示します。
直前1分足で陰線が目立ちます。直後1分足には陽線が目立ちます。
直後11分足で大きく陰線に伸びた2016年6月は、何と跳幅157pips・値幅96pipsにも達しています。この月はブリグジット絡みで反応が大きかった訳ですが、もしこんなことが再度あっても、なかなか自信をもってポジションは取れませんよね。
(2-3. 関連指標)
1月は、先日発表された物価指数やサービス業PMIが悪化しています。いずれも陰線で反応しています。
?U. 分析
反応性分析では、過去発表直後の1分足と11分足の跳幅と値幅を使います。この分析で十分なpipsが狙えそうな指標か否かが判断できます。
直後1分足と直後11分足の方向一致率は70%です。そこそこ高い一致率ですし、両者方向が一致したときに値幅が伸びたことは69%となっています。
過去平均値では直後1分足終値がつく頃にポジションを取得して追いかけても、直後1分足終値と直後11分足跳幅との差25pipsが狙えます。
反応一致性分析は、指標発表前後の反応方向に特徴的な偏りがないかを調べています。
直前1分足の陰線率が86%あります。1分足であっても過去平均の跳幅は10pipsあります。
また、直後1分足の陽線率が70%あります。こちらは過去平均の跳幅が29pipsもあります。
指標一致性分析は、指標の前回結果・市場予想・発表結果の差を求め、そのプラス・マイナスと反応方向に偏りがないかを調べています。
見るべき点は、事前差異と直前10-1分足の方向一致率が74%ある点です。発表前にも関わらず、過去平均で直前10-1分足は跳幅が22pipsもあります。そんじょそこらの指標ではないですね。
また、事後差異と直後11分足の方向一致率が79%あります。指標発表結果を確認したら、追いかけても良い数字でしょう。但しそのとき、直後1分足跳幅の過去平均29pipsを超えていたら、追いかけは慎重にやってください。
【6. シナリオ作成】
以上の調査・分析結果に基づき、以下のシナリオで取引に臨みます。
?V. 結果
2017.2/16.22:30発表
2017年2月17:21:34追記
【7. 発表結果】
(7-1. 指標結果)
本指標発表結果及び反応は次の通りでした。
いやはや、驚きましたね。17時頃から19時過ぎまでに200pips弱の落ち方でした。
ところで、発表後の落ち方には段差がありましたね。これは、一段目が発表結果を反映して、二段目が19:00からシティが動くのを見越して、三段目が株取引が始まって、でしょうか。
19時になってやっと形成中の4時間足が陽線に転じました。がしかし、もしこのまま戻っても140.7までは行かないかな、と見ています(1時間足の転換線がそのあたりにあって、ほぼ半値戻しにあたる値。但し、この半値戻しは指標発表前の下降も反映されているので、141.5ぐらいで力尽きるのではないでしょうか)。
ともあれ、週末の取引きです。気を付けて楽しんでください。
(7-2. 取引結果)
取引結果は次の通りでした。
?W. 検証
【8. 調査分析検証】
事前分析では、反応性分析の結果、直後1分足と直後11分足の方向一致率が70%と示していました。そこそこ高い一致率であり、両者方向が一致したときに値幅が伸びたことは69%とも記していました。そして、指標一致分析の結果として、事後差異と直後11分足の方向一致率が79%ある、としていました。
大きくは分析通りに動いたと言えるでしょう。
がしかし、直後1分足が過去平均跳幅の29pipsを超えていたら、追いかけは慎重に行うように指摘していました。
もし、直後1分足終値でポジションを取り、直後11分足跳幅で解消していても利確はできたと思います。がしかし、リスクを考えての助言だったとは言え、結果から言えば今回のケースでは不適切でした。でもまぁ、予め結果がわかっている訳でもなし、どんどん追いかけろとは言えませんよね。ご容赦ください。
【9. シナリオ検証】
最終的には、分析及びシナリオの妥当性を検証するには、結果を見るしかありません。
本ブログを始めて、本指標で事前に分析結果を示しての取引は2回目でした。大した利益ではありませんが、まぁそんなことは半分どうでも良いのです。シナリオ毎の勝率が75%あるか否かが大事で、75%を下回るようになれば、何か分析方法を見直さないといけません。
あくまで、指標毎の集計は、シナリオが当たった否かに着目するため、です。
常識に照らして、いくら事前分析がどうあれ、今回のシナリオ2のようにポジションが取れないほど、事前の動きが激しい場合はあります。そのような場合、「シナリオが通用しない状況」と見なして、取引は中止しています。
あくまで「少数に絞ったシナリオ」が通用するかが大切で、必ずいくつか当たるようにシナリオを多く用意し過ぎたり、シナリオで想定している状況でもシナリオに固執する、というのは馬鹿げています。
以上
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ーーー注記ーーー
本記事における分析シート、一部乃至は一連の体系化された手順を、個人の取引以外の目的で使用・公開・二次利用を行う場合には、著作権者及びFX手法研究会に対し、連絡を取り何らかの合意を行う必要があります。
以上