このブログでの取引のように、経済指標発表前後の短時間しかポジションを持たない場合ですら、損切は重要です。予め、取引対象指標について過去の反応の大きさの平均値を求めているのは、利確や損切の目安を得ておくため、と言っても良いのです。
あまり厳格にルール化する必要は感じていないので(もっと大切なことがあるので)、目安があれば十分です。10pipsしか反応しない指標で取引を行って、10pipsの含損が先行してしまうと、挽回できる可能性が小さいことを理解できていれば十分です。
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さて、損切の効果についての話です。
例えば、わかりやすく実行しやすい方法での取引として、次の行為に徹した場合を考えてみて下さい。
- 毎朝、前日が陽線だったか陰線だったかを確認することにしましょう
- もし前日が陰線なら、今朝は売ポジションを取得し、明朝にそのポジションを解消することにします
- もし前日が陽線なら、今朝は買ポジションを取得し、明朝にそのポジションを解消することにします
そうです。前日の値動きに沿って1日単位でトレンドフォローし続ける訳ですね。ポジションの解消・取得は毎朝7時過ぎです。
ポジションを取るなら、それ以前のトレンドを参考にすべきです。そしてそのとき、逆張りよりは順張りでポジションを持つことが基本です。よって、このやり方は基本に反していません。
がしかし、実際に試してみると、基本通りに取引しているのに驚く結果となります( このまま試してはいけません )。
もし、2017年の取引初日の1月3日から今朝まで、USDJPYでこのような取引を機械的に繰り返していたとしたら、30pips程度の利益が手元に残っていたハズです。
何と、2か月弱の取引でたったの30pips程度しか稼げない訳です。運が悪ければ負けてしまっていたでしょう。
このように、トレンドフォローという取引方法だと、かなり明確な上昇トレンドや下降トレンドが長期に亘って続かない限り、機械的ルールでの取引で稼ぐことが難しいのです。
もちろん、そんな人間味のない機械的取引を行える人は少数派でしょう。実際にはもっと上手く取引できる人の方が多いはずです。もっと下手な取引しかできてなくて、この期間で負けていたなら論外です。
いずれにせよ、色々と考えさせられる取引ルールとその結果であることには違いありません。
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次に、ひとつだけ新たなルールを追加します。それが損切ルールです。
例えば、先の3つに
- その日の含損が100pipsに達したら直ちに損切する
というルールを加えてみましょう。
驚いたことに、このルールを加えただけで、先の例と同じ期間で250pips程度が今朝の時点で手元に残ったハズです。毎日1枚の取引をしていたなら、約2万5千円が手元に残っていたのです。
ちなみに、現在のレートでレバレッジ25倍の場合、USDJPY1枚の投資額は約4万5千円です。投資額の20倍の90万円が手元資本だとしても、2か月弱でその資本に10%弱の運用益が加えられたことになります。
どうでしょう。この話、ちょっと驚きませんか?
では、ここで考えてみましょう。
今回は日足チャートを使った例で説明しました。けれども、トレンドの有無と機械的取引の関係や、損益と損切の関係は、1時間足チャートや4時間足チャートでも同じような傾向になるでしょう。本質的には、この話で時間の長さなんて問題ではないのです。
この記事のテーマは取引ルールではありません。損切を適切に行えるようになれば、期間収益率に対し絶大な効果がある、ということです。ここに挙げた例をしっかり理解していれば、トレンドフォローをする際に必ず予め損切を逆指値しておくメリットが理解できるでしょう。
逆指値による損切は、いざというときの安全対策と理解するよりも、このように理解した方が良いのです。
やみくもに、含損が発生する度に損切する方法で取引を続け、結果がこれまで良くなかったのなら、こうした別のやり方に変えた方が良いでしょう。
我田引水で恐縮ながら、 「1. FXは上達するのか」 をご一読ください。損切をうまくできるようになるため、損切の研究よりも先にやることがあります。
この話がわかりやすかったなら幸いです。
以上
気になると思うので、補足しておきます。
この記事で例に挙げた取引ルールだと、研究すべきテーマは、それぞれの時間足で適切な損切幅が何pipsか、という点です。
私見で恐縮ながら、日足では100pips・4時間足では60pips・1時間足では30pipsとすると、相性が良いようです。
がしかし、これらの数字はボラティリティによっては連敗が続きます。陽線であれ陰線であれ、上下にヒゲが長い日が続くと最悪です。
もしご自身で追試をするなら覚悟はしておいてください。100pipsで損切が続いて10日分の負けが先行すると10万円を失います(レバレッジ25倍、毎回1枚の取引を行った場合)。
他人が責任なんて負えないし、他人のせいにしてもお金は戻ってこないので、こういう数字はご自身で導き出す必要があります。記録をとってPDCAサイクルを回しましょう。
このブログではそういうやり方を薦めているのです。
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