反応性分析では、過去発表直後の1分足と11分足の 跳幅と値幅 を使います。この分析は最初に行って、十分なpipsが狙えそうな指標か否かを判断します。
この分析を行うためには、予め対象指標の過去発表時のローソク足を調べ、その始値・高値・安値・終値を記録しておく必要があります。最初だけは作業が大変ですが、1回作成しておけば次の発表からは前回発表時の反応だけを記録すれば済みます。
何より、この分析は経済指標の知識も指標発表直後の反応の習性も知らなくて構わないので助かります。
先に事例を示します。
中段のグラフは過去の反応平均値を整理したものです。
グラフから、(1) 最近の反応が以前に比べて大きいか否か、(2) 1分足と10分足の跳幅・値幅の大小関係がどうなっているか、(3) 過去の反応の大きさから、逆に挽回できそうにない損切の目安が得られます。
そして、下段の表は、ポジションの取得時期と解消時期とで、どの程度のpipsが狙えるかを一覧したものです。
このように、反応性分析では、過去にその指標発表時にどれだけ大きな反応があったかが把握できます。
その指標についてせっかく色々と調べても、反応がなければ役に立たないのだから、この分析を最初に行うのが当然ですね。
ですが、別の意義もあります。例えば、発表直後の1分足の値幅よりも、その1分足と始値が同じ10分足の値幅が大きければ、1分足の終値を確認してから10分足の終値が付くまでの期間だけポジションを持てば良い訳です。
もちろん、1分足が陽線で10分足が陰線の場合もあるので、騙されることもあります。ですが、経済指標発表直後の1分足の向きと同10分足の向きは、ざっくり7割ぐらい一致しているという印象があります。これは、定量的に確認した割合でなく、あくまで印象という話で申し訳ありません。
いずれこの点は定量化してみたいと思っています。
ただ、もしこの7割という印象が正しければ、そうした棒グラフの形状を見つける度に、2勝1敗(勝率66%)と3勝1敗(勝率75%)の間ぐらいの取引を繰り返せますね。このように「比較的安全にポジションが持てる」という点が注目に値します。
やはり、1分足値幅と10分足値幅の差が大きいときに順張りでポジションを持つ方が、逆張りでポジションを持つよりも、勝率は確実に稼げます。これも、定量化されていない経験上の話で申し訳ありませんが、そりゃそうなりますよね。
ですが、ポジションを1分足終値から10分足終値まで持ったときに何pips稼げそうかを事前に把握しておくことには意味があります。
そして分析方法です。
最上段の左右に分かれた表は、指標発表後の反応の速さによるポジションの取得・解消の難度と、ポジションを取得・解消する判断の難しさと、ポジションを取得するタイミングが順張りとなるか逆張りとなるか、を得点付けしたものです。
この得点は昨年の教訓を踏まえて今回から改訂していますが、ここでは詳細を割愛します。
二段目の表は「合計C」列の得点を求めるために作成したものです。Aのタイミングでポジションを取得し、Bのタイミングでポジションを解消した場合、一段目の表の得点配分でどの程度大きさに違いがあるかを評価しています。一段目の得点の意味を踏まえると、「合計C」の値が大きいほど危険なポジションだと言えるでしょう。
この表は、先の表で得点配分を改訂しない限り、どの指標でも同じになります。
三段目の表は、過去平均何pipsが得られたポジションの持ち方かを「D」列で求め、それを二段目の表で求めた「合計C」で割っています。これによって「合理性重視」という表のタイトル通り、リスクの割にリターンが大きな行に順番が付けられるようになります。
そして、四段目(最下段)の表が、以上の反応性分析結果に基づく結論となっています。根拠となる特徴を記録し、事後に今回も同じ特徴だったかを検証します。
以上を纏めると、反応性分析は、
- 分析対象の指標は過去に十分な大きな反応をしていたのか把握できる。
- 安全もしくは合理的にポジションが持てそうな特徴がないのか把握できる。
- 過去の平均的な反応の大きさから、もし分析が外れて損切するときにも、どの程度の含損で挽回できなくなりそうか把握できる。
といったことを定型作業で行えます。
以上
このブログを始めから読むなら こちらの「FXは上達するのか」 からどうぞ。
【このカテゴリーの最新記事】
- no image