さて、ブログを始めてFX用にいくつかの経済指標の分析を記事にするようになって1年が経ちました。個別指標や個々のシナリオではしょっちゅう分析を外したものの、この間の期間収益率は原資に対し50%を超えました。
この数字はちょっとうまくいきすぎです。このやり方では、年間収益率が20%を超えるぐらいが過去数年間の成績なので、今年は特別です。
よくこのブログをご覧頂いている方々はお判りのように、このブログの経済指標分析は前週末に記事を書き溜めて、前日に市場予想を確認して投稿しています。
指標発表当日や直前の値動きを見なくても、その指標発表の市場予想や発表前後の値動きの癖を分析しておけば、だいたい年間収益率が20%を超えるぐらい勝てることがお判り頂ければ幸いです。
多くの経済指標分析記事では、経済指標そのもの(市場予想の妥当性)を分析しています。それだけでは取引する上での分析が足りません。
発表結果が市場予想と違っても、必ずしも反応が素直だとは限りません。アテにできることは、指標結果の良し悪しに素直に反応することが「何%」かということだけです。重要度や注目度が高いという指標でも、必ずしも反応が大きいとは限りません。アテにできることは、過去の反応が「平均何pips」だったかということです。
「何%」も「平均何pips」も目安に過ぎない数字です。がしかし、それらを知らずに指標発表時の取引するのでは、利確や損切の時期と程度を勘に頼ってしまうことになります。勝つためには、時期も程度も目安よりも安全側(早め・小さめ)に判断することが大事です。
FXを長く楽しむためには、勝たなければいけません。
このブログは、1回々々の取引で微益であっても、それを積み重ねて年間を通してそこそこの運用益を稼ぐことを目指しています。勝率が怪しい取引や長時間のポジション保有を嫌うのは、大勝ちするよりも大負けを嫌うからです。
今年の成績はマグレですが、経済指標発表時の取引では事前分析通りの取引がうまくいくことが示せており、まぁほっとしています。
【1. 11月第4W主要指標結果】
11月第4週は3指標で取引を行いました。
シナリオ外取引も含めた取引時間は21分44秒(1指標当たり7分15秒)で、損益はいつも1枚ずつの取引で+4,072円(1指標当たり+1,357円)でした。
勝率は、指標単位で100%(3勝)、シナリオ単位では100%(11勝1敗、見送り2)でした。ほぼ完勝です。
欧州HICP速報値を除けば、過去平均に対し指標結果への反応は小さな週でした。
前週に、
「11月に入って、経済指標なんかより政治的問題で先行き不透明感が高まり、危なくてなかなか取引できません。政治的問題が起きているときは、不規則な発言が報道されて一気に値動きが起きることが多々あります。どの国でもそうですが、指標発表が行われる時間帯は、前夜から当日朝にかけてのニュースで、株価が動きかねない時間帯です。」
と書いたのはたまたまです。その通りになりました。
11月29日03:18頃、北朝鮮はICBMと見られるミサイルは発射しました。USDJPYはそれから30分余りで30pipsのリスク回避の動き(円高)を見せました。時刻が時刻だったこともあり、北朝鮮絡みでのリスク回避の動きとしては最も小さくなりました。
同日、EUと英国は「近く離脱清算金の問題で合意」との一報があり、翌30日には「(非公式な)合意」との報道もありました。次ステップの通商問題合意への期待から、GBPJPYは2日間で130pips程度上昇(GBP高)しました。
12月1日には、独与党の総選挙過半数割れに伴う混乱に対し、連立協議再開の報道がありました。英国との離脱協議進展もあって、30日以降12月1日24:00までのEURJPYは150pips程度上昇(EUR高)しました。
そして、この週最後12月2日に、米大統領元補佐官訴追の報道があり、USDJPYは1時間足らずで約100pipsの下落(ドル安)へと動きました。
【2. 11月第5W主要指標】
次週11月第5週の主要指標の過去平均反応を示します。
11月第5週も前週と同様に、指標結果を転機にトレンドが形成されにくい(大きな動きになりにくい)でしょう。
次週の流れは次のように理解しています。太字のリンク先は前回発表時の分析記事です。
米国では、週末から週明けにかけて米補佐官訴追の続報によって、USD売で始まる可能性があります。週後半8日には2018年度の暫定予算と債務上限の引き上げ期限になるため、議会情勢次第でUSDは売買されるでしょう。そして、翌週12月13日に既に市場で折込済とされるFOMC利上げが行われます。利上げ後を睨むと、中長期の参加者が売買する時期でもないでしょう。
経済指標は、12月5日には11月分 ISM非製造業景況指数 、6日に11月分 ADP雇用統計 、8日に11月分 雇用統計 が発表されます。米国指標はこのところ良い結果が続いているものの、それがUSD買に結び付きません。陽線で反応したときは特に、翌朝までに値を戻す動きに気を付けた方が良いでしょう。
欧州では、連立協議再開の続報を期待してEURは下げにくくなるでしょう。一方、EURUSDは、既に1.19付近に達しており、上昇余地が1.20を少し超えるぐらいまでしかない点を踏まえると、連立成立の続報がないと1.20上抜けも難しいと思われます。
英国と欧州の離脱協議進展は、通商協議移行が焦点です。在英EU市民の権利保護とアイルランドとの国境問題を棚上げできるかで、いつニュースが入るかが予想つきません。それにしても、この問題でこれほどGBPが上昇するなら、先のBOEの利上げの意味が本当にわかりません。
EURとGBP絡みの経済指標には、あまり注目すべきものがありません。12月5日の英国11月分 サービス業PMI ぐらいでしょうか。
豪州は指標発表の週となっています。発表時刻の関係で取引は難しいものの、きちんと見ておきましょう。取引するなら、AUDの上昇圧力をUSDJPYがふいに下げることで、AUDJPYも下げる時間に気を付けましょう。
12月5日は、10月分 小売売上高 と RBA金融政策 が発表されます。小売売上高は4か月ぶりにプラス転換しそうですが、その後で発表されるRBA政策は変更されないでしょう。米利上げが近い時期、RBA政策が当面維持の方針がまた繰り返されれば、基本はAUDが売られます。
がしかし、翌6日に7-9月期 GDP の発表が予定されており、大きく伸びると見込まれます。それも踏まえて考えれば、前日のRBA政策発表後にどこかでAUDが伸び始めると考えられます。成長率が良ければ、RBAの政策変更時期が早まる可能性があるからです。
以上
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