貿易赤字の国別内訳(2016年)は、中国3470億USD、EU1463億USD、日本689億USD、メキシコ632億USD、カナダ112億USD、です。
中国に対しては先の米大統領のアジア歴訪で、複数年で2500億USDの覚書を締結しました。メキシコ・カナダとはNAFTA再交渉をしていますが、今年中に話が纏まる気配はありません。EU・日本には、個別にFTA締結を求めているものの、その協議には始まってもいません。
昨年2016年の貿易赤字は前年比+0.4%の5023億USDで、2017年は1-10月分で4518億USDとなっています。毎月400億USDを超える赤字が続いていることを踏まえると、今年も昨年の赤字を上回ることは確実でしょう。
【4-2-3. 貿易指標】
11月3日に発表された9月分貿易収支は△435億USDでした。
12月5日に発表された10月分は△487億USDでした。直近ピークだった2017年1月分の△485億USDを僅かに上回る赤字額です。米大統領のツイートもあって赤字が減少するかと思いきや、2017年に入ってからは毎月400億USDをずっと超えています。
次回11月分発表は2018年1月5日です。
(分析事例) 貿易収支 (2017年12月5日発表結果検証済)
本指標は、木曜に発表されるときは週次新規失業保険申請件数と、金曜に発表されるときは雇用統計と、同時に発表されがちです。そうした場合、貿易収支がどうであれ、反応は同時発表される指標の結果に従い、本指標結果が反応に現れることはありません。
ならば、本指標が単独で発表されるときはどうかと言えば、やはり反応が小さく、過去の直後1分足跳幅は平均で6pipsしかありません。事後差異(発表結果ー市場予想)と直後1分足の方向一致率は70%程度あるものの、直後1分足終値を超えて直後11分足終値が反応を伸ばしていたことは50%未満です。つまり、反応の持続時間もありません。
この指標は、赤字規模や国別内訳を論拠に、米政権からの2国間貿易収支に関する牽制発言があり得るため、そのことを知っておくために結果だけ知っておけば良い指標だと言えるでしょう。事前分析に基づく取引にはあまり意味がありません。指標結果がどうあれ、その夜のUSDJPYのトレンドにすぐに呑みこまれてしまいます。
なお、2017年に行われた本指標発表(2016年11月分〜2017年10月分)で、本指標が単独で発表されたことは5回ありました。
そのうち2回で取引を行い、成績は指標単位勝率が100%・シナリオ単位勝率が67%でした。問題は、利確できたのが僅か6.74pipsだったことです。もし、残り3回を全て勝っていても期待pipsは17pipsにしか達しません。これでは、ちょっと反応が大きな指標の取引1回分にしかなりません。
損するよりマシですが、これでは事前分析に力が入りませんよね。
以上
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