でも、本稿はそんな話じゃありません。
最近の分析記事で多用している下右図は、直後1分足(x)と直後11分足の値幅(y)の関係を表しています。この図の場合、回帰式の係数が1.1050なので、平均的には反応を伸ばしやすい指標だと言えるでしょう。
ざっくり言えば、ここでの「平均的」とは、回帰線(赤線)が各点分布の中心を通っている、というだけのことです。その式のx(直後1分足)の係数が1.1050ということは、y(直後11分足)が平均的に10.5%長くなるということです。
正確には面倒くさい話だから気にしなくても構いません。
それでも、どうしても気になると言うのなら、この式は「線から各点までのy軸に平行な距離の二乗値の総和の平方根が線の上下で0になるように求めています。やっぱり、何を言っているかなんて気にしても仕方ありません。
映画『マトリックス』の3作目で、人類を救おうとしている主人公に、彼を送り出す政治家がこう言います。「この機械がどうなっているかなんてちっともわからない。でも、この機械が何のために動いているかならわかる」
うんうん、と思います。
だから理解しておくべきことは、この式の厳密な意味でなく、もっとざっくりとした正確な意味です。
この式は「平均的な反応の伸び率を表し」ており、線の上下のどちらに多くの点があるかを表していません。直後1分足が陽線(横軸の0より右)で線より上に点があれば直後11分足は反応を伸ばしていますが、線より下ならだいたい直後11分足は直後1分足の値幅を削るか反転しています。直後1分足が陰線(横軸の0より左)で線より下に点があれば直後11分足は反応を伸ばしていますが、線より上ならだいたい直後11分足は直後1分足の値幅を削るか反転しています。
だからこの式(線)は各点の中心を通っているものの、線の上下にある点の個数が等しいとは限りません。陽線であれ陰線であれ、直後1分足よりも直後11分足が反応を伸ばした否かは下図で数えています。
この図は、直後1分足よりも直後11分足が反応を伸ばしたことと、直後1分足の値幅を直後11分足が削ったことと、直後1分足と直後11分足とが反転したことと、3通りの確率を求めています。
では、ふたつの図で、どちらをアテにした方が稼げるのでしょうか。
復習すると、線と点で表した平均的にどのぐらい反応を伸ばしているかという図と、直後1分足と直後11分足の反応が伸びたか縮んだか反転したかの3通りに単純化した図と、どちらを参考にした方が稼げるのでしょうか。
そんなこと、誰にもわかるはずありません。
実際の取引では、指標発表の0.001秒前にポジションを取得し、指標発表の1分後ちょうどや11分後ちょうどにポジションを解消している訳じゃありません。いくらきちんと確率を求めても、そんな取引に徹することなんて、とてもできません。
アテにしてない癖に信用している、というのなら、自分の娘と同じです。でも、アテにしている癖に信用していない、というのは職場の部下のようです。それでも、職場は色んな関係次第で高い生産性を発揮したりします。やっぱり客観性というのは他人の関係でなければ生まれないのですね。
今年は自分のブログを始めて忙しかったけれど、来年はヨソのブログを参考にしてもっと勉強します。
以上
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