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FX手法研究会のApajiです。     そして写真はM君です。さんの画像
FX手法研究会のApajiです。     そして写真はM君です。
何でも食べるな!
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イエティはいるのか
このブログの内容です
「お通」を見送る顔
内容の補足です
モストアンラッキー
先に謝っておきます
孤独な英国人は減ったのか
但書きです



1. FXは上達するのか

小さなコツをいくつか覚えたって駄目です。勝てない原因をきちんと突き止めてからやり直しましょう。FXを楽しむためには「投資期間」が必要です。すぐに始めたって勝てないことは、FXに限らず、何事であれ同じなのです。だからこそ、その期間を短縮するための「方法論」が大切なのです。

1-1. FXを楽しむために
アマチュアらしく…
1-2. いつか負けないはずがない!
上手くなるまでは短期取引です
1-3. 難しさの正体って何だ
利確と損切の理解は大切です
1-4. FXは上達するのか
取引機会を絞り込むべきです
1-5. 数字で掴もう
その機会にどう臨むかです
2. 経済指標の楽しみ方

このブログで扱う取引の理想は、経済指標発表前後の反応を着実に刈り取り、ポジション保有時間を最短化してリスクを避けることです。でも、効率良く取引するにはそれなりに予備知識が必要です。大した話は紹介できませんが、基本だけは押さえておきましょう。

2-1. 大きなゾウの隠れ方
指標取引のための予備知識です
2-2. ウソは嫌いだ!
短期取引をやるときの指針です
2-3. イグアナを見分ける前に
このブログの指標取引での成績です
 2-4. 小ズルくいきましょう
いわばジンクスで勝つ方法です

3. 指標取引分析手法

このブログでは経済指標への調査・分析を定型書式で行っています。定型書式を用いることで、反省を踏まえてやり方を進歩させたり、相場環境が変わったことを見つけやすくするため、です。

3-1. 指標取引の予備知識
指標発表前後の他の時間と違い
3-2. ローソク足各部の名称
全幅・値幅・跳幅とは?
3-3. 4本足チャート
このブログで使うチャート表記
3-4. 反応方向の予備知識
指標分類と反応方向の基本
3-5. 取引通貨ペアの選択
通貨ペアによる有利不利
3-6. 指標分析の方法
定量指標分析とは?
3-7. 反応分析の方法
定量反応分析とは?
3-8. 分析の成績
事前分析的中率
3-9. ブレイク対応準備
ついでに…
4. 経済指標DB

経済指標発表前後の短時間に分析期間を絞ることによって、指標への反応に一定の再現性(傾向)があることはわかりました。各国「政策決定指標」・「経済実態指標」の項に、主要な指標についての分析結果と分析事例を纏めてあります。

4-0. 各国経済・通貨の特徴
4-1. 日本経済
4-1-1. 政策決定指標
(a) 日銀短観
(b1) 東京都区部CPI
(b2) 全国CPI
4-1-2. 経済実態指標
(c) GDP一次速報
(d) 機械受注
(e1) 通関貿易統計
(e2) 国際収支
4-2. 米国経済
4-2-1. 政策決定指標
(a) FOMC
(b1) UM消信指数速報
(b2) CB消信指数
(b3) ISM非製景指数
(c1) NY連銀製景指数
(c2) Phil連銀製景指数
(c3) ISM製景指数
(d1) 輸出・入物価指数
(d2) 生産者物価指数
(d3) 消費者物価指数
(d4) PCEコアデフレータ
(e1) ADP雇用統計
(e2) 雇用統計
4-2-2. 経済実態指標
(a1) GDP速報値
(a2) GDP改定値
(a3) GDP確定値
(b1) 小売売上高
(b2) 個人消費・所得
(c1) 鉱工業生産
(c2) 耐久財受注
(d1) 中古住宅販売件数
(d2) 新築住宅販売件数
4-2-3. 収支関連指標
(a) 貿易収支
4-3. 欧州経済
4-3-1. 政策決定指標
(a) ECB金融政策
(c1) ZEW企業景況感調査
(c2) 独国Ifo企業景況指数
(c3) 独国PMI速報値
(c4) 欧州PMI速報値
(d) 欧州HICP速報値
4-3-2. 経済実態指標
(a1) 独国GDP速報値
(b) 独国貿易統計
(c1) 独国製造業新規受注
(c2) 独国鉱工業生産
4-4. 英国経済
4-4-0. 英国経済指標反応要点
4-4-1. 政策決定指標
(a) BOE金融政策
(c1) PMI速報値
(c2) 製造業PMI改定値
(c3) サービス業PMI改定値
(d) 物価統計
(e) 雇用統計
4-4-2. 経済実態指標
(a1) 月次GDP
(a2) 四半期GDP速報値
(b) 小売売上高指数
(c) 鉱工業生産指数
(d) 貿易収支
4-5. 豪州・NZ経済
4-5-1. 政策決定指標
(a) RBA金融政策
(b) RBNZ金融政策
(c1) NAB企業景況感指数
(c2) WP消費者信頼感指数
(d1) 四半期住宅価格指数
(d2) 四半期生産者物価指数
(d3) 四半期消費者物価指数
(e1) 賃金指数
(e2) ANZ求人広告件数
(e3) 雇用統計
4-5-2. 経済実態指標
(a) 四半期GDP
(b) 貿易収支
(c) 小売売上高
(d1) 住宅ローン件数
(d2) 建設許可件数

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【FX会社】
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2017年06月14日

英国金融政策発表前後のGBPJPY反応分析(2017年6月15日20:00発表結果検証済)

以下、「?T.調査・分析」を事前投稿し、「?U.結果・検証」を事後投稿しています。ブログの日付は事前投稿日となっています。指標発表後に事後投稿し、その日時は「?U.結果・検証」のタイトル行付近に記載しています。

2017年6月15日20:00に英国金融政策「BOE政策金利」が発表されます。

1706英国金融政策100.png



次に、本指標発表前後にポジションを持つときのポイントを整理しておきます。
本指標で取引する上での注意点です。

  • 発表前にポジションを持たないことを薦めます。もし政策変更になったらFOMCなんかよりもずっと大きく動きます。発表前にポジションを取らなくても追撃で稼げます。
    直近では「市場予想に反して金利改定」という事例が2016年8月にありました。このときは、直前1分足が70pipsも陰線側に動きました。恐ろしいのはそれからです。このとき直後1分足は、陰線側・陽線側の両方に60pipsのヒゲを残して小さな陽線で終わったのです。だから、発表前にはポジションを持たない方が良いのです。そしてそれから10分足で、今度は跳幅100pips・値幅70pipsの陰線を形成しました。
    また、調査期間内の過去最高は「市場予想に反して現状維持」のときの286pipsです(2016年7月)。あっという間に跳ねて、おそらく近くの逆指値損切注文は、かなりスリップしてしまったことでしょう(あるいは、逆指値注文が通らなかったでしょう)。
    発表前にポジションを取らない、発表直後は焦って高値(安値)掴みをしない、少し落ち着いてから追撃する、です。


1706英国金融政策150.png

指標定型分析の結果は次の通りです。

  • 反応性分析の結果は次の通りです。
    直後11分足は、直後1分足との方向一致率が73%です。方向一致時に直後1分足と直後11分足を比較して、跳値同士で反応が伸びたことは79%、終値同士で反応が伸びたことは74%です。
    つまり、確率的には反応方向が確認でき次第、追撃ポジションを取得して直後11分足跳値を狙うのに適しています。無理をしなくても、追撃で勝ちやすいのです。
  • 反応一致性分析の結果は次の通りです。
    直前1分足の陰線率が85%となっています。がしかし、反応が大きくなることがあり、その予想がつかないため、ポジション取得は諦めます。
    反応性分析に挙げた直後1分足と直後11分足の方向一致率を除けば、あるローソク足の方向がそれ以降に形成されるローソク足の方向を強く示唆(70%以上)している兆候はありません。
  • 指標一致性分析は、調査期間において政策変更が1度しか行われていないので割愛します。

以上の分析結果に基づき以下のシナリオで取引に臨みます。

  • 反応方向を見極めてから追撃です。
    市場予想に反して何らかの政策変更が行われた場合は、反応方向確認次第、複数回の追撃を行います。
    市場予想通りに現状維持だった場合は、高値(安値)掴みを避けて、反応方向を見極めてから追撃します。それでも、直後1分足と直後11分足の終値の差の平均は18pips、直後1分足終値と直後11分足跳幅の差の平均は37pipsあります。
    利確・損切の目安は25pips〜30pipsです。危ないと思うなら、その半分を想定して数秒で決済を繰り返しても構いません。



?T.調査・分析

公開情報や既出情報に基づく調査を行い、過去の指標と反応の関係を比較分析しています。方向に関する的中率に比べ、程度に関する的中率は残念ながら低いというのが実情です。利確・損切の目安は、過去平均値を最近の反応の大小と見比べて感覚的に微修正している、というのが実情です。

【1. 指標概要】

英国の政策金利は、英中銀(BOE)の金融政策委員会(MPC)に決定権限があります。同委員会は、総裁1人・副総裁2人・行内委員2人・外部委員2人の合計9人で構成されています。
MPCは原則毎月第1水・木曜日の2日間開催され、2日目の正午に政策金利が発表されます。その2週間後に議事録を公表し、2月・5月・8月・11月には四半期インフレ報告書を発表しています。

MPCは、9人の意見が強く反映されるため、他の主要国(日米欧)と違って市場予想がアテにならないと言われています。この話をどこで見かけたかは忘れました。

現在の政策は次の通りです。
政策金利について、直近の改定は2016年8月に0.5%から0.25%に下れました。その前は2009年3月でした。このように、BOEはあまり頻繁に金利改定をしない、というイメージがあります。
量的緩和(QE)について、少なくとも2009年以降は規模を徐々に拡大し、直近では2016年8月に現在の4350億GBPに増やしました(いつQEを開始したのかは調べていません)。

がしかし、金融政策を頻繁に変更しないにも関わらず、本発表前後のGBPは大きく反応します。
過去のデータを見ると、利下げ予想が外れた2016年7月を除く前回まで過去24回の直後1分足跳幅だけでも、平均値は30pipsを超えています。
ちなみに、利下げ予想が外れた2016年7月の直後1分足跳幅は286pipsにも達していました。利下げ予想が外れたときの方が、実際に利下げされたときよりも反応が大きかったことはおもしろいですね。

政策金利に関して、市場予想通りに現状維持だった場合、声明における今後政策の文言で反応します。また、MPCメンバーのうち現状維持が何名いたかによって反応します。
四半期インフレ報告が公表されるときは、今後2年間のインフレ見通しと、今後3年間のGDP見通しが示されます。そのため、前回までの見通しからの変化に応じてGBPは反応します。

有名なエコノミストの情報力をもってしても、政策変更の市場予想が当たらないのです。指標発表前にはポジションを取らないことを薦めます。

【2. 既出情報

以下の調査分析範囲は、2015年1月分以降前回までの26回分のデータに基づいています。

(2-1. 過去情報)

下図に過去の市場予想と発表結果を示します。

1706英国金融政策210.png

1706英国金融政策220.png

(2-2. 過去反応)

過去の直前10-1分足・直前1分足・直後1分足・直後11分足の始値基準ローソク足を示しておきます。

1706英国金融政策310.png

1706英国金融政策320.png

1706英国金融政策330.png

1706英国金融政策340.png

直前10-1分足や直前1分足の動きが大きいのでご注意ください。
こういう動きが大きく、明らかにプロフェッショナルが多く参加しているときには、利確できるときにさっさと利確しておいた方が良いでしょう。続けざまに読みを当てたり次の展開を予想することを、プロと競うべきではありません。
便乗できそうな癖を探す、何度も便乗しようとしない、駄目ならすぐ逃げる、がアマチュアの勝ち方です。

なお、損切の目安はいつもより大きく25〜30pipsとしておきます。
直近の高値・安値を参考にするのではありません。それはトレンドフォロー手法で取引する場合のやり方です。指標発表前後だけ取引する場合、指標発表時の過去の反応の大きさだけから損切も利確も決めるのです。利益は勝率で確保しましょう。


【3. 定型分析】

(3-1. 反応性分析)

反応性分析では、過去発表直後の1分足と11分足の跳幅と値幅を使います。この分析で十分なpipsが狙えそうな指標か否かが判断できます。詳細は 「反応性分析」 をご参照願います。

1706英国金融政策410.png

直後11分足は、直後1分足との方向一致率が73%です。方向一致時に直後1分足と直後11分足を比較して、跳値同士で反応が伸びたことは79%、終値同士で反応が伸びたことは74%です。
つまり、確率的には反応方向が確認でき次第、追撃ポジションを取得して直後11分足跳値を狙うのに適しています。
無理をしなくても、追撃で勝ちやすいのです。

(3-2. 反応一致性分析)

反応一致性分析は、指標発表前後の反応方向に特徴的な偏りがないかを調べています。詳細は 「反応一致性分析」 をご参照願います。

1706英国金融政策420.png

直前1分足の陰線率が85%となっています。がしかし、反応が大きくなることがあり、その予想がつかないため、ポジション取得は諦めます。

反応性分析に挙げた直後1分足と直後11分足の方向一致率を除けば、あるローソク足の方向がそれ以降に形成されるローソク足の方向を示唆している兆候はありません。
ただ、直前10-1分足と直後1分足の方向一致率が65%と、およそ3回の2回の割合で一致しています。幸い、本ブログ取引基準の70%に及びませんが、及んでも本発表では指標発表前のポジション取得を避けるべきです。

(3-3. 指標一致性分析)

指標一致性分析は、調査期間において政策変更が1度しか行われていないので割愛します。

【4. シナリオ作成】

巻頭箇条書きのシナリオの項をご参照願います。
以上



2017年6月15日20:00発表

以下は2017年6月15日23時頃に追記しています。
?U. 結果・検証

【5. 発表結果】

今回のMPCでは、前回も利上げを主張したフォーブス委員に加え、サンダース委員・マカファティー委員が利上げを主張しました。結果、現状維持5名と利上げ3名とに意見が分かれ、最終決定に3名が異論を唱えた政策が発表されたのは6年ぶりだそうです。

(5-1. 指標結果)

本指標発表結果及び反応は次の通りでした。

1706英国金融政策510.png

結果は市場予想通り現状維持、反応は大きな陽線でした。
直後1分足の100pips反応は、調査期間において2番目に大きな反応でした。

(5-2. 取引結果)

取引結果は次の通りでした。

1706英国金融政策520.png

皆さん、うまく追撃して利確できたでしょうか。
私は初動でポジションが取得を見送ったため、発表から1分過ぎまでポジションが取れませんでした。

【6. 分析検証】

(6-1. 分析検証)

どうなるかわからない、が事前分析の結論です。
結果は現状維持だったものの、利上げを主張する委員が3名となり、それが大きな反応に結び付きました。1時間足の雲の上端(140.5付近)で反応が止まると思ったのですが、最終的に140.7付近(20:20過ぎ)までは伸びたようです(始値139.23付近)。一気に150pips駆け上がったことになります。

(6-2. シナリオ検証)

反応方向確認後の追撃がシナリオです。

正確な発表時刻はわかりませんが、20:00ちょうどには小さく陽線、約3-5秒後からどーんと跳ねました。いつもこうだったら勝ちやすいですね。

残念ながら、私は最初の数秒は方向を見極めようと思っていたので、対応が遅れました。その結果、発表から1分過ぎまでポジション取得が出来ませんでした。
がしかし、それでも十分でした。動きが激しい時期が過ぎてからの方が、高値掴みをするリスクは小さくなります。

下表に、本ブログを始めてからの本指標シナリオでの取引成績を纏めておきます。

1706英国金融政策530.png

以上



ーーー注記ーーー

本記事は、同じ指標の発表がある度に更新を繰り返して精度向上を図り、過去の教訓を次の発表時の取引で活かせるように努めています。がしかし、それでも的中率は75%程度に留まり、100%ではありません。詳細は 「1. FXは上達するのか」 をご参照ください。
そして、本記事は筆者個人の見解に基づいています。本記事に含まれる価格・データ・その他情報等は、本記事に添付されたリンク先とは関係ありません。また、取引や売買における意思決定を、本記事の記載通りに行うことは適切ではありません。そして、本記事の内容が資格を持った投資専門家の助言ではないことを明記しておきます。記載内容のオリジナリティや信頼性確保には努めているものの、それでも万全のチェックは行えていない可能性があります。
ポジションを持つ最終的なご判断は読者ご自身の責任となります。その点を予めご了承の上、本記事がFXを楽しむ一助となれば幸いです。

ーーー注記ーーー

本記事における分析シート、一部乃至は一連の体系化された手順を、個人の取引以外の目的で使用・公開・二次利用を行う場合には、著作権者及びFX手法研究会に対し、連絡を取り何らかの合意を行う必要があります。
以上



2017年06月13日

英国雇用指標発表前後のGBPJPY反応分析(2017年6月14日17:30発表結果検証済)

以下、「?T.調査・分析」を事前投稿し、「?U.結果・検証」を事後投稿しています。ブログの日付は事前投稿日となっています。指標発表後に事後投稿し、その日時は「?U.結果・検証」のタイトル行付近に記載しています。

2017年6月14日17:30に英国雇用指標「平均所得・失業保険申請件数・失業率」が発表されます。今回発表は、失業保険申請件数が2017年5月分の集計結果、平均所得と失業率(ILO方式)が2017年4月分の集計結果です。

同時発表される大きな指標はありませんが、当夜はFOMC政策金利発表があります。いつもと違う動きになる可能性も高いため、取引は短く行うつもりでいた方が良いでしょう。

本指標の要点は下表に整理しておきました。

1705英国雇用100.png



次に、本指標発表前後にポジションを持つときのポイントを整理しておきます。
まず、本指標で取引する上での注意点です。

  • 指標発表前の直前10-1分足・直前1分足には、長いヒゲが目立ちます。本指標では、発表前に10pipsや20pips動くこともあります。
    がしかし、直前10-1分足や直前1分足が大きな跳幅・値幅になったからと言って、発表後の反応方向との強い関係性は見出せません。チャートの激しい動きに連られて慌ててポジションを取るのはケガの元です。
  • 最近は発表直後の反応がやや小さくなっていますが、過去の平均値では発表後に20-40数pips動いています。危ないので、指標発表後の反応方向を見てから追撃しても良いでしょう。その場合、タイミングを計って短時間の取引を薦めます。本ブログ読者の方は既にご存知の通り、発表1分後、3-4分後に、高値・安値をつけたり、反応方向への戻しが起きることが多いという印象があります。
  • 市場予想との差異が大きくなりがちな失業保険申請件数は反応との相関がほぼありません。平均所得の差異>失業率の差異>失業保険申請件数の差異、の順に反応には寄与します。失業率は市場予想通りのことも多いので、平均所得発表結果の市場予想との大小が過去80%以上、反応方向と一致しているのです。
    多くのFX会社の指標カレンダーには平均所得の市場予想が載っていません。だから、平均所得の動向・予想について論じているプロの解説記事を事前に一読しておくことをお勧めします(私はアマチュアなので)。

指標定型分析の結果は次の通りです。

  • 反応性分析の結果、直後1分足と直後11分足との方向一致率が78%です。直後1分足が陽線(陰線)なら直後11分足も陽線(陰線)と見なしても良いでしょう。
    また、直後1分足と直後11分足との方向一致時に両者の跳値同士で反応が伸びたことは62%、終値同士で反応が伸びたことは67%となっています。反応伸長率が低くはないものの、あまり信頼できる数字ではありません。こういうときの追撃ポジションは短期利確です。
  • 反応一致性分析の結果は次の通りです。
    まず、3回に2回の割合で、直前10-1分足は陽線、直前1分足は陰線、直後1分足は陰線となっています。ポジション取得根拠とする70%にはいずれも達していません。
    また、反応性分析で触れた直後1分足と直後11分足の方向一致率を除くと、ある期間のローソク足の方向が、それ以降のローソク足の方向を強く示唆(70%以上)している兆候は見出せません。
    ただ、70%には達していないものの、3回に2回の割合で、直前10-1分足と直前1分足とが逆方向、直前1分足と直後1分足が同方向への反応、となっています。
  • 指標一致性分析の結果は次の通りです。
    事前差異と直前10-1分足との方向一致率は63%です。ポジションを取る規準には達していません。
    事後差異と直後1分足・直後11分足との方向一致率は各89%・81%です。
    実態差異と直後1分足・直後11分足との方向一致率は各64%・63%です。
    発表結果と市場予想との差異に反応方向との相関があるものの、指標発表前の市場予想や指標発表後の前回結果は反応方向との関係が薄いようです。
  • 指標定性分析の結果、今回は指標発表前から陰線となり、よほど平均所得が市場予想を上回らない限り、初期反応も陰線と見込んでいます。
    論拠は6月13日に発表された物価指標で、コアCPI・CPIが市場予想を上回ったのに陰線で反応したことです。既に英国のインフレ率は消費低迷が懸念される水準に達している、と解釈されたからではないでしょうか。

以上の調査・分析結果に依って以下のシナリオで取引に臨みます。

  • 直前10-1分足は、指標定性分析の結論に依り、陰線と見込みます。
  • 直後1分足も、同理由に依り陰線と見込みます。
  • 初期反応を確認後、追撃ポジションを取り、短期利確を繰り返します。
    但し、直後11分足跳幅・値幅が直後1分足跳幅・値幅を超えて、同じ方向に反応を伸ばしたことは各62%・67%とあまり高い確率ではありません。平均所得や失業率が、ともに市場予想よりも改善していない限り、再度・再々度の追撃は止めておいた方が良いでしょう。



?T.調査・分析

公開情報や既出情報に基づく調査を行い、過去の指標と反応の関係を比較分析しています。方向に関する的中率に比べ、程度に関する的中率は残念ながら低いというのが実情です。利確・損切の目安は、過去平均値を最近の反応の大小と見比べて感覚的に微修正している、というのが実情です。

【1. 指標概要】

日本を除く主要国では、雇用統計発表直後の反応が他の指標発表時よりも大きくなる傾向があります。これは、雇用統計がその国の景気を最もよく表している、と考えられているからです。

英国では日本よりもかなり早くから派遣雇用者が多いという特徴がありました。また、終身雇用という制度がない、という雇用環境も我々と異なります。景気見通しや株価見通しに、雇用者数が敏感に反応しがちです。そうした社会的背景を知らないと、英国雇用統計はよくわからないものです。

以前はかなり大きな反応をする指標でしたが、最近はなぜかあまり反応しません。とはいえ、直後1分足跳幅が20pips程度、直後11分足跳幅は40pipsも反応するので、日欧の雇用指標に比べると大きく反応します。指標発表を跨いでポジションを持たずに、指標発表への反応方向を見てからポジションを取っても、同じ方向に反応が伸び続ける傾向があります。

同時発表される平均所得は、我々の日頃の言葉で言えば平均給与といった方がイメージに合うと思います。少なくとも数年前までは参考程度の指標でしたが、少なくとも直近2年程度はこの多寡に反応しています。
ざっくりとキリの良い数字で具体的にイメージするなら、年収1200万(600万)のとき1%(2%)上昇すると、来年の月給が今年よりも毎月1万円増えるということです。この水準が日本のバブル末期(1990年頃)の状態です。

【2. 既出情報

以下の調査分析範囲は、前回発表までの28回分のデータに基づいています。

(2-1. 過去情報)

下図に過去の市場予想と発表結果を示します。

1705英国雇用210.png

1705英国雇用220.png

1705英国雇用230.png

同月物価指標が既に発表されています。
結果は、コアCPI前年比が+2.6%、CPI前月比が+2.9%でした。それぞれ、2012年11月以来・2013年6月以来の大幅な伸びとなっていました。
この結果は、BOE総裁が先に「今年いっぱい上昇し続けて、2018年以降に若干低下」と示した予想に合致しています。「じゃあ何とかしろよ」という声が英国から聞こえたような気がします。

問題は2点あります。
まず、この結果は直近の雇用指標の平均所得の伸びを上回るインフレですから、消費低迷による景気悪化が懸念されます。
そして、直近の景気指標や実態指標が悪化に転じる兆しを示しています。利上げは景気悪化を決定づける可能性があります(利下げはインフレを更に加速しかねない)。

その結果、市場予想を上回る発表結果だったにも関わらず、物価指標発表時の反応は直後1分足が陰線となりました。
インフレ率が市場予想を上回ったことは、陽線での反応があってもおかしくありません。がしかし、上記の懸念を踏まえると、既にインフレが進み過ぎているので、売に繋がったという解釈が最も納得できるストーリーです。

もしそうだとすると、今回の雇用統計で平均所得が市場予想(+2.4%)を上回っても、インフレ率(+2.9%)を下回ると、陰線で反応する可能性が高くなります。
よって、今回の反応は指標発表前から陰線となる可能性が高い、と考えています。

(2-2. 過去反応)

過去の直前10-1分足・直前1分足・直後1分足・直後11分足の始値基準ローソク足を示しておきます。

1705英国雇用310.png

1705英国雇用320.png

1705英国雇用330.png

1705英国雇用340.png



【3. 定型分析】

(3-1. 反応性分析)

反応性分析では、過去発表直後の1分足と11分足の跳幅と値幅を使います。この分析で十分なpipsが狙えそうな指標か否かが判断できます。詳細は 「反応性分析」 をご参照願います。

1705英国雇用410.png

直後11分足は、直後1分足との方向一致率が78%です。直後1分足が陽線(陰線)なら直後11分足も陽線(陰線)と見なしても良いでしょう。

次に、直後1分足と直後11分足との方向一致時に両者の跳値同士で反応が伸びたことは62%、終値同士で反応が伸びたことは67%となっています。反応伸長率が低くはないものの、あまり信頼できる数字ではありません。こういうときの追撃ポジションは短期利確です。

(3-2. 反応一致性分析)

反応一致性分析は、指標発表前後の反応方向に特徴的な偏りがないかを調べています。詳細は 「反応一致性分析」 をご参照願います。

1705英国雇用420.png

3回に2回の割合で、直前10-1分足は陽線、直前1分足は陰線、直後1分足は陰線となっています。ポジション取得根拠とする70%にはいずれも達していません。

反応性分析で触れた直後1分足と直後11分足の方向一致率を除くと、ある期間のローソク足の方向が、それ以降のローソク足の方向を示唆している兆候は見出せません。
ただ、規定の70%には達していないものの、3回に2回の割合で、直前10-1分足と直前1分足とが逆方向、直前1分足と直後1分足が順方向になっています。

(3-3. 指標一致性分析)

指標一致性分析は、指標の前回結果と市場予想の差(事前差異)と、発表結果と市場予想の差(事後差異)と、発表結果と前回結果の差(実態差異)を求め、そのプラス・マイナスと反応方向に偏りがないかを調べています。詳細は 「指標一致性分析」 をご参照願います。

まず、指標発表前の動きについて、です。
市場予想に対して素直に反応しがちな直前10-1分足の方向と、事前差異異(市場予想ー前回結果)のプラス・マイナスの関係を挙げると、失業保険申請件数の差異との一致率は33%しかありません。つまり、予想より申請件数が多くても陰線で反応することが3回に1回しかありません。同様に、平均所得(含ボーナス)の差異との一致率は62%、失業率(ILO方式)の差異との一致率は50%です。

次に、指標発表後の動きについて、です。
発表結果に対し最も素直に反応しがちな直後1分足の方向と、事後差異(発表結果ー市場予想)のプラス・マイナスの関係を挙げると、失業保険申請件数の差異との一致率は48%しかありません。つまり、予想より申請件数が多くても陰線で反応することが2回に1回を下回っています。同様に、平均所得(含ボーナス)の差異との一致率は87%、失業率(ILO方式)の差異との一致率は64%です。

つまり、本指標での取引では、最も変化が大きい失業保険申請件数を見ていてはいけないのです。
そこで、各指標の重み付けを、失業保険申請件数の差異は—1倍、平均所得の差異は30倍、失業率の差異はー30倍にして、それら各差異を加えると、最も反応方向との一致率が高くなるようです。
それが下表の数値です。

1705英国雇用430.png

事前差異と直前10-1分足との方向一致率は63%です。ポジションを取る規準には達していません。
事後差異と直後1分足・直後11分足との方向一致率は各89%・81%です。
実態差異と直後1分足・直後11分足との方向一致率は各64%・63%です。

【4. シナリオ作成】

巻頭箇条書きのシナリオの項をご参照願います。
以上




2017年6月14日17:30発表

以下は2017年6月14日20:30頃に追記しています。
?U. 結果・検証

【5. 発表結果】

(5-1. 指標結果)

本指標発表結果及び反応は次の通りでした。

1705英国雇用510.png

平均所得は市場予想を下回り、失業率は同値、失業保険申請件数は市場予想を下回りました。
反応は陽線です。

(5-2. 取引結果)

取引結果は次の通りでした。

1705英国雇用520.png

指標発表前には陰線となる動きが強く、指標発表直前から陽線側に振れました。

直前10-1分足は、この動きにうまく乗ることができました。

直前1分足は、4本足チャートで陽線ですが、最後に長い上ヒゲを残して陽線の値幅を削りました。この動きにうまく乗ることが出来ました。

直後1分足は、発表後20秒ぐらいが陰線側に振れ、その後、陽線側に転じました。利確をするのが遅れなければ、あと5pips程度は稼げました。まぁそういうことは言っても仕方ありません。

追撃は初期反応が陰線側に振れたので、売りポジションを取りました。がしかし、陽線側に転じたことから損切となりました。
その後は、発表時点よりも陽線側が順張りですから、買ポジションでの追撃を試みました。

【6. 分析検証】

(6-1. 分析検証)

事前調査分析内容を、以下に検証します

まず、指標発表前の強い陰線側への動きは分析通りでした。

次に、今回は発表直後こそ平均所得が市場予想を下回ったことに反応したものの、約20秒後ぐらいからは失業保険申請件数が市場予想を下回ったことに反応しました。
分析を外しました。

直後1分足と直後11分足は同方向に反応し、跳値は反応を伸ばし、終値は値幅を削ることになりました。大きく一方向への反応が伸びていかなかった点は分析通りです。

(6-2. シナリオ検証)

シナリオには問題ありません。

下表に、本ブログを始めてからの本指標シナリオでの取引成績を纏めておきます。

1705英国雇用530.png

以上



ーーー注記ーーー

本記事は、同じ指標の発表がある度に更新を繰り返して精度向上を図り、過去の教訓を次の発表時の取引で活かせるように努めています。がしかし、それでも的中率は75%程度に留まり、100%ではありません。詳細は 「1. FXは上達するのか」 をご参照ください。
そして、本記事は筆者個人の見解に基づいています。本記事に含まれる価格・データ・その他情報等は、本記事に添付されたリンク先とは関係ありません。また、取引や売買における意思決定を、本記事の記載通りに行うことは適切ではありません。そして、本記事の内容が資格を持った投資専門家の助言ではないことを明記しておきます。記載内容のオリジナリティや信頼性確保には努めているものの、それでも万全のチェックは行えていない可能性があります。
ポジションを持つ最終的なご判断は読者ご自身の責任となります。その点を予めご了承の上、本記事がFXを楽しむ一助となれば幸いです。

ーーー注記ーーー

本記事における分析シート、一部乃至は一連の体系化された手順を、個人の取引以外の目的で使用・公開・二次利用を行う場合には、著作権者及びFX手法研究会に対し、連絡を取り何らかの合意を行う必要があります。
以上

2017年06月10日

英国物価指標発表前後のGBPJPY反応分析(2017年6月13日17:30発表結果検証済)

以下、「?T.調査・分析」を事前投稿し、「?U.結果・検証」を事後投稿しています。ブログの日付は事前投稿日となっています。指標発表後に事後投稿し、その日時は「?U.結果・検証」のタイトル行付近に記載しています。

2017年6月13日17:30に英国物価指標「CPI(消費者物価指数)・RPI(小売物価指数)・PPI(生産者物価指数)」が発表されます。今回発表は2017年5月分の集計結果です。

本指標の要点の一覧を以下に示します。

1705英国物価指標100.png



次に、本指標発表前後にポジションを持つときのポイントを整理しておきます。
まず、本指標で取引する上での注意点です。

  • 反応が大きな指標だということにご注意ください。
    過去平均の直後1分足跳値は30pipsに達しています。そして、93%は16pips以上の反応となっています。直後1分足跳幅が過去最大のときは69pips(2015年7月分データ、同年8月18日発表)でした。
  • 反応一致性分析の結果、各期間毎のローソク足の方向一致率には、偏りが見出せていません。つまり、ある期間に形成されたローソク足が陽線や陰線になったからと言って、それ以降に形成されるローソク足の方向を、多数の取引参加者が見出せている兆候は見受けられません。だから、発表前のチャートの大きな動きに連られてポジションを慌てて取るとケガの元です。データ上、そうした動きには意味がありません。
  • 対して、指標発表結果には、極めて素直に反応する指標です。
    指標一致性分析の結果、事後差異と直後1分足・直後11分足の方向一致率は、調査対象期間において各100%・83%です。
    がしかし、反応性分析の結果、方向一致時に直後1分足と直後11分足を比較して、跳値同士で反応が伸びたことは76%と確率が高いものの、終値同士で反応が伸びたことは47%しかありません。
    つまり、反応方向が確認できたら、高値(安値)掴みに気を付けて追撃ポジションを取得し、直後1分足・直後11分足の跳値を狙ってさっさと利確すべきです。
    直後11分足終値は、直後1分足終値を超えて反応が伸びたことが2回に1回未満なので、深追いすべきではありません。

次に指標について、です。

  • 反応一致性分析の結果、指標発表前の反応方向には偏りが見受けられます。直前10-1分足は陽線率が75%、直前1分足は陰線率が80%となっています。事前差異と指標発表前のローソク足との方向一致率に偏りは見出せません。
  • がしかし、事前差異の直後1分足・直後11分足との方向一致率が各81%・71%となっていることは注目すべき点です。
    本指標では事前差異が発表後のローソク足の方向を示唆していることが多いのです。現時点における事前差異はマイナスなので、陰線となる公算が高い、と見込めます。
  • 本指標発表後の反応方向は極めて素直な傾向があるものの、直後1分足と直後11分足の終値同士を比べた場合、反応が同じ方向に伸びることが2回に1回未満となっています。方向(陽線か陰線か)を当てても、追撃では程度(程度差)を当てないと利確できません。深追いせずに短時間利確の方針で臨めば勝ちやすい指標ですが、欲張りで深追いするのが危ない指標です。

シナリオは次の通りです。

  • 直前10-1分足は陽線と見込みます。
  • 直前1分足は陰線と見込みます。
  • 直後1分足は事前差異と同じ方向に指標発表直前にポジションを取り短期利確です。
    現時点の市場予想では事前差異がマイナスとなり陰線と見込めます。但し、発表直前まで市場予想は変更されることが多いので、発表10分前に市場予想に変更ないか、確認しておきます。
  • その後の追撃も、やるなら短時間取引の繰り返しで行うべきです。直後11分足終値が直後1分足終値に達しないことの方が多い以上、その後の反応がいつ反転するかが予想できません。



?T.調査・分析

公開情報や既出情報に基づく調査を行い、過去の指標と反応の関係を比較分析しています。方向に関する的中率に比べ、程度に関する的中率は残念ながら低いというのが実情です。利確・損切の目安は、過去平均値を最近の反応の大小と見比べて感覚的に微修正している、というのが実情です。

【1. 指標概要】

物価は、生産者→小売→消費者の順に波及すると考えられます。他の主要国ではこれら物価指数が別々に発表されますが、英国は一度に発表しています。

CPIは、消費者の製品・サービス購入価格を指数化した指標で、どの国でも最重視されています。英国は年2%のインフレ目標が設定されています。CPIコアは、CPIから価格変動の激しいエネルギー・食品・タバコ・アルコールを除いた数値を指しています。英国ではタバコ・アルコールの価格変動が大きいのでしょうか。不思議です。

RPIに含まれてCPIに含まれない対象に住宅費があります。RPIではCPIよりも数値が高くなります。RPIコアは、RPIから価格変動の激しいエネルギー・食品・タバコ・アルコールを除いた数値を指しています。英国では年金給付額が法律によってRPI規準で決定されています。

PPIはあまり大きな反応を生じないように見受けられます。

過去の傾向から言えば、CPI>RPI>PPIの順に反応に寄与し、前年比>前月比の順です。重視するCPI前年比は総合>コアと、コアが軽視(という訳じゃないでしょうけど)される珍しい指標です。

【2. 既出情報

以下の調査分析範囲は、2015年1月分以降前回までの28回分のデータに基づいています。

(2-1. 過去情報)

過去推移です。

1705英国物価指標210.png

1705英国物価指標220.png

1705英国物価指標230.png

(2-2. 過去反応)

過去の直前10-1分足・直前1分足・直後1分足・直後11分足の始値基準ローソク足を示しておきます。

1705英国物価指標310.png

1705英国物価指標320.png

1705英国物価指標330.png

1705英国物価指標340.png

直前10-1分足には陽線、直前1分足には陰線が目立ちます。但し、直前1分足は、直近に2回続けて陽線となっていました。それぞれ後記する反応一致性分析で、数字を確認しておきましょう。


【3. 定型分析】

(3-1. 反応性分析)

反応性分析では、過去発表直後の1分足と11分足の跳幅と値幅を使います。この分析で十分なpipsが狙えそうな指標か否かが判断できます。詳細は 「反応性分析」 をご参照願います。

1705英国物価指標410.png

直後11分足は、直後1分足との方向一致率が63%です。方向一致時に直後1分足と直後11分足を比較して、跳値同士で反応が伸びたことは76%、終値同士で反応が伸びたことは47%となっています。
つまり、確率的には反応方向が確認でき次第、追撃ポジションを取得して、直後11分足跳値を狙って利確した方が良さそうです。直後11分足終値は、直後1分足終値以下となったことの方が多いようです。

(3-2. 反応一致性分析)

反応一致性分析は、指標発表前後の反応方向に特徴的な偏りがないかを調べています。詳細は 「反応一致性分析」 をご参照願います。

1705英国物価指標420.png

指標発表前の反応方向には偏りが見受けられます。直前10-1分足は陽線率が75%、直前1分足は陰線率が80%となっています。

各期間毎のローソク足の方向一致率には、偏りが見出せていません。ある期間に形成されたローソク足が陽線や陰線になったからと言って、それ以降に形成されるローソク足の方向を、多数の取引参加者が見出せている兆候は見受けられません。

(3-3. 指標一致性分析)

指標一致性分析は、指標の前回結果と市場予想の差(事前差異)と、発表結果と市場予想の差(事後差異)と、発表結果と前回結果の差(実態差異)を求め、そのプラス・マイナスと反応方向に偏りがないかを調べています。詳細は 「指標一致性分析」 をご参照願います。

そして、この指標での方向決定はやや複雑なルールとなっています。
まず事前差異は、CPI前月比の差の2倍と、CPI前年比の差の3倍と、その他の項の差と、を全て加えて求めています。
次に事後差異は、CPI前月比の差の2倍と、CPI前年比の差の3倍と、だけを加えて求めています。
そして実態差異は、事前差異と同じ式で求めています。

1705英国物価指標430.png

事前差異と指標発表前のローソク足との方向一致率に偏りは見出せません。がしかし、事前差異と直後1分足・直後11分足との方向一致率は各81%・71%と高い確率となっています。つまり、本指標は事前差異が発表後のローソク足の方向を示唆していることが多いのです。

事後差異は直後1分足との方向一致率が調査対象期間において100%となっています。この100%は、事後差異が0ではないプラスかマイナスとなったとき、直後1分足が必ず陽線・陰線となって、素直な反応だったことを示しています。

実態差異と直後1分足との方向一致率も低くはなく、81%となっています。

以上のことから、本指標が極めて素直に反応する指標だったことがわかります。但し、注意すべき点は、反応性分析で記した通り、直後1分足と直後11分足の終値同士を比べた場合、反応が同じ方向に伸びることが2回に1回未満だという点です。

【4. シナリオ作成】

巻頭箇条書きのシナリオの項をご参照願います。
以上




2017年6月13日17:30発表

以下は2017年6月13日19時頃に追記しています。
?U. 結果・検証

【5. 発表結果】

(5-1. 指標結果)

本指標発表結果及び反応は次の通りでした。

1705英国物価指標510.png

結果は全体的に市場予想を上回る内容でした。
CPI・RPIともにコアは、前回結果・市場予想を上回っています。また、I前月比は前回結果を下回り、市場予想を上回り、I前年比は前回結果・市場予想を上回りました。

コアCPI前年比の+2.6%という伸びは2012年11月以来の大幅上昇で、CPI前月比の+2.9%という伸びも2013年6月以来の大幅な伸びでした。
BOEのインフレ目標2%ですが、BOE総裁は先に「今年いっぱい上昇し続けて、2018年以降に若干低下」との予想を示しています。じゃあ何とかしろよ、という声が英国から聞こえてきそうですね。

問題は2点あります。
まず、雇用指標の平均所得の伸びを上回るインフレですから、消費低迷による景気悪化が懸念されます。
そして、直近の景気指標や実態指標が悪化に転じる兆しを示しています。利上げは景気悪化を決定づける可能性があります(利下げはインフレを加速しかねない)。

その結果、反応は直後1分足が陰線となりました。15時前からGBPJPYは上昇基調が続いていたので、140円を付けたことで一服感があったこともあるでしょう。反応の程度は、過去平均と比べて小さいものでした。

インフレ率が市場予想を上回ったことは、陽線での反応があってもおかしくありません。がしかし、上記の懸念を踏まえると、既にインフレが進み過ぎているので、売に繋がったという解釈が最も納得できるストーリーです。

(5-2. 取引結果)

取引結果は次の通りでした。

1705英国物価指標520.png

100点です。
これは分析のおかげというより、タイミングがうまく合ったためで、ちょっと出来過ぎな感じがします。

【6. 分析検証】

(6-1. 分析検証)

事前調査分析のポイントは、各ローソク足ともに過去確率に基づいたものです。各ローソク足の方向は確率的なものですが、追撃を短期利確の繰り返しと、発表後に時間が経ってからの深追いを避けたことが勝因でした。

(6-2. シナリオ検証)

シナリオには問題ありません。
下表に、本ブログを始めてからの本指標シナリオでの取引成績を纏めておきます。

1705英国物価指標530.png

次回は7月18日17:30の発表予定です。

以上



ーーー注記ーーー

本記事は、同じ指標の発表がある度に更新を繰り返して精度向上を図り、過去の教訓を次の発表時の取引で活かせるように努めています。がしかし、それでも的中率は75%程度に留まり、100%ではありません。詳細は 「1. FXは上達するのか」 をご参照ください。
そして、本記事は筆者個人の見解に基づいています。本記事に含まれる価格・データ・その他情報等は、本記事に添付されたリンク先とは関係ありません。また、取引や売買における意思決定を、本記事の記載通りに行うことは適切ではありません。そして、本記事の内容が資格を持った投資専門家の助言ではないことを明記しておきます。記載内容のオリジナリティや信頼性確保には努めているものの、それでも万全のチェックは行えていない可能性があります。
ポジションを持つ最終的なご判断は読者ご自身の責任となります。その点を予めご了承の上、本記事がFXを楽しむ一助となれば幸いです。

ーーー注記ーーー

本記事における分析シート、一部乃至は一連の体系化された手順を、個人の取引以外の目的で使用・公開・二次利用を行う場合には、著作権者及びFX手法研究会に対し、連絡を取り何らかの合意を行う必要があります。
以上

2017年06月07日

英国実態指標「鉱工業生産」「製造業生産」・国際収支「貿易収支」発表前後のGBPJPY反応分析(2017年6月9日17:30発表結果検証済)

以下、「?T.調査・分析」を事前投稿し、「?U.結果・検証」を事後投稿しています。ブログの日付は事前投稿日となっています。指標発表後に事後投稿し、その日時は「?U.結果・検証」のタイトル行付近に記載しています。

2017年6月9日17:30に英国実態指標「鉱工業生産」製造業生産」・国際収支「貿易収支」が発表されます。今回発表は2017年4月分の集計結果です。
同時に「建設生産高」も発表されますが、こちらへの反応への影響は過去の経験から無視しても差し支えありません。

本指標の要点は下表に整理しておきました。

1704英国鉱工業生産100.png



次に、本指標発表前後にポジションを持つときのポイントを整理しておきます。
本指標で取引する上での注意点です。

  • まず、本指標の発表結果には珍しい偏りが見られます。
    事前差異・事後差異・実態差異のマイナス率が各85%・70%・78%となっています。これは、調査期間において、市場予想は前回結果より低めに偏っており、発表結果は前回差異よりも市場予想よりも低くなりがちだった、ということです。
  • がしかし、事前差異とその影響が現れやすい直前10-1分足は方向一致率が41%です。市場予想が前回結果より高いか低いかは、直前10-1分足の方向と関係がありません。
  • また、事後差異とその影響が現れやすい直後1分足は方向一致率が63%です。低い確率ではないにせよ、発表結果が市場予想を上回った(下回った)からと言って、陽線(陰線)となる信頼度がいまひとつです。
    但し、事後差異・実態差異と直後11分足の方向一致率は各74%・74%となっており、発表後に暫く時間が経ってから素直な方向に反応が落ち着くようです。

次に指標について、です。

  • 直前10-1分足は事後差異との方向一致率が70%となっています。このことは、直前10-1分足が陽線なら発表結果が市場予想を上回り、陰線なら下回りがち、ということです。
    但し、前述の通り、発表結果が市場予想を上回っても(下回っても)陽線(陰線)となる方向一致率は63%ですから、あまり高くありません。
  • 調査期間において、各ローソク足が陽線・陰線いずれかに偏った傾向は見出せません。また、あるローソク足が、その後のローソク足の方向を示唆している兆候は見出せません。
  • 直後11分足は、直後1分足との方向一致率が74%です。方向一致時に直後1分足と直後11分足を比較して、跳値同士で反応が伸びたことは85%、終値同士で反応が伸びたことは70%となっています。
    つまり、確率的には反応方向が確認でき次第、追撃ポジション取得に適した指標だと言えます。

シナリオは次の通りです。

  • 直後1分足は、事後差異との方向一致率が63%しかありません。本来、この数字ではポジションを取らないことにしています。
    がしかし、直前10-1分足と事後差異との方向一致率が70%に達しています。つまり、取引参加者は発表結果の市場予想に対する高低を予見できている、と考えられます。
    よって、直後1分足は、指標発表直後にだけ(終値はどうなるかわからない)、素直に反応すると見込みます。直後1分足は直前10-1分足と同じ方向に指標発表直前にポジションを取り、さっと利確を狙います。
  • 直後11分足は、直後1分足との方向一致率も、方向一致時の反応伸長率も高くなっています。反応方向確認次第、追撃です。



?T.調査・分析

公開情報や既出情報に基づく調査を行い、過去の指標と反応の関係を比較分析しています。方向に関する的中率に比べ、程度に関する的中率は残念ながら低いというのが実情です。利確・損切の目安は、過去平均値を最近の反応の大小と見比べて感覚的に微修正している、というのが実情です。

【1. 指標概要】

英国実態指標「鉱工業生産」は、鉱工業と製造業の企業生産高を指数化した経済指標です。英国国家統計局が毎月中旬に前月比・前年比を発表し、反応は前月比>前年比となる傾向があります。他の先進国の鉱工業生産関連指標よりも反応が大きい、という特徴があります。

本指標の意義は、鉱工業生産がGDPの構成要素となっているため、その先行指標と言われています。がしかし、英国GDPに占める鉱工業部門の割合は20%程度しかありません。ですから、本指標がGDPの先行指標として役立つかは少し疑問があります。

【2. 既出情報

以下の調査分析範囲は、2015年1月分以降前回までの27回分のデータに基づいています。

(2-1. 過去情報)

下図に過去の市場予想と発表結果を示します。

1704英国鉱工業生産210.png

1704英国鉱工業生産220.png

(2-2. 過去反応)

過去の直前10-1分足・直前1分足・直後1分足・直後11分足の始値基準ローソク足を示しておきます。

1704英国鉱工業生産310.png

1704英国鉱工業生産320.png

1704英国鉱工業生産330.png

1704英国鉱工業生産340.png

【3. 定型分析】

(3-1. 反応性分析)

反応性分析では、過去発表直後の1分足と11分足の跳幅と値幅を使います。この分析で十分なpipsが狙えそうな指標か否かが判断できます。詳細は 「反応性分析」 をご参照願います。

1704英国鉱工業生産410.png

直後11分足は、直後1分足との方向一致率が74%です。方向一致時に直後1分足と直後11分足を比較して、跳値同士で反応が伸びたことは85%、終値同士で反応が伸びたことは70%となっています。
つまり、確率的には反応方向が確認でき次第、追撃ポジション取得に適した指標だと言えます。

(3-2. 反応一致性分析)

反応一致性分析は、指標発表前後の反応方向に特徴的な偏りがないかを調べています。詳細は 「反応一致性分析」 をご参照願います。

1704英国鉱工業生産420.png

調査期間において、各ローソク足が陽線・陰線いずれかに偏った傾向は見出せません。また、あるローソク足が、その後のローソク足の方向を示唆している兆候は見出せません。

(3-3. 指標一致性分析)

指標一致性分析は、指標の前回結果と市場予想の差(事前差異)と、発表結果と市場予想の差(事後差異)と、発表結果と前回結果の差(実態差異)を求め、そのプラス・マイナスと反応方向に偏りがないかを調べています。詳細は 「指標一致性分析」 をご参照願います。
今回、同時発表される指標が多く、各差異は次の係数を用いて重み付けしています。すなわち(鉱工業前月比差異?2+鉱工業前年比差異+製造業前月比差異?3+製造業前年比差異)です。貿易収支及び建設業生産高は、各差異に反映していません。

1704英国鉱工業生産430.png

まず、本指標の発表結果には珍しい偏りが見られます。
事前差異・事後差異・実態差異のマイナス率が各85%・70%・78%となっています。これは、調査期間において、市場予想は前回結果より低めに偏っており、発表結果は前回差異よりも市場予想よりも低くなりがちだった、ということです。

がしかし、事前差異とその影響が現れやすい直前10-1分足は方向一致率が41%です。市場予想が前回結果より高いか低いかは、直前10-1分足の方向と関係がありません。
また、事後差異とその影響が現れやすい直後1分足は方向一致率が63%です。低い確率ではないにせよ、発表結果が市場予想を上回った(下回った)からと言って、陽線(陰線)となる信頼度がいまひとつです。
但し、事後差異・実態差異と直後11分足の方向一致率は各74%・74%となっており、発表後に暫く時間が経ってから素直な方向に反応が落ち着くようです。

直前10-1分足は事後差異との方向一致率が70%となっています。このことは、直前10-1分足が陽線なら発表結果が市場予想を上回り、陰線なら下回りがち、ということです。
但し、前述の通り、発表結果が市場予想を上回っても(下回っても)陽線(陰線)となる方向一致率は63%ですから、あまり高くありません。

【4. シナリオ作成】

巻頭箇条書きのシナリオの項をご参照願います。
以上




2017年6月9日17:30発表

以下は2017年6月9日19:21頃に追記しています。
?U. 結果・検証

【5. 発表結果】

(5-1. 指標結果)

本指標発表結果及び反応は次の通りでした。

1704英国鉱工業生産510.png

鉱工業生産・製造業生産・建設業生産高のいずれも前月比・前年比ともに市場予想を下回り、事後差異がマイナスでした。
貿易収支は赤字が市場予想を下回り、この指標は赤字縮小が事後差異プラスです。
貿易収支の影響は実態指標に適わないという点は、これまでの調査・分析通りの結果です。

反応は、直前1分足が陰線となった他、直前10-1分足・直後1分足・直後11分足は陽線です。直前10-1分足の値幅は、指標発表後の直後11分足のそれより大きくなりました。
これは、英国総選挙の結果がほぼ判明して材料出尽くしのためと、時刻がはっきりしないものの、過半数が取れなかったメイ首相が記者会見を行うとの速報が流れた影響です。
つまり、今回の取引は、指標の影響か選挙結果判明の影響かを考えると、明らかに後者の影響が大きかったと思われます。

(5-2. 取引結果)

取引結果は次の通りでした。

1704英国鉱工業生産520.png

珍しく、指標発表前にシナリオ外取引を行いました。先述の通り、選挙結果判明による陽線を期待しての取引です。

指標発表後は、結果が良くなかったものの(事前差異がプラスに対し、事後差異・実態差異ともにマイナス)、反応方向に基づくポジションですから問題ありません。

追撃は2度損切となっていますが、これは仕方ありません。
直後1分足の陽線はおそらく選挙結果判明による材料出尽くしによるものでしょう。予兆は、このブログでは予言できなかったものの、直前10-1分足の陽線側への大きな反応です。

直前10-1分足は値幅46pipsと、この指標の発表後の反応よりも明らかに大きな陽線でした。
つまり、この時点で、今回の発表結果によって陰線側に引っ張られても、選挙絡みの反応で陽線に引っ張られて、陰線側への反応が起きたときの損切は小さくて済む、と読めます。
逆に、もし指標結果で陽線に反応するなら、選挙絡みの動きも加わり、陽線側に大きく伸びる公算が高かった訳です。

実際のチャートを見ていると初期反応が陽線、そしてその後、指標結果を踏まえて陽線値幅を削りました。ただ、陰線方向への動きは弱く、どこかで指標の影響が薄れて、本日本来の陽線に向けた動きに戻るハズでした。
追撃ポジションで2度の損切は、そのタイミングを見誤ったため、です。

【6. 分析検証】

(6-1. 分析検証)

分析時点では、今回の直前10-1分足の動きは読み取れません。
直前10-1分足が陽線となり直後1分足も同じ陽線となったことと、反応が伸びたことは、今回の分析が当たった訳ではありません。当たったのは、偶然に選挙結果に対する反応方向と合致していたため、と考えるべきです。
よって、事前分析の正否をここで反省しても意味がありません。

(6-2. シナリオ検証)

シナリオにも問題はなかったものの、これも今回は反省しても仕方ありません。

下表に、本ブログを始めてからの本指標シナリオでの取引成績を纏めておきます。
シナリオ外取引は、この表の集計に加えていません。

1704英国鉱工業生産530.png

以上



ーーー注記ーーー

本記事は、同じ指標の発表がある度に更新を繰り返して精度向上を図り、過去の教訓を次の発表時の取引で活かせるように努めています。がしかし、それでも的中率は75%程度に留まり、100%ではありません。詳細は 「1. FXは上達するのか」 をご参照ください。
そして、本記事は筆者個人の見解に基づいています。本記事に含まれる価格・データ・その他情報等は、本記事に添付されたリンク先とは関係ありません。また、取引や売買における意思決定を、本記事の記載通りに行うことは適切ではありません。そして、本記事の内容が資格を持った投資専門家の助言ではないことを明記しておきます。記載内容のオリジナリティや信頼性確保には努めているものの、それでも万全のチェックは行えていない可能性があります。
ポジションを持つ最終的なご判断は読者ご自身の責任となります。その点を予めご了承の上、本記事がFXを楽しむ一助となれば幸いです。

ーーー注記ーーー

本記事における分析シート、一部乃至は一連の体系化された手順を、個人の取引以外の目的で使用・公開・二次利用を行う場合には、著作権者及びFX手法研究会に対し、連絡を取り何らかの合意を行う必要があります。
以上

2017年06月02日

英国景気指標「サービス業PMI」発表前後のGBPJPY反応分析(2017年6月5日17:30発表結果検証済)

以下、「?T.調査・分析」を事前投稿し、「?U.結果・検証」を事後投稿しています。ブログの日付は事前投稿日となっています。指標発表後に事後投稿し、その日時は「?U.結果・検証」のタイトル行付近に記載しています。

2017年6月5日17:30に英国景気指標「サービス業PMI」が発表されます。今回発表は2017年5月分の集計結果です。

本指標の要点は下表に整理しておきました。

1705英国製造業PMI110.png



次に、本指標発表前後にポジションを持つときのポイントを整理しておきます。
まず、本指標で取引する上での注意点です。

  • 直前1分足には陰線とヒゲが目立ちます。
    発表直前に5pipsも瞬間的に動くと慌てるものです。がしかし、本指標ではヒゲの向きと発表後の反応方向には関係が見出せません。慌ててここで連られてしまって追撃ポジションを急いで取ったりしないように、予めそのことは理解しておきましょう。
  • 指標発表直前10-1分足・1分足が陽線か陰線かは、事後差異とほぼ関係ないようです。指標発表前の動きは、指標発表結果の良し悪しを予見できていません。
  • 指標発表後の直後1分足・直後11分足の方向は、事後差異との方向一致率が各77%・81%、実態差異と方向一致率が各81%・82%となっています。
    つまり、本指標は発表結果が市場予想や前回結果に対して大きいか小さいかで、陽線か陰線かの反応が非常に素直に現れる、という傾向があります。
    こういう指標は我々アマチュア向きです。
  • アマチュア向け指標だというついでに本指標の特徴を補足しておくと、典型的な市場予想後追い型の指標です。
    市場予想後追い型とは、実際には市場予想の方が発表結果よりも先に公表されているにも関わらず、後からそれらをプロットしたグラフを見ると、いかにも市場予想の方が発表結果を追従しているように見える指標です。こうした指標では、直近の指標発表結果が上昇・下降しているとき、市場予想をオーバーシュートした発表結果となることが多いのです。

次に指標について、です。

  • 直前10-1分足は、実態差異との方向一致率が71%と高くなっています。
    今回の市場予想は前回結果よりも低下しているので、もし直前10-1分足が陽線ならば発表結果が前回結果・市場予想を上回ることになります。一方、もし直前10-1分足が陰線ならば、発表結果が前回結果を下回る可能性こそ高いものの、市場予想も下回るか否かは、この時点でまだわかりません。
    つまり、直前10-1分足が陽線のときのみ、直後1分足も陽線となる可能性をアテにできます。
  • 直後11分足は、直後1分足との方向一致率が88%です。そして、方向一致時に直後1分足と直後11分足の跳値同士・終値同士で、反応が伸びたことは各48%・70%です。
    方向一致率が高く終値同士の反応伸長率が高い一方、跳値同士の反応伸長率が高くありません。発表直後の反応が直後1分足跳値の過去平均値(25pips)付近に達してしまっていたら、すぐに追撃ポジションを取らずに直後1分足終値がつくまで待った方が良さそうです。

シナリオは次の通りです。

  • 直前1分足は、反応一致性分析の結果、陰線率が76%です。
  • 直後1分足は、直前10-1分足が陽線のとき、陽線と見込んで指標発表直前にポジションを取ります。
  • 直後11分足は、初期反応が10pips以下なら即時追撃、25pips付近なら直後1分足の終値がつくのを待って、順張り追撃です。

以上の論拠を以下にデータに基づき示します。


?T.調査・分析

公開情報や既出情報に基づく調査を行い、過去の指標と反応の関係を比較分析しています。方向に関する的中率に比べ、程度に関する的中率は残念ながら低いというのが実情です。利確・損切の目安は、過去平均値を最近の反応の大小と見比べて感覚的に微修正している、というのが実情です。

【1. 指標概要】

PMIは、企業購買担当者に直接調査して算出されるため、景気実態を正確に反映した先行指標と言われています。

一般論として、製造業の材料・部品調達は、数か月先の取引先動向や製品需要から仕入れを行うため先行性がある、と考えられます。それよりは先行性が劣るものの、サービス業も販売機会喪失を避けるため、消費者の動向に先んじようと必死です。
但し、製造業景況感のサービス業景況感に対する「先行性」については、以前ほど当てにならないようです。昔とは違って、流通経路が可視化・効率化され、企業購買部門の力量が向上し、国内サービス業を介さずに海外と直接取引を行うことができるから、です。サービス業の仕入れに至っては、ほぼ消費動向とリアルタイムで一致しつつある時代を迎えつつあります。

指数の解釈は、50%を上回ると景気拡大・50%を下回ると景気後退、です。
指数の意義は、景気転換をGDPよりも先行示唆することと、です。

英国重要指標全般に言えることですが、指標発表結果への反応(値動き)が素直で大きいという特徴があります。がしかし、FX会社などの経済指標ランク分では、他国の景気指標と同程度かそれ以下の重要度・注目度に位置づけられることが多いように見受けられます。そのためポジションを持つ場合には注意が必要です。調査対象期間中に最も大きく反応したときは110pipsにも達しています。
英国経済指標へのGBPJPYの反応は、他国の経済指標への反応よりワンランク上なのです。

【2. 既出情報

以下の調査分析範囲は、2015年1月分以降前回までの28回分のデータに基づいています。

(2-1. 過去情報)

下図に過去の市場予想と発表結果を示します。

1705英国製造業PMI210.png

典型的な市場予想後追い型の指標です。
市場予想後追い型とは、実際には市場予想の方が発表結果よりも先に公表されているにも関わらず、後からそれらをプロットしたグラフを見ると、いかにも市場予想の方が発表結果を追従しているように見える指標です。こうした指標では、直近の指標発表結果が上昇・下降しているとき、市場予想をオーバーシュートした発表結果となることが多いのです。

(2-2. 過去反応)

過去の直前10-1分足・直前1分足・直後1分足・直後11分足の始値基準ローソク足を示しておきます。

1705英国製造業PMI310.png

1705英国製造業PMI320.png

1705英国製造業PMI330.png

1705英国製造業PMI340.png

【3. 定型分析】

(3-1. 反応性分析)

反応性分析では、過去発表直後の1分足と11分足の跳幅と値幅を使います。この分析で十分なpipsが狙えそうな指標か否かが判断できます。詳細は 「反応性分析」 をご参照願います。

1705英国製造業PMI410.png

直後11分足は、直後1分足との方向一致率が88%です。そして、方向一致時に直後1分足と直後11分足の跳値同士・終値同士で、反応が伸びたことは各48%・70%です。
方向一致率が高く終値同士の反応伸長率が高い一方、跳値同士の反応伸長率が高くありません。発表直後の反応が直後1分足跳値の過去平均値(25pips)付近に達してしまっていたら、すぐに追撃ポジションを取らずに直後1分足終値がつくまで待った方が良さそうです。

(3-2. 反応一致性分析)

反応一致性分析は、指標発表前後の反応方向に特徴的な偏りがないかを調べています。詳細は 「反応一致性分析」 をご参照願います。

1705英国製造業PMI420.png

指標発表前後の各ローソク足の方向には、直前1分足を除いて偏りが見出せません。
直前1分足は陰線率が76%となっています。

指標発表直前10-1分足・1分足が陽線か陰線かは、指標発表直後1分足・11分足の方向とほぼ無関係です。

(3-3. 指標一致性分析)

指標一致性分析は、指標の前回結果と市場予想の差(事前差異)と、発表結果と市場予想の差(事後差異)と、発表結果と前回結果の差(実態差異)を求め、そのプラス・マイナスと反応方向に偏りがないかを調べています。詳細は 「指標一致性分析」 をご参照願います。

1705英国製造業PMI430.png

事前差異と各ローソク足の方向には、あまり関係ないようです。

指標発表直前10-1分足・1分足が陽線か陰線かは、事後差異とほぼ関係ないようです。指標発表前の動きは、指標発表結果の良し悪しを予見できていません。

一方、事後差異は直後1分足・11分足との方向一致率が各77%・81%と高くなっています。反応は、事後差異に対し素直な指標だと言えます。

直前10-1分足は、実態差異との方向一致率が71%と高くなっています。
今回の市場予想は前回結果よりも低下しているので、もし直前10-1分足が陽線ならば発表結果が前回結果・市場予想を上回ることになります。
一方、もし直前10-1分足が陰線ならば、発表結果が前回結果を下回る可能性こそ高いものの、市場予想も下回るか否かは、この時点でまだわかりません。
但し、今回の市場予想は前回結果と僅か0.2ポイントしか差がないので、直前10-1分足が陰線ならば、発表結果が市場予想も下回る可能性も「やや高い」と言えるのではないでしょうか。
つまり、直前10-1分足は直後1分足の方向を示唆している可能性が高い、と言えるでしょう。

実態差異は、直後1分足・11分足との方向一致率が各81%・82%となっています。

【4. シナリオ作成】

巻頭箇条書きのシナリオの項をご参照願います。
以上




2017年6月5日17:30発表

以下は2017年6月6日に追記しています。
?U. 結果・検証

【5. 発表結果】

(5-1. 指標結果)

本指標発表結果及び反応は次の通りでした。

1705英国製造業PMI510.png

発表結果は、前回結果・市場予想を下回り53.8ips(Index Points)でした。
反応は、まず大きく陰線に伸びていき、長い下ヒゲを残して直後1分足を形成すると、その後陽線に転じました。
英選挙が近づいており「上値も下値も伸ばせない」という状況のようです。

(5-2. 取引結果)

取引結果は次の通りでした。

1705英国製造業PMI520.png

直前1分足は、陰線を形成したにも関わらず、損切となってしまいました。但し、取引に使っているFX会社では始値・終値が同値でした。スプレッド分+2pips負けた訳です。反応が小さすぎた以上、仕方ありません。

直後1分足は、直前10-1分足が同値(陽線となっていなかった)のため、ポジション取得を諦めました。結果的には陰線で、発表結果が前回結果・市場予想をともに下回ることを読めていなかったのだから、ポジションを取得しなくても構わないでしょう。

直後11分足での追撃は、2回行って2回とも損切となりました。前回結果・市場予想ともに下回っても反応を伸ばさない以上、この損切は仕方ありません。GBPJPYもGBPUSDもUSDJPYも昨夕から今朝まであまり動いていません。初期反応方向に対して順張りでの負けなので、損失は小さくて済みました。

こんな日もあります。

【6. 分析検証】

(6-1. 分析検証)

事前調査分析内容を、以下に検証します

  • 直近の指標発表結果が上昇・下降しているとき、市場予想をオーバーシュートした発表結果となることが多いものの、現状は上昇基調か下降基調かが判別しにくくなっています。今回、市場予想を下抜けたので、次回発表からは下降が続くのでしょうか。
  • 直前1分足は陰線となり、上ヒゲを残しました。但し、値幅・跳幅が小さく、こういうときは直前1分足での取引は止めた方が良かったかもしれません。
  • 指標発表後の直後1分足は事後差異・実態差異と一致し、直後11分足は事後差異・実態差異と不一致でした。但し、不一致となった直後11分足の陽線は短くなっています。


(6-2. シナリオ検証)

シナリオには問題ありません。

下表に、本ブログを始めてからの本指標シナリオでの取引成績を纏めておきます。

1705英国製造業PMI530.png

以上



ーーー注記ーーー

本記事は、同じ指標の発表がある度に更新を繰り返して精度向上を図り、過去の教訓を次の発表時の取引で活かせるように努めています。がしかし、それでも的中率は75%程度に留まり、100%ではありません。詳細は 「1. FXは上達するのか」 をご参照ください。
そして、本記事は筆者個人の見解に基づいています。本記事に含まれる価格・データ・その他情報等は、本記事に添付されたリンク先とは関係ありません。また、取引や売買における意思決定を、本記事の記載通りに行うことは適切ではありません。そして、本記事の内容が資格を持った投資専門家の助言ではないことを明記しておきます。記載内容のオリジナリティや信頼性確保には努めているものの、それでも万全のチェックは行えていない可能性があります。
ポジションを持つ最終的なご判断は読者ご自身の責任となります。その点を予めご了承の上、本記事がFXを楽しむ一助となれば幸いです。

ーーー注記ーーー

本記事における分析シート、一部乃至は一連の体系化された手順を、個人の取引以外の目的で使用・公開・二次利用を行う場合には、著作権者及びFX手法研究会に対し、連絡を取り何らかの合意を行う必要があります。
以上

2017年05月24日

英国経済指標「四半期GDP改定値」発表前後のGBPJPY反応分析(2017年5月25日17:30発表結果検証済)

結果検証は6月1日以降になります。

以下、「?T.調査・分析」を事前投稿し、「?U.結果・検証」を事後投稿しています。ブログの日付は事前投稿日となっています。指標発表後に事後投稿し、その日時は「?U.結果・検証」のタイトル行付近に記載しています。

2017年5月25日17:30に英国経済指標「四半期GDP改定値」が発表されます。今回発表は2017年1-3月期分の集計結果です。
本指標要点は下表に整理しておきました。

1705英国GDP改定110.png



次に、本指標発表前後にポジションを持つときのポイントを整理しておきます。
先に、本指標で取引する上での注意点です。

  • 本指標発表結果は、市場予想からのブレがあまり起きないことがわかっています。そのためかどうかはわかりませんが、過去発表時の直後11分足には、陽線側・陰線側の両方にヒゲが目立ちます。これは発表後にも方向が定まりにくいということだと思います。損切にせよ利確にせよタイミングが難しいことが多い、ということでもあります。
    ご注意ください。

指標については次の通りです。

  • 過去16回の発表で、発表結果が市場予想からずれたことは6回、前回(速報値)結果とずれたことは5回しかありません。英統計局はすごいのです。
  • 前回速報値発表以降の3月分経済指標を見てみると、個人消費に繋がる信用残高が増えて、失業率(ILO方式)が改善しています。3月平均賃金は+2.4%となっており、貿易収支の赤字が拡大しています。
    もし、数値が改定されるなら、市場予想よりも改善するのではないでしょうか。

シナリオは次の通りです。

  • 直前1分足の陰線率が73%となっています。
  • 直後1分足の陽線率が73%となっています。
  • 発表結果が市場予想とすれたときに追撃します。直後1分足と直後11分足の方向一致率が高くないので、短時間取引です。



?T.調査・分析

公開情報や既出情報に基づく調査を行い、過去の指標と反応の関係を比較分析しています。方向に関する的中率に比べ、程度に関する的中率は残念ながら低いというのが実情です。

【1. 指標概要】

GDPは国内経済活動を総合的に表すので、その国の経済状況が良くなっているのか悪くなっているのかが一目瞭然です。英国四半期GDPは「速報値」「改定値」「確報値」と3回発表されます。
GDP改定値は、英国国家統計局が 2月・5月・8月・11月の下旬に前四半期分を発表しています。

EU離脱国民投票後、一時は成長がマイナスになるという解説記事さえあったものの、2016年はかなり好調でした。それだけに2017年は成長鈍化と見込まれています。さすがにマイナスという解説はなくなりましたが。

【2. 既出情報

以下の調査分析範囲は、2015年1月分以降前回までの16回分のデータに基づいています。

(2-1. 過去情報)

下図に過去の市場予想と発表結果を示します。
グラフは過去の改定値の市場予想と発表結果を示しています。本来ならば、速報値との比較を行うべきですが、対応できていません。

1705英国GDP改定210.png

今回の市場予想は前回速報値の発表結果と同じになっています。

4月28日発表された1-3月期GDP速報値は、前年比+2.1%(市場予想+2.2%、前回結果+1.9%)、前期比+0.3%(市場予想+0.4%、前回結果+0.7%)でした。
内訳は、消費に結びつきやすいサービス部門が前期比+0.3%と、2015年1-3月期以来の低い伸び率です。鉱工業生産も前期比+0.3%で、建設が+0.2%です。
この結果について、一様にGBP安に伴うインフレ加速による消費低迷が原因、と報道解説記事では指摘されています。

速報値発表以降に発表された3月分経済指標は次の通りです。

5月4日に発表された3月消費者信用残高は、1月2月より増えています。10-12月期総額に対し1-3月期総額はほぼ同じです。信用残高が増えるということは、消費者のローン総額が増えているということです。

5月11日に発表された3月鉱工業生産指数は前月比マイナスとなり、3か月連続で前月比マイナスが続きました。

5月11日に発表された3月貿易収支の水準は2月より赤字拡大となっています。10-12月期に対し1-3月期の赤字額は拡大しています。本来は輸出入額を調べて参考にすべきですが、見つかりませんでした。

5月17日に発表された3月失業率(ILO方式)は4.6%に低下しています。そして3月平均所得(ボーナスを含む)は前月比+2.4%でした。失業率は10-12月期より改善し、平均所得の伸びは10-12月期より低下しています。

速報値発表時点よりも、鉱工業が悪化・個人消費が改善と見受けられます。

(2-2. 過去反応)

過去の直前10-1分足・直前1分足・直後1分足・直後11分足の始値基準ローソク足を示しておきます。

直前10-1分足はたまに大きく反応しています。過去、大きく反応したときに何が原因だったかは把握できていません。

1705英国GDP改定310.png

直前1分足もたまに大きく反応しています。直前10-1分足が大きく動いたときには、逆方向に大きく戻しがち
です。

1705英国GDP改定320.png

直後1分足には、直後11分足ほどには逆ヒゲ(値幅方向と逆方向のヒゲ)が目立ちません。

1705英国GDP改定330.png

直後11分足には、陽線側・陰線側の両方にヒゲが目立ちます。これは発表後にも方向が定まりにくいということですから、損切にせよ利確にせよタイミングが難しいことが多いようです。

1705英国GDP改定340.png

【3. 定型分析】

(3-1. 反応性分析)

反応性分析では、過去発表直後の1分足と11分足の跳幅と値幅を使います。この分析で十分なpipsが狙えそうな指標か否かが判断できます。詳細は 「反応性分析」 をご参照願います。

1705英国GDP改定410.png

直後11分足は、直後1分足との方向一致率が67%です。方向一致時に、直後1分足と直後11分足の跳値同士・終値同士を比較した反応伸長率は各70%・60%でした。追撃しても良いものの、少し心もとない数字ですね。

(3-2. 反応一致性分析)

反応一致性分析は、指標発表前後の反応方向に特徴的な偏りがないかを調べています。詳細は 「反応一致性分析」 をご参照願います。

1705英国GDP改定420.png

直前1分足の陰線率が73%となっています。
直後1分足の陽線率が73%となっています。

(3-3. 指標一致性分析)

分析に足るデータ数が足りないため割愛します。
過去16回の発表で、発表結果が市場予想からずれたことは6回、前回(速報値)結果とずれたことは5回しかありません。

【4. シナリオ作成】

巻頭箇条書きのシナリオの項をご参照ください。
以上




2017年5月25日17:30発表

以下は2017年6月1日に追記しています。
?U. 結果・検証

【5. 発表結果】

(5-1. 指標結果)

本指標発表結果及び反応は次の通りでした。

1705英国GDP改定510.png

前期比・前年比ともに前回(速報値)結果・市場予想を0.1%下回りました。英国GDPの発表で、このように改定値が速報値からズレることは珍しいことです。
その結果、反応は陰線となり、直後1分足跳幅も34pipsと過去反応平均値の2倍を超えました。

(5-2. 取引結果)

取引結果は次の通りでした。

1705英国GDP改定520.png

過去の実績に基づいてポジション取得のタイミングと方向を決めている以上、こうして外すことも一定の確率で起きてしまいます。
難しいことは、こうゆう結果になったときの追撃です。
理性的には、確率的に同じ指標での取引を繰り返すことで、損切分もいずれ取り返せます。がしかし、ついそのときに取り返そうとして、シナリオにない追撃を行いがちです。本指標では、短時間追撃が可能と事前にわかっていたので良かったものの、追撃に向かない指標で慌てて損切分を取り返そうと追撃すると、傷口を広げることにもなりかねません。
そういうことにならないように、追撃に向く・向かない傾向の有無は事前にしっかり押さえておきたいものですね。

【6. 分析検証】

(6-1. 分析検証)

事前調査分析内容を、以下に検証します。

まず、英国GDP改定値は速報値からの数値修正が少ない、ということがわかっていました。その結果、今回のように数値が修正されると大きな反応になりがちです。
ただ、こうした負け方は過去の実績を調べてポジションを取得する以上、どうしても防げません。そして、市場予想が良く当たる指標では、日頃の勝率が高くないと負けたときの損失が取り返せなくなってしまいます。

追撃では、あと少しで損失分が取り返せるところでした。残念な気がするものの、こういうときこそ、別の時間尺度でのチャートと切り替えながら、反転したり山谷をつけそうなポイントを早く見つける必要があります。
当会では、指標発表前後の短時間のみ取引するので、発表15分前頃に日足・4時間足・1時間足…を眺めておきます。発表10分前からは10分足と1分足を切り替えながら、一目均衡表を表示させています。
短時間取引で一目均衡表は役に立たない(役に立つハズがない)のですが、反転や山谷の目安を得るのにやはり便利です。ボリンジャーバンドでは線が多すぎて、どうもポイントを外してしまうことの方が多かったので(私見です)。

(6-2. シナリオ検証)

下表に、本ブログを始めてからの本指標シナリオでの取引成績を纏めておきます。

1705英国GDP改定530.png

今回の実際の取引よりも損失が多くなっています。これは、この表ではシナリオ外取引で損失を取り返した分を含めていないからです。

以上



ーーー注記ーーー

本記事は、同じ指標の発表がある度に更新を繰り返して精度向上を図り、過去の教訓を次の発表時の取引で活かせるように努めています。がしかし、それでも的中率は75%程度に留まり、100%ではありません。詳細は 「1. FXは上達するのか」 をご参照ください。
そして、本記事は筆者個人の見解に基づいています。本記事に含まれる価格・データ・その他情報等は、本記事に添付されたリンク先とは関係ありません。また、取引や売買における意思決定を、本記事の記載通りに行うことは適切ではありません。そして、本記事の内容が資格を持った投資専門家の助言ではないことを明記しておきます。記載内容のオリジナリティや信頼性確保には努めているものの、それでも万全のチェックは行えていない可能性があります。
ポジションを持つ最終的なご判断は読者ご自身の責任となります。その点を予めご了承の上、本記事がFXを楽しむ一助となれば幸いです。

ーーー注記ーーー

本記事における分析シート、一部乃至は一連の体系化された手順を、個人の取引以外の目的で使用・公開・二次利用を行う場合には、著作権者及びFX手法研究会に対し、連絡を取り何らかの合意を行う必要があります。
以上

2017年05月17日

英国雇用指標「求職者給付受給者数・平均所得・失業率」発表前後のGBPJPY反応分析(2017年5月17日17:30発表結果検証済)

以下、「?T.調査・分析」を事前投稿し、「?U.結果・検証」を事後投稿しています。ブログの日付は事前投稿日となっています。指標発表後に事後投稿し、その日時は「?U.結果・検証」のタイトル行付近に記載しています。

2017年5月17日17:30に英国雇用指標「求職者給付受給者数・平均所得・失業率」が発表されます。
今回発表は求職者給付受給者数と失業率(英国式)が4月分、平均所得と失業率(ILO方式)が3月分の発表となります。

本指標の要点は下表に整理しておきました。

1704英国雇用100.png

次に、本指標発表前後にポジションを持つときのポイントを整理しておきます。

  • まず、本指標で取引する上での注意点です。

    (1) 直前10-1分足・直前1分足には、長いヒゲが目立ちます。発表前に10-20pips動くことが珍しくないので、注意が必要です。
    本ブログルールに依りポジションを取る予定はありませんが、直前10-1分足の陽線率・直前1分足の陰線率はともに69%です。

    (2) 最近は発表直後の反応がやや小さくなっていますが、過去の平均値では30-40pips動いています。
    怖いので、指標発表後の反応方向を見てから追撃しても良いでしょう。その場合、タイミングを計って短時間の取引を薦めます。
    反応性分析の結果、直後1分足跳幅を直後11分足跳幅が超えたことは60%と、やや心もとない数字となっています。本ブログ読者の方は既にご存知の通り、発表1分後、3-4分後に、高値・安値をつけたり、反応方向に変化が起きることが多いという印象があります。

    (3) そして、求職者給付受給者数と平均所得と失業率が発表されますが、本指標で反応に寄与するのは平均所得です。発表結果が市場予想より高いか低いかを事前分析するなら、平均所得増減について行うべきです。

  • とは言え、英国の雇用条件の変化を調べることは難しいと思います(日本のだって難しい)。
    でも安心です。

    指標一致性分析の結果、次のことがわかりました。
    事後差異(発表結果ー市場予想)は、直前1分足との方向一致率が80%あります。つまり、発表直前に発表結果が市場予想を上回るか下回るかは、過去の直前1分足の方向を見る限り、かなり高い確率で当たっています。

    そして、直前1分足の方向を、事後差異(発表結果が市場予想より高いか低いか)の予兆と捉えれば、事後差異と直後1分足・直後11分足との方向一致率は各83%・70%と高いことがわかりました。

    但し、段階的に個々の事象の確率を掛け合わせることになるで、一見、個別の確率が高くても一連まとめた視点での確認が必要です。
    反応一致性分析では、直前1分足と直後1分足・直後11分足との方向一致率は各65%・50%に過ぎません。
    これら数字を見て、どうポジションを取るかが大事です。指標の発表結果を当てるのは、取引の手段に過ぎませんからね。

  • シナリオは次の通りです。

    (1) 直後1分足は、直前1分足と同じ方向に反応すると見込みます。
    但し、反応一致性分析の結果、両者の方向一致率が65%しかないので、発表時に跳ねたらすぐ利確です。ぐいぐい伸びそうか、さっさと利確するかを決めるのは、発表後4-15秒後ぐらいです(損切は結果的に失敗だったことも多いものの、なるべく10秒以内に行っています)。
    自信がなければ欲張りませんし、早めの利確で逃すpipsがあってもタンタンとやるのです。

    (2) 直後11分足は、反応性分析の結果、直後1分足と直後11分足の方向一致率は77%で、方向一致時に直後11分足跳値が直後1分足跳値を超えて反応が伸びていたことが60%、直後11分足終値が直後1分足終値を超えて反応が伸びたことが70%です。
    発表直後の大きなヒゲはなかなか超えられないものの、直後1分足終値に対しては、直後11分足終値が直後1分足と同方向に伸びていく、といったイメージでしょうか。

    ここで、だから直後1分足終値でポジションを取ったら直後11分足終値まで利確を待つやり方と、この数字が表す姿は初期反応後に一旦反転するイメージを抱いて、追撃を複数間に分けるやり方があります。
    こんなときは、その日15:30頃からのトレンドを見て、その方向と一致しているときにはポジションを長めに持ち、逆方向のときには短めにする、というやり方が基本だと思います。
    既に指標発表結果は把握している時間にせよ、結果が市場予想との差が大きいか小さいかでは、反応の程度との相関が掴めていません。


?T.調査・分析

公開情報や既出情報に基づく調査を行い、過去の指標と反応の関係を比較分析しています。方向に関する的中率に比べ、程度に関する的中率は残念ながら低いというのが実情です。

【1. 指標概要】

日本を除く主要国では、雇用統計発表直後の反応が他の指標発表時よりも大きくなる傾向があります。これは、雇用統計がその国の景気を最もよく表している、と考えられているからです。

英国では日本よりもかなり早くから派遣雇用者が多いという特徴がありました。また、終身雇用という制度がない、という雇用環境も我々と異なります。そうした社会的背景を知らないと、英国雇用統計はよくわからないものです。
少し古い記事ですが、 DIAMOND online の特別レポート記事で「日本で報じられない“派遣労働”大国イギリスの実情と教訓〜英ヘイズ・スペシャリスト・リクルートメント社の幹部に聞く」というのがありました。日英の雇用環境の違いがとてもわかりやすくまとまったインタビュー記事だと思います。宜しければご参考までに。

以前はかなり大きな反応をする指標でしたが、最近はなぜかあまり反応しません。とはいえ、直後1分足跳幅が20pips程度、直後11分足跳幅は40pipsも反応するので、日欧の雇用指標に比べると大きく反応します。指標発表を跨いでポジションを持たずに、指標発表への反応方向を見てからポジションを取っても、同じ方向に反応が伸び続ける傾向があります。

同時発表される平均所得は、我々の日頃の言葉で言えば平均給与といった方がイメージに合うと思います。少なくとも数年前までは参考程度の指標でしたが、最近は賃金上昇率の多寡に反応することも多いようです。
ざっくりとキリの良い数字で具体的にイメージするなら、年収1200万(600万)のとき1%(2%)の上昇が毎月の給与が1万円増えるということです。この水準がざっくり日本のバブル末期(1990年頃)の状態です。
反応は平均所得(含ボーナス)に対して生じます。

【2. 既出情報

以下の調査分析範囲は、2015年1月分以降前回までの27回分のデータに基づいています。

(2-1. 過去情報)

過去の市場予想と発表結果を示します。

まず、受給者数です。受給者数が増える(減る)と、GBPにとって売られる(買われる)材料となります。がしかし、前回は市場予想を上回って4か月ぶりのプラス転換したものの、直後1分足の反応は陽線でした。
同様に更に2回分遡ると、2月分データは市場予想>発表結果>前回結果の順、1月分データは市場予想>前回結果>発表結果の順で、それぞれ陰線・陰線です。

1704英国雇用210.png

次に、平均所得(含ボーナス)です。所得が増えると消費が増えると考えられます。前回は市場予想・前回結果ともに上回って陽線での反応したので、この項目が反応に寄与した可能性があります。
更に2回分遡ると、1月分データも2月分データも市場予想>前回結果>発表結果の順となっており、反応は陰線・陰線です。

1704英国雇用220.png

最後に失業率ですが、あまり変化がないこともあって反応に寄与していません。下図の傾向から明らかなように、全体的には調査期間中にほぼ単調に改善が続いているので、都度の発表時に陽線や陰線の反応が起きても失業率とは因果関係がないように見えて当然です。

1704英国雇用230.png

以上の点から、直近の反応に寄与するのは、平均所得>受給者数と考えられます。
前回までの本指標記事では、平均所得を踏まえた分析を行っていません。その結果「発表結果と反応との相関性が薄い指標」だと記していました。
不勉強をお詫びして訂正いたします(もしも、こんなHPを参考に取引している方が居られれば)。
この件の詳細は後記する指標一致性分析で定量的に補足します。

(2-2. 過去反応)

過去の直前10-1分足・直前1分足・直後1分足・直後11分足の始値基準ローソク足を示しておきます。
直前10分足・直前1分足には、長いヒゲが目立ちます。直後1分足・直後11分足は、2016年以降がそれ以前に比べて反応が小さくなっています。

1704英国雇用310.png

1704英国雇用320.png

1704英国雇用330.png

1704英国雇用340.png

【3. 定型分析】

(3-1. 反応性分析)

反応性分析では、過去発表直後の1分足と11分足の跳幅と値幅を使います。この分析で十分なpipsが狙えそうな指標か否かが判断できます。詳細は 「反応性分析」 をご参照願います。

1704英国雇用410.png

直後11分足は、直後1分足との方向一致率が77%です。方向一致時に、直後11分足跳値が直後1分足跳値を超えて反応が伸びていたことが60%、直後11分足終値が直後1分足終値を超えて反応が伸びたことが70%です。追撃は短時間に留めた方が良さそうです。

(3-2. 反応一致性分析)

反応一致性分析は、指標発表前後の反応方向に特徴的な偏りがないかを調べています。詳細は 「反応一致性分析」 をご参照願います。

1704英国雇用420.png

直後1分足と直後11分足を除けば、70%を超える偏りや方向一致は見出せません。

(3-3. 指標一致性分析)

指標一致性分析は、指標の前回結果と市場予想の差(事前差異)と、発表結果と市場予想の差(事後差異)を求め、そのプラス・マイナスと反応方向に偏りがないかを調べています。詳細は 「指標一致性分析」 をご参照願います。

前回までの記事では「本指標は発表結果がどうあれ反応方向との相関が見出せない」と記していました。
間違っていました。
下の3表をご覧ください。
上段の表は、受給者数の増減と平均所得の減増との和と、反応方向の一致率を求めたものです。同様に、受給者数の増減と反応方向の関係を中段表に、所得の増減と反応方向の関係を下段表に示しています。

1704英国雇用430.png

1704英国雇用431.png

1704英国雇用432.png

明らかに、平均所得の増減と反応方向との一致率には、他の2表と違いがあります。
直前1分足は、事後差異(発表結果ー市場予想)との方向一致率が80%あります。つまり、発表直前に発表結果が市場予想を上回るか下回るか、かなり正確に当てています。
直後1分足・直後11分足も、事後差異との方向一致率が各83%・70%と高いことがわかります。

【4. シナリオ作成】

巻頭箇条書きのシナリオの項をご参照願います。
以上




2017年5月17日発表

以下は2017年5月17日21:00頃に追記しています。
?U. 結果・検証

【5. 発表結果】

(5-1. 指標結果)

本指標発表結果及び反応は次の通りでした。

1704英国雇用500.png

結果は平均所得が市場予想同値となり、求職者給付受給者数が市場予想を上回り(悪化)、失業率が英国方式で悪化・ILO方式が改善となりました。
反応は小さな陽線となり、発表から1分後には陰線側に転じ、その後しばらくもみ合ってから発表8分後には再び陽線側に伸びていきました。

(5-2. 取引結果)

取引できませんでした。割と細かな点まで分析が当たっていたのに残念です。

【6. 分析検証】

(6-1. 分析検証)

事前調査分析内容を、以下に検証します

  • 求職者給付受給者数と平均所得と失業率が発表されますが、本指標で反応に寄与するのは平均所得です。発表結果が市場予想より高いか低いかを事前分析するなら、平均所得増減について行うべきです。
    指標一致性分析の結果、次のことがわかりました。
    事後差異(発表結果ー市場予想)は、直前1分足との方向一致率が80%あります。つまり、発表直前に発表結果が市場予想を上回るか下回るかは、過去の直前1分足の方向を見る限り、かなり高い確率で当たっています。
    そして、直前1分足の方向を、事後差異(発表結果が市場予想より高いか低いか)の予兆と捉えれば、事後差異と直後1分足・直後11分足との方向一致率は各83%・70%と高いことがわかりました。
    但し、段階的に個々の事象の確率を掛け合わせることになるで、一見、個別の確率が高くても一連まとめた視点での確認が必要です。
    反応一致性分析では、直前1分足と直後1分足・直後11分足との方向一致率は各65%・50%に過ぎません。
    これら数字を見て、どうポジションを取るかが大事です。指標の発表結果を当てるのは、取引の手段に過ぎませんからね。

結果は、直前1分足と直後1分足・直後11分足の方向が一致し、直後11分足は直後1分足を跳値・終値ともに超えられませんでした。

(6-2. シナリオ検証)

取引は逃してしまいましたが、検証しておきます。
事前準備していたシナリオは次の通りです。

  • (1) 直後1分足は、直前1分足と同じ方向に反応すると見込みます。
    但し、反応一致性分析の結果、両者の方向一致率が65%しかないので、発表時に跳ねたらすぐ利確です。ぐいぐい伸びそうか、さっさと利確するかを決めるのは、発表後4-15秒後ぐらいです(損切は結果的に失敗だったことも多いものの、なるべく10秒以内に行っています)。
    自信がなければ欲張りませんし、早めの利確で逃すpipsがあってもタンタンとやるのです。

問題ありません。チャートの録画を見ましたが、跳ねてすぐに利確すると良かったようですね。15秒では遅すぎたかも知れません。

  • (2) 直後11分足は、反応性分析の結果、直後1分足と直後11分足の方向一致率は77%で、方向一致時に直後11分足跳値が直後1分足跳値を超えて反応が伸びていたことが60%、直後11分足終値が直後1分足終値を超えて反応が伸びたことが70%です。
    発表直後の大きなヒゲはなかなか超えられないものの、直後1分足終値に対しては、直後11分足終値が直後1分足と同方向に伸びていく、といったイメージでしょうか。
    ここで、だから直後1分足終値でポジションを取ったら直後11分足終値まで利確を待つやり方と、この数字が表す姿は初期反応後に一旦反転するイメージを抱いて、追撃を複数間に分けるやり方があります。
    こんなときは、その日15:30頃からのトレンドを見て、その方向と一致しているときにはポジションを長めに持ち、逆方向のときには短めにする、というやり方が基本だと思います。
    既に指標発表結果は把握している時間にせよ、結果が市場予想との差が大きいか小さいかでは、反応の程度との相関が掴めていません。

イメージ通りに動いたようです。

シナリオには問題なく、反応はイメージ通りでした。
ただ、もし実際に取引していたら、最初の跳ねで利確はさておき、追撃ポジションを細かく取って、どれだけ利確できたかはわかりませんが。
以上



ーーー注記ーーー

本記事は、同じ指標の発表がある度に更新を繰り返して精度向上を図り、過去の教訓を次の発表時の取引で活かせるように努めています。がしかし、それでも的中率は75%程度に留まり、100%ではありません。詳細は 「1. FXは上達するのか」 をご参照ください。
そして、本記事は筆者個人の見解に基づいています。本記事に含まれる価格・データ・その他情報等は、本記事に添付されたリンク先とは関係ありません。また、取引や売買における意思決定を、本記事の記載通りに行うことは適切ではありません。そして、本記事の内容が資格を持った投資専門家の助言ではないことを明記しておきます。記載内容のオリジナリティや信頼性確保には努めているものの、それでも万全のチェックは行えていない可能性があります。
ポジションを持つ最終的なご判断は読者ご自身の責任となります。その点を予めご了承の上、本記事がFXを楽しむ一助となれば幸いです。

ーーー注記ーーー

本記事における分析シート、一部乃至は一連の体系化された手順を、個人の取引以外の目的で使用・公開・二次利用を行う場合には、著作権者及びFX手法研究会に対し、連絡を取り何らかの合意を行う必要があります。
以上

2017年05月16日

英国物価指標「CPI・RPI・PPI」発表前後のGBPJPY反応分析(2017年5月16日17:30発表結果検証済)

以下、「?T.調査・分析」を事前投稿し、「?U.結果・検証」を事後投稿しています。ブログの日付は事前投稿日となっています。指標発表後に事後投稿し、その日時は「?U.結果・検証」のタイトル行付近に記載しています。

2017年5月16日17:30に英国物価指標「CPI・RPI・PPI」が発表されます。今回発表は2017年4月分の集計結果です。

本指標の要点は下表に整理しておきました。

1704英国物価指標100.png

次に、本指標発表前後にポジションを持つときのポイントを整理しておきます。

  • まず、本指標で取引する上での注意点です。
    過去平均の反応は31pipsに達しており、大きな反応をする指標だと言えるでしょう。過去92%は15pips以上の反応となっています。直後1分足跳幅が過去最大のときは69pips(2015年7月分データ、同年8月18日発表)でした。

  • 指標については次の通りです。
    3月・4月は電力・ガスといった公共料金の値上げがありました(民営化した複数大手)。これがまず、全価格を押し上げる要因となります。そして、イースター休暇があり、動力費値上げが商品価格に転嫁される前の買い出しが多かったと思われます(4月BRC小売売上高が異常に上昇)。売り手にしてみれば、今は従来価格からそれほど値引きしなくても良い時期です。

  • シナリオは次の通りです。
    (1) 直前10-1分足は、反応一致性分析の結果、陽線率が74%となっています。
    (2) 直前1分足は、反応一致性分析の結果、陰線率が79%となっています。直前10-1分足と直前1分足との方向一致率は35%ですから矛盾はありません。
    (3) 直後1分足は、指標一致性分析の結果、事前差異との方向一致率が78%です。
    (4) 直後11分足は、反応性分析の結果、直後1分足との方向一致率が65%です。そして、方向一致時に直後11分足跳値が直後1分足跳終値を超えて伸びていたことが76%、直後11分足終値が直後1分足終値を超えて伸びていたことが47%です。指標一致性分析の結果、直後11分足での追撃は、実態差異が初期反応方向と同じならpipsが稼げそうなだけ付き合い、同じでないなら反応性分析の項に記した通り短時間とします。


?T.調査・分析

公開情報や既出情報に基づく調査を行い、過去の指標と反応の関係を比較分析しています。方向に関する的中率に比べ、程度に関する的中率は残念ながら低いというのが実情です。

【1. 指標概要】

物価は、生産者→小売→消費者の順に波及すると考えられます。他の主要国ではこれら物価指数が別々に発表されますが、英国は一度に発表しています。

CPIは、消費者の製品・サービス購入価格を指数化した指標で、どの国でも最重視されています。英国は年2%のインフレ目標が設定されています。CPIコアは、CPIから価格変動の激しいエネルギー・食品・タバコ・アルコールを除いた数値を指しています。英国ではタバコ・アルコールの価格変動が大きいのでしょうか。不思議です。

RPIに含まれてCPIに含まれない対象に住宅費があります。RPIではCPIよりも数値が高くなります。RPIコアは、RPIから価格変動の激しいエネルギー・食品・タバコ・アルコールを除いた数値を指しています。英国では年金給付額が法律によってRPI規準で決定されています。

PPIはあまり大きな反応を生じないように見受けられます。

過去の傾向から言えば、CPI>RPI>PPIの順に反応に寄与し、前年比>前月比の順です。重視するCPI前年比は総合>コアと、コアが軽視(という訳じゃないでしょうけど)される珍しい指標です。

【2. 既出情報

以下の調査分析範囲は、2015年1月分以降前回までの27回分のデータに基づいています。

(2-1. 過去情報)

下図に過去の市場予想と発表結果を示します。

1704英国物価指標200.png

1704英国物価指標210.png

1704英国物価指標230.png

前述の通り、CPI前年比>CPI前月比>コアCPI前年比>RPIの順に反応には寄与します。

今回は後記する指標一致性分析の結果、市場予想を上回ると予想しています。
5月15日に発表された4月BRC小売売上高調査前年比でも、市場予想+0.5%に対し結果+5.6%と大幅上昇しています。大きく増えた理由は、イースター休暇が4月にあったこともありますが、公共料金の値上げがあったことが原因ではないでしょうか。待てば動力費の値上がり分が商品転嫁されるためだと思います。

(2-2. 過去反応)

過去の直前10-1分足・直前1分足・直後1分足・直後11分足の始値基準ローソク足を示しておきます。

直前10-1分足には陽線、直前1分足には陰線が目立ちます。但し、直前1分足は最近、以前よりも陰線率が下がっているように見受けられます。後記する反応一致性分析で、数字を確認しておきましょう。

1704英国物価指標310.png

1704英国物価指標320.png

1704英国物価指標330.png

1704英国物価指標340.png

【3. 定型分析】

(3-1. 反応性分析)

反応性分析では、過去発表直後の1分足と11分足の跳幅と値幅を使います。この分析で十分なpipsが狙えそうな指標か否かが判断できます。詳細は 「反応性分析」 をご参照願います。

1704英国物価指標410.png

直後11分足は、直後1分足との方向一致率が65%です。そして、方向一致時に直後11分足跳値が直後1分足跳終値を超えて伸びていたことが76%、直後11分足終値が直後1分足終値を超えて伸びていたことが47%です。追撃しても短時間にすべきです。

(3-2. 反応一致性分析)

反応一致性分析は、指標発表前後の反応方向に特徴的な偏りがないかを調べています。詳細は 「反応一致性分析」 をご参照願います。

1704英国物価指標420.png

直前10-1分足は、陽線率が74%となっています。
また、直前1分足は、陰線率が79%となっています。直前10-1分足と直前1分足との方向一致率は35%ですから矛盾はありません。

(3-3. 指標一致性分析)

指標一致性分析は、
指標の前回結果と市場予想の差(事前差異)と、
発表結果と市場予想の差(事後差異)と、
発表結果と前回結果の差(実態差異)と、
の求め、そのプラス・マイナスと反応方向に偏りがないかを調べています。詳細は 「指標一致性分析」 をご参照願います。
本指標の事前差異は、全ての項目の(市場予想ー前回結果)を足し合わせて求めています。今回はプラスとなっています。事後差異は(CPI前年比の差?3+CPI前月比の差?2)で求め、実態差異は全ての項目の(発表結果ー前回結果)を加えてCPI前年比の差を3倍、CPI前月比の差を2倍として求めています。
複雑ですが、これで方向一致率が高くなります(相関が強くなります)。

1704英国物価指標430.png

まず、事前差異は、直後1分足との方向一致率が78%となっています。今回の事前差異はプラスですから、直後1分足は陽線ということになります。

次に、事後差異は、直後1分足との方向一致率が83%となっています。少なくとも発表直後に関しては、CPI前年比とCPI前月比が市場予想より大きいか小さいかで、陽線か陰線に素直に反応しています。

そして、実態差異は、直後1分足との方向一致率が96%、直後11分足との方向一致率が74%となっています。あまりに項目が多すぎて発表直後にとても瞬時に計算できませんが、96%の方向一致率は異常と言って良いほど高い数値です。

以上の結果、直後1分足は陽線と見込みます。
そして、直後11分足での追撃は、実態差異が初期反応方向と同じならpipsが稼げそうなだけ付き合い、同じでないなら反応性分析の項に記した通り短時間とします。

【4. シナリオ作成】

以上の調査・分析結果に基づき、以下のシナリオで取引に臨みます。

1704英国物価指標500.png

以上




2017年5月16日17:30発表

以下は2017年5月19日に追記しています。
?U. 結果・検証

【5. 発表結果】

(5-1. 指標結果)

本指標発表結果及び反応は次の通りでした。

1704英国物価指標510.png

前年比で、CPIは+2.7%、コアCPIは+2.4%、RPIは+3.5%、コアRPIは+3.8の上昇です。
数字から具体的に様子を想像すると、小売物価上昇が激しい結果、消費者は高いものの購入を避けてるのが自然です。コアRPI>RPIに対し、CPI>コアCPIとなっているので、売れ残りが破棄となる食料品価格の上昇が抑えられているものの、それでも値上げが多く消費者は食料品以外の購入を節約しているのではないでしょうか。

反応は、直後1分足が陽線となったものの、あまりの物価高に消費低迷を想像したのか直後11分足は陰線に転じています。特に、EURGBPではGBP売りが強く、その点でも初期反応が伸びなかったことがわかります。
物価上昇によってGBPが売られ、その結果、輸入品が更に値上がりし、とても賃金上昇がそれに追いつかないというインフレ悪化状態と言える段階に達しつつあるのではないでしょうか。

(5-2. 取引結果)

取引結果は次の通りでした。

1704英国物価指標520.png

問題ありません。
直後11分足での追撃失敗は、どう反省すべきか少し考えます。指標数値が市場予想を上回りすぎて反応が反転したと捉えるべきか、次のEUR指標を備えて反転したのかは、すぐに結論が出せません。

【6. 分析検証】

(6-1. 分析検証)

事前調査・分析の内容は以下の通りです。

  • 過去平均の反応は31pipsに達しており、大きな反応をする指標だと言えるでしょう。過去92%は15pips以上の反応となっています。直後1分足跳幅が過去最大のときは69pips(2015年7月分データ、同年8月18日発表)でした。

  • 3月・4月は電力・ガスといった公共料金の値上げがありました(民営化した複数大手)。これがまず、全価格を押し上げる要因となります。そして、イースター休暇があり、動力費値上げが商品価格に転嫁される前の買い出しが多かったと思われます(4月BRC小売売上高が異常に上昇)。売り手にしてみれば、今は従来価格からそれほど値引きしなくても良い時期です。

内容的には当たったかどうか判断できないものの、結果はCPI・RPIともに市場予想を上回っており、初期反応も陽線でした。

(6-2. シナリオ検証)

事前準備していたシナリオは次の通りです。

  • (1) 直前10-1分足は、反応一致性分析の結果、陽線率が74%となっています。
    (2) 直前1分足は、反応一致性分析の結果、陰線率が79%となっています。直前10-1分足と直前1分足との方向一致率は35%ですから矛盾はありません。
    (3) 直後1分足は、指標一致性分析の結果、事前差異との方向一致率が78%です。
    (4) 直後11分足は、反応性分析の結果、直後1分足との方向一致率が65%です。そして、方向一致時に直後11分足跳値が直後1分足跳終値を超えて伸びていたことが76%、直後11分足終値が直後1分足終値を超えて伸びていたことが47%です。指標一致性分析の結果、直後11分足での追撃は、実態差異が初期反応方向と同じならpipsが稼げそうなだけ付き合い、同じでないなら反応性分析の項に記した通り短時間とします。

直前10-1分足は陽線、直前1分足は陰線、直後1分足は陽線、直前11分足は陰線でした。
問題ありません。直後11分足は反転したならしたで、更に追撃しても良かったかも知れません。

下表に、本ブログを始めてからの本指標シナリオでの取引成績を纏めておきます。

1704英国物価指標530.png

以上



ーーー注記ーーー

本記事は、同じ指標の発表がある度に更新を繰り返して精度向上を図り、過去の教訓を次の発表時の取引で活かせるように努めています。がしかし、それでも的中率は75%程度に留まり、100%ではありません。詳細は 「1. FXは上達するのか」 をご参照ください。
そして、本記事は筆者個人の見解に基づいています。本記事に含まれる価格・データ・その他情報等は、本記事に添付されたリンク先とは関係ありません。また、取引や売買における意思決定を、本記事の記載通りに行うことは適切ではありません。そして、本記事の内容が資格を持った投資専門家の助言ではないことを明記しておきます。記載内容のオリジナリティや信頼性確保には努めているものの、それでも万全のチェックは行えていない可能性があります。
ポジションを持つ最終的なご判断は読者ご自身の責任となります。その点を予めご了承の上、本記事がFXを楽しむ一助となれば幸いです。

ーーー注記ーーー

本記事における分析シート、一部乃至は一連の体系化された手順を、個人の取引以外の目的で使用・公開・二次利用を行う場合には、著作権者及びFX手法研究会に対し、連絡を取り何らかの合意を行う必要があります。
以上

2017年05月10日

英国金融政策「BOE政策金利」発表前後のGBPJPY反応分析(2017年5月11日20:00発表結果検証済)

以下、「?T.調査・分析」を事前投稿し、「?U.結果・検証」を事後投稿しています。ブログの日付は事前投稿日となっています。指標発表後に事後投稿し、その日時は「?U.結果・検証」のタイトル行付近に記載しています。

2017年5月11日20:00に英国金融政策「BOE政策金利」が発表されます。今回は同時に、四半期インフレ報告も今回は公表されます。

本指標の要点は下表に整理しておきました。

1705英国金融政策100.png

本発表時には、FOMCなんかよりもずっと大きく動きます。調査期間内の過去最高は「市場予想に反して現状維持」のとき286pipsです。あっという間に跳ねて、おそらく近くの逆指値損切注文は、かなりスリップしてしまったことでしょう(あるいは、逆指値注文が通らなかったでしょう)。
もしGBPのポジションを持って本発表を迎える場合、余裕資金を十分に持っておくべきです。「市場予想に反して金利改定」という事例は直近にありませんが、その場合どんなことになるか。「確実な予想」なんて、確実にありません。

次に、本指標発表前後にポジションを持つときのポイントを整理しておきます。

  • まず、本指標で取引する上での注意点です。
    今回の市場予想は現状維持となっています。がしかし、2015年8月・2016年4月も「市場予想通り現状維持」でした。これらの月は、それぞれ直前1分足跳幅が48pips(陰線側)・29pips(陰線側)も跳ねています。そして、発表直後(現状維持)はそれぞれ62pips(陰線側)・48pips(陽線側)に跳ねています。
    発表直前にどかんと動くことがあり、しかもそれが発表後の反応方向と必ずしも一致しません。このことを知っておかないと、ものすごく慌ててしまうこともあり得るのでご注意まで(知っていても慌てますけど)。
    直前はポジションを持たない、少なくとも直前1分ぐらいは買ポジションを持たない、という選択はアリです。

  • 指標については次の通りです。
    市場予想が現状維持のため、ポイントは、現状維持への反対委員が何名いるかと、インフレ報告での数字が見直されるか、です。
    政策金利の現状維持に反対して利上げを主張する委員がいる、と市場予想されており、発表前にGBPは買われる可能性が高い、と考えています。
    そしてもし、市場予想通りに現状維持の委員が7名以下となった場合は、発表後も暫く陽線と見込みます。
    但し、2月に引き上げられたインフレ見通しやGDP見通しがそのままか更に引上げられた場合、更に反応が伸びると見込まれます。一転、それらが下方修正されていた場合は、陽線側への反応がどこかで反転する可能性が高い、と考えています。

  • シナリオは次の通りです。
    (1) 直前10-1分足は、上記指標定性分析結論に依り、陽線と見込みます。但し、発表時刻が近づくと大きく陰線側に跳ねる可能性があるので、利確にせよ損切にせよ早めを目指します。
    (2) 直前1分足の陰線率が84%となっています。また、直前10-1分足との方向一致率が8%となっているので、直前10-1分足が陽線ならポジション取得、陰線ならポジション取得を諦めます。
    (3) 直後1分足は、上記指標定性分析結論に依り、陽線と見込みます。
    (4) 直後11分足は、直後1分足との方向一致率が72%で、方向一致時に終値が直後1分足終値を超えて伸びていたことが52%です。途中反転するか否かは、先述の通り、インフレ報告の内容次第という気もします。
    反転する場合、発表後3-5分後が危ないので、追撃をその前に行い3-5分後までに利確するか、3-5分後に追撃を開始するかは実際のチャートを見てから決めます。


?T.調査・分析

公開情報や既出情報に基づく調査を行い、過去の指標と反応の関係を比較分析しています。方向に関する的中率に比べ、程度に関する的中率は残念ながら低いというのが実情です。

【1. 指標概要】

英国の政策金利は、英中銀(BOE)の金融政策委員会(MPC)に決定権限があります。同委員会は、総裁1人・副総裁2人・行内委員2人・外部委員2人の合計9人で構成されています。
MPCは原則毎月第1水・木曜日の2日間開催され、2日目の正午に政策金利が発表されます。その2週間後に議事録を公表し、2月・5月・8月・11月には四半期インフレ報告書を発表しています。

MPCは、9人の意見が強く反映されるため、他の主要国(日米欧)と違って市場予想がアテにならないと言われています。この話をどこで見かけて覚えているのかは忘れました。がしかし、市場予想が当たらないのは、事前に内容が漏れないからではないでしょうか。

現在の政策は次の通りです。
政策金利について、直近の改定は2016年7月に0.5%から0.25%に下れました。その前は2009年3月でした。このように、BOEはあまり頻繁に金利改定をしない、というイメージがあります。
量的緩和(QE)について、少なくとも2009年以降は規模を徐々に拡大し、直近では2016年8月に現在の4350億GBPに増やしました(いつQEを開始したのかは調べていません)。

がしかし、金融政策を頻繁に変更しないにも関わらず、本発表前後のGBPは大きく反応します。

過去のデータを見ると、利下げ予想が外れた2016年7月を除く前回まで過去24回の直後1分足跳幅だけでも、平均値は30pipsを超えています(2016年7月のデータも含めた平均値は43pips)。
ちなみに、利下げ予想が外れた2016年7月の直後1分足跳幅は286pipsにも達していました。利下げ予想が外れたときの方が、実際に利下げされたときよりも反応が大きかったことはおもしろいですね。

政策金利に関して、市場予想通りに現状維持だった場合、声明における今後政策の文言で反応します。また、MPCメンバーのうち現状維持が何名いたかによって反応します。
四半期インフレ報告が公表されるときは、今後2年間のインフレ見通しと、今後3年間のGDP見通しが示されます。そのため、前回までの見通しからの変化に応じてGBPは反応します。

【2. 既出情報

以下の調査分析範囲は、2015年1月分以降前回までの25回分のデータに基づいています。

(2-1. 過去情報)

下図に過去の市場予想と発表結果を示します。

1705英国金融政策200.png

BOEは頻繁に金利改定を行いません。この期間以前の金利改定は2009年3月でした。もし次に改定するなら、EU離脱前後に経済指標が極端に一方向に向かう事態になった場合でしょう。そう考えてか、市場予想は現状維持となっています。

なお、前回利下げの2016年8月は、2016年6月がEU離脱国民投票があって、GBPがボロボロに落下し、景気指標(景況感)もボロボロに下がったときです。現在、GBPUSDはかなり落下していますが、景気指標(例えばPMI)はまだ高い水準です。

直近の経緯を見てみましょう。

前回のMPC議事録によると、政策金利現状維持は8対1で議決され、資産購入規模現状維持は全員一致で議決されています。政策金利の0.5%への引き上げを主張したのはフォーブス委員です。理由は、政策目標であるインフレ率2%を上回る状況に対する懸念、とのことです。

3月24日・4月5日-6日に、ブリハMPC委員は「GBP安が輸出にプラスの影響を及ぼしているものの、低失業率が賃金を押し上げる兆候も見られず、現在の消費減速を相殺できるほどではない」旨を述べた上で、「慎重な金利策定が現時点では適切と考える」と発言しました。てっきり「だから慎重に利上げすべき」なのかと思ったら、この話の結論は「インフレ(の加速?)が利上げを意味する訳ではない」です。
何なんだ、こいつは。

そして、4月21日、サンダースMPC委員は「CPIは見通しより速く上昇する見通しで、雇用のたるみも限定的なので、段階的な利上げ後も緩和は維持される見通し」である旨、発言しています。
サンダースさんは好きです。

以上のことから利上げが見送られても、政策金利の現状維持に反対して利上げを主張する委員がいる、と見られており、発表前にGBPは買われる可能性が高い、と考えています。
そしてもし、市場予想通りに現状維持の委員が7名以下となった場合は、発表後も暫く陽線と見込みます。
但し、2月に引き上げられたインフレ見通しやGDP見通しがそのままか更に引上げられた場合、更に反応が伸びると見込まれます。一転、それらが下方修正されていた場合は、陽線側への反応がどこかで反転する可能性が高い、と考えています。

(2-2. 過去反応)

過去の直前10-1分足・直前1分足・直後1分足・直後11分足の始値基準ローソク足を示しておきます。

1705英国金融政策310.png

1705英国金融政策320.png

1705英国金融政策330.png

1705英国金融政策340.png

直前10-1分足や直前1分足の動きが大きいのでご注意ください。
こういう動きが大きく、明らかにプロフェッショナルが多く参加しているときには、利確できるときにさっさと利確しておいた方が良いでしょう。続けざまに読みを当てたり、次の展開を予想することを、プロとは決して競わないことです。
便乗できそうな癖を探す、何度も便乗しようとしない、駄目ならすぐ逃げる、がアマチュアの基本です。

なお、損切の目安はいつもより大きく25〜30pipsとしておきます。
直近の高値・安値を参考にするのではありません。それはトレンドフォロー手法で取引する場合のやり方です。指標発表前後だけ取引する場合、指標発表時の過去の反応の大きさだけから損切も利確も決めるのです。利益は勝率で確保しましょう。

【3. 定型分析】

(3-1. 反応性分析)

反応性分析では、過去発表直後の1分足と11分足の跳幅と値幅を使います。この分析で十分なpipsが狙えそうな指標か否かが判断できます。詳細は 「反応性分析」 をご参照願います。

1705英国金融政策410.png

直後11分足は、直後1分足との方向一致率が72%で、方向一致時に終値が直後1分足終値を超えて伸びていたことが52%です。途中反転するか否かは、先述の通り、インフレ報告の内容次第という気もします。
反転する場合、発表後3-5分後が危ないのでご注意ください。3-5分後が危ういという定量データは示せませんが、気になる方は過去のチャートをご覧ください。3-5分後は(発表直後の跳ねを除くと)頂や谷が形成されやすい傾向があるようです。印象的な話ですみません。

(3-2. 反応一致性分析)

反応一致性分析は、指標発表前後の反応方向に特徴的な偏りがないかを調べています。詳細は 「反応一致性分析」 をご参照願います。

1705英国金融政策420.png

直前1分足の陰線率が84%となっています。また、直前10-1分足との方向一致率が8%となっているので、直前10-1分足が陽線ならポジション取得、陰線ならポジション取得を諦めます。

(3-3. 指標一致性分析)

政策金利発表時の市場予想が現状維持の場合、指標一致性分析は行いません。

【4. シナリオ作成】

巻頭箇条書きのシナリオの項をご参照願います。
以上




2017年5月11日20:00発表

以下は2017年5月12日23:00頃に追記しています。
?U. 結果・検証

【5. 発表結果】

(5-1. 指標結果)

本指標発表結果及び反応は次の通りでした。

1705英国金融政策510.png

結果は市場予想通り現状維持で、反応は陰線でした。

(5-2. 取引結果)

取引結果は次の通りでした。

1705英国金融政策520.png

直後1分足は損切となりましたが、直前10-1分足と直後11分足での追撃で何とか取り返せました。

【6. 分析検証】

(6-1. 分析検証)

事前調査分析内容を、以下に検証します

  • 市場予想が現状維持のため、ポイントは、現状維持への反対委員が何名いるかと、インフレ報告での数字が見直されるか、です。
    政策金利の現状維持に反対して利上げを主張する委員がいる、と市場予想されており、発表前にGBPは買われる可能性が高い、と考えています。
    そしてもし、市場予想通りに現状維持の委員が7名以下となった場合は、発表後も暫く陽線と見込みます。
    但し、2月に引き上げられたインフレ見通しやGDP見通しがそのままか更に引上げられた場合、更に反応が伸びると見込まれます。一転、それらが下方修正されていた場合は、陽線側への反応がどこかで反転する可能性が高い、と考えています。。

発表前にGBPが買われるのは良しとして、発表結果に対し陽線と見込んでいた分析は完全に外していました。
陰線に反応した理由は、(1) 利上げ主張委員が出ることは折込み済で事実売り、(2) インフレ報告は2017年のインフレが上方修正されたものの成長率が下方修正されたので悪いインフレ、ということでしょうか。

(6-2. シナリオ検証)

事前準備していたシナリオは次の通りです。

  • (1) 直前10-1分足は、上記指標定性分析結論に依り、陽線と見込みます。但し、発表時刻が近づくと大きく陰線側に跳ねる可能性があるので、利確にせよ損切にせよ早めを目指します。
    (2) 直前1分足の陰線率が84%となっています。また、直前10-1分足との方向一致率が8%となっているので、直前10-1分足が陽線ならポジション取得、陰線ならポジション取得を諦めます。
    (3) 直後1分足は、上記指標定性分析結論に依り、陽線と見込みます。
    (4) 直後11分足は、直後1分足との方向一致率が72%で、方向一致時に終値が直後1分足終値を超えて伸びていたことが52%です。途中反転するか否かは、先述の通り、インフレ報告の内容次第という気もします。
    反転する場合、発表後3-5分後が危ないので、追撃をその前に行い3-5分後までに利確するか、3-5分後に追撃を開始するかは実際のチャートを見てから決めます。

発表時刻を跨いだ直後1分足の損切は、分析を間違っていたことが原因ですから、仕方ありません。

下表に、本ブログを始めてからの本指標シナリオでの取引成績を纏めておきます。

1705英国金融政策530.png

以上



ーーー注記ーーー

本記事は、同じ指標の発表がある度に更新を繰り返して精度向上を図り、過去の教訓を次の発表時の取引で活かせるように努めています。がしかし、それでも的中率は75%程度に留まり、100%ではありません。詳細は 「1. FXは上達するのか」 をご参照ください。
そして、本記事は筆者個人の見解に基づいています。本記事に含まれる価格・データ・その他情報等は、本記事に添付されたリンク先とは関係ありません。また、取引や売買における意思決定を、本記事の記載通りに行うことは適切ではありません。そして、本記事の内容が資格を持った投資専門家の助言ではないことを明記しておきます。記載内容のオリジナリティや信頼性確保には努めているものの、それでも万全のチェックは行えていない可能性があります。
ポジションを持つ最終的なご判断は読者ご自身の責任となります。その点を予めご了承の上、本記事がFXを楽しむ一助となれば幸いです。

ーーー注記ーーー

本記事における分析シート、一部乃至は一連の体系化された手順を、個人の取引以外の目的で使用・公開・二次利用を行う場合には、著作権者及びFX手法研究会に対し、連絡を取り何らかの合意を行う必要があります。
以上

2017年05月09日

英国実態指標「鉱工業生産(前月比)」発表前後のGBPJPY反応分析(2017年5月11日17:30発表結果検証済)

以下、「?T.調査・分析」を事前投稿し、「?U.結果・検証」を事後投稿しています。ブログの日付は事前投稿日となっています。指標発表後に事後投稿し、その日時は「?U.結果・検証」のタイトル行付近に記載しています。

2017年5月11日17:30に英国実態指標「鉱工業生産」が発表されます。今回発表は2017年3月分の集計結果です。
同時に、実態指標「製造業生産」「建設業生産高」・国際収支「貿易収支」が発表されます。過去の傾向から言って、反応に寄与するのは、鉱工業生産(前月比)>製造業生産(前月比)>貿易収支、という印象を持っています。がしかし、製造業生産は鉱工業生産の約80%を占めており、ほぼ同じに扱えます。
よって、もっとも注視すべきは鉱工業生産(前月比)となります。

本指標の要点は下表に整理しておきました。

1703英国鉱工業生産100.png

次に、本指標発表前後にポジションを持つときのポイントを整理しておきます。

  • まず、他の先進国の鉱工業生産関連指標よりも反応が大きい、という特徴があります。
    そして、鉱工業生産前月比の事後差異と直後1分足・直後11分足との方向一致率はそれぞれ79%・67%となっています。発表時には、鉱工業生産前月比が市場予想に比べ大きいか小さいかだけに注目すればいいでしょう。

  • 指標については次の通りです。
    1月・2月の鉱工業生産前月比はマイナスが続いています。今回3月分の市場予想も△0.4%とマイナスの予想となっています。
    4月28日に発表された1-3月期GDP速報値の鉱工業生産前期比は+0.3%でした。この点に注目すると、今回発表の3月分も前月比マイナスでは辻褄が合いません。
    前月比は市場予想を上回るのではないでしょうか。

  • シナリオは次の通りです。
    (1) 直前10-1分足は、指標一致性分析の結果、事前差異との方向一致率が28%です。今回の事前差異はマイナスとなっているので、陽線と見込みます。
    (2) 直前1分足は、指標一致性分析の結果、事前差異との方向一致率が72%です。陰線と見込みます。
    (3) 直後1分足は、上記指標定性分析結論により、陽線と見込みます。
    (4) 直後11分足は、反応性分析の結果、直後1分足との方向一致率が73%で、方向一致時に終値が直後1分足終値を超えて伸びていたことが68%です。追撃可ですが、反応伸長率が70%を切っているので、高値掴み(安値掴み)に気をつけましょう。

?T.調査・分析

公開情報や既出情報に基づく調査を行い、過去の指標と反応の関係を比較分析しています。方向に関する的中率に比べ、程度に関する的中率は残念ながら低いというのが実情です。

【1. 指標概要】

英国実態指標「鉱工業生産」は、鉱工業と製造業の企業生産高を指数化した経済指標です。英国国家統計局が毎月中旬に前月比・前年比を発表し、反応は前月比>前年比となる傾向があります。他の先進国の鉱工業生産関連指標よりも反応が大きい、という特徴があります。

本指標の意義は、鉱工業生産がGDPの構成要素となっているため、その先行指標と言われています。がしかし、英国GDPに占める鉱工業部門の割合は20%程度しかありません。ですから、本指標がGDPの先行指標として役立つかは少し疑問があります。

【2. 既出情報

以下の調査分析範囲は、2015年1月分以降前回までの26回分のデータに基づいています。

(2-1. 過去情報)

下図に、もっとも注目すべき鉱工業生産の過去の市場予想と発表結果を示します。

1703英国鉱工業生産200.png

1月・2月の前月比はマイナスが続いています。3月市場予想も△0.4%とマイナスの予想となっています。4月28日に発表された1-3月期GDP速報値の鉱工業生産前期比は+0.3%でした。この点に注目すると、今回発表の3月分も前月比マイナスでは辻褄が合いません。
前月比は市場予想を上回るのではないでしょうか。

(2-2. 過去反応)

過去の直前10-1分足・直前1分足・直後1分足・直後11分足の始値基準ローソク足を示しておきます。

1703英国鉱工業生産310.png

1703英国鉱工業生産320.png

1703英国鉱工業生産330.png

1703英国鉱工業生産340.png

【3. 定型分析】

(3-1. 反応性分析)

反応性分析では、過去発表直後の1分足と11分足の跳幅と値幅を使います。この分析で十分なpipsが狙えそうな指標か否かが判断できます。詳細は 「反応性分析」 をご参照願います。

1703英国鉱工業生産410.png

直後11分足は、直後1分足との方向一致率が73%で、方向一致時に終値が直後1分足終値を超えて伸びていたことが68%です。追撃可ですが、反応伸長率が70%を切っているので、高値掴み(安値掴み)に気をつけましょう。

(3-2. 反応一致性分析)

反応一致性分析は、指標発表前後の反応方向に特徴的な偏りがないかを調べています。詳細は
「反応一致性分析」
をご参照願います。

1703英国鉱工業生産425.png

陽線や陰線への偏りがあまりありません。直前10-1分足と直前1分足の方向一致率が31%とやや低く、直後1分足と直後11分足の方向一致率は73%とやや高くなっています。

(3-3. 指標一致性分析)

指標一致性分析は、指標の前回結果と市場予想の差(事前差異)と、発表結果と市場予想の差(事後差異)を求め、そのプラス・マイナスと反応方向に偏りがないかを調べています。詳細は 「指標一致性分析」 をご参照願います。

1703英国鉱工業生産430.png

事前差異は、鉱工業生産前月比と前年比の(市場予想ー前回結果)で和で求めています。結果、直前10-1分足・直前1分足との方向一致率がそれぞれ28%・72%でした。今回の事前差異はマイナスとなっています。

事後差異は、鉱工業生産前月比の(発表結果ー市場予想)で求めています。結果、直後1分足・直後11分足との方向一致率がそれぞれ79%・67%でした。発表時には、鉱工業生産前月比が市場予想に比べ大きいか小さいかだけに注目します。

【4. シナリオ作成】

巻頭箇条書きのシナリオの項をご参照願います。
以上




2017年5月11日17:30発表

以下は2017年5月12日15:30頃に追記しています。
?U. 結果・検証

【5. 発表結果】

(5-1. 指標結果)

本指標発表結果及び反応は次の通りでした。

1703英国鉱工業生産510.png

結果は、全般的に市場予想を下回り、注目していた鉱工業生産前月比も△0.5%でした。1-3月期の伸びは+0.1%となり、先に発表された1-3月期GDP速報値で見込まれた+0.3%を下回っています。GDP改定値に反映されるでしょう。
同時発表された貿易収支も、市場予想よりも赤字拡大となりました。1-3月期貿易赤字は105億ポンドと、昨年10-12月(第4四半期)の48億ポンドから急拡大しました。内訳は、輸出が△0.5%、輸入が+3.3%となっています。

(5-2. 取引結果)

取引結果は次の通りでした。

1703英国鉱工業生産520.png

直前1分足が損切となりましたが、これは確率上の問題ですから仕方がありません。
直後1分足の損切は、分析を完全に間違っていたためです。詳細は次項に記します。
直後11分足は、かなり粘ったものの挽回できませんでした。その後もGBPJPYは下がっているので、もっと粘れば損失が取り返せたかも知れません。がしかし、それは結果論であり、ポジションとしては利確となりました。

【6. 分析検証】

(6-1. 分析検証)

事前調査分析内容を、以下に検証します

  • まず、他の先進国の鉱工業生産関連指標よりも反応が大きい、という特徴があります。
    そして、鉱工業生産前月比の事後差異と直後1分足・直後11分足との方向一致率はそれぞれ79%・67%となっています。発表時には、鉱工業生産前月比が市場予想に比べ大きいか小さいかだけに注目すればいいでしょう。
  • 指標については次の通りです。
    1月・2月の鉱工業生産前月比はマイナスが続いています。今回3月分の市場予想も△0.4%とマイナスの予想となっています。
    4月28日に発表された1-3月期GDP速報値の鉱工業生産前期比は+0.3%でした。この点に注目すると、今回発表の3月分も前月比マイナスでは辻褄が合いません。
    前月比は市場予想を上回るのではないでしょうか。

まず、鉱工業生産前月比の事後差異マイナスに対し、陰線で反応しています。
今回、製造業PMIでなくGDP速報値をアテにして分析を行いました。結果、分析を外してしまい、次回以降はまたPMIを中心に事前分析するようにします。

(6-2. シナリオ検証)

事前準備していたシナリオは次の通りです。
  • シナリオは次の通りです。
    (1) 直前10-1分足は、指標一致性分析の結果、事前差異との方向一致率が28%です。今回の事前差異はマイナスとなっているので、陽線と見込みます。
    (2) 直前1分足は、指標一致性分析の結果、事前差異との方向一致率が72%です。陰線と見込みます。
    (3) 直後1分足は、上記指標定性分析結論により、陽線と見込みます。
    (4) 直後11分足は、反応性分析の結果、直後1分足との方向一致率が73%で、方向一致時に終値が直後1分足終値を超えて伸びていたことが68%です。追撃可ですが、反応伸長率が70%を切っているので、高値掴み(安値掴み)に気をつけましょう。

シナリオには問題ありません。

下表に、本ブログを始めてからの本指標シナリオでの取引成績を纏めておきます。

1703英国鉱工業生産530.png

以上



ーーー注記ーーー

本記事は、同じ指標の発表がある度に更新を繰り返して精度向上を図り、過去の教訓を次の発表時の取引で活かせるように努めています。がしかし、それでも的中率は75%程度に留まり、100%ではありません。詳細は 「1. FXは上達するのか」 をご参照ください。
そして、本記事は筆者個人の見解に基づいています。本記事に含まれる価格・データ・その他情報等は、本記事に添付されたリンク先とは関係ありません。また、取引や売買における意思決定を、本記事の記載通りに行うことは適切ではありません。そして、本記事の内容が資格を持った投資専門家の助言ではないことを明記しておきます。記載内容のオリジナリティや信頼性確保には努めているものの、それでも万全のチェックは行えていない可能性があります。
ポジションを持つ最終的なご判断は読者ご自身の責任となります。その点を予めご了承の上、本記事がFXを楽しむ一助となれば幸いです。

ーーー注記ーーー

本記事における分析シート、一部乃至は一連の体系化された手順を、個人の取引以外の目的で使用・公開・二次利用を行う場合には、著作権者及びFX手法研究会に対し、連絡を取り何らかの合意を行う必要があります。
以上

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