マリノスは、Jリーグで過去3度の優勝を経験している。2003年、2004年には岡田監督のもとでリーグ2連覇の実績もある。Jリーグ発足以前から日本のサッカー界をリードしてきた名門チームだ。
この試合に勝てば優勝決定、負けまたは引き分けでも、他チームの勝敗によっては、優勝の可能性があるという状況だ。日産スタジアムには優勝の瞬間を見ようと6万2千人を超えるファンが詰めかけた。
逆転優勝を狙う他チームの試合も14:00に同時にキックオフ。
横浜(1位、勝ち点62)vs新潟。
浦和(2位、勝ち点58)vs鳥栖。
広島(3位、勝ち点57)vs湘南。
鹿島(勝ち点56)vsセレッソ大阪(勝ち点56)。この試合は日本代表FWの大迫と柿谷の直接対決にも注目が集まる。
横浜と新潟の試合は、前半から激しい試合となった。横浜は、新潟の激しいプレッシャーで思うように中盤を支配できない。特に中村俊輔へのマークは厳しかった。横浜のキャプテン中村は今季絶好調、自己最高の10得点を挙げている。そのうち4点はフリーキックによる得点。新潟はこの中村を徹底して潰しに行く。
ベテランの多い横浜の中にあって、今年日本代表にも選ばれた若い斉藤学は時折得意のドリブルで相手陣内に切り込み、チャンスを作った。しかし、前半は両チーム無得点のまま終わった。
後半18分、新潟は田中達也に代えて、U20日本代表の鈴木武蔵を投入。
23分には中村俊輔が、フリーキックを蹴ったが相手キーパーのファインセーブで止められた。後半は横浜が何度もチャンスを作り、横浜が点を取るのも時間の問題かと思われた。
しかし、なんと先制したのは新潟だった。27分、新潟のコーナーキックを栗原がクリアミス、これを今季好調の川又に決められた。川又の22得点目。
横浜は長身の藤田を投入し巻き返しを図ったが、アデイショナルタイム2分台、途中から交代で入った19歳の鈴木武蔵のダメ押しゴールで0−2とされてしまった。
横浜、まさかの敗戦。結末は最終節へと持ち越されることに。
これで優勝の行方は、予想ができない展開になった。横浜の最終節の相手は、絶好調大久保のいる川崎。しかも横浜にとってはアウェーのゲームということになる。
第33節、上位の結果は次のようになった。
横浜・新潟は、0−2で新潟勝利。浦和・鳥栖はなんと4−1で鳥栖勝利。これで浦和の優勝の可能性は消滅した。広島・湘南は、1−0で広島が勝ち、広島は勝ち点を60にまでのばしてきた。鹿島・セレッソは、大迫、柿谷の両エースがそれぞれ得点したが、2−1で鹿島が勝った。
第33節終了後の上位チームの勝ち点は下記の通り。
横浜 62
広島 60
鹿島 59
浦和 58
セレッソ 56
3位の鹿島まで優勝の可能性がある。最終節は何が起こるかわからない。
J1の優勝の行方は最終節に持ち越しとなったが、今シーズンのJ1ではジュビロ磐田のJ2降格は少しショックだった。かつて、J1で黄金時代を築いたジュビロ。アメリカワールドカップで優勝したブラジル代表のキャプテン・ドゥンガが在籍、炎のストライカー中山をはじめ、高原、藤田、福西らの日本代表選手を輩出した。やはり、降格は残念だ。すぐにJ1へ復帰してもらいたい。
そういえば、昨年はガンバ大阪がJ2に降格、これも信じがたい出来事だった。アジアNo.1にもなったことのある常勝チームが降格?しかも、遠藤、今野ら現日本代表の中心選手がいながら。来季はもちろんJ1復帰だが。
サッカーはいくらいい選手がいても少し歯車がかみ合わなくなると、チームが崩壊することもある。逆に何かのきっかけでうまく回りだすと、急に強いチームに変貌することもある。
2年前、J2で優勝してJ1に昇格してきた柏は、昇格したその年にJ1でも優勝した。これだからサッカーは面白い。
来年は、ワールドカップ開催の年。サッカーファンにとっては、喜びの年だ。自分も1982年のスペインワールドカップで初めてアルゼンチンのディエゴ・マラドーナを見て以来、サッカーの魅力にとりつかれた。ブラジル大会ではどんな伝説が生まれるのだろうか。
各地域のW杯予選でも熱い戦いが繰り広げられた。ヨーロッパ予選プレーオフ、スペインと同じ組になりグループ1位をスペインに奪われたフランスは、ウクライナとのプレーオフ。ウクライナも予選リーグでイングランドと同じ組になりグループ1位を逃し、プレーオフに回ってきた。
第1戦目はウクライナが2得点で2−0とした。2戦目、3点以上取らなくては本大会に出場できない状況に追い込まれたフランスだったが、奇跡は起こった。2戦目、なんと3得点で本大会出場を勝ち取った。
フランスの選手は、デシャン監督を胴上げして喜びを爆発させた。ウクライナの選手はピッチに崩れ落ちた。
ポルトガルとスウェーデンの1戦は、ロナウドとイブラヒモビッチのエース対決が注目された。2人のエースによる点の取り合いとなったが、最後にハットトリックで試合を決め、ブラジル行きを決めたのはロナウドだった。
南米チャンピオンのウルグアイは南米予選で苦しみ、大陸間プレーオフに回ったが、ここではしっかり勝ち、ブラジル行きを決めた。
これでW杯出場全32チームが出そろった。
いよいよワールドカップイヤーが始まる。注目の組み合わせ抽選会は12/6に行われる。日本代表の相手もそこで決定する。
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