※ 問題番号[ No.34 ]〜[ No.45 ]までの 12問題のうちから、 5 問題を選択し、解答してください。
[ No. 34 ]
合成高分子系ルーフィングシート防水工事に関する記述として、 最も不適当なものはどれか。
1.加硫ゴム系シート防水接着工法において、ルーフィングシート相互の接合部は、接着剤とテープ状シール材を併用して接合した。
2.塩化ビニル樹脂系シート防水において、接合部のシートの重ね幅は、幅方向、長手方向とも 40 mm以上とした。
3.塩化ビニル樹脂系シート防水の出隅角の処理は、シートの張付け後に成形役物を張り付けた。
4.加硫ゴム系シート防水の出隅角の処理は、シートの張付け前に加硫ゴム系シートで増張りを行った。
答え
4
加硫ゴム系シート防水の出隅角の処理は、シートの張付けに先立ち、 非加硫ゴム系シートを用いて増張りする。(JASS8)
1 ◯
加硫ゴム系シート防水接着工法において、ルーフィングシート相互の接合は、接着剤をシートの両面に塗布し、かつ、テープ状シール材を 併用して張り付け、ローラー等で押さえて十分に接着させる。
2 ◯
塩化ビニル樹脂系シート防水の接合部のシートの重ね幅は、 縦横とも 40 mm以上とし、熱溶着または溶剤溶着により接合する。
3 ◯
塩化ビニル樹脂系接着工法の場合、シート防水の出隅角の処理は、 シートを張付け後、成形役物を張り付ける。(JASS8)
[ No. 35 ]
シーリング工事に関する記述として、 最も不適当なものはどれか。
1.シリコーン系シーリング材の充填にあたり、充填箇所以外の部分にシーリング材が付着したため、直ちに拭き取った。
2.コンクリートの水平打継ぎ目地のシーリングは3面接着とし、2成分形変成シリコーン系シーリング材を用いた。
3.ALC など表面強度が小さい被着体には、モジュラスの低いシーリング材を用いた。
4.シーリング材の打継ぎ箇所は、目地の交差部及びコーナー部を避け、そぎ継ぎとした。
答え
1
充填箇所以外の部分に付着したシーリング材は、直ちに取り除く。ただし、 シリコーン系シーリング材は、硬化後に取り除く。
2 ◯
コンクリートの水平打継ぎ目地やひび割れ誘発目地は、ノンワーキングジョイントである。目地に水が浸入したとき水みちになる2面接着より水みちを遮断する 3面接着の方が良い。シーリング材としては、変性シリコーン系、ポリサルファイド系が用いられる。
3 ◯
ALCパネルなど表面強度が小さいものに、高モジュラスのシーリング材を使用すると、ムーブメントにより被着材を破損することがある。このような場合は、 低モジュラスのシーリング材を使用することが望ましい。
4 ◯
目地への打ち始めは、原則として、目地の交差部または角部から行い、すき間、打残し、気泡がないように目地の隅々まで充填する。なお、打ち継ぐ場合は、 目地の交差部及び角部を避けてそぎ継ぎを行う。
[ No. 36 ]
セメントモルタルによる外壁タイル密着張り工法に関する記述として、 最も不適当なものはどれか。
1.張付けは、目地割に基づき水糸を引き通し、下部から上部へ順次連続して張り付ける。
2 下地面への張付けモルタルの塗付けは、2度塗りとし、その合計の塗り厚は5〜8 mm とする。
3.小口タイルの張付けは、振動工具による衝撃位置をタイルの両端と中間の3箇所とする。
4.目地の深さは、タイル厚の 1/2 以下となるようにする。
答え
1
張付けは、目地割に基づき水糸を引き通し、窓、出入り口周り、隅角等の役物を先に行い、 上部より下部へ1段置きに水糸に合わせて張付けたのちに、それらの間を埋めるように、張り付ける。
2 ◯
下地面への張付けモルタルの塗付けは、だれが生じるのを防ぐため、必ず 2度塗りとし、その合計の 塗り厚は 5〜8 mmとする。
3 ◯
小口タイルの張付けは、振動工具により張付けモルタルが均等に充填されるように、 衝撃位置はタイルの両端と中間の3箇所とし、衝撃を適正な時間与える。
タイルの大きさと衝撃時間、衝撃位置
4 ◯
タイル目地の深さは、 タイル厚さの 1/2 以下とする。セメントモルタルによる外壁タイル密着張り工法では、目地深さがタイル厚さの 1/2より深い場合には、張り付けモルタル硬化後に目地深さがタイル厚さの 1/2以下になるように目地詰めを行う。
[ No. 37 ]
心木なし瓦棒葺に関する記述として、 最も不適当なものはどれか。
1.一般部の葺き方は、通し吊子をすべて留め付けた後、溝板を並べ、キャップ掛けを行った。
2.棟部の納めは、溝板の水上端部に八千代折とした水返しを設け、棟包みを取り付けた。
3.けらば部の溝板の幅は、瓦棒の働き幅の 1/2以下とした。
4.軒先の瓦棒の先端に設ける桟鼻は、キャップと溝板の立上がり部分でつかみ込んで取り付けた。
答え
1
一般部の葺き方において、仮葺きは、通し吊子を下葺上の割付けマーキングに合わせて、 1本置きに配置し、ドリリングねじで母屋に仮留めとする。溝板を2枚、配置した吊子間に設置した後に、中間に通し吊子をはめ合わせて、通りを確認後、ドリリングを溝板にはめ込み十分に締め付ける。(JASS12)
2 ◯
溝納めは、溝板の水上端部に八千代折とした水返しを設け、 棟包みを取り付ける。
3 ◯
けらば部の溝板の幅は、心木なし瓦棒の働き幅の 1/2以下とする。
4 ◯
軒先は、瓦棒(通し吊子)の先端に 桟鼻をはめ込み、キャップ及び溝板の 立上がり部分をつかみ込んで納める。
[ No. 38 ]
軽量鉄骨壁下地に関する記述として、 最も不適当なものはどれか。
1.スペーサーは、スタッドの端部を押さえ、間隔 600 mm程度に留め付けた。
2.スタッドは、スタッドの天端と上部ランナー天端とのすき間が 15 mm となるように切断した。
3.スタッドの建込み間隔の精度は、± 5 mmとした。
4.軽量鉄骨天井下地の野縁と平行となる上部ランナーは、野縁受に溶接で固定した。
答え
2
スタッドはねじれのないものを使用し、上部ランナーの天端をスタッド天端のすき間は、 10mm以下となるように上部ランナーの高さに合わせて切断する。
1 ◯
スペーサーは、スタッドの端部を押さえ、 間隔 600 mm程度に留め付ける。
3 ◯
通常の天井高におけるスタッドの建込み 間隔の精度は、± 5 mmとする。
また、スタッドの垂直の精度は 一般的に ± 2 mmとする。
4 ◯
ランナーと天井下地材の野縁が直角な場合は、ランナーを野縁に、ランナーと野縁が平行な場合は、ランナーを野縁受けに、おのおの間隔 900mm程度に彫込みアンカーの類で固定する。 受材が鋼材等の場合は、タッピングねじの類または溶接で固定する。
[ No. 39 ]
防水形合成樹脂エマルション系複層仕上塗材(防水形複層塗材 E)仕上げに関する記述として、 最も不適当なものはどれか。
1.下塗材の所要量は、試し塗りを行い、0.2 kg/m 2 とした。
2.出隅及び入隅の増塗りは、はけ又はローラーにより、端部で段差のないように塗り付けた。
3.主材の基層塗りは2回塗りとし、所要量を 1.7 kg/m 2 とした。
4.凸部処理は、主材の模様塗り後 24 時間経過してから行った。
答え
4
凸部処理は、こてまたはローラー押えにより、見本と同様の模様になるように主材の模様塗り後、 1時間以内に適当な時間を選んで行う。
1 ◯
防水形複層塗材の下塗材の所要量は、0.1 kg/m 2
以上とするが、下地の種類や状態によって下塗材の吸込みが異なるので、 所要量は一般に 0.1〜0.3 kg/m 2
の範囲としていることが多く、試し塗りを行って、所要量を確認する。
2 ◯
一般の複層塗材と異なり、下地のひび割れ追従性が要求されるので、塗り厚が薄くなったり、不均一になったりしてひび割れ追従性が低下しないよう、主材基層塗り前に出隅、入隅、目地部の周り等をはけやコーナー用ローラー等で、 増塗りしておく。(JASS23)
3 ◯
主材の基層塗りは2回塗りとし、だれ、ピンホール、塗り残しのないよう下地を覆うように塗り付ける。主材基層の所要量は 1.5〜1.7 kg/m 2
以上とする。
[ No. 40 ]
アルミニウム製建具工事に関する記述として、 最も不適当なものはどれか。
1.枠に付着した油類の汚れは、エチルアルコールを 5〜10% 加えた温湯を用いて清掃した。
2.表面処理が陽極酸化塗装複合皮膜のアルミニウム製部材は、モルタルに接する箇所の耐アルカリ性塗料塗りを省略した。
3.外部建具周囲の充填モルタルには、NaCl 換算 0.06 %(質量比)まで除塩した海砂を使用した。
4.建具の仕口の組立ては、シート状の成形シール材を挟んで、タッピンねじ止めとした。
答え
3
充填モルタルに使用する砂の塩化物量は、 NaCl換算0.04%(質量比)以下とする。海砂等を使用する場合は除塩する。
1 ◯
アルミニウム製建具に付着した軽い汚れは、水、温湯を付けた布等で拭き取る。油類が付いているときは、 5〜10%エチルアルコールを加えて清掃する。
2 ◯
絶縁用の塗料は、一般の建具では、建具表面に塗装されるものと同一材とする。 JIS H8602(アルミニウム及びアルミニウム合金の陽極酸化塗装複合皮膜)に規定される塗膜は建具表面及び裏面が同時に塗装されるため 絶縁処理も兼ねている。したがって、モルタルに接する箇所の耐アルカリ性塗料塗りを省略できる。
4 ◯
建具の隅の納まりは、一般に素材を仕口の形に合わせて加工し突きつけ、 小ねじ止めとする。突付け部は、漏水防止のため、シーリング材またはシート状の防水材を使用する。
[ No. 41 ]
塗装工事に関する記述として、 最も不適当なものはどれか。
1.亜鉛めっき鋼面の常温乾燥形ふっ素樹脂エナメル塗りにおいて、下塗りに変性エポキシ樹脂プライマーを使用した。
2.せっこうボード面の合成樹脂エマルションペイント塗りにおいて、気温が 20 ℃ であったため、中塗り後 3時間経過してから、次の工程に入った。
3.鉄鋼面の2液形ポリウレタンエナメル塗りにおいて、塗料は所定の可使時間内に使い終える量を混合して使用した。
4.屋外の木質系素地面の木材保護塗料塗りにおいて、原液を水で希釈し、よく撹拌して使用した。
答え
4
木材保護塗料塗りは通常屋外で使用される木質系素地に対して適用される。木材保護塗料は、 原液で使用することを基本とし、希釈はしない。
1 ◯
亜鉛めっき鋼面の常温乾燥形ふっ素樹脂エナメル塗りは、下塗りに 変性エポキシ樹脂プライマーを使用する。 (JASS18)
2 ◯
合成樹脂エマルションペイント塗りでは、各塗装工程の標準工程間隔時間は、気温が 20 ℃ においては 3時間以上である。
3 ◯
2液形ポリウレタンエナメル塗りでは、塗料は所定の 可使時間内に使い切れる量を混合し使用する。
[ No. 42 ]
合成樹脂塗床に関する記述として、 最も不適当なものはどれか。
1.プライマーは、下地の吸込みが激しく塗膜とならない部分には、先に塗ったプライマーの硬化後に再塗布した。
2.エポキシ樹脂のコーティング工法のベースコートは、金ごてで塗り付けた。
3.合成樹脂を配合したパテ材や樹脂モルタルでの下地調整は、プライマーの乾燥後に行った。
4.エポキシ樹脂モルタル塗床で防滑仕上げに使用する骨材は、最終仕上げの1つ前の工程と同時に均一に散布した。
答え
2
コーティング工法は一般に、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂等の樹脂に着色剤、充填剤、溶剤または水、仕上調整剤などの添加剤を配合した低粘度の液体(ベースコート)を ローラーあるいはスプレーにより1〜2回塗布する工法である。(JASS26)
1 ◯
プライマーの吸込みが激しく塗膜を形成しない場合は、全体が硬化した後、 吸込みが止まるまで数回にわたり塗る。
3 ◯
合成樹脂を配合したパテ材や樹脂モルタルで下地調整を行う場合は、プライマーを塗布して 乾燥後に行うのが一般的である。
4 ◯
滑り止めを目的とした仕上げを施す場合、エポキシ樹脂モルタル塗床仕上げは、最終仕上げの 1つ前の工程と同時に砂を散布し、硬化後、 余剰の砂を除去してから最終仕上げを行う。
[ No. 43 ]
壁のせっこうボード張りに関する記述として、 最も不適当なものはどれか。
1.せっこう系接着材による直張り工法において、躯体から仕上がり面までの寸法は厚さ 9.5 mmのボードで20 mm 程度、厚さ 12.5mmのボードで 25mm 程度とする。
2.木製壁下地にせっこうボードを直接張り付ける場合、ボード厚の3倍程度の長さの釘を用いて、釘頭が平らに沈むまで打ち込む。
3.せっこう系接着材による直張り工法において、1回の接着材の塗付け面積は、張り付けるボード 2枚分とする。
4.せっこう系接着材による直張り工法において、一度に練る接着材の量は、1時間以内に使い切れる量とする。
答え
3
直張り工法において、1回の接着材の塗付け面積は、張り付ける ボード1枚分とする。
1 ◯
せっこう系接着材による直張り工法において、躯体から仕上がり面までの寸法は 9.5 mm厚さボードで 20mm程度、 12.5mm厚さボードで 25mm程度を標準とする。(JASS26)
2 ◯
木製壁下地にせっこうボードを釘打ちする場合、 ボード厚の3倍程度の長さを持つ釘で、頭が平らになるまで十分に打ち付ける。
4 ◯
接着材は水で練り合わせて使用するが、練り具合はやや硬めにして、塗りつけた際、だれない程度とする。一度に練る接着材の量は、 1時間以内に使い切れる量とする。
[ No. 44 ]
ALC パネル工事に関する記述として、 最も不適当なものはどれか。
1.外壁パネルと間仕切パネルの取合い部には、幅が 10〜20 mm の伸縮目地を設けた。
2.外壁の縦壁ロッキング構法の横目地は伸縮目地とし、目地幅は 15 mm とした。
3.外壁の縦壁ロッキング構法では、パネル重量をパネル下部の両端に位置する自重受け金物により支持した。
4.間仕切壁のフットプレート構法において、パネル上部の取付けは、面内方向に可動となるように取り付けた。
答え
3
縦壁ロッキング工法は、パネル重量を パネル下部の中央に位置する自重受け金(受けプレート)により支持する構法である。
1 ◯
間仕切パネルの出隅部、入隅部の縦目地及び外壁や柱等とパネルとの間には、 20mm程度の伸縮目地を設けてパネルを取り付ける。(JASS21)
2 ◯
ALCパネルの短辺小口相互の接合部の目地は、伸縮目地とし、 目地幅は 10 mm以上とする。
4 ◯
間仕切壁のフットプレート構法における、パネル上部の取付けは、 面内方向に可動となるように取り付ける。その取付け方法は、間仕切チャンネル、間仕切 L形金物及び定規アングルの3種類の方法による。
[ No. 45 ]
鉄筋コンクリート造の外壁改修工事に関する記述として、 最も不適当なものはどれか。
1.小口タイル張り外壁において、タイル陶片のみの浮きのため、無振動ドリルで浮いているタイルに穿孔して、注入口付アンカーピンニングエポキシ樹脂注入タイル固定工法で改修した。
2. タイル張り外壁において、1箇所あたりの下地モルタルとコンクリートとの浮き面積が 0.2 m 2 だったので、アンカーピンニング部分エポキシ樹脂注入工法で改修した。
3.外壁コンクリートに生じた幅が 1.0 mm を超える挙動しないひび割れは、可とう性エポキシ樹脂を用いた Uカットシール材充填工法で改修した。
4.外壁コンクリートに生じた幅が 0.3 mm の挙動のおそれのあるひび割れは、硬質形エポキシ樹脂を用いた樹脂注入工法で改修した。
答え
4
樹脂注入工法は、ひび割れ幅が0.2mm以上1.0mm以下に適用され、 挙動のおそれのあるひび割れには軟質形エポキシ樹脂、ほとんど挙動のないひび割れには硬質形エポキシ樹脂を用いる。
1 ◯
注入口付アンカーピンイングエポキシ樹脂注入タイル固定工法は、タイル陶片の浮きに適用する唯一の工法で、無振動ドリルの注入口付アンカーピンの開発によって可能となった工法である。タイルの中心に穿孔するので、 小口タイル以上の大きさのタイルの浮きの補修に適した工法である。
2 ◯
アンカーピンニング部分のエポキシ樹脂注入工法は、1箇所の浮き面積が 0.25 m 2
未満の浮きに対する工法である。 1箇所の浮き面積が 0.25 m 2
以上の浮きにはアンカーピンニング全面エポキシ樹脂注入工法を適用する。
3 ◯
ひび割れ幅が 1.0mmを超える挙動しないひび割れは、Uカットシール材充填工法とし、 可とう性エポキシ樹脂を使用する。
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