※ 問題番号[ No.21 ]〜[ No.30 ]までの 10 問題のうちから、 7問題を選択し、解答してください。
[ No.21 ]
乗入れ構台及び荷受け構台の計画に関する記述として、 最も不適当なものはどれか。
1.クラムシェルが作業する乗入れ構台の幅は、ダンプトラック通過時にクラムシェルが旋回して対応する計画とし、8m とした。
2.乗入れ構台の高さは、大引下端が床スラブ上端より 30 cm 上になるようにした。
3.荷受け構台への積載荷重の偏りは、構台全スパンの 60% にわたって荷重が分布するものとした。
4.荷受け構台の作業荷重は、自重と積載荷重の合計の 5%とした。
答え
4
[ 解答解説 ]
1.◯
使用する施工機械、車両、アウトリガーの幅、配置及び動線等により決定する。通常、計画される幅員は、4〜10mである。最小限 1車線で 4m、 2車線で 6m程度は必要である。また、クラムシェルが作業する乗入れ構台の幅は、ダンプトラック通過時にクラムシェルが旋回して対応する計画とし、 8〜10mとする。
2.◯
乗入れ構台の大引下端は、躯体コンクリート打設時に床の均し作業ができるように、 1階スラブ上端より20〜30 cm程度上に設定する。
3.◯
荷受け構台を構成する部材については、積載荷重の偏りを考慮して検討し、通常は構台 全スパンの60%にわたって、積載荷重が分布するものと仮定する。
4.×
荷受け構台の構造計算に用いる作業荷重は、 自重と積載荷重の合計の10%とする。(JASS2)[ 平成26年 問題21 ]
[ No.22 ]
地盤調査及び土質試験に関する記述として、 最も不適当なものはどれか。
1.常時微動測定により、地盤の卓越周期を推定することができる。
2.圧密試験により、砂質土の沈下特性を求めることができる。
3.電気検層(比抵抗検層)により、ボーリング孔近傍の地層の変化を調査することができる。
4.三軸圧縮試験により、粘性土のせん断強度を求めることができる。
答え
2
[ 解答解説 ]
1.◯
常時微動を測定することにより、地震時の地盤の 振動特性を調べることができ、その 地盤の卓越周期を推定することができる。
2.×
圧密試験は 粘性土に荷重を加え、地盤の沈下を解析するために、必要な 沈下特性(沈下量と沈下速度)を測定する試験である。[ 令和元年 問題22 ]
3.◯
電気検層(比抵抗検層)は、ボーリング孔内で地層の電気比抵抗を測定することにより、 地層の厚さや 連続性、 帯水層を把握し、 地層変化を推定することができる。
4.◯
粘性土のせん断強度は、一面せん断試験、一軸圧縮試験、 三軸圧縮試験によって求めることができる。
[ No.23 ]
既製コンクリート杭の施工に関する記述として、 最も不適当なものはどれか。
1.砂質地盤における中掘り工法の場合、先掘り長さを杭径よりも大きくする。
2.現場溶接継手を設ける場合、原則としてアーク溶接とする。
3.現場溶接継手を設ける場合、許容できるルート間隔を4mm 以下とする。
4.PHC 杭の頭部を切断した場合、切断面から 350 mm 程度まではプレストレスが減少しているため、補強を行う必要がある。
答え
1
[ 解答解説 ]
1.×
中堀り工法においては、周囲の地盤を緩めることになるため、掘削中に必要以上に先掘りを行ってはならない。特に、 砂質地盤の場合には緩みがはげしいので、 先端の長さは、杭径以内になるように掘削すを行う。(JASS4)[ 平成23年 問題24 ]
2.◯
既製コンクリート杭に現場溶接継手を設ける場合は、原則として アーク溶接とする。
3.◯
現場溶接継手を設ける場合のルート間隔は 4mm以下とする。(JIS A 7201:2021 既製コンクリートくいの施工標準)なお、ルート間隔とは、ルート面における部材間の間隔のことである。
4.◯
PHC杭(プレテンション方式遠心力高強度プレストレストコンクリート杭)の 杭頭を切断した場合は、切断面からプレストレスが減少しているので、設計図書により 補強を行う。(建築工事監理指針)
[ No.24 ]
鉄筋のガス圧接に関する記述として、 最も不適当なものはどれか。
1.SD345 のD29を手動ガス圧接で接合するために必要となる資格は、日本産業規格(JIS)に基づく技量資格1種である。
2.径の異なる鉄筋のガス圧接部のふくらみの直径は、細い方の径の 1.4 倍以上とする。
3.SD 490 の圧接に用いる加圧器は、上 限圧及び下限圧を設定できる機能を有するものとする。
4.圧接継手において考慮する鉄筋の長さ方向の縮み量は、鉄筋径の 1.0 〜1.5 倍である。
答え
1
[ 解答解説 ]
1.×
SD345の D29を手動ガス圧接で接合するために必要となる資格は、日本産業規格(JIS)に基づく技量資格 2種である。圧接技量資格種別の1種の場合は、作業可能な鉄筋径はD25以下に限られる。[ 平成25年 問題26 ]
1種 径25mm以下、呼び名 D25まで
2種 径32mm以下、呼び名 D32まで
3種 径38mm以下、呼び名 D38まで
4種 径50mm以下、呼び名 D51まで
2.◯
径の異なる鉄筋の ガス圧接部のふくらみの直径は、 細い方の鉄筋径の1.4倍以上とする。
3.◯
SD490の鉄筋を圧接する場合は、鉄筋断面に対して 40MPa以上の加圧能力を有し、 上限圧及び下限圧を設定できる機能を有するものとする。(鉄筋のガス圧接工事標準仕様書:日本鉄筋継手協会)
4.◯
ガス圧接すると鉄筋の長さ方向が縮むので、鉄筋径の 1.0〜1.5倍程度の長さ方向の縮み量を、圧接継手において考慮する。
[ No.25 ]
コンクリートの調合に関する記述として 、最も不適当なものはどれか。
1.AE 剤、AE 減水剤又は高性能AE 減水剤を用いる普通コンクリートについては、調合を定める場合の空気量を 4.5 % とする。
2.構造体強度補正値は、セメントの種類及びコンクリートの打込みから材齢 28日までの期間の予想平均気温の範囲に応じて定める。
3.コンクリートの調合管理強度は、品質基準強度に構造体強度補正値を加えたものである。
4.単位セメント量が過小のコンクリートは、水密性、耐久性が低下するが、ワーカビリティーはよくなる。
答え
4
[ 解答解説 ]
1.◯
JASS5の 寒中コンクリートの項に「使用するコンクリートはAEコンクリートとし、 空気量は特記による。特記の無い場合は、4.5〜5.5%の範囲で定め、工事監理者の承認を受ける。」と規定されている。したがって、AE剤、AE減水剤または高性能AE減水剤を用いる 普通コンクリートについては、調合を定める場合の空気量を 4.5 〜5.5%の範囲で定める。
2.◯
構造体強度補正値は、JASS 5の特記による。特記のない場合は、セメントの種類及びコンクリートの打込みから 材齢28日までの予想平均気温の範囲に応じて定める。
一般的には、構造体強度補正値 28
S 91
0 ≦ θ < 8のとき
6 [ N/mm 2
]
8 ≦ θ
3 [ N/mm 2
]
θ:コンクリート打込みから材齢28日までの期間の予想平均気温
3.◯
コンクリート調合管理強度は、調合強度を管理する場合の基準となる強度で、 品質基準強度(設計基準強度と耐久設計基準強度の大きい方)に構造体強度補正値を加えた値とする。(JASS5)
4.×
単位セメント量は、水和熱及び乾燥収縮によるひび割れを防止する観点から、 できるだけ少なくすることが必要である。しかし、 単位セメント量が過小であると、コンクリートのワーカビリティが悪くなり、型枠内へのコンクリートの充填性の低下、じゃんか、す、打継ぎ部における不具合の発生、水密性の低下等を招きやすい。[ 令和元年 問題28 ]
[ No.26 ]
コンクリートの運搬、打込み及び締固めに関する記述として、 最も不適当なものはどれか。
1.外気温が 25 ℃ を超えていたため、練混ぜ開始から打込み終了までの時間を 90分以内とした。
2.コンクリートの圧送開始前に圧送するモルタルは、型枠内に打ち込まないが、富調合のものとした。
3.コンクリート内部振動機(棒形振動機)による締固めにおいて、加振時間を1箇所当たり60 秒程度とした。
4.同一区画のコンクリート打込み時における打重ねは、先に打ち込まれたコンクリートの再振動可能時間以内に行った。
答え
3
[ 解答解説 ]
1.◯
コンクリートの練混ぜから 打込み終了までの時間の限度は、外気温が 25℃未満で 120分以内、25℃以上で 90分以内とする。(JASS5)
2.◯
コンクリートの圧送に先立ち圧送される先送りモルタルは、 型枠内に打ち込まず破棄する。(公共建築工事標準仕様書)また、先送りモルタルは、セメントの配分を多くした 富調合のものとする。
3.×
コンクリート内部振動機で締め固める場合の 加振時間は、打ち込まれたコンクリートがほぼ水平になり、コンクリート表面にセメントペーストが浮き上がる時間を標準とし、 1箇所5〜15秒の範囲とするのが一般的である。[ 令和元年 問題29 ]
4.◯
同一区画の打込み継続中における打重ね時間は、コールドジョイントを発生させないために、先に打ち込まれたコンクリートの 再振動可能時間以内とする。
[ No.27 ]
鉄骨の溶接に関する記述として、 最も不適当なものはどれか。
1.溶接部の表面割れは、割れの範囲を確認したうえで、その両端から 50mm 以上溶接部を斫り取り、補修溶接した。
2.完全溶込み溶接の突合せ継手における余盛りの高さが 3 mm であったため、グラインダ仕上げを行わなかった。
3.一般に自動溶接と呼ばれているサブマージアーク溶接を行うに当たり、溶接中の状況判断とその対応はオペレータが行った。
4.溶接作業場所の気温が −5℃ を下回っていたため、溶接部より 100 mm の範囲の母材部分を加熱して作業を行った。
答え
4
[ 解答解説 ]
1.◯
溶接部の表面割れの範囲を確認した上で、その 両端から 50mm以上をアークエアガウジングで斫りとって船底型の形状に仕上げ、補修溶接する。
2.◯
余盛りは応力集中を避けるため、過大であったり、ビード表面形状に不整がある場合は、滑らかに仕上げるが、 3mm以下の場合は不陸がなければグラインダ仕上げは不要である。
3.◯
サブマージアーク溶接とは、粉末のフラックスを溶接線状に散布し、その中に溶接ワイヤを 自動送給して行う溶接である。自動溶接であるサブマージアーク溶接を行うに当たっては、溶接中の状況判断とその対応は オペレータが行う必要がある。
4.×
気温が低いと溶接部の冷却速度が速くなり、溶接部に割れが生じやすくなるので、 溶接作業場所の気温が−5℃を下回る場合は、溶接を行ってはならない。なお、溶接作業場所の気温が−5℃から5℃までの場合は、溶接部より100mmの範囲の母材部分を加熱して溶接することができる。[ 平成29年 問題31 ]
[ No.28 ]
鉄骨の建方に関する記述として、 最も不適当なものはどれか。
1.架構の倒壊防止用に使用するワイヤロープは、建入れ直し用に兼用した。
2.建方精度の測定に当たっては、日照による温度の影響を考慮した。
3.梁のフランジを溶接接合、ウェブを高力ボルト接合とする工事現場での混用接合は、原則として高力ボルトを先に締め付け、その後溶接を行った。
4.柱の溶接継手のエレクションピースに使用する仮ボルトは、普通ボルトを使用し、全数締め付けた。
答え
4
[ 解答解説 ]
1.◯
鉄骨の建方時に架構の倒壊防止としてワイヤロープを使用する場合、このワイヤロープを 建入れ直しま用に兼用してよい。(JASS6)
2.◯
建方精度の測定では、日照による温度の影響を避けるために、 早朝の一定時間に行うなどの考慮を払う。また、長時間にわたる場合は気候も変わるので、測定器の温度補正を行わなければならない。
3.◯
ウェブを高力ボルト接合、フランジを工事現場溶接接合とする混用継手は、原則としてウェブの 高力ボルトを先に本締めまで行った後、フランジ溶接を行う。
原則として、高力ボルト接合 → 現場溶接の順番である。
4.×
柱の溶接継手の エレクションピースの仮ボルトは、建方に必要な本数だけが設けられているので、 高力ボルトを使用して全数締め付ける。[ 令和元年 問題31 ]
[ No.29 ]
木造建築物に用いる大断面集成材に関する記述として、 最も不適当なものはどれか。
1.材長 4mの柱材の加工長さは、許容誤差を±3mm とした。
2.集成材にあけるドリフトピンの下孔径は、ドリフトピンの公称軸径に2mm を加えたものとした。
3.集成材にあける標準的なボルト孔の心ずれは、許容誤差を±2mm とした。
4.接合金物にあけるボルト孔の大きさは、ねじの呼びがM16未満の場合は公称軸径に1mm を、M16 以上の場合は 1.5 mmを加えたものとした。
答え
2
[ 解答解説 ]
1.◯
日本集成材工業共同組合では、 材長10m未満の柱材の管理許容差を ±3mmとしている。
2.×
集成材にあける ドリフトピンの孔の径の許容誤差は、特記がなければピン径と同径とする。[ 令和元年 問題32 ]
木造建築物に用いる大断面集成材の許容誤差は下表のとおりである。
3.◯
大断面集成材に設ける標準的なボルト孔の心ずれは、 許容誤差を±2mm以内とする。
4.◯
接合金物のボルトの孔あけ加工の大きさは、ねじの呼びが M16未満の場合は 公称軸径に 1mmを加えたものとし、 M16mm以上の場合は、 1.5mmを加える。(公共建築木造工事標準仕様書)
[ No.30 ]
建設機械に関する記述として、 最も不適当なものはどれか。
1.建設用リフトの定格速度とは、搬器に積載荷重に相当する荷重の荷をのせて上昇させる場合の最高の速度をいう。
2.油圧式トラッククレーンのつり上げ荷重とは、アウトリガーを最大限に張り出し、ジブ長さを最短にし、ジブの傾斜角を最大にした場合のつり上げることができる最大の荷重で示す。
3.最大混合容量 4.5 m 3 のトラックアジテータの最大積載時の総質量は、約 20 t である。
4.ロングスパン工事用エレベーターは、搬器の傾きが 1/8 の勾配を超えた場合、動力を自動的に遮断する装置を設ける。
答え
4
[ 解答解説 ]
1.◯
建設用リフトの定格速度とは、搬器に積載荷重に相当する荷重の荷をのせて上昇させる場合の最高速度をいう。また、建設用リフトの 荷重試験は、建設用リフトに積載荷重の 1.2倍に相当する荷重の荷をのせて、昇降の作動を行う。
2.◯
油圧式トラッククレーンの つり上げ荷重は、アウトリガーを最大限に張り出し、ジブ長さを最短に、傾斜角を最大にしたときに負荷させることができる 最大荷重に、フック等のつり具の質量を含んだつり上げ荷重で示される。
3.◯
トラックアジテータは、トラックシャシの上にミキサー装置を架装したものである。 最大混合容量が 4.5m 3
のミキサー装置には 10tのトラックシャシが使用され、普通コンクリートの重量は、約2.3t/m 3
× 4.5 m 3
= 10.35 t となるので最大積載時の総重量は約 20tとなる
4.×
ロングスパン工事用エレベーターは、 機械自体の傾きが 1/10の勾配を超えると自動停止装置が作動するように設定しなければならない。(エレベーター構造規格第32条)[ 令和元年 問題33 ]
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