※ 問題番号[ No.55 ]〜[ No.60 ]までの6問題は応用能力問題です。 全問題を解答してください。
[ No.55 ]
異形鉄筋の継手及び定着に関する記述として、 不適当なものを2つ選べ。ただし、d は、異形鉄筋の呼び名の数値とする。
1.壁縦筋の配筋間隔が 上下階で異なるため、重ね継手は鉄筋を折り曲げずにあき重ね継手とした。
2.180°フック付き重ね継手としたため、重ね継手の長さはフックの折曲げ開始点間の距離とした。
3.梁主筋を柱にフック付き定着としたため、定着長さは鉄筋末端のフックの全長を含めた長さとした。
4.梁の主筋を重ね継手としたため、隣り合う鉄筋の継手中心位置は、重ね継手長さの 1.0倍ずらした。
5.一般階における四辺固定スラブの下端筋を直線定着としたため、直線定着長さは、10 d 以上、かつ、150 mm 以上とした。
答え
3、4
[ 解答解説 ]
1.◯
上・下階の縦筋の位置が異なるとき等、壁縦筋の配筋間隔が異なる場合は、 あき重ね継手を用いてよく、配筋間隔の異なる鉄筋を無理に曲げることは避ける。
2.◯
180° フック付き重ね継手の長さは、フックの折曲げ開始点間の距離とする。
3.×
梁主筋を柱に フック付き定着する場合の定着長さは、鉄筋末端のフックは定着長さに含まない。[ 令和元年 問題25 ]
4.×
重ね継手は、1箇所に集中(イモ継手)することなく、相互にずらして設けることを原則とする。重ね継手の長さ分をずらすと、継手の端が1箇所に集中し、 コンクリートのひび割れの原因となるので避ける。隣り合う鉄筋の継手中心位置は、重ね継手長さの 約0.5倍または約 1.5倍ずらす。
5.◯
四辺固定スラブの下端筋の直線定着長さは、 10d以上、かつ150mm以上とする。
[ No.56 ]
型枠支保工に関する記述として、 不適当なものを2つ選べ。
1.パイプサポート以外の鋼管を支柱として用いる場合、高さ 2.5m 以内ごとに水平つなぎを2方向に設けなければならない。
2.支柱として用いる鋼管枠は、最上層及び5層以内ごとに水平つなぎを設けなければならない。
3.パイプサポートを2本継いで支柱として用いる場合、継手部は4本以上のボルト又は専用の金具を用いて固定しなければならない。
4.支柱として用いる組立て鋼柱の高さが5mを超える場合、高さ5m以内ごとに水平つなぎを2方向に設けなければならない。
5.支柱として用いる鋼材の許容曲げ応力の値は、その鋼材の降伏強さの値又は引張強さの値の 3/4 の値のうち、いずれか小さい値の 2/3 の値以下としなければならない。
答え
1、4
[ 解答解説 ]
1.×
鋼管(パイプサポートを除く)を支柱として用いるのにあっては。 高さ 2 m以内ごとに水平つなぎを2方向に設け、かつ水平つなぎの変位を防止する。(労働安全衛生規則第242条第六号)
2.◯
「 最上階及び5層以内ごとの箇所において、型枠支保工の側面並びに枠面の方向及び交差筋かいの方向における5枠以内ごとの箇所に、 水平つなぎを設け、かつ、水平つなぎの変位を防止すること。」と定められている。(労働安全衛生規則第242条第八号ロ)
3.◯
パイプサポートを継いで用いるときは、2本までとし、 4本以上のボルトまたは専用の金具を用いて固定する。
4.×
型枠支保工の支柱として用いるパイプサポートの高さが 4mを超える場合、 高さ4m以内ごとに水平つなぎを2方向に設け、かつ変位を防止しなければならない。(労働安全衛生規則第242条第九号)[ 平成27年 問題27 ]
5.◯
支柱として用いる鋼材の許容曲げ応力の値は、その鋼材の 降伏強さの値または引張強さの値の 3/4の値のうち、いずれか小さい値の 2/3の値以下としなければならない。
[ No.57 ]
鉄筋コンクリート造の耐震改修における柱補強工事に関する記述として、 不適当なものを2つ選べ。
1.RC巻き立て補強の溶接閉鎖フープ巻き工法において、フープ筋の継手はフレア溶接とした。
2.RC巻き立て補強の溶接金網巻き工法において、溶接金網相互の接合は重ね継手とした。
3.連続繊維補強工法において、躯体表面を平滑にするための下地処理を行い、隅角部は直角のままとした。
4.鋼板巻き工法において、工場で加工した鋼板を現場で突合せ溶接により一体化した。
5.鋼板巻き工法において、鋼板と既存柱の隙間に硬練りモルタルを手作業で充填した。
答え
3、5
[ 解答解説 ]
1.◯
溶接閉鎖フープ巻き工法のフープ筋の継手は、 溶接長さ片側10d以上または両側5d以上のフレア溶接とする。
2.◯
RC巻き立て補強の溶接金網巻き工法において、溶接金網相互の接合は 重ね継手、ガス圧接継手、機械式継手または溶接継手とする。
3.×
柱の連続繊維補強工法においては、連続繊維シートを精度よく貼り付け、破断を生じにくくするため、躯体表面の凸凹を削り取り、断面修復材や下地調整材等で平滑にし、 柱の隅角部はR状に面取りとする。
4.◯
鋼板巻き工法において、 鋼板は所定の位置にセットして溶接にて固定する。工場で加工した鋼板を現場で突き合わせ溶接等により一体化する。
5.×
鋼板巻き工法において、鋼板とコンクリート躯体間には、 流動性の高いモルタルであるグラウト材をモルタルポンプにて充填する。
[ No.58 ]
屋根保護アスファルト防水工事に関する記述として、 不適当なものを2つ選べ。
1.コンクリート下地のアスファルトプライマーの使用量は、0.2 kg/m 2 とした。
2.出隅及び入隅は、平場部のルーフィング類の張付けに先立ち、幅 150mm のストレッチルーフィングを増張りした。
3.立上り部のアスファルトルーフィング類を張り付けた後、平場部のルーフィング類を150mm 張り重ねた。
4.保護コンクリート内の溶接金網は、線径 6.0 mm、網目寸法 100mm のものを敷設した。
5.保護コンクリートの伸 縮 調 整目地は、パラペット周辺などの立上り際より 600mm 離した位置から割り付けた。
答え
2、3
[ 解答解説 ]
1.◯
屋根保護アスファルト防水工事において、コンクリート下地のアスファルトプライマーの使用量は、 0.2kg/m 2
とする。
2.×
アスファルト防水において、出隅及び入隅ならびに立上りの出隅及び入隅には、平場のルーフィング類の張付けに先立ち、 幅300mm以上のストレッチルーフィングを最下層に増張りする。なお、屋根露出防水の絶縁工法における出隅及び入隅では、幅700mm以上のストレッチルーフィングを用いて、平場へ500mm以上張り掛けて増張りする。(建築工事監理指針)
3.×
立上り部よりも水下側の平場部が下側になるよう、立上り部アスファルトルーフィング類の張付けに 先立ち、平場部のルーフィング類を 100mm以上、張り重ねる。
4.◯
すべての保護コンクリートに、ひび割れを防止するため、 溶接金網を伸縮調整目地間ごとに敷き込み、鉄線径6mmの溶接金網では 1節半以上かつ150mm以上重ね、コンクリート打込み時に動かないように鉄線で結束する。(建築工事監理指針)
5.◯
アスファルト防水工事において、平場部の防水層の保護コンクリートに設ける伸縮調整目地の割付けに継いては、パラペット等の立上り部の 仕上り面から600mm程度とし、中間部は縦横の間隔を 3,000mm程度とする。
[ No.59 ]
鋼製建具工事に関する記述として、 不適当なものを2つ選べ。
1.内部建具の両面フラッシュ戸の見込み部は、上下部を除いた2方を表面板で包んだ。
2.外部建具の両面フラッシュ戸の表面板は、厚さを 0.6mm とした。
3.両面フラッシュ戸の組立てにおいて、中骨は厚さを 1.6mm とし、間隔を 300mm とした。
4.ステンレス鋼板製のくつずりは、表面仕上げをヘアラインとし、厚さを 1.5 mm とした。
5.枠及び戸の取付け精度は、ねじれ、反り、はらみともそれぞれ許容差を、4mm 以内とした。
答え
2、5
[ 解答解説 ]
1.◯
外部に面する戸は、 下部を除き三方の見込み部を表面板で包む。(建築工事監理指針)内部建具の両面フラッシュ戸の見込み部は、上下部の除いた 2方を表面板で包めばよい。
2.×
鋼製建具に使用する戸の表面板の厚さは、特記による。特記がなければ、片開き、親子開き及び両開き戸の1枚の有効開口幅が 950mm、または有効高さが 2,400mmを超える場合そ除き 1.6mmとする。 鋼製軽量建具に使用する戸の表面板の厚さは、 0.6mmとする。
3.◯
鋼製建具の戸において、中骨は 厚さ 1.6mm、間隔 300mmとする。
4.◯
ステンレス鋼板製のくつずりは、 表面仕上げをヘアラインとし、厚さは 1.5mmとする。建具枠は、くつずり、下枠等あとでモルタル充填が困難な部分では、あらかじめ裏面に鉄線等を取り付けてモルタル詰めを行なったのち取り付ける。
5.×
鋼製建具の取付け精度は次の通りとする。
?@枠の対角寸法差は 3mm以内
?A枠及び戸のねじれ、反り、はらみは 2mm以内
?B枠の倒れ(面外、面内とも)は 2mm以内
(建築工事監理指針)
[ No.60 ]
内装改修工事における既存床仕上げ材の撤去及び下地処理に関する記述として、 不適当なものを2つ選べ。ただし、除去する資材は、アスベストを含まないものとする。
1.ビニル床シートは、ダイヤモンドカッターで切断し、スクレーパーを用いて撤去した。
2.磁器質床タイルは、目地をダイヤモンドカッターで縁切りし、電動斫り器具を用いて撤去した。
3.モルタル塗り下地面の既存合成樹脂塗床材の撤去は、下地モルタルを残し、電動斫り器具を用いて下地モルタルの表面から塗床材のみを削り取った。
4.既存合成樹脂塗床面の上に同じ塗床材を塗り重ねるため、接着性を高めるよう、既存仕上げ材の表面を目荒しした。
5.新規仕上げが合成樹脂塗床のため、既存床材撤去後の下地コンクリート面の凹凸部は、エポキシ樹脂モルタルで補修した。
答え
1、3
[ 解答解説 ]
1.×
ビニル床シート、ビニル床タイル、ゴム床タイル等の除去は、 一般のカッター等で切断し、スクレーパー等により他の仕上げ材に損傷を与えないように行う。 ダイヤモンドカッターは用いない。(公共建築改修工事標準仕様書)
2.◯
磁器質床タイルは、張替え部を ダイヤモンドカッターで縁切りし、 タイル片を電動はつり器具により周囲を損傷しないように撤去する。
3.×
合成樹脂塗床材の撤去には、ケレン棒、電動ケレン棒、電動はつり器具、ブラスト機械などを用いる。撤去範囲は、 下地がモルタル塗りの場合はモルタル下地とも、コンクリート下地の場合はコンクリート表面から3mm程度とする。
4.◯
既存合成樹脂塗床材を除去せずに同じ塗床材で塗り重ねる場合は、 既存仕上げ材の表面をディスクサンダー等により目荒しして接着性を高める。
5.◯
下地のコンクリートまたはモルタルの凹凸・段差等は、 サンダー掛けまたはポリマーセメントモルタルの充填等により補修し、コンクリート金ごて仕上げ程度に仕上げる。なお、新規仕上げが合成樹脂塗床の場合は エポキシ樹脂モルタルにより補修する。
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