02節ユニット工事等
20.2.16 カーテン及びカーテンレール
(1) 形状、付属金物等
(ア) 「標仕」20.2.16(1)(ア) では、カーテンのシングル・ダブルの別、片引き・引分け等の形式、開閉操作方法は、特記によるとされている。
(イ) カーテンの開閉形式、開閉機構及び機能による種類は、表20.2.16のとおりである。
表20.2.16 形式、機構等によるカーテンの分類
(ウ) カーテンの生地による分類を、図20.2.17に示す。
図20.2.17 カーテンの生地による分類
(ウ) カーテン等の部分名称を、図20.2.18に示す。
図20.2.18 カーテン等の部分名称
(エ) 「標仕」20.2.16 (1)(ウ) でいう「カーテンが別途工事の場合」とは、カーテンは後で別途に取り付けられるが、工事ではカーテンレールだけを発注する場合で、レールの取付け(ランナーを含む。)だけが発注された工事という意味である。
その場合、レール1m当たり8個のランナーを取り付ける。
(2) 材 料
(ア) 生地
(a) カーテン用生地の品質、柄、色合等を特記仕様書だけで正確に表現することは困難であるため、生地の色見本を提出させ、必要に応じて設計担当者と打ち合わせて確認する。
なお、ホルムアルデヒド放散量に関しては、関係業界団体等が自主基準を作成し、これに基づきホルムアルデヒド発散等級を表示しているものもある。
(b) 防炎加工
?@ カーテン用生地は、「標仕」20.2.16(2)(ア) では、全て消防法第8条の3(高層建築物、地下街等に使用する防炎対象物品の防炎性能)に定める防炎性能の表示があるものと規定しているため、誤りのないようにする。
?A 防炎加工の施されていない生地を指定し、後から防炎加工を行うと変色したり、色合が変わったりすることがあるため注意する。
?B 防炎加工は、生地の製造業者が直接行うものと、加工業者が行うものとがあるが、いずれも消防法による加工資格のある者が加工したものとし、製品には全て防炎ラベルを付けるように規定されている。
(イ) カーテンレール及びその付属金物
(a) カーテンレールは、「標仕」20.2.16(2)(イ) で、JIS A 4802(カーテンレール(金属製))に基づき、レール及びブラケットの強さによる区分、レールの材料による区分は特記による。特記がなければ、レール及びブラケットの強さによる区分は10-90、レールの材料による区分はアルミニウム及びアルミニウム合金の押出し成型材とすると規定している。カーテンレールの構成部品等の例を図20.2.19に示す。
手動ひも引きシングルセット
図20.2.19 カーテンレールの構成部品等の例
(b) 市販されているカーテンレールの断面形状及び取付け方法には、図20.2.20のようなものがある。
図20.2.20 カーテンレールの断面形状及び取付け方法の例
(c) JIS A 4802に定められている強さによる区分を、表20.2.17に示す。
表20.2.17 レール及びブラケットの区分(JIS A 4802 : 2008)
(3) 工法
(ア) カーテンの加工仕上げ
(a) カーテンの寸法
?@ カーテン用生地幅は、1m及び1.5mが標準である。生地の幅使いは、ひだの種類によって、違ってくるため、「標仕」表20.2.1では、取付け幅に対する倍数を規定している。
「標仕」20.2.16(3)(ア) (a)では、カーテンの位置、形状により、使用できる生地の半幅未満の例外規定を設けているが、特に小さい窓幅の場合等、ひだの種類により生地の割付け長さと取付け幅が合わない場合や、カーテンレール及びカーテンボックスの長さの調整又は端部の隣り合う生地の模様を合わせるなどの場合は注意が必要である。
?A 通常用いられるひだの形状は、図20.2.21のようなものがある。
図20.2.21 ひだの形状
?B ひだの作り方は、通常次のとおりである。
1) 厚地(ドレープ):片ひだ、二つ山ひだ、三つ山ひだ
2) 薄物:箱ひだ(豪華に見せるため)
3) ケースメント:プレーンひだ
4) レース
・レースカーテンを単独で使用する場合:三つ山ひだ(美しく見せるため)
・ドレープカーテンと併用する場合:箱ひだとし、上端を押えミシン掛けする(図20.2.22参照)。
5) 暗幕用カーテン:片ひだ、二つ山ひだ
図20.2.22 レースカーテンの箱ひだ
(b) 幅継ぎ加工の方法を、図20.2.23及び図20.2.24に示す。
?@ レースカーテンの幅継ぎ
図20.2.23 インターロックミシンでの縫い方
?A 厚地カーテン及び暗幕用カーテンの幅継ぎ
図20.2.24 袋縫い〈くるみ縫い〉
(c) 縁加工
?@ 上端の縫い方は、カーテンのポイントであるといわれている。芯地を入れて、通常は図20.2.25のように縫う。
折返しにはフックを差し込むため、フックの長さによって折返しの長さを変える。短いフックの場合は30〜40mm、長いフックの場合は60〜100mm位である。通常使われているフックは、50〜75mm程度のものである。
図20.2.25 カーテン縁加工
?A 両脇及びすそのふせ縫いは、表20.2.18のとおりである。
表20.2.18 ふせ縫い
(d) タッセルバンド
フレンジ(縁飾り)を付けたものには、既製のバンドを取り付けるが、その他のカーテンには、カーテンと共布で作ったものを取り付ける。
タッセルバンドの標準的なものは、図20.2.26のようなものであり、そのほかにも豪華な装飾的なものもある。
図20.2.26 タッセルバンド
(イ) カーテンレール
(a) 引分けカーテンでレールが1本の場合は、交差ランナーを用いないと召合せが取れなくなる。また、暗幕カーテンを用いる場合は、2本のレールを300mm以上交差させることで十分な召合せが取れ、光漏れを防ぐことができる(図 20.2.19参照)。
(b) カーテンをひも引きにする場合、ランナーにひもが絡まり開閉に支障を来すことがあるが、テンションプーリー(ひも留め)を用いると支障なく操作できる(図20.2.19参照)。
(c) 壁付きの装飾的なカーテンレール等を取り付けることが想定される場合には、取付け用の下地補強を行う。
(d) 中間吊りレール(H型)は、固定吊り棒又は伸縮吊り棒を用いて取り付ける。伸縮吊り棒を用いる場合は、振れ止め防止のため、必要に応じて2本吊り(V 字型)にして取り付ける(図20.2.19参照)。
(ウ) ひも掛け金物は、ひも引きカーテンのひもを留めるためのものである。
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