◆◆5章 鉄筋工事 配筋検査◆◆
鉄筋コンクリート造において
品質問題として発生しやすいものに
鉄筋工事がある。
鉄筋の種類の間違い、本数の間違い、
かぶり厚さの不足
どれをとっても、
構造計算との不整合 → 構造耐力が確保できない
建築基準法違反などとなり
品質上重要な問題となる。
なので、何重にもチェックを行う必要がある。
まずは、鉄筋業者自身がチェックを行い、
次に、作業所がチェックを行い
これで問題がないという状態で、
建築主の立場で、工事監理者の検査が行われる。
工事監理者がチェックを行う場合においては、
普通は、全てがおさまっている状態である。
しかし、人間が行なうことなので、
間違いは発生する。
それらを解消した上で、特定の工程では
官庁検査がある。
?@鉄筋工事 専門業者
?A作業所
?B工事監理者
場合によっては、建築主が別に依頼する
第三者がはいるケースがある。
[ 官庁による特定工程の検査 ]
その際のチェックポイントは以下の4点。
鉄筋の種類
継手、定着の方法
圧接、溶接継手の引張試験結果、UT試験結果
配筋検査
鉄筋の種類はミルシート(材料証明証)及び出荷証明書により確認する。
種類、使用箇所が設計図どおりのものであるか。
継手、定着の方法は、
打設するコンクリートの強度と鉄筋の種類、及び部位によってことなるので、
それぞれ整理しておく必要がある。(L1、L2等・・)
通常、柱や梁は圧接継手を行う場合が多い。
鉄筋等の試験は、
これもまずはミルシートで確認する。
材料の成分は規定のものであるか?
圧接継手を行う場合は、
圧接部の外観検査、超音波探傷(UT)試験、引張試験などの結果も合わせて確認する。
そのロット割り、及び本数は設計図書による。
通常は、1ロットあたり3本。
CB溶接継手などでA級継手になるものは,
引張り試験及びUT試験の両方が必要である。
その他、機械式継手を行う場合や、通常の溶接技量を超える場合の
溶接継手を行う場合などは施工前試験などが必要になるので注意する。
書類上の確認が終わって、ようやく、現場にての配筋検査になる。
配筋検査で主に確認する内容を以下に示す。
・鉄筋の種類・径・・・・圧延マーク、ノギス等
・加工寸法・・・・・・・スケールによる
・本数・・・・・・・・・目視
・組立精度・位置・間隔・スケール及び目視
・かぶり厚さ
・継手及び定着の位置・長さ
・鉄筋相互のあき
・スペーサー及びバーサポートの材質・配置、数量
・鉄筋の固定度
日本建築学会の
鉄筋コンクリート造配筋指針・同解説
は必携の書籍である。
配筋時の鉄筋の名称や標準的な配筋要領が不明な場合には
つねに見返して理解する必要がある。
下記に示す「配筋検査のつぼ」は、
上記指針・同解説の巻末の配筋標準図をまとめたのもである。
01. 一般事項
加工上の共通事項
03. 継手および定着
04. かぶり厚さ
05. 基礎
06. 基礎梁
07. 柱
08. 大梁
09. 小梁・片持梁
10. スラブ
11. 壁
12. 床板及び非耐力壁内壁の開口補強
13. 柱,梁,壁,スラブ打増し部配筋要領