10/22(日)に衆議院議員選挙が迫っています。また私のオフィスがある神戸市でも市長選挙と市議会議員の補欠選挙が行われます。まさに世は政治の季節。特に今回は衆議院議会解散の手続きや理由も曖昧なら、この機会に乗じて政党同士の合併や分裂、はたまた新党の設立など、たった2週間という短い期間での選挙戦で今後の日本の方向性が決まってしまうという日本特有の政治システムに我々は右往左往させられています。また、文化や教育、経済システムなど、外国人には理解しづらい日本の仕組みや価値観の中で、日本人にとって最も説明が難しい分野が「政治」特に「政党政治」であると思います。
また、日本に住んでいると政治や選挙について積極的に議論することは比較的少ないように思います。大昔に読んだ日本人著者の外国人に対するマナーの本では、「外国のパーティでは政治と宗教の話はタブー」と書いてありました。ところがどっこい、少なくとも欧米ではこれはかなり眉唾ものでした。さすがにいまや無神論者が多数を占めている欧米諸国で、宗教に関して話すことは少なかったと思いますが、政治や政策に関して知人や他人と話すことは、私の場合はかなり多かったように思います。私が「公共政策」を専攻分野として、政治経済専門の大学院で勉強していたということを多少割り引いても、政治の話は日常生活の一部でした。何故なら、この手の質問を多く受けたのが、私が初めて語学留学の為に訪れた米国での話だったからです(大学院で公共政策について勉強することになったのはそれからずっと後のことです)。この時の私は手っ取り早く英語を身に付けるためにアメリカに渡り、何とか英語を操れるようになったところで、飛行機の周遊券を手に1カ月で全米の主要都市を回るという旅に出ました。一般的な旅行と違ったのはこの時、YMCA International Student Serviceという非営利団体にお世話になり、旅の大半はいろんな都市の家庭で2-3日滞在するという交流プログラムを使ったことです。この時各家庭から様々な形の歓待を受け、その地域の自慢の場所に連れて行ってもらったり、コンサートなどのイベントに一緒に行くなど、大いに米国各州の文化を楽しみました。また、夕食時にはご家族の方に日本の様々な制度、教育、経済、社会保障、文化等について説明し、当然それらを決定する政治の仕組み、行政の在り方にもご家族から質問が飛んできました。更に興味深かったのが、その後も様々な形で訪問した欧米の各家庭ではティーンエージャーのお子さんも議論の輪に加わっていたことです。両親も子ども扱いはせず、政治の話をするのは家庭でも、はたまたパブやカフェでも「あたりまえ」のことでした。
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また欧米諸国の議論の場では、予定調和や忖度というものは少なく(ゼロではありません)、基本的に政治というのは利害関係の対立、イデオロギーの違いを乗り越える場であることを参加者全員が意識しています。実は多くの日本人は気が付いていませんが、日本の選挙のあり方(告知や選挙活動等)は世界で最も規制が厳しい分野と言われています。IT時代における白々しいTVの政見放送や選挙カーでの名前の連呼など、有権者本位とは言えない選挙活動の在り方も今後は改革を求められる分野だと言えます。
以下、議論の参考になるような記事へのリンクを貼りました。
The Enigma of Japanese Politics
https://thediplomat.com/2017/07/the-enigma-of-japanese-politics/
Yuriko Koike’s New Party: A Real Game-Changer for Japanese Politics?
https://thediplomat.com/2017/09/yuriko-koikes-new-party-a-real-game-changer-for-japanese-politics/
The Death of Liberalism in Japan
https://www.nytimes.com/2017/10/15/opinion/liberalism-japan-election.html
たいへん難しいテーマですが、皆さんの活発な議論を期待しています。
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