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日曜京都〜第156回天皇賞・秋(G?T)

いろいろな意味で未知数が多い競馬。こういうG?Tレースも、特に古馬の、しかも天皇賞だけに珍しい。まずは馬場がどの程度悪化するのか。2週連続で台風の影響を受けるという稀有な開催だが、府中の場合、ちょっとやそっとの雨では簡単には馬場の悪化はない。しかし先週の極悪馬場で早々と、芝コースはかなり時計がかかっている印象がある。

有力馬は休み明けが多い。人気のキタサンブラック(父ブラックタイド)をはじめ、宝塚記念と香港ヴァーズを勝っているサトノクラウン(父マルジュ)、同じく香港の、しかしこちらは春のQE?UCを勝ったネオリアリズム(父ネオユニヴァース)、そして世代のレベルには疑問符がつくようになった4歳世代のレインボーライン(父ステイゴールド)とシャケトラ(父マンハッタンカフェ)はいずれも休み明け。

毎日王冠を勝っていたらいたら、もしかしたら天皇賞でも・・・と思われた3歳牝馬ソウルスターリング(父フランケル)が巻き返すのか、その毎日王冠を鮮やかに差し切ったリアルスティールら、ディープインパクト産駒勢は苦手とされる道悪の天皇賞でどうかなど、いつにもまして不確定要素が多い。それだけに楽しい天皇賞にはなる。

ロードヴァンドール(父ダイワメジャー)が行ってキタサンが続く流れなら、それほど前は速くならない。直線が長くて有力馬がひしめく天皇賞は、意外とみな仕掛けを待つ心理が働くため、上がりを要する府中の芝2000mならキタサンブラックが圧倒的に有利かに思える。

が、今年の春の天皇賞で好走した組を見てみると、勝ったキタサンブラック自身宝塚記念ではまったくいいところなく敗れ、天皇賞2着のシュヴァルグランも同大敗。そして先日の凱旋門賞で大敗したサトノダイヤモンドと、天皇賞以降はみな判で押したように惨憺たる内容を繰り返している。結果云々の問題ではなく、内容が悪すぎる。

秋の天皇賞が猛ラップになってとてつもなく速い時計で決着したところで大きな問題にはならない。しかし淀外回り2周を猛時計で走破する代償は、ここまでは大きい。王者キタサンブラックには立ち直ってほしい思いも正直あるが、馬券のほうは、今回は軽視したい。

中心は戸崎騎手のステファノスにした。ディープインパクト産駒でありながら道悪はそこまで苦にしない。それどころか、お母さんの系統はクロフネ、ゴールドティアラという血統だけにパワーあふれる配合で、むしろ力の要る馬場は歓迎の可能性もある。良馬場で少し足りないところがあるだけになおさら。距離はベスト・・・6歳馬ステファノスにとって、もしかしたらここがラストチャンスになるかもしれない。

相手は狙って、まったく人気のない最内枠のサクラアンプルール(父キングカメハメハ)も狙いたい。道悪実績には乏しいが、良の高速決着の天皇賞ではまず目がない。雨はむしろプラスにとりたい。秋の天皇賞を勝ったサクラチトセオー、女王杯を幸運に恵まれて勝ったサクラキャンドルを輩出したサクラクレアーの一族。あまりに悪くなって内が壊滅的な状態になるとさすがに厳しいが、そこは蛯名騎手の手腕に託したい。

単穴は、こちらもあまり人気はないがネオリアリズムのほう。デビュー戦こそ取り消しの影響からか大敗したが、鉄砲実績もある。何しろ重巧者。一発の期待は大きい。そして同じく堀厩舎でこちらは人気のサトノクラウン。実力的には最右翼だろう。あとは4歳世代の2頭、レインボーラインとシャケトラ。天皇賞組ながら宝塚記念で掲示板に載った点は素直に評価したい。距離ベストで左回り巧者のヤマカツエース(父キングカメハメハ)あたりまでは押さえたい。

注目のソウルスターリングは、稍重以上に重く感じられた桜花賞の内容を見る限り、道悪は割り引かざるを得ないか。少々の道悪でも本命予定だったサトノアラジンも、あれだけキレる脚をつかうとさすがに大雨ではマイナス。グレーターロンドンは、道悪自体は歓迎のクチだが距離がおそらく持たないのではないか。リアルスティールは、シュミノー云々の問題ではなく、テン乗りが難しいタイプに思われるし、古馬になってから連続して好走した試しがないのが気になる。

◎ ステファノス
○ サクラアンプルール
▲ ネオリアリズム
△ サトノクラウン、レインボーライン、サトノアラジン、ヤマカツエース、シャケトラ

日曜京都〜第78回菊花賞(G?T)

金曜夜の時点では「稍重」の発表にとどまっているが、明日以降もおそらく雨、菊花賞当日まで雨は続きそうで、しかも雨脚は時間とともに強まりそうだから、いくら速い京都の馬場とはいっても、水が浮くようなタフなコースになる。今年は酷な淀外回りの芝3000mになる。

しかも、久々のG?T制覇を狙う「父ステイゴールド、母の父メジロマックイーン」の血統背景が強みのウインガナドルが逃げ宣言をしている。おそらく津村騎手も私たちファンも想定していなかった人気に祭り上げられそうだから、本気で逃げるなら「大逃げ」の可能性もある。そうなると、本気で勝ちにいく馬たちにとって相当キツいレースが待っていることになる。

近年菊花賞とはいっても、BMSがサクラバクシンオーであるキタサンブラックが勝つなど、はっきりいって今のスピード競馬に距離など関係なく、スピードさえあれば日本の3000m戦はどうにかなってしまう印象がある。先日の凱旋門賞を見てもわかるとおり、競馬の質自体がまったく異なる。事実キタサンブラックは、従来の「ステイヤー」のタイプではなく、完全なスピード馬だ。

しかし今年の菊花賞は違う。もう日本にほとんど残っていない「ステイヤータイプ(血統)の馬」が浮上するレースにどうやらなりそう。昨日まで本命を予定していたウインガナドルも、血統が示す通り、まさにそのタイプである。しかし、明らかに輸送減りを意識した手ぬるい追い切りと想定以上に売れてしまいそうなこともあり、評価を下げる。

いや、別に本命馬が人気でもよいのだが、大きな実績がない逃げ馬が大舞台で不当に人気を着せられてしまうことほど不都合な話はない。7番人気くらいなら本命に復活させたい気もするが・・・

春からずっと期待してみてきたダンビュライト(父ルーラーシップ)も、少しかかるところがあるだけに外枠は残念。いや、ウインガナドルが行ってレースが流れるなら、反応が鈍いこの馬はむしろ外枠で流れに乗れたほうがよいのだが、かなりの道悪が想定されるだけに、前半折り合わなかったときにあえて内に入れる選択を果たして武豊騎手がチョイスするかどうか、非常に難しい・・・要するに、どう条件が転んでも買いづらい馬であり、だからこその「1勝馬」なのだろう。

中心は、藤岡兄が乗るクリンチャー(父ディープスカイ)にした。藤岡兄は、まあいろいろ言われるジョッキーだが、大方の評価のとおり、決して「うまい騎手」ではない。皐月賞のようにまったくの人気薄では、気楽な立場だからこそペースを無視した思い切った騎乗で「あわや」のシーンを演出することができた。

しかしせっかく(結果的にせよ)好騎乗となった皐月賞で権利を得たのに、ダービーではいつもの弱気(ともとれる)の騎乗が出てしまい、大チャンスを逸した。勝負所で好位のインをキープしなければ勝負にならないダービーで、まるで皐月賞の藤岡騎手のような出し抜けを見せたのが、レイデオロのルメールだった・・・

あのダービーを見ても何も感じていないようなら、今後藤岡騎手がビッグタイトルを手にすることはない。大幅に馬体を増やした前走を大敗して、今回は再び人気薄のはず。藤岡騎手も立場的には気楽に乗れるに違いない。あえていうが、ダービーの「失敗」を取り戻すにはここしかない。

今年は血統が左右しそうな菊花賞。父ディープスカイは「ダービー馬」というよりは、「NHKマイルを勝って伝説となったあの天皇賞秋を3着したマイラー」のイメージもあるが、お母さんの系統は非常に重厚な配合で、イメージ以上にステイヤー血統である。実はこのクリンチャー、「リボー6×5」の血を持つ。気がつくところでは、今年の菊花賞でリボーのクロスを持つのはこのクリンチャーだけ。

お父さんのディープスカイも、ベースはスピードあふれるマイラーだったが、どこか重苦しいところがあり、それが道悪のダービー制覇につながったその印象こそ、リボー系特有のものだったような気もする。

単穴には、ステイゴールド、ロベルト、そしてリボーと、これでもかというくらい重厚な血が重ねられたマイネルヴンシュの一発に期待したい。押さえは当然ダンビュライト、キセキ、意外と重厚な血の皐月賞馬アルアイン、血統だけでいえばクリンチャー、マイネルに並ぶくらい重厚な休み明けのプレスジャーニー、個人的に大好きだったツィンクルブライド(あのオグリローマンの桜花賞の2着馬)の孫にあたるミッキースワローまで押さえる。

久々に昔のような「過酷な菊花賞」でも、たまにはよいのではないだろうか。

◎ クリンチャー
○ ウインガナドル
▲ マイネルヴンシュ
△ ダンビュライト、キセキ、ミッキースワロー、プレスジャーニー、アルアイン

日曜京都〜第22回秋華賞(G?T)

非常に楽しみなレースだが、今年はクロフネ産駒の芦毛アエロリットをはじめ、不安定な3歳牝馬とはいえ信頼に足りそうな馬が多く、秋華賞にしては平穏か・・・に思われたが、しかしここに来ての「雨」は、ただでさえ難しい秋華賞をさらに難しくする意味では大歓迎である。

安定感抜群のアエロリットは、ここまで7戦して掲示板を外したことがない。というか、G?TのNHKマイルCと古馬撃破のG?VクイーンCの2重賞を含め[3.3.0.1]の絶対的安定感を誇る。しかし唯一の「着外1」は、発表の稍重以上に馬場が重かった印象もある桜花賞の5着、イメージ的にはあまりよくない。

しかし個人の見解でいうなら、当時はまだまだ成長途上の段階だったことが桜花賞5着の理由だと思う。同世代の牝馬限定戦を3回も取りこぼしていた時期である。桜花賞も人気薄ながら小差5着だけに、その後の成長から、アエロリットの評価を下げることは絶対にできない(超小回り京都内回りの最内枠は気になるところだが)。

アエロリットは確固たる中心ととらえたい。しかしアエロリットを負かすことができる馬がいないかといえば、そんなこともなさそうな気がする。たとえば前回トライアルのローズSでアッと言わせたラビットラン(父タピット)はその筆頭だろうし、不器用そうな見た目のイメージとは異なり、コーナリングは素晴らしくうまいファンディーナ(父ディープインパクト)も、ポテンシャルでは負けていないはず。

アエロリットの素晴らしい安定感の根拠となるのが、器用な先行力、良い意味で軽快なスピードにある。おそらく本番は稍重〜重くらいにとどまると思うが、このトリッキーコースで前につけない手はない。おそらく圧倒的人気にある。アエロリットをマークするライバルのチェックも当然厳しくなる。

たとえばラビットランの和田騎手は、テイエムオペラオーでこれでもかというほど中央G?Tを勝ちまくったのに、その後G?Tでは不思議なくらい勝ち運に恵まれていないのは、和田騎手の(ほんとうは)マジメな性格が逆に災いしてきたことが原因である気がする。技量の問題ではなく、性格の問題、つまり勝負師としては素直すぎる性格が邪魔をしていた気がしないでもない。

アエロリットから離れた位置で競馬できるラビットランにとって、今回は大チャンスである。しかし和田騎手の生真面目な性格、そして圧倒的に前が有利なコース設定を考えると、前回のような気楽な立場で競馬できなくなるおそれもあると思う・・・中心は、大外枠に入ったカリビアンゴールド(父ステイゴールド)とベテラン田中勝春騎手のコンビにした。

ふつうで考えたら、勝率が半減以下になってしまうはずの京都内回り芝2000mの「大外枠」である。先に行く馬も多く、カリビアンゴールド自身も本来であれば先に行かなければならないが、内から各馬殺到のレースだから、先行争いに加わりたいと考えるのであれば、この枠では絶対的不利が生じる。

大ベテランとなった田中勝春騎手は、中央に転入してきた岩田騎手のお手馬ヴィクトリーを駆って、クラシック初制覇となる皐月賞を優勝し、「先生からは岩田君みたいに乗ってくれって言われましたー」とインタビューで答え、大観衆を笑わせたハートの持ち主。当時すでに中堅〜ベテランの域に達していたが、そういったいい意味での「ゆとり」が勝春ジョッキーの持ち味。

もちろんこれまではそのゆとりがずいぶん自身の足を引っ張ってきたのも事実だが、今回はそれがプラスを生みそうな気がする。「エネイブルとその他」くらいの力差が、もしかしたら今年「アエロリットとその他」と同等であるかもしれないが、だからこそ、ひとクセある人馬の大駆けに期待したい。

そしてもう1頭、アエロリットを負かす可能性があるという意味で注目したいのが、ディープインパクト産駒でもファンディーナではなく、今回おそらくペースを握るはずのカワキタエンカのほう。道悪が不得意な印象があるディープ産駒でも、牝系が重厚な一族で母の父クロフネのカワキタエンカはおそらく道悪も大丈夫なのではないか。

それより何より、人気で最内枠のアエロリットの横山典弘騎手がどう乗るか・・・これがまたこのレースを格段におもしろくしている。ふつうなら、内で包まれたくない立場だけにだれがどう考えても番手にはまると思いきや、このジョッキーの読みは深い。もしかしたら、「包まれるリスク<秋華賞特有の急流に飲まれるリスク」の不等式が大ベテランの脳裏に確信とともに刻まれているかもしれない。

横山騎手は、割と平気でリスクを冒す騎手である。そのひと筋縄でいかない騎乗理念がここまでの大ジョッキーへと押し上げた。安藤元騎手とともに、一番勝ちにこだわるジョッキーである。もし横山典弘・アエロリットが中団あたりを涼しい顔で進んでいたとすると・・・カワキタエンカの残り目は十分である。

当然強引にまくる岩田・ファンディーナの巻き返し、そして力つけたルメール・ディアドラ、安定感ある武豊・リスグラシュー、展開が味方する可能性もある田辺・ハローユニコーンは大穴で少し買いたい。

デムーロ・モズカッチャンも、ソウルスターリングがいないここではオークス最先着だが、人馬とも京都内回り向きとは思えないので今回は軽視する。みなさんにはぜひ買っていただきたい。

◎ カリビアンゴールド
○ アエロリット
▲ カワキタエンカ
△ ラビットラン、ファンディーナ、リスグラシュー、ハローユニコーン、ディアドラ
重注 レーヌミノル

凱旋門賞観戦記

個人的に応援し、馬券でも本命にした4歳サトノダイヤモンドは、緒戦のフォワ賞の内容からも苦戦が予測されたが、大方の予想通り、そしてこれまでの日本馬の多くが経験したように、残念ながら15着と大敗した。

2着のクロスザスターズ、3着ユリシーズなど、例年なら凱旋門賞馬と呼んで恥ずかしくないレベルの、今年は非常にハイレベルのレースだったように思う。優勝した3歳牝馬エネイブルにはどう転んだって勝てなかったとは思うものの、サトノダイヤモンドが本来の力を出せていたなら、クロスザスターズあたりとは好勝負だったようにも思う。

では、サトノダイヤモンドはなぜ本来の力を出せなかったのか・・・
広く言われた「馬場」が敗因だったのだろうか?確かに馬場もその一因であったことを、私は否定しない。しかし馬場だけ(つまりディープインパクト産駒だからとかステイゴールド産駒でないからとかオルフェーヴルでないからとかいうワケのわからん理由)ではないとも感じている。

池江調教師は「万全に近い状態でレースに臨むことができた」とコメントしていた。これは事実なのだろう。しかしこのコメントにサトノダイヤモンドの敗因の多くが込められているようにも私には感じられる。

2年続けて果敢にチャレンジしたオルフェーヴルのときは、だれがどう見ても「究極の仕上がり」だった。2年目はキズナに騎乗した武豊騎手からみても「オルフェーヴルはまったく隙がなかった。負かすことが難しく感じられた。1頭だけ違う雰囲気だった」とコメントしていた。

サトノダイヤモンドは師のコメントどおり「万全に近いデキ」ではあったのだろう。しかしこれは、「万全には仕上がらなかった(仕上げられなかった)」ことも同時に意味する。ここに師の真意と敗因の大きなヒントが隠されている。

確かに馬場が合わないとかディープ産駒だからとか、そういう要素もゼロではない。それにしても、サトノダイヤモンドがあんなに負けるか?というのが率直な印象である。フォワ賞があの競馬だから本番だって大敗は見えていた、というのもわかる。問題は、なぜフォワ賞があんな競馬になってしまったのか、のほうにある。

実際馬場だけに着目すれば、重馬場とはいえ2分28秒そこそこなら、本来のサトノダイヤモンドが大敗する時計ではない。オルフェーヴルの最初の年、ソレミアの勝ち時計は2分38秒近くである・・・明らかにサトノダイヤモンドの体調に問題があったと考えるのが自然だと思う。

事実「喘鳴」の兆候もあったという。いわれてみればそんな負け方だな、とも感じた。とすると、帰国してからもかなり心配な状況であることを意味する。競走馬生命にかかわる問題である。それだけあの春の天皇賞が過酷なレースだったということにもなる。そして、残念ながらサトノダイヤモンドには深刻なダメージが及んでいることにもなる。

すべては私の憶測にすぎない。こういうことだけは的中しないことを祈りたい。


それともう1つ感じたこと。オルフェーヴルファンのことである。
私もオルフェーヴルの大ファンである。オルフェーヴルのことならたいていの人に語り負けないくらい、ひと晩中語りあかせるくらいのレベルのコアなファンであると自負している。

凱旋門賞のたびに、敗れはしたがオルフェーヴルの雄姿に想いを馳せる気持ちはよくわかる。実際私だって毎年そうである。今年だってそうだ。忘れたくたって忘れられるものではない。オルフェーヴルの凱旋門賞は、いつにもましてほんとうに輝いていた。

どうもここ数年気になっていた。オルフェーヴルが2着に敗れて以降、ハープスター、ジャスタウェイ、ゴールドシップ、マカヒキ、そしてサトノダイヤモンド、サトノノブレスの6頭すべてが、着順はともかく内容的には全然相手にしてもらえなかった。

しかしそうした敗戦を見て、相対的に「オルフェーヴルはすごかった」という意見は、私にはどうも納得いかないロジックである。オルフェーヴルが勝っていたならまだしも、オルフェーヴルだって上記6頭とまったく同じ「敗者」である。オルフェーヴルはどこか勝利に執着しないというか、自分からちゃぶ台をひっくり返してしまうところも確かにあったけれど、どんなに素晴らしい走りを見せたとしても、負けは負けなのだ。

だから想像を絶するリスクを知りながらも果敢にチャレンジし、敗者となったチャレンジャーを見て、オルフェーヴルのすごさを再確認するロジックは、少なくとも私の思考回路では成立しえないのである。

もっと言えば、たとえマカヒキが2着に大健闘しようがサトノダイヤモンドが優勝しようが、そんなこととは無関係に、「オルフェーヴルがすごい」ことなんて、当たり前すぎる事実である。オルフェーヴルが負けたレースでわざわざ引っ張り出して、「あなたはすごかった!」などといったところで、あのオルフェーヴルが喜ぶはずがないのだ。

いくらナショナリズム欠如の進行に歯止めがかからないこのご時世ではあっても、競馬にナショナリズムを反映させるほど私はバカではないつもりでいる。ただ、どんなに頑張っても、過去の名馬は過去の自分を超えることなど絶対にできないのである。

だからこそ、応援していた名馬の産駒に夢の続きを託すことや、その名馬が果たせなかった夢に再び挑むチャレンジャーを応援することに価値を見いだせるというものだと、少なくとも私は考えている。

ここ数年、「オルフェーヴルが勝てなかったんだから、勝てるはずがない」の理屈が、結果は別にして、正当にまかりとおっていることがどうにも気になるのだ。そして、チャレンジャーが負けるたびに「やっぱりオルフェーヴルはすごかった」というオルフェーヴルファンの声が聞こえてくることにも。

日曜東京〜第68回毎日王冠(G?U)

10月に入り東京、京都の連続開催の開幕週、いよいよ秋のG?Tシリーズが開幕する。日本でも馬券を買えるようになった凱旋門賞がスプリンターズSの裏開催として行われるスケジュールの関係からも、ほんとうにここから有馬記念までノンストップで駆け抜けるというところまで、今年もどうにかたどり着いた。

東京は毎日王冠、京都は京都大賞典、おなじみのG?U2鞍が今週のメイン。しかし京都大賞典は月曜日に組まれるようになったから、まあJRAさんはそっちのほうが儲かるのだろうが、毎日王冠にしろ京都大賞典にしろ歴史に残る競馬が周期的に行われるだけに、気分的には盛り上がりが半分になってしまう。

時期的な、そして気分的な理由と、もしかしたら有馬記念やジャパンC以上の「秋のビッグレース」と考えるファンも多いかもしれないという理由で、先日の「凱旋門賞」を少し振り返りたい。

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はい、この部分は「凱旋門賞観戦記」の記事を読んでくださいねーーーー

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さて、話をもとに戻そう。
今年はなかなかのメンバーで、今年のオークス馬ソウルスターリング(父フランケル)、昨年のダービー馬マカヒキ、ドバイターフ勝ちのリアルスティール、上がり馬グレーターロンドン(いずれもディープインパクト産駒)、復活を期す一昨年のダービー馬ワンアンドオンリー(父ハーツクライ)など、久々に毎日王冠らしい胸躍るメンバー構成である。

だからこそ馬券的にも難しく、考えていることや話したいことはたくさんあるのだが、凱旋門賞観戦記を書いて疲れてしまったので、簡単に予想だけ。

◎ ダイワキャグニー(ダービーは距離、府中3勝はいずれも内容完璧)
〇 リアルスティール(距離コース、フレッシュな状態でのディープ産は買い)
▲ マカヒキ(上に同じ。57kgは有利)
△ ソウルスターリング(次を見据えた藤沢厩舎が3歳牝馬のテンションを考えると・・・)
△ グレーターロンドン(決め手ある)
△ アストラエンブレム(タツゴウゲキとの比較で脈アリか?)
△ サトノアラジン(力認めるが過信はできないタイプ。流れが向かない危険性も)
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