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2015年08月03日

昔のバスのにおい

今の若い世代の人にはわからないだろう。
昔のバスはそれはそれは酷いにおいがした。
バスに乗るとそのにおいで気持ちが悪くなったものだ。

そのにおいの正体はタバコだったことがあとになってわかった。
今は当然バスの中は禁煙だが、昔はバスには吸殻入れが背もたれに設置してあって
自由にタバコが吸えた。
そのタバコがバスを酷いにおいにしていたのだ。

というのは、タバコを吸わなかった時期に、車を運転していて、
車検に出したときの代車があの昔のバスのにおいがしたのだ。
車屋さんに「このにおいはなんですか」と尋ねると
「ああ、これはタバコのにおいだ。前の持ち主が喫煙者だったんだ」
という答えが返ってきた。

当時はノンスモーカーだった。

その後、喫煙をするようになってしまい、
何度も何度も禁煙を試みては挫折を繰り返していたが
あのにおいはほとんど自覚しなかった。

2ヶ月くらい成功したかに見えたときに奥の部屋の衣類に
あの昔のバスのにおいが染み付いているのを感じたことがあって
ぞっとした覚えがある。

今は、喫煙者が近くにいると、常にあの頃のバスのにおいを感じる。
50代くらいのオッサンからそんなにおいがしてもまぁまぁ許せる。
20代、30代くらいの女子からあのにおいがすると、
見た目にきれいな人でもげんなりする。

自分もかつてはそんなにおいを振りまいていたのだ。
今となっては恥ずかしいと思う。
当時はたいして気にも留めなかったのに。

羞恥心が芽生えるということは良い傾向だ。
恥ずかしいことを恥ずかしいと思えないのは恥辱だ。

ノンスモーカーに対して不快なにおいを嗅がせていたなんて
自分だけの問題じゃない。

タバコは大人の嗜好品だなどと主張するスモーカーがみな、気づいて欲しいと思う。
嗜好品などではない。
公害だ。

自分は今でも口淋しいと感じることがある。
口淋しくてもタバコを吸いたいとは全く思わない。あんな臭いもの。

ガムも飴もイマイチ欲しくなく、仁丹を舐めている。
「仁丹舐めてるくらいじゃまだまだだな」と言われたが、
ガムや飴を口に入れている人とどこも変わらないじゃないか。

5月24日から吸っていないから、まだ3ヶ月も経っていないが
永遠に吸わないだろうという確固たる自信がある。

タバコを吸わなくなってから、一度もタバコを恋しいとは思ったことがない。
嫌悪感しかないのだから。

忌まわしい麻薬中毒から解放されたことは何にも変えがたい幸運であったと思う。










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