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2019年01月12日

遺伝情報を担うDNA

 "蛙の子は蛙の子"ということわざがあるように,子が親に似るということは生き物によく見られることである.別のことわざに"鳶が鷹を生む"というものがあるが,一般的に子が親と全く異なって生まれてくるというのは,生き物においては考えにくいことである.これは生き物が世代交代するたびに遺伝情報などを受け継いでいるに他ならない.ヒトなどの生き物はこれを DNA(デオキシリボ核酸)と呼ばれる遺伝情報として先代から受け継いで持っている.ヒトは 多細胞生物といって,たくさんの細胞から 個体が出来上がっているが,これら一つ一つの細胞が同じDNAを持って生まれてくると考えられている.

 遺伝情報であるDNAは世代間をつなぐものであるばかりか,個体の生命活動を維持する働きをも担っている.例えば,食べ物を消化してエネルギーへ変えるといった体の働きも,あらかじめDNAに仕組みが書き込まれていると考えられている.遺伝情報を世代間で受け渡す細胞を 生殖細胞といい,個体の生命活動を維持する細胞を 体細胞という.それぞれ別の働きを担う生殖細胞と体細胞だが,どちらも共通のDNAを持っているのは大変興味深いと思われる.

 ヒトを含め全ての生き物はやがて死を迎えるが,個体死は生命の特徴であると考えられる.遺伝情報を担うDNAや生殖細胞だけは次世代に受け継がれるかと思われるが,実際とのところ遺伝情報自体は受け継がれるが,DNAなどの物質は新しく作り変えられるのである.もし何か同じ物質をリレーしていく仕組みであった場合に,物質が失われたり壊れてしまったりしたら,その生き物の としての寿命も終わってしまう.しかし,世代交代の際にDNAを新しく合成する仕組みを採用しており,消失や劣化のリスクを回避している.こういった物質の消失や老朽化は避けられないことを前提としたシステムである点がとても面白いと考えられる.

Xserver Business




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posted by Alice at 05:28| Comment(0) | TrackBack(0) | DNA
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